商売解剖図鑑

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ビリヤニ専門店

実店舗・客席12席/経営者1名とアルバイト

机上版飲食・店舗労働型店舗型BtoC許認可あり

調査日 2026-08-04 / 原典を確認した日 2026-08-07

現地には行っていません。公開されている情報と、そこから組んだ試算だけで書いています。実額の裏取りが済んだら検証版として更新します。

初期投資

1,233万円

幅 800〜2,000万円

月の営業利益(標準)

518,000円

弱気 ▲107,500円 / 強気 1,116,700円

経営者の時給(標準)

1,570円

月 330時間

投資の回収(標準)

20か月

個人事業としての点数

54 / 100

自分の資金と時間で始めて、自分が回す商売として

事業としての点数

40 / 100

人と仕組みで、本人から離れて大きくなるか

この商売を他とくらべる分析の方法

この商売はどういうものか

インドやパキスタンの炊き込みご飯、ビリヤニを専門に出す飲食店です。香り米と肉を大鍋で一度に炊き、その日の分を売り切ります。客は店で食べるか持ち帰ります。朝に仕込んだ量が、その日に出せる全部です。

この試算で見ている形

  • 規模:客席12席。客席部分10坪・厨房を含めて15坪。大鍋で1日2回炊き、1回40食で1日の上限は80食。
  • 体制:経営者1名とアルバイト1名。
  • 地域・立地:政令指定都市クラスの駅から徒歩5分。
  • 営業の形:月25日営業。ビリヤニ2種類とサイド、ドリンク。
  • 売り先:店内飲食と持ち帰り。
  • 売上の作り方:1日の提供食数と客単価と営業日数を掛け合わせた額が月商になります。
  • この試算に含めていないもの:借入の元本返済、経営者の報酬、法人税等。

想定した人と、その一年

政令指定都市の駅から歩いて5分のところに、12席の店を借りた人を置きました。従業員はアルバイトが1人だけです。一日は朝に始まります。米を水に浸し、玉ねぎを揚げ、スパイスを合わせ、肉を下ごしらえする。炊き上がるまでに厨房を離れられないので、開ける前の時間がそのまま作業時間になります。昼と夜を通しで開け、閉めたあとに発注と清掃と帳面。休みは月に5日です。一年でならして変わるのは、季節ではなく客のつき方のほうになります。開けた最初の数か月は、炊いた分が残ります。残った分を翌日に出す手はありません。朝に決めた「今日は何食炊くか」が、その日に売れる上限であり、その日に捨てる量でもある。取り返しがつかなくなるのは、その判断が当たらないまま資金が尽きたときです。内装と厨房設備は店に据え付けたもので、畳んでもほとんど手元に戻りません。以上は試算のために置いた姿であって、実在の誰かの一年ではありません。

結論

先に、この試算が何の上に乗っているかを置いておきます。

ひとつは、1日に炊ける量です。大鍋で1回40食、昼用と夜用の1日2回で、出せるのは1日80食まで。月25日なら2,000食が上限になります。この数字に出典はありません。まとめて炊く料理であることは専門店が自分で公開している記述から読み取れますが、1回に何食炊いているかを公表している店は見つかりませんでした。

もうひとつは、単価と食数です。1日52食・客単価1,400円・月25日で組みました。52食は上限80食の65.0%にあたります。ここにも出典はありません。

この形なら、月に51万円ほどが残る計算になります。ただしそれは、経営者の給料が入ったままの数字です。

作業時間は月330時間。週に直すと76時間で、時給にすると1,570円になります。令和7年度の地域別最低賃金の全国加重平均は1,121円でした。営業利益がゼロになるのは1日30.1食なので、分岐点そのものは低い。難しいのは、投じた分を戻す水準を毎日続けることのほうです。そしてこの商売の上限を決めているのは席ではなく鍋なので、席を増やしても1日80食は動きません。

1日の提供食数炊ける上限80食に対する割合月商この試算での結果
26.2食32.8%917,000円現金の出入りがゼロ(減価償却を除く)
30.1食37.6%1,052,000円営業利益ゼロ
48.0食60.0%1,679,000円初期投資1,233万円を24か月で回収
52食65.0%1,820,000円月518,000円の黒字(標準ケース)。経営者時給1,570円
55.0食68.8%1,927,000円所要資金1,633万円を24か月で回収
72食90.0%2,995,200円月1,116,700円の黒字(強気ケース)

標準ケースの52食から、投じた分を24か月で戻す55.0食までは、1日3食の差しかありません。逆に、そこから22食落ちると営業利益がゼロになります。

で、この商売はどういうものか

営業利益がゼロになるのは1日30食、投じた分を24か月で戻す線は1日55食。 1日に炊ける上限80食の68.8%です。この帯を毎日続けられる場所を、店を借りる前に選べるかどうか。そこに、仕込みを含む月330時間を自分で出せることが重なります。どちらも開けたあとには動かせないので、揃わないなら、この試算では手を出さないほうがいいという見立てになります。

標準ケースの経営者時給は1,570円。始めるのに要るのは16,330,000円。投じた額が戻るのは20か月の見込みです。

これは「政令指定都市クラスの駅から徒歩5分に、客席12席・厨房を含めて15坪の店を借り、経営者1名とアルバイト1名で、大鍋で1回40食を1日2回炊き、月25日営業する。店内飲食と持ち帰りを受ける」という形についての見立てです。間借り営業、キッチンカー、冷凍ビリヤニの通信販売、デリバリー専業、デリバリー代行への出品は、初期投資も必要な許可も費用の作りも変わります。この試算は、そこを見ていません。

結論の要約
結論の要約

ここが面白い

感度分析で一番効かなかったのは、1日に炊ける上限だった

感度分析で10の変数を動かしたなかに、営業利益がまったく動かなかったものがひとつあります。1日に炊ける上限です。大鍋で1回40食、昼用と夜用の1日2回で、上限は80食。これを10%上げて88食にしても、標準ケースの営業利益518,000円は1円も変わらない計算になりました。客単価を10%上げれば182,000円、1日の提供食数を10%増やせば122,000円が動くのに、鍋を大きくすると0円です。

理由は、その日に炊く量を決めているのが上限ではなく需要のほうだからです。標準ケースは1日52食で、これは上限80食の65.0%。売れ残りを見込んで56.5食炊き、52食売って4.5食を捨てる置き方をしています。上限が88食に上がっても、炊く量は56.5食のまま動きません。上限が効くのは、需要が上限に届いた日だけ。標準ケースには、その日が1日もない計算になります。

では、いつ効き始めるのか。営業利益がゼロになるのは1日30.1食で上限の37.6%、初期投資と運転資金を24か月で戻す線は1日55.0食で68.8%です。この商売の勝負は30食から55食の帯にあり、80という数字は最初から遠いところに置かれています。そして毎日売り切れるようになったとき、先に来るのは鍋ではなく席のほうです。12席で1日80食は6.7回転にあたり、来店が昼と夜に寄れば席が先に詰まります。設備を足す順番は、この構造から決まってしまう。鍋はいちばん最後です。

一番うまい状態を追いかけると、予約制になる店がある

神田の専門店は「最も美味しい状態を追求した結果、大量調理の炊き立てという結論に達しました」として、完全予約制の一斉スタートをとっています。ビリヤニは1種類のみで、曜日ごとに1種類だけ。マトン3,000円、チキン3,300円。作り置きの制約を、そのまま売り方の側へ回した形です。

主原料が輸入品で、仕入れ値に納付金が乗っている

商業用に米穀を輸入するには、食糧法・関税法等の規定に基づく納付金と関税がかかります。精米の輸入納付金は292円/kg。店が直接輸入しない限り店が納めるものではありませんが、バスマティ米の仕入れ値にはこの負担が乗っています。

数字で見る

初期費用

項目金額
物件の取得(保証金10か月・礼金1か月・仲介1か月)3,000,000円(推定)
内装工事4,500,000円(推定)
厨房設備(大型レンジ・オーブン・冷蔵冷凍・食洗機)2,500,000円(推定)
客席の什器(12席分)600,000円(推定)
食器と調理器具(大鍋・寸胴・ハンディ)400,000円(推定)
レジ・券売機・受発注の端末300,000円(推定)
看板とサイン350,000円(推定)
ウェブサイト制作・撮影・メニュー制作300,000円(推定)
開業時の告知(チラシ・地図登録・開店の広報)200,000円(推定)
営業許可の申請と食品衛生責任者の講習30,000円(推定)
初期の食材在庫150,000円(推定)
合計12,330,000円
運転資金(別枠)4,000,000円(推定)
所要資金16,330,000円

公式の金額として確認できたものは1件もありません。営業許可の申請手数料も食品衛生責任者の講習の受講料も、自治体と実施団体ごとに違います。物件の取得と内装工事と厨房設備の3つで10,000,000円、初期投資の81.1%を占めます。

参考として、日本政策金融公庫総合研究所の新規開業実態調査では、開業費用の平均値が975万円、中央値が600万円でした(2025年度調査、回収2,165社)。ただしこれは全業種の数字で、飲食店に絞った値ではありません。

運転資金は、開業から客がつくまでを6か月と置いた期間の赤字を賄うものです。立ち上げ期を1日15食と置くと営業利益は月248,250円のマイナス、減価償却を戻した現金の出入りは月157,250円のマイナス。経営者の生活費を月250,000円と置いて足すと月407,250円のマイナスで、400万円は約9.8か月分にあたります。

初期費用の内訳
初期費用の内訳

客がどこから来るか

この商売は立地が集客の一部です。店の前を通る人と、地図アプリで探す人が入口になります。ただし立地だけではありません。ビリヤニは料理名を知っている人が探しに来る料理でもあり、その層は距離を移動します。

経路届く相手費用の性格弱点
店前の通行量(看板・のぼり)商圏で昼食と夕食を外で取る人家賃に含まれる。看板は開業時の一度きり移転できない。料理名が読めない人には効かない
地図アプリのローカル検索料理名を知っていて近くの店を探す人ゼロ。登録と写真と返信の工数検索する人の数が天井になる
グルメサイトの掲載店を比較して決める層月額の掲載料(有償)止めると流入も止まる
交流サイトの投稿と広告スパイス料理を追いかける層運用は工数、広告は出稿費(有償)続けられるかに依存する
デリバリー代行店に来られない層。半径2〜3キロ売上に対する手数料(有償)手数料が粗利を削る。炊いた分の取り合いになる
百貨店の催事・食のイベント商圏の外にいる人出店料と人件費、移動費(有償)店を閉めて出るか、人を増やすかになる
口コミと再来店一度来た人と、その知人ゼロ立ち上げ期には存在しない
料理系の書き手・動画の作り手その書き手の読者ゼロ。来るかどうかを自分で決められない一過性

有償で買えるのは、掲載料、広告、デリバリーの手数料、催事の出店料の4本です。標準ケースでは掲載料20,000円と広告15,000円の合計35,000円を毎月計上し、そこから月80人が来ると置きました。1人あたり437円になります。デリバリー代行は基本ケースでは使わない前提です。

看板とサイン350,000円、ウェブサイトと撮影300,000円、開業時の告知200,000円は初期投資に入れています。毎月の販促費とは別枠で、二重には数えていません。交流サイトの投稿と口コミへの返信は、経営者作業時間に含め、金額としては計上していません。

規模の目安として、令和6年度末で飲食店営業の許可を受けた施設は全国に946,451、東京都だけで121,773ありました。

客の入れ替わり

継続課金でも会員制でもありません。1回ごとに完結する取引です。ただし飲食店なので再来店が効きます。

標準ケースの月1,300食(1日52食×25日)は、新規400食と再来店900食に分けて置きました。新規400のうち、有償の経路が80、立地と地図アプリと口コミによる無償の経路が320です。

置いた値
新規客のうち再来店客になる割合20%
常連の来店回数年6回
常連が続く期間2年
新規1人あたりの平均来店回数3.4回
1回あたりの粗利943円
1人あたりの粗利3,208円
有償の経路の獲得単価437円
粗利 ÷ 獲得単価7.3倍

広告で買っても回収は届く計算になります。ただし再来店率も来店間隔も継続年数も推定で、出典はありません。そして再来店900食は、開店の時点ではゼロです。

売上の作り

月商 = 1日の提供食数 × 客単価 × 営業日数。標準ケースは 52食 × 1,400円 × 25日 = 1,820,000円です。

違うのはその下の行です。1日の提供食数は、炊いた食数に(1 − ロス率)を掛けた数で決まり、炊いた食数は1回に炊ける食数と1日の仕込み回数で決まります。生米6kgを1回で炊き、1食150gで1回40食。1日2回炊くので上限は80食。ここに席数は出てきません。だから席を増やしても、その日の上限は動きません。

作り置きなので提供は速く、席の回転は上がります。同じ理由で、売り切れたらその日はもう売るものがない。1日52食を12席で受けると4.3回転、上限の80食なら6.7回転にあたりますが、この試算は席の制約を式に入れていません。

料金の参考にした公開値は、神田の専門店のマトンビリヤニ3,000円とチキンビリヤニ3,300円です。ただしこの店は完全予約制で、曜日ごとに1種類だけを出す方式であり、この試算の店とは提供のしかたが違います。幅の目安としてだけ使いました。

3ケース〔試算〕

弱気標準強気
1日の提供食数22食52食72食
炊ける上限80食に対する割合27.5%65.0%90.0%
客単価(税抜)1,250円1,400円1,600円
営業日数25日25日26日
ロス率15%8%4%
売上高687,500円1,820,000円2,995,200円
変動費246,000円593,000円916,500円
固定費(減価償却込)469,000円629,000円837,000円
販促費50,000円35,000円60,000円
外注費15,000円20,000円25,000円
事故・クレームへの備え15,000円25,000円40,000円
月の営業利益▲107,500円518,000円1,116,700円
営業利益率28.5%37.3%
経営者の作業時間月300時間月330時間月320時間
経営者の時給成立せず(赤字)1,570円3,490円
手残り(利益+減価償却)▲16,500円609,000円1,207,700円
回収にかかる月数届かない20か月10か月

固定費の内訳(標準ケース):家賃250,000円/アルバイトの人件費150,000円(月120時間×1,250円)/水道光熱費90,000円/減価償却91,000円/消耗品と清掃25,000円/通信とレジと会計ソフト15,000円/保険8,000円。すべて推定です。

変動費の内訳(標準ケース):1食あたり420円(バスマティ米120円・肉120円・スパイスと副材料80円・サイドとドリンク60円・持ち帰り容器40円)×炊いた56.5食×25日。売れ残った分の原価も、ここに入っています。

弱気ケースだけアルバイトを雇わない前提です。1日22食なら経営者1人で回せると置いたためで、固定費が標準より160,000円軽くなっています。

借入の元本返済、経営者の報酬、法人税等はこの試算に入っていません。売上も費用も税抜で組んでいます。

3ケースの試算
3ケースの試算

どこまで行けば黒字か〔試算〕

基準1日あたりの提供食数月商炊ける上限に対する割合
営業利益ゼロ(減価償却込)30.1食1,052,000円37.6%
現金ベース(減価償却を除く)26.2食917,000円32.8%
初期投資12,330,000円を24か月で回収48.0食1,679,000円60.0%
所要資金16,330,000円を24か月で回収55.0食1,927,000円68.8%

出し方はこうです。1食あたりの貢献利益は943円(客単価1,400円 − 1食あたりの変動費456円)。固定費と販促費と外注費と備えの合計709,000円を943円で割ると、月751.5食、1日30.1食になります。

分岐点そのものは低い数字になりました。上限の37.6%です。一方で、初期投資と運転資金を24か月で戻す水準は68.8%。標準ケースの52食は65.0%、強気ケースの72食は90.0%にあたります。比べられる公的な数字として、日本政策金融公庫の経営指標調査ではカレー料理店の損益分岐点比率が平均102.6%でした。ただしこれは公庫が融資した法人企業のうち従業者数50人未満・決算期間1年、調査対象数33社の値で、ビリヤニ専門店の平均ではありません。

なお、この計算では固定費にアルバイトの人件費150,000円を含めたままにしています。販売数が減ればここも減らせますが、固定として置きました。

どこまで行けば黒字か
どこまで行けば黒字か

何が一番効くか〔試算〕

変数動かす幅標準ケースの営業利益への影響
客単価+10%(1,400円→1,540円)+182,000円
1日の提供食数+10%(52食→57.2食)+122,000円
1食あたりの原価+10%(420円→462円)▲59,000円
営業日数+1日(25日→26日)+49,000円
ロス率+4ポイント(8%→12%)▲27,000円
家賃+10%(250,000円→275,000円)▲25,000円
アルバイトの人件費+10%(150,000円→165,000円)▲15,000円
水道光熱費+10%(90,000円→99,000円)▲9,000円
販促費+10%(35,000円→38,500円)▲3,500円
1日に炊ける上限+10%(80食→88食)±0円

最も効くのは客単価です。掛け算の因子なので当然ですが、いちばん動かしにくいところでもあります。飲食店業界の価格転嫁率は32.3%で、全業種平均の39.4%を下回っていました。

ロス率の行だけは10%の増減ではなく4ポイントの移動、営業日数の行は1日の増加です。ほかの行と幅が揃っていないので、影響額をそのまま横並びには比べられません。

何が一番効くか
何が一番効くか

外の景色

項目
2025年の飲食店経営事業者の倒産900件(前年894件から6件増。過去最多)
うち負債5,000万円未満696件・77.3%
カレー店を含む「中華・東洋料理店」179件(前年158件から13.3%増。過去最多)
飲食店業界の価格転嫁率32.3%(全業種平均39.4%)
カレー料理店の売上高営業利益率平均マイナス1.4%(中央値1.1%)
カレー料理店の人件費対売上高比率平均39.7%(この試算は8.2%)

倒産の集計は負債1,000万円以上・法的整理によるものです。カレー料理店の指標は公庫が融資した法人企業33社の値で、法人なので役員報酬が人件費に入っています。この試算は個人の店で、経営者の給料を利益に残しました。差の31.5ポイントが、そのまま経営者の労働にあたります。

採点 54点/100

評価軸満点
利益性1120
初期投資615
回収速度1115
再現性715
営業難易度610
運営難易度310
将来性・AI耐性710
法規・事故リスク35
総合54100

点数は「儲かる順位」ではなく、自分の資金・地域・スキルで比べるための目安です。

毎月の費用の内訳

毎月の費用の内訳
毎月の費用の内訳

投資の回収

投資の回収
投資の回収

こういう人なら向いている/やめたほうがいい

先に、土俵に立つための条件です。人柄の話ではありません。

最低限の要件根拠
所要資金16,330,000円を置ける初期投資12,330,000円と運転資金4,000,000円。初期投資のうち内装工事4,500,000円と厨房設備2,500,000円は撤退時にほとんど戻らず、物件の取得を足した10,000,000円が81.1%を占めます。運転資金は、立ち上げ期の月407,250円のマイナスに対して約9.8か月分です
上限80食のうち55食を毎日売れる場所を取れる初期投資と運転資金を24か月で戻す線が1日55.0食で、炊ける上限80食の68.8%。営業利益がゼロになるのは1日30.1食で37.6%。標準ケースの52食は65.0%です。この帯は物件を決めた時点でほぼ決まり、あとから動かせません
飲食店営業の許可を受けられ、食品衛生責任者を置ける施設が基準に合うと認めるときは許可をしなければならないと定められており、落とされる種類の許可ではありません。ただし許可を受けずに営業した者は二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金で、情状により併科できます。申請手数料と講習の受講料は自治体と実施団体ごとに違い、この試算では合わせて30,000円と置きました
月330時間を出せる標準ケースの経営者作業時間は月330時間で、週に直すと76時間。経営者時給1,570円は、営業利益518,000円をこの330時間で割った値です

4つとも、金と場所と許可と時間で決まります。1つでも欠けるなら見送りです。満たしていても、商売がうまくいくことは意味しません。

向いている(5つのうち4つ以上。ただし「その日の分を売り切る形に耐えられる」は必須)

資質なぜ要るか
その日の分を売り切る形に耐えられる標準ケースは1日56.5食炊いて52食売り、差の4.5食を捨てる置き方です。当てにいっても、ロス率を8%から4%に下げて増える利益は月24,000円。外して12%になると27,000円消えます。振れ幅はほぼ同じで、上に行っても大きくは報われません。それでも朝に一度、今日は何食炊くかを決めなければならない。毎日その判断を1回ずつ、当たらないまま続けることになります
一つの料理に絞り続けられる1回の仕込みが40食で、1食だけ炊く手が使えません。品数を増やすと1回に炊く単位が割れ、売れ残る側の食数が増えます。1食あたりの原価が10%上がるだけで月59,000円が消える計算です。神田の専門店は「最も美味しい状態を追求した結果、大量調理の炊き立てという結論に達しました」として、ビリヤニは1種類のみ、曜日ごとに1種類だけを出しています
仕込みの時間を、営業の前に毎日置ける標準ケースの作業時間は月330時間、週76時間。うち仕込みは1日4時間と置きました。米を浸し、玉ねぎを揚げ、スパイスを合わせ、肉を下ごしらえする工程は、開ける前に終わっていないと、その日は売るものがありません。経営者時給1,570円はこの330時間で割った値で、地域別最低賃金の全国加重平均1,121円を上回るだけの水準にとどまります
名前を知らない人に説明し続けられる標準ケースの新規400食のうち、有償の経路で取るのは80食だけ。残り320食は立地と地図アプリと口コミに依存しています。ところが地図アプリのローカル検索は「ビリヤニ」という語を知っている人にしか届かず、店前の看板は名前が読めない人には効きません。金で買える経路の外側にいる人へ届けるところが、そのまま集客の仕事になります
客がつくまでの数か月を待てる標準ケースの月1,300食のうち900食が再来店で、その900食は開店時点でゼロから積みます。口コミと再来店は立ち上げ期には存在しません。運転資金4,000,000円は、立ち上げ期を1日15食と置いた月407,250円のマイナスに対して約9.8か月分。数字が動かない月を、味を変えずに越えられるかどうかが効きます

やめたほうがいい(1つでも当てはまるなら見送り)

資質なぜ要るか
席を増やせば売上が伸びると思っている1日に炊ける上限を80食から88食にしても、標準ケースの営業利益は0円しか動きません。感度分析で10の変数のうち、影響がゼロだったのはこれだけでした。席を増やせば客席部分が広がり、家賃の側が動きます。家賃が10%上がると月25,000円が消えます
注文を受けてから作る店をやりたい1回の仕込みが40食で、1食だけ炊く手がありません。作り置きなので提供は速く、席の回転は上がります。同じ理由で、売り切れたらその日はもう売るものがない。1日52食を12席で受けると4.3回転、上限の80食なら6.7回転にあたります
経営者の給料を営業利益とは別に取りたい標準ケースの営業利益518,000円は、経営者の給料を引く前の数字です。月330時間で割ると時給1,570円。日本政策金融公庫の経営指標調査でカレー料理店の人件費対売上高比率が平均39.7%なのに対し、この試算は8.2%しかありません
撤退のときに資産が残る前提で始める初期投資12,330,000円のうち、内装工事4,500,000円と厨房設備2,500,000円で56.8%を占めます。どちらも店に据え付けたもので、畳んでもほとんど手元に戻りません。物件の取得を足すと81.1%になります
冷凍にして通信販売で売る前提で店を作る別の許可が要ります。そうざい製造業に係る食品を製造し、その冷凍品を製造する営業は冷凍食品製造業にあたり、飲食店営業とは別に施設の基準がかかります。令和6年度末の許可施設数は、飲食店営業946,451に対して冷凍食品製造業3,071。比にすると0.32%です

どこに活路があるか

どれも試していません。前半は感度分析と損益分岐から逆算しただけの案、後半はこの試算の外側にある選択肢で、実額の裏づけはありません。

この試算の中で動かす

1. 客単価を上げる。10%で月+182,000円の計算

標準ケースは 1,400円 × 52食 × 25日 = 1,820,000円。客単価だけを10%上げると売上が182,000円増え、炊く量は変わらないので変動費は動きません。差し引き182,000円がそのまま営業利益に乗り、518,000円が700,000円になる計算です。標準ケースの営業利益の35%がこの1本で動きます。上げ方は、ビリヤニ単品の売り切りから、サイドとドリンクを組んだセットへの組み替え。ただし飲食店業界の価格転嫁率は32.3%で、全業種平均の39.4%を下回っています。

2. 1日の提供食数を上げる。10%で月+122,000円の計算

52食を57.2食にすると売上が182,000円増え、炊く量が増える分だけ変動費が59,826円増えます。差し引き122,000円で、営業利益は640,000円になる計算です。上限80食に対しては65.0%から71.5%になり、天井にはまだ当たりません。初期投資と運転資金を24か月で戻す線が1日55.0食(68.8%)なので、この10%でその線を越えます。

3. 営業日数を1日増やす。月+49,000円の計算

25日を26日にすると売上が72,800円増え、変動費が24,199円増えます。差し引き48,601円で、営業利益は567,000円。作業時間は330時間から343.5時間に増えますが、増えた1日あたりの利益49,000円を1日あたりの13.5時間で割ると3,630円になり、平均の1,570円より高い。経営者時給は1,570円から1,650円に上がる計算です。

4. ロス率を下げる。8%を4%にすると月+24,000円の計算

標準ケースは52食売るのに56.5食炊いています。ロス率を4%にすると54.2食で足り、変動費が24,215円減ります。効き方は小さい。しかも外して12%になると27,000円減るので、上下の振れ幅がほぼ同じです。難しいのは捨てる量そのものではなく、今日は何食炊くかを当てることのほうになります。

この試算の外に出る

昼と夜で売るものを変える

この試算は昼夜を通しで開けているのに、昼と夜を1つの客単価1,400円でならしています。分けていません。ところが感度分析で最も効くのは客単価で、10%動くと月182,000円、標準ケースの営業利益518,000円の35%にあたります。

逆算はこうなります。昼を回転の速い単品で受け、夜を単価の高い形にして、1日52食の平均が1,540円に届けば、それだけで月182,000円が乗る計算です。参考になる公開値として、神田の専門店は完全予約制・1種類のみでマトン3,000円、チキン3,300円を取っています。この試算の1,400円の2倍を超える水準です。炊く回数は1日2回なので、昼用と夜用で中身を変えること自体は仕込みの構造に反しません。成立させるには、昼と夜の食数の配分と、それぞれの単価を先に持つこと。この試算は1日の提供食数も客単価もそれぞれ1つの数字で置いており、時間帯を分けていません。

予約で、今日炊く量を先に決めてしまう

この商売でいちばん当たらないのは「今日は何食炊くか」です。標準ケースは56.5食炊いて52食売り、4.5食を捨てます。予約が入っている分については、この予測が要らなくなります。

ただし逆算すると、効くのは捨てる量の側ではありません。ロス率を8%から4%へ下げて増えるのは月24,000円。予約で単価が動くなら、客単価10%の182,000円のほうが桁が大きい。神田の専門店が完全予約制・一斉スタートを選んだ理由は味の側から説明されていて、売れ残りを減らすためだとは書かれていません。成立させるには、予約で埋まる食数と、予約客が払う単価を先に持つこと。予約制にしたときに通りがかりの客をどれだけ失うかも、この試算は見ていません。

店の外へ出る道の線を、厨房を作る前に確かめる

店の売上には1日80食という天井があり、その天井を上げても標準ケースの利益は0円しか動きません。天井の外へ出る道は、冷凍・卸・催事のように店の外に売り先を作ることしかない。

ただし線があります。飲食店営業は食品衛生法施行令第三十五条第一号ですが、そうざい製造業は同条第二十五号、冷凍食品製造業は同条第二十七号にあり、別の許可になります。それぞれに施設の基準がかかる。令和6年度末の許可施設数は、飲食店営業946,451に対して冷凍食品製造業3,071で、比は0.32%です。実際にどの業種の許可にあたるかは製造の工程と自治体の判断によります。ここは要確認です。あとから許可を足すなら厨房の工事に戻ることになり、この試算では厨房設備を2,500,000円、内装工事を4,500,000円と置いています。成立させるには、店を作る段階で、どこまで広げる可能性があるかを決めて所轄に当たっておくこと。実在の店には、催事出店と冷凍の卸販売・ライセンスを併走させている例が公開されています。

店を持つ費用の持ち方を変える

初期投資12,330,000円のうち、物件の取得3,000,000円・内装工事4,500,000円・厨房設備2,500,000円の10,000,000円が81.1%を占めます。固定費629,000円のうち、店を持つことから出ているのは家賃250,000円と減価償却91,000円の341,000円で、標準ケースの営業利益518,000円の65.8%にあたります。

逆算はこうなります。間借りやシェアキッチンのように厨房を借りる形にするなら、その使用料が月341,000円を下回り、なおかつ1日52食を売れる場所であれば、同じ利益が残る計算です。失う額のほうは、内装と厨房設備の7,000,000円が消える分だけ小さくなります。成立させるには、大鍋で1回40食を炊ける火力と鍋の置き場が借りられること。この試算の売上式のいちばん上にある数字が、そこで決まります。使用料も、借りた厨房で1回に炊ける量も、営業許可を借り主の名義で取れるかどうかの自治体の運用も、確認していません。

米とスパイスを、単独で買わない

1食あたりの変動費420円のうち、バスマティ米が120円。1kgあたり800円として置いた値です。ところが小口の通信販売では、ビリヤニ向けのバスマティ米5kg入りが1kgあたり税抜885円でした。置いた値のほうが、すでに小口の店頭価格より安い。

逆算はこうなります。1食あたりの原価を10%下げれば月59,000円が乗りますが、それは1食あたり42円で、米代120円の35%にあたります。米だけでは届きません。しかも商業用に米穀を輸入する側には納付金292円/kgが乗っており、値下がりの余地はその上にしかない。成立させるには、業務用の大袋を単独で買える量まで持っていくか、同じ米を使う店と数量をまとめて、卸の側の単位に合わせることになります。業務用の実勢価格も、まとめて買うときの最低数量も確認していません。

数字は動くが、取らない手

鍋を大きくして、1日に炊ける上限を上げる。 上限を80食から88食に上げても、標準ケースの営業利益は0円しか動きません。標準の52食は上限の65.0%で、天井に当たっていないからです。上限を上げるのは、毎日売り切れるようになってからの話です。

席を12席から増やす。 1日に出せる上限は鍋の側で決まっているので、席を増やしても80食は動きません。動くのは家賃のほうで、10%上がると月25,000円が消えます。標準ケースの52食は12席で4.3回転にあたり、席そのものはまだ余っています。

デリバリー代行に出品する。 炊ける上限80食は変わらないので、店内の客と炊いた分を取り合うことになります。そのうえ売上に対する手数料が1食あたりの粗利943円から引かれます。この試算は基本ケースで使わない前提にしており、手数料率を1円も見ていません。

借りた金で初期投資を膨らませる。 内装工事4,500,000円と厨房設備2,500,000円で初期投資12,330,000円の56.8%を占め、物件の取得を足すと81.1%になります。いずれも撤退時にほとんど戻りません。この試算に借入の元本返済は入っていません。

この商売をどう見るか

これは飲食店というより、1日1回の生産計画を立てる仕事です。

上限は席ではなく鍋で決まります。この試算では1回40食を2回、1日80食。営業利益がゼロになるのは1日30.1食で上限の37.6%、初期投資と運転資金を24か月で戻す線は1日55.0食で68.8%。数字の間にある25食分の余白が、この商売の全部にあたります。

立てるべき問いも変わります。「何席にするか」ではなく「今日は何食炊くか」。炊きすぎれば捨て、足りなければ売り切れて、その日はもう売るものがない。ところが当てにいっても、報われ方は小さいのです。ロス率を8%から4%へ半分にして増える利益は月24,000円で、客単価を10%上げたときの182,000円の、7分の1にも届きません。毎日の判断は、増やすためではなく、減らさないために続けることになります。

利益の見え方にも注意が要ります。標準ケースの営業利益518,000円には経営者の給料が入ったままで、月330時間で割ると時給1,570円。日本政策金融公庫の経営指標調査でカレー料理店の売上高営業利益率が平均マイナス1.4%なのは、法人が役員報酬を人件費として払っているためで、数え方が違うだけです。人件費対売上高比率は、統計で39.7%、この試算で8.2%。差の31.5ポイントが経営者の労働にあたります。ただしこの統計は公庫が融資した法人企業のうち従業者数50人未満・決算期間1年、調査対象数33社の値で、ビリヤニ専門店の平均ではありません。

外の景色も置いておきます。2025年の飲食店経営事業者の倒産は900件で過去最多、負債5,000万円未満の小規模な倒産が696件で77.3%を占めました。カレー店を含む「中華・東洋料理店」は179件で、前年158件から13.3%増えてこれも過去最多です。値上げも通りにくい。飲食店業界の価格転嫁率は32.3%で、全業種平均の39.4%を下回ります。いちばん効く変数が、いちばん動かしにくい業界にあるわけです。

この商売の天井は、席ではなく1日に炊ける食数の側にあります。すべてが上振れした強気ケースでも1日72食で上限80食の90%、残るのは月1,116,700円。そしてその上限を10%上げても、標準ケースの利益は0円しか動きません。

限界も書いておきます。1日に炊ける上限、客単価、1日の提供食数。この3つに出典が1件もありません。法令と統計は確かめられました。鍋の中身は、まだ確かめられていません。

採点の8軸
採点の8軸

始めるなら、何から

やると決めた人が、最初に何を、どの順番でやるのか。始めることを勧めているわけではありません。特定の業者やスクール、代行サービスは挙げません。この試算は自治体名を固定していないので、手数料と日数はどれも確かめられていません。確かめられなかったものは、確認先だけを添えて空けたまま残します。

1. 手続き

飲食店営業の許可

食品衛生法第五十四条に規定する営業を営もうとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(同法第五十五条第一項)。保健所を設置する市又は特別区にあっては「市長」又は「区長」が許可を出します(同法第七十六条本文)。地方自治法上、指定都市と中核市は保健所を設置するので、この試算が置いた立地なら窓口は市の保健所になる想定です。

施設の基準は都道府県(保健所を設置する市等を含む)の条例で定められます(同法第五十四条)。都道府県知事は、その営業の施設がこの基準に合うと認めるときは許可をしなければならない(同法第五十五条第二項本文)。落とされる種類の許可ではありません。ただし、この法律またはこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者などには、許可を与えないことができます(同項各号)。許可には五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができます(同条第三項)。

申請先の課、申請手数料、標準処理期間、必要書類、事前相談の要否は、自治体で異なります。所轄の保健所で確認してください。この試算では、営業許可の申請と食品衛生責任者の講習を合わせて30,000円と置きました。推定です。

食品衛生責任者

施設ごとに食品衛生責任者を定めます(食品衛生法施行規則 別表第十七 第一号イ)。調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士・船舶料理士などの資格がなければ、都道府県知事等が行う講習会もしくは都道府県知事等が認める講習会を受けます(同号ロ)。受講後も、講習会を定期的に受講して新たな知見の習得に努めることとされています(同号ハ(1))。受講料と開催回数は実施団体ごとに違います。

衛生管理

食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組について、飲食店営業を行う者は「その取り扱う食品の特性に応じた取組」でよい営業者に挙げられています(食品衛生法第五十一条第一項第二号、同法施行令第三十四条の二第二号、同法施行規則第六十六条の三第一号)。政令だけでは決まらず、省令の第一号で飲食店営業が名指しされて確定します。なお、取組そのものが不要になるわけではありません。厚生労働省が公表している「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」には【小規模な一般飲食店:詳細版】と【概要版】があります(作成 公益社団法人日本食品衛生協会、2017年10月4日公表・2024年1月15日改訂)。

防火管理者

飲食店で選任が必要になるのは、収容人員が三十人以上のものです(消防法施行令第一条の二第三項第一号ロ、別表第一(三)項ロ)。収容人員は、従業者の数と、客席の部分について、固定式のいす席を設ける部分はいす席の数、その他の部分は床面積を三平方メートルで除して得た数を合算して算定します(消防法施行規則第一条の三第一項)。

12席・従業者2名なら、客席をすべて固定式のいす席とみたときが14人。客席部分10坪(約33平方メートル)をすべて床面積で数えても、従業者を足して13人です。どちらでも三十人には届きませんが、席数と席の作り方を変えるときに数え直すことになります。建物が複数の用途の入る防火対象物にあたる場合は算定の単位が変わります(同条第二項)。

冷凍で売る・通信販売に広げるなら

飲食店営業とは別の許可が要ります。そうざい製造業は食品衛生法施行令第三十五条第二十五号、冷凍食品製造業は同条第二十七号で、それぞれ施設の基準がかかります。どの工程がどの業種にあたるかは自治体の判断によります。広げる可能性があるなら、厨房の設計に入る前に所轄の保健所へ当たってください。

税務署

個人事業の開業・廃業等届出書を、納税地を所轄する税務署長に提出します。青色申告にするなら、所得税の青色申告承認申請書も出します。

2. 場所・道具の確保

物件は、客席部分10坪・厨房を含めて15坪。政令指定都市クラスの駅から徒歩5分。この試算では家賃を月250,000円(共益費込み)、物件の取得(保証金10か月・礼金1か月・仲介1か月)を3,000,000円と置きました。内装工事4,500,000円、厨房設備2,500,000円、客席の什器600,000円、食器と調理器具400,000円、レジ・券売機300,000円も推定です。合わせて初期投資の81.1%を占めます。

道具で先に決まるのは鍋です。この試算は生米6kgを1回で炊き、1食150gとして1回40食、1日2回で上限80食と置きました。売上式のいちばん上にある数字がここで固まるので、物件を見るときは坪数より先に、その鍋を掛けられる火力と置き場があるかを見ることになります。冷凍や通信販売に広げる可能性があるなら、厨房の区画をどう切るかもこの段階の話です。

3. 仕入れ・供給の確保

最初に押さえるのは米です。バスマティ米は輸入品で、この試算は1食150gで120円、1kgあたり800円として置きました。

比べられる公開値として、インド食材の輸入卸が運営する通信販売では、ビリヤニ向けのバスマティ米5kg入りが税抜4,425円(1kgあたり885円)、別銘柄の5kg入りが税込3,888円でした。取り扱いは300g・1kg・5kgで、20kg以上の大袋の掲載はありません。置いた800円は、この小口価格より低い水準にあります。業務用の大袋の価格は確認していません。

商業用に米穀を輸入する場合には食糧法・関税法等の規定に基づく納付金と関税が課され、精米の輸入納付金は292円/kgです。店が直接輸入しない限り店が納めるものではありませんが、仕入れ値にはこの負担が乗っています。肉とスパイスの実勢価格は確認していません。1食あたりの原価420円はすべて推定です。

4. 売る場所・受注の窓口の準備

売り場は店そのもので、集客は立地と地図アプリと口コミになります。有償で買える経路は、グルメサイトの掲載料、交流サイトの広告、デリバリー代行の手数料、催事の出店料の4本。この試算で毎月の費用に置いたのは前の2本で、掲載料20,000円と広告15,000円の合計35,000円です。そこから月80人が来ると置き、1人あたり437円としました。いずれも推定で、掲載料も出稿単価も確認していません。

開ける前にやることは、地図アプリへの登録と写真、店名と料理名の表記をそろえること。「ビリヤニ」という語で探す人にしか届かない経路なので、店前の看板と、名前を知らない人への説明が別に要ります。デリバリー代行は基本ケースでは使わない前提で組んでおり、手数料を1円も見ていません。

5. 最初の1件までの順番

  1. 物件の候補を出し、大鍋を掛けられる火力と置き場が作れるかを見る。1回に何食炊けるかで売上の上限が決まる
  2. どこまで広げるかを決める。冷凍や通信販売に出すなら、飲食店営業とは別の許可が要る
  3. 所轄の保健所に相談する。施設の基準は自治体の条例で定められている。工事の前に当たる
  4. 食品衛生責任者の資格を取る。資格がなければ、都道府県知事等が行う講習会か認める講習会を受ける
  5. 内装と厨房の工事に入る
  6. 営業許可を申請する。申請先・手数料・必要書類・標準処理期間は所轄の保健所で確認する
  7. 施設の検査を受ける。基準に合わなければ、改善してから再検査になる
  8. 許可を受ける
  9. ここで初めて食材を仕入れて営業する
  10. 開業届を税務署へ出す。青色申告にするなら承認申請書も出す

順番を間違えると違法になります。 許可を受けずに営業した者は、二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金で、情状により拘禁刑と罰金を併科できます。冷凍にして売る工程を、飲食店営業の許可だけで始めた場合も同じ条文にかかりえます。

順番を間違えると金が消えます。 3の相談より先に5の工事へ入ると、施設の基準に合わなかったときに工事の側を直すことになります。この試算は内装工事を4,500,000円、厨房設備を2,500,000円と置いています。2を飛ばして厨房を作ると、あとから冷凍や通信販売へ広げるときに、もう一度工事へ戻ることになります。

日数と費用の合計。 費用のうち、公式の金額として確かめられたものは1件もありません。営業許可の申請手数料も食品衛生責任者の講習の受講料も自治体と実施団体ごとに違い、この試算では合わせて30,000円と置いた推定です。初期投資の合計は12,330,000円、運転資金は別に4,000,000円、所要資金は16,330,000円。標準処理期間も、事前相談から許可までにかかる日数も確認していません。いずれも所轄の保健所で確かめてください。

この試算が外れるとしたら

  • 1日に炊ける上限80食。 売上式のいちばん上にある数字で、出典が1件もありません。鍋の大きさも、1食あたりの生米量150gも、1日の仕込み回数2回も確認していません。まとめて炊く料理であることは複数の店の公開記述から読み取れましたが、1回の具体的な食数を公表している店は見つかりませんでした。ここが動くと、上限に対する割合(標準65.0%、回収線68.8%、強気90.0%)がすべて動きます。ただし標準ケースの利益そのものは上限に依存していないので、外れて効くのは「あとどれだけ伸ばせるか」の側です。
  • 客単価と1日の提供食数。 売上のほぼ全部がこの2つの掛け算で、どちらにも出典がありません。客単価は感度分析で最大の変数で、10%動くと月182,000円、標準ケースの営業利益518,000円の35%にあたります。どちらの方向にも外れえます。参考にできた公開値は、完全予約制で1種類のみを出す店のマトン3,000円・チキン3,300円までで、提供方式が違うため幅の目安としてしか使っていません。
  • 作業時間の内訳と合計が合っていません。 仕込み4時間・営業8時間・発注と清掃と事務1.5時間で1日13.5時間、25日なら337.5時間になりますが、置いたのは月330時間です。7.5時間のずれが残っています。経営者時給1,570円は330時間で割った値で、337.5時間で割ると1,535円。時給はこのずれの分だけ高い側に出ています。
  • 初期投資に公式の金額が1件もありません。 12,330,000円のうち、営業許可の申請手数料と食品衛生責任者の講習の受講料30,000円も推定です。自治体名を固定していないので、申請先も手数料も標準処理期間も確かめていません。標準ケースの回収20か月は、この12,330,000円の精度をそのまま引き継いでいます。
  • 比べている統計の母集団。 カレー料理店の売上高総利益率70.0%(中央値69.7%)、売上高営業利益率マイナス1.4%(中央値1.1%)、人件費対売上高比率39.7%(中央値40.9%)、損益分岐点比率102.6%は、日本政策金融公庫が融資した法人企業のうち従業者数50人未満・決算期間1年、融資時期2025年4〜12月・決算期2024年7月以降、調査対象数33社の値です。ビリヤニ専門店の平均ではなく、借入のある法人に偏ります。しかも法人なので役員報酬が人件費に入っており、経営者の給料を利益に残したこの試算とは数え方が違います。なおこのPDFは日本語のラベルを機械では取り出せず、2026年8月7日の再確認では数値の並びが同じ1ページに揃っていることまでしか確かめられませんでした。行と列のラベルの読みは8月4日の目視によります。
  • 席の制約を式に入れていません。 12席で1日80食は6.7回転、標準の52食でも4.3回転にあたります。それでも売上式は鍋の上限だけで天井を置いており、席の側の制約を入れていません。来店が昼と夜に寄る日は、鍋に届く前に席が詰まります。その日をモデルに含めていないので、標準ケースの52食は上振れしている可能性があります。
  • 再来店の置き方。 新規客の20%が再来店客になり、年6回、2年続けるという置き方に出典がありません。1人あたりの粗利3,208円が獲得単価437円の7.3倍という比較は、この置き方に全面的に依存しています。再来店率が半分なら比も半分近くになり、「広告で買っても回収は届く」という見立てが変わります。
  • 米の関税の欄。 精米(1006.30)の行の基本の欄に402円/kg、統計細分「その他のもの」(1006.30.090)の行の暫定の欄に49円/kg、世界貿易機関協定の欄に341円/kg が置かれていることは、2026年8月7日に列の見出しまで当てて確認しました。ただし402円/kgと341円/kgは括弧つきで記載されており、民間の輸入で実際に適用されるのがどれかは確認していません。輸入納付金292円/kgと49円/kgを足すと341円/kgになりますが、その合算が正しい読み方かも確認していません。
  • 米の小口価格は動きます。 2026年8月4日に確認したバスマティ米5kg入りの掲載価格のうち、1銘柄が8月7日の再確認では別の額になっていました。3日で動く価格です。この試算の1食あたり米120円(1kgあたり800円)は小口価格より低い水準に置いており、業務用の大袋の価格は確認していません。原価が10%上がると月59,000円が消えます。
  • この試算に入れていないもの。 借入の元本返済、経営者の報酬、税。売上も費用も税抜で組んでいます。デリバリー代行の手数料も入れていません。標準ケースの営業利益518,000円には経営者の給料が入ったままで、月330時間で割った時給は1,570円になります。入れれば手残りは下振れします。
  • 出典の埋まり方。 A級14件・B級4件で、埋まったのは法令と官公庁の統計と、実在する店と食材業者が自分で公開している料金と方式です。店の中の数字――家賃、内装、厨房設備、客単価、1日の提供食数、作業時間――には1件もありません。飲食店の開業費用の「相場」を示す記事は非常に多いのですが、原典をたどれるものがほとんど見つからず、等級D扱いとして数値根拠に一切使っていません。その結果、この試算は「制度の側だけが硬く、店の側が全部やわらかい」という偏り方をしています。

前提と出典

選ばなかった形

昼だけ他店の厨房を借りる間借り営業、キッチンカー、冷凍ビリヤニの通信販売、店を持たないデリバリー専業、デリバリー代行への出品、多店舗にする形。いずれも初期投資も必要な許可も費用の構造も変わります。実店舗を基本ケースに固定したのは、検索して調べる人がいちばん多い形だと考えたからです。

提供はチキンとマトンのビリヤニ2種類に、サイド(ライタ・アチャール・カレー)とドリンクまで。冷凍の販売、通信販売、デリバリー代行は行いません。

推定した箇所

項目置いた値前提と弱点
1日に炊ける上限80食(1回40食×2回)生米6kgを1回で炊き1食150gとして置いた。売上式のいちばん上にある数字
客単価弱気1,250円/標準1,400円/強気1,600円(税抜)完全予約制の店の3,000円台を幅の目安にした。感度分析で最大の変数
1日の提供食数22食/52食/72食上限80食に対して27.5%/65.0%/90.0%として置いた
1食あたりの原価380円/420円/470円米120円・肉120円・副材料80円・サイド60円・容器40円。統計の原価率30.0%より2.6ポイント高い
ロス率15%/8%/4%標準ケースは56.5食炊いて52食売り、4.5食を捨てる計算
家賃250,000円(15坪・共益費込み)物件情報を確認していない。地域差が大きい
初期投資12,330,000円(幅800万〜2,000万円)公式の金額として確認できたものは1件もない
運転資金4,000,000円(幅200万〜700万円)客がつくまでを6か月と置いた。ここが最大の不確実性
減価償却91,000円/月内装120か月・厨房96か月・什器等60か月として置いた
アルバイトの人件費月120時間×1,250円最低賃金の全国加重平均1,121円を上回る水準として置いた
経営者作業時間月300/330/320時間仕込み4時間+営業8時間+事務1.5時間×25日。内訳を掛けると337.5時間で、置いた330時間と7.5時間ずれる
水道光熱費80,000円/90,000円/105,000円大鍋を長時間かける前提。出典なし
販促費と獲得単価50,000円/35,000円/60,000円、1人437円掲載料も出稿単価も未確認。経路別の来店数を切り分ける方法も持っていない
再来店の置き方新規の20%が年6回×2年出典なし。粗利が獲得単価の7.3倍という比較はこの置き方に依存している
事故・クレームへの備え15,000円/25,000円/40,000円出典なし。作り置きの料理であり上振れしやすい
席数と回転12席で1日80食=6.7回転来店が均等に散らない日をモデルに含めていない

まだ分からないこと

1回に炊ける食数と1日の仕込み回数/一般的な客単価/1日の提供食数と同業の数/業務用のバスマティ米の価格/肉とスパイスの仕入れ価格/捨てている量/物件の賃料と保証金/内装と厨房設備の見積額/営業許可の申請手数料・標準処理期間・必要書類・事前相談の要否/食品衛生責任者の講習の受講料と開催回数/人が集まる時給と定着率/仕込みにかかる時間/掲載料と出稿単価と経路別の来店数/再来店率と来店間隔/昼と夜の食数の内訳とそれぞれの客単価/間借り・シェアキッチンの使用料/デリバリー代行の手数料率/持ち帰りの自治体運用/冷凍と通信販売に必要な許可の業種/容器包装の表示の要件/複合用途の建物での防火管理者の判定。

検証版で埋めるのは、1回に炊ける食数と1日の仕込み回数、客単価と1日の提供食数、バスマティ米と肉の仕入れ価格、捨てている量、物件の賃料と初期投資の実額、仕込みにかかる時間です。

この分析でできたことと、できなかったこと

できたのは制度の側です。許可の条件と罰則、許可を出す側の裁量、衛生管理の枠組み、防火管理者の判定式、冷凍や通信販売に広げるときにかかる別の許可、営業施設数、地域別最低賃金、米の輸入にかかる納付金と関税。ここはすべて法令と官公庁の統計で確かめました。

できなかったのは店の中です。家賃も内装費も厨房設備費も客単価も提供食数も作業時間も、出典がひとつもありません。飲食店の開業費用の「相場」を示す記事は非常に多くありますが、原典をたどれるものがほとんど見つかりませんでした。等級Dとして、数値根拠に一切使っていません。

出典

等級出典
Ae-Gov法令検索「食品衛生法」
Ae-Gov法令検索「食品衛生法施行令」
Ae-Gov法令検索「食品衛生法施行規則」第六十六条の三・別表第十七
Ae-Gov法令検索「消防法施行令」
Ae-Gov法令検索「消防法施行規則」
A厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」
A日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査(飲食店,宿泊業/業種別)
A日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査 利用の手引き」
A日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」
A厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」第4表-1
A厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金全国一覧」
A農林水産省「米麦等を輸入される方へ」
A農林水産省「(参考)輸入納付金の対象となる関税番号一覧」
A税関「実行関税率表(2026年8月1日版)第10類 穀物」
B株式会社帝国データバンク「『飲食店』の倒産動向(2025年)」
Bビリヤニ大澤 公式サイト
Bジョニーのビリヤニ 公式サイト
Bアンビカ オンラインショップ 米カテゴリの掲載価格

A級14件、B級4件。C級・D級は0件です。すべて実URLを開いて原典を確認しました(初回 2026-08-04、再確認 2026-08-07)。法令はe-Gov法令検索の全文取得機能で条文を読み、統計は公表元のPDFとダウンロードファイルを開いています。

利害関係のあるものが6件あります。公庫の調査3件は、対象が公庫の融資先企業に限られるため、借入のある企業に偏ります。店と食材業者の3件は、自分の店や商品を紹介する立場の記述です。後者からは、その店が自分について述べた事実(料金・提供方式・使っている道具)だけを引用し、経営の中身は推し量っていません。

更新履歴

日付内容
2026-08-04初版作成。A級出典14件・B級4件の原典を確認。売上式の上限を席数ではなく1回の仕込み量で置き、集客経路8つ、3ケース、損益分岐4基準、感度分析、採点54点を算出した
2026-08-07書き方を全面的に改めた(3ケース・損益分岐・感度分析・採点54点・出典18件は変更なし)。あわせて原典を取り直し、5点を訂正・追記した。収容人員の算定で、客席の床面積を三平方メートルで除して得た数を足す規定を落としていた点(どの数え方でも三十人には届かず結論は変わらない)。衛生管理の取組について、飲食店営業を名指ししているのが施行令ではなく施行規則第六十六条の三第一号である点。実行関税率表の欄の対応を確認し、断定と未確認が同居していた記述を直した点。そうざい製造業と冷凍食品製造業の定義から除外規定の括弧書きが落ちていた点。経営者作業時間の内訳と合計が7.5時間ずれている点

数字の誤りや、実際と違う点にお気づきの方は、訂正をお寄せください。確認のうえ、履歴を残して更新します。

出典の構成
出典の構成

許認可・規約

飲食店営業の許可

都道府県は、公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業を除く)であつて政令で定めるものの施設につき、厚生労働省令で定める基準を参酌して、条例で、公衆衛生の見地から必要な基準を定めなければならない(食品衛生法 第五十四条)。前条に規定する営業を営もうとする者は都道府県知事の許可を受けなければならない(第五十五条第一項)。飲食店営業は、その政令で定める営業の第一号に挙げられている(食品衛生法施行令 第三十五条第一号)。都道府県知事は、その営業の施設が前条の規定による基準に合うと認めるときは、許可をしなければならない(第五十五条第二項本文)。ただし、この法律又はこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者、第五十九条から第六十一条までの規定により許可を取り消され二年を経過しない者、その者が業務を行う役員にいる法人には、許可を与えないことができる(同項各号)。都道府県知事は、許可に五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができる(同条第三項)。第五十五条第一項に違反した者は、二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金(第八十二条第一項)。情状により拘禁刑と罰金を併科できる(同条第二項)。

許可の権者と窓口

第五十五条ほかにおける「都道府県知事」は、保健所を設置する市又は特別区にあつては「市長」又は「区長」とする(第七十六条本文)。ただし、政令で定める営業に関する政令で定める処分については、この限りでない(同条ただし書)。地方自治法上、指定都市と中核市は保健所を設置する。この試算は政令指定都市クラスの立地を置いているので、窓口は市の保健所になる想定だが、自治体名を固定していないため、申請先・手数料・標準処理期間はいずれも確認していない。要一次情報。

食品衛生責任者

食品衛生法施行規則 別表第十七 第一号イにより、法第五十一条第一項に規定する営業を行う者は食品衛生責任者を定めることとされている(第六十六条の二第四項各号に規定する営業者を除く)。同号ロで、食品衛生監視員または食品衛生管理者の資格要件を満たす者、調理師・製菓衛生師・栄養士・管理栄養士・船舶料理士など、または都道府県知事等が行う講習会もしくは都道府県知事等が認める講習会を受けた者、と定められている。同号ハ(1)で、講習会を定期的に受講し新たな知見の習得に努めることとされている(法第五十四条の営業に限る)。

衛生管理の方式

食品衛生法 第五十一条第一項第二号は、食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組を求めているが、括弧書きで「小規模な営業者その他の政令で定める営業者にあつては、その取り扱う食品の特性に応じた取組」とされている。この政令で定める営業者には、飲食店営業(食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業)を行う者その他の食品を調理する営業者であつて厚生労働省令で定めるものが挙げられ(食品衛生法施行令 第三十四条の二 第二号)、その厚生労働省令が、令第三十五条第一号に規定する飲食店営業を行う者を第一号で名指ししている(食品衛生法施行規則 第六十六条の三 第一号)。政令だけでは決まらず、省令まで見て初めて確定する。なお「特性に応じた取組」でよいという意味であって、取組そのものが不要になるわけではない。厚生労働省が公表している「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」には

小規模な一般飲食店:詳細版

概要版

がある(作成 公益社団法人日本食品衛生協会、2017年10月4日公表・2024年1月15日改訂)。

防火管理者

消防法施行令 第一条の二 第三項第一号ロは、別表第一の(一)項から(四)項までなどに掲げる防火対象物で収容人員が三十人以上のものを、防火管理者を要する防火対象物としている。飲食店は別表第一(三)項ロ。収容人員の算定方法は、(二)項及び(三)項の「その他のもの」について、「従業者の数」と、「客席の部分ごとに次のイ及びロによつて算定した数の合計数」を合算する。イは固定式のいす席を設ける部分についていす席の数に対応する数(長いす式は正面幅を0.5メートルで除して得た数、一未満は切り捨て)、ロはその他の部分について当該部分の床面積を3平方メートルで除して得た数である(消防法施行規則 第一条の三 第一項)。この試算の12席と従業者2名を当てはめると、客席部分をすべて固定式のいす席を設ける部分とみたときが 14人。逆に客席部分10坪(約33平方メートル)をすべてロで数えると、3平方メートルで割って約11、従業者2名を足して13人。実際は両方が混じるので、いす席12とその周りの床面積の合算になる。どの数え方でも三十人には届かない計算になるが、席の作り方で数が変わる点は残る。なお建物が令別表第一(十六)項・(十六の二)項に掲げる複合用途の防火対象物にあたる場合は、同一の用途に供されている部分をそれぞれ一の防火対象物とみなして算定する(同規則 第一条の三 第二項)。この試算は単独用途の想定で置いている。要一次情報。

持ち帰り

同じ施設で調理した食品を持ち帰りで売る場合の扱いは、自治体の運用に依存する。条文の範囲では確認できなかった。要一次情報。

冷凍で売る・通信販売に広げる場合

通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む)・焼物(いため物を含む)・揚物・蒸し物・酢の物若しくはあえ物、またはこれらの食品と米飯その他の通常主食と認められる食品を組み合わせた食品を製造する営業は、そうざい製造業(食品衛生法施行令 第三十五条第二十五号。ただし第十五号・第十六号・第二十二号または第二十六号から第二十八号までに該当するものを除く)。第二十五号に規定する営業に係る食品を製造し、その製造された食品の冷凍品を製造する営業は冷凍食品製造業(同条第二十七号。ただし第二十八号に該当するものを除く)。いずれも第五十五条第一項の許可の対象であり、飲食店営業とは別に施設の基準がかかる。令和6年度末の全国の許可施設数は、飲食店営業946,451に対し、そうざい製造業41,872、冷凍食品製造業3,071、複合型そうざい製造業684、複合型冷凍食品製造業278(衛生行政報告例)。実際にどの業種の許可にあたるかは製造の工程と自治体の判断による。要一次情報。

容器包装に入れて売る場合の表示

食品表示法と食品表示基準の条文は確認していない。要一次情報。

主原料の輸入

商業用の米穀を輸入する場合には、食糧法・関税法等の規定に基づき、納付金および関税を納めることが義務付けられている(農林水産省)。輸入納付金は精米(関税率表番号 1006.30.090)で292円/kg。もみ・玄米・砕米も292円/kg、小麦は45.2円/kgである。税関の実行関税率表(2026年8月1日版)を欄の位置まで当たると、精米(1006.30)の行に基本税率 402円/kg、統計細分「その他のもの」(1006.30.090)の行に暫定税率49円/kg と世界貿易機関協定税率 341円/kg が置かれている。402円/kg と341円/kg は括弧つきで記載されている。民間の輸入で実際に適用されるのがどれかは確認していない。要一次情報。店が直接輸入しない限り店が納めるものではないが、バスマティ米の仕入れ値にはこの負担が乗っている。

推定で置いた数字の一覧

推定で置いた数字前提
1日に炊ける上限 80食(1回40食×2回)
  • 置いた前提:大鍋1つで生米6kgを炊き、1食あたり生米150gとして1回40食。昼用と夜用で1日2回炊くと置いた推定。この置き方の背景として、実在の専門店が公開している記述を参照した。神田の店は「最も美味しい状態を追求した結果、大量調理の炊き立てという結論に達しました」として完全予約制をとっており、別の店は「一気に数十人分を仕上げる本場スタイルのビリヤニは数量限定、売り切れ次第終了」と掲げている。まとめて炊く料理であることは公開されている記述から読み取れるが、 1回の具体的な食数を公表している店は見つからなかった。
  • 弱いところ:鍋の大きさも1食あたりの生米量も1日の仕込み回数も確認していない。この試算の売上式のいちばん上にある数字であり、ここが違えばすべて動く。要一次情報
  • 効き方:この上限を+10%(80食→88食)にしても、標準ケースの営業利益は動かない(標準の52食は上限の65%で天井に当たっていないため)
客単価(弱気1,250円/標準1,400円/強気1,600円、いずれも税抜)
  • 置いた前提:ビリヤニ1皿にサイドかドリンクが付いたときの1人あたりの支払額として置いた推定。参考にした公開値は、神田の専門店の完全予約制・1種類のみでマトン3000円・チキン3300円という料金。ただしこの店は席数も提供方式も一般的な専門店とは異なり、そのまま当てはめられない。標準1,400円は、通常の店内飲食の価格帯として置いた。
  • 弱いところ:一般的なビリヤニ専門店の客単価を示す公開データは見つからなかった。感度分析で最も影響が大きく、10%で営業利益が182,000円動く。要一次情報
  • 効き方:+10%(1,400円→1,540円)で営業利益+182,000円
1日の提供食数(弱気22食/標準52食/強気72食)
  • 置いた前提:1日に炊ける上限80食に対して、弱気27.5%・標準65.0%・強気90.0%として置いた推定
  • 弱いところ:商圏の需要も同業の数も確認していない。上限に対する割合という置き方そのものが仮説である。要一次情報
  • 効き方:+10%(52食→57.2食)で営業利益+122,000円
1食あたりの原価(弱気380円/標準420円/強気470円)
  • 置いた前提:バスマティ米150gで120円、肉で120円、スパイス・玉ねぎ・ヨーグルト・油・ギーで80円、サイドとドリンクで60円、持ち帰り容器で40円として置いた推定。米120円は1kgあたり800円にあたる。比べられる公開値として、インド食材の輸入卸が運営する通信販売のバスマティ米5kg入りが税抜4,425円(1kgあたり885円)、別銘柄が税込3,888円。置いた800円はこれより低い。ただしこれは小口の通信販売の価格である。日本政策金融公庫の経営指標調査ではカレー料理店の売上高総利益率が平均70.0%で、原価率に直すと30.0%にあたる。この試算の原価率32.6%はそれより2.6ポイント高い。
  • 弱いところ:業務用の大袋で仕入れた場合の米の価格、肉とスパイスの実勢価格をいずれも確認していない。要一次情報
  • 効き方:+10%(420円→462円)で営業利益−59,000円
ロス率(弱気15%/標準8%/強気4%)
  • 置いた前提:炊いた分のうち、その日に売れず捨てる割合として置いた推定。標準ケースは1日56.5食炊いて52食売り、4.5食を捨てる計算
  • 弱いところ:実際にどれだけ捨てているかを示す公開データは見つからなかった。要一次情報
  • 効き方:+4ポイント(8%→12%)で営業利益−27,000円
家賃 250,000円(15坪・共益費込み)
  • 置いた前提:政令指定都市クラスの駅から徒歩5分、客席部分10坪・厨房を含めて15坪の物件の賃料として置いた推定
  • 弱いところ:物件情報を確認していない。地域差が非常に大きい。参考として、日本政策金融公庫の経営指標調査ではカレー料理店の1企業当たり店舗面積が108.7平方メートル(中央値103.3平方メートル)だが、これは事務所・倉庫・車庫・厨房等を除いた面積であり、また1企業が複数の店を持つ場合を含む。この試算の客席10坪(約33平方メートル)はそれよりかなり小さい。要一次情報
  • 効き方:+10%(250,000円→275,000円)で営業利益−25,000円
初期投資 12,330,000円(幅 8,000,000〜20,000,000円)
  • 置いた前提:物件取得3,000,000円(保証金10か月・礼金1か月・仲介1か月)、内装工事4,500,000円、厨房設備2,500,000円、客席什器600,000円、食器と調理器具400,000円、レジ・券売機300,000円、看板とサイン350,000円、ウェブサイトと撮影300,000円、開業時の告知200,000円、許可申請と講習30,000円、初期の食材在庫150,000円として置いた推定。参考として、日本政策金融公庫総合研究所の新規開業実態調査では開業費用の平均975万円・中央値600万円だが、これは全業種の値であり飲食店の値ではない。
  • 弱いところ:公式の金額として確認できたものは1件もない。営業許可の申請手数料も講習の受講料も自治体と実施団体ごとに違い、確認していない。要一次情報
運転資金 4,000,000円(幅 2,000,000〜7,000,000円)
  • 置いた前提:開業から客がつくまでを6か月と置き、その間の赤字を賄う資金として置いた推定。立ち上げ期を1日15食と置くと営業利益は月▲248,250円、減価償却を戻すと月▲157,250円。経営者の生活費を月250,000円と置いて足すと月▲407,250円で、4,000,000円は約9.8か月分にあたる。
  • 弱いところ:立ち上げ期間6か月も生活費250,000円も推定。客がつくまでの期間はこの商売の最大の不確実性
減価償却 91,000円/月
  • 置いた前提:内装4,500,000円を120か月、厨房設備2,500,000円を96か月、什器・食器・調理器具・レジ・看板の合計1,650,000円を60か月として置いた推定
  • 弱いところ:実際の資産区分と法定耐用年数は税務の確認が要る。物件が居抜きかスケルトンかで内装の金額も変わる
アルバイトの人件費(標準 月120時間×1,250円/強気 月260時間×1,300円/弱気 雇わない)
  • 置いた前提:昼と夜のピークに1名入る前提で置いた推定。時給は、令和7年度の地域別最低賃金の全国加重平均1,121円(東京1,226円、大阪1,177円、愛知1,140円、福岡1,057円)を上回る水準として1,250円と置いた。
  • 弱いところ:求人票での相場確認をしていない。飲食店で人が集まる時給水準そのものが未確認。要一次情報
  • 効き方:+10%(150,000円→165,000円)で営業利益−15,000円
経営者作業時間(弱気300時間/標準330時間/強気320時間)
  • 置いた前提:標準ケースは、仕込み(米の浸水・玉ねぎを揚げる・マサラ・肉の下ごしらえ)に1日4時間、営業に8時間、発注と清掃と事務に1.5時間、合わせて1日13.5時間を25日として置いた推定。月330時間は週76時間にあたる。強気ケースはアルバイトが増えて現場の負担が減る一方、営業日が1日増えるため320時間と置いた。
  • 弱いところ:実測ではない。仕込みにかかる時間そのものが確認できていない。加えて、内訳の1日13.5時間に25日を掛けると337.5時間になり、置いた330時間と7.5時間ずれている。経営者時給1,570円は330時間で割った値で、337.5時間で割ると1,535円になる。要一次情報
水道光熱費(弱気80,000円/標準90,000円/強気105,000円)
  • 置いた前提:大鍋を長時間かけるため、同規模の飲食店より重いものとして置いた推定。売上に一部連動するが固定費に置いた
  • 弱いところ:出典の裏づけはない
  • 効き方:+10%(90,000円→99,000円)で営業利益−9,000円
販促費と顧客獲得単価(販促費 弱気50,000円/標準35,000円/強気60,000円、獲得単価437円)
  • 置いた前提:グルメサイトの掲載料と交流サイトの広告の合計として置いた推定。有償の経路で取れる新規来店を月80人と置き、35,000円÷80人=437円を1人あたりの獲得単価とした。「1人」は、掲載や広告を見て初めて来店した人と数えている。実際には計測していない。
  • 弱いところ:掲載料も広告の出稿単価も未確認。有償の経路からの来店数を実際に切り分ける方法もこの試算では持っていない。要一次情報
  • 効き方:+10%(35,000円→38,500円)で営業利益−3,500円
再来店の置き方(新規客の20%が再来店客になり、年6回、2年続ける)
  • 置いた前提:新規1人あたりの平均来店回数を 0.8×1 + 0.2×13 = 3.4回とし、1回あたりの粗利943円をかけて1人あたり3,208円と置いた推定
  • 弱いところ:再来店率も来店間隔も継続年数も出典がない。獲得単価437円の7.3倍という比較は、この置き方に全面的に依存している
想定事故・返品コスト(弱気15,000円/標準25,000円/強気40,000円)
  • 置いた前提:食中毒の予防にかかる検査と保険の自己負担、クレーム対応、設備の故障の見込みとして置いた推定
  • 弱いところ:出典の裏づけはない。作り置きの料理であり、上振れしやすい
外注費(弱気15,000円/標準20,000円/強気25,000円)
  • 置いた前提:記帳と申告を税理士に委託する費用として置いた推定
  • 弱いところ:出典の裏づけはない
席数12席と回転の関係
  • 置いた前提:客席部分10坪に12席を置き、1日80食を出すには6.7回転が要るとして置いた推定。標準ケースの52食なら4.3回転
  • 弱いところ:来店が昼と夜に集中する前提を置いていない。実際には均等に散らないため、席が先に詰まって鍋の上限に届かない日が出る。この試算はその日をモデルに含めていない

出典の一覧

等級出典利害関係原典を確認した日
Ae-Gov法令検索「食品衛生法」(昭和二十二年法律第二百三十三号)
  • 対象:全国/法令本文(e-Gov法令API経由で全文を取得)
  • 使ったところ:第五十一条第一項(公衆衛生上必要な措置の基準。第二号で重要な工程を管理するための取組、括弧書きで「小規模な営業者その他の政令で定める営業者にあつては、その取り扱う食品の特性に応じた取組」)/第五十四条(都道府県は政令で定める営業の施設につき、厚生労働省令で定める基準を参酌して条例で基準を定める)/第五十五条第一項(都道府県知事の許可)・第二項(基準に合うと認めるときは許可をしなければならない、ただし書各号)・第三項(五年を下らない有効期間その他の必要な条件)/第七十六条(保健所を設置する市又は特別区にあつては市長又は区長。ただし政令で定める営業に関する政令で定める処分を除く)/第八十二条第一項(第五十五条第一項違反は二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金)・第二項(併科)
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「食品衛生法施行令」(昭和二十八年政令第二百二十九号)
  • 対象:全国/政令本文(e-Gov法令API経由で全文を取得)
  • 使ったところ:第三十四条の二(法第五十一条第一項第二号の政令で定める営業者。第二号に「飲食店営業(食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業)…を行う者その他の食品を調理する営業者であつて厚生労働省令で定めるもの」)/第三十五条(許可を要する営業の一覧。第一号 飲食店営業、第二十五号 そうざい製造業、第二十六号 複合型そうざい製造業、第二十七号 冷凍食品製造業、第二十八号 複合型冷凍食品製造業。第二十五号には第十五号・第十六号・第二十二号・第二十六号から第二十八号までを除く旨、第二十七号には次号を除く旨の括弧書きがある)
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「食品衛生法施行規則」(昭和二十三年厚生省令第二十三号)第六十六条の三・別表第十七
  • 対象:全国/省令本文(e-Gov法令API経由で全文を取得)
  • 使ったところ:第六十六条の三(令第三十四条の二第二号の厚生労働省令で定める営業者。第一号に「令第三十五条第一号に規定する飲食店営業を行う者」)/別表第十七 第一号イ(法第五十一条第一項に規定する営業を行う者は食品衛生責任者を定めること。第六十六条の二第四項各号に規定する営業者を除く)・ロ(資格要件)・ハ(1)(都道府県知事等が行う講習会又は認める講習会を定期的に受講。法第五十四条の営業に限る)
  • 確認できていないところ:別表第十七の全文は確認しておらず、食品衛生責任者に関する条項と施設の衛生管理の冒頭のみを読んだ
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「消防法施行令」(昭和三十六年政令第三十七号)
  • 対象:全国/政令本文(e-Gov法令API経由で全文を取得)
  • 使ったところ:第一条の二 第三項第一号ロ(別表第一(一)項から(四)項までなどに掲げる防火対象物で収容人員が三十人以上のもの)/同条第四項(収容人員の算定方法は総務省令)/別表第一(三)項ロ 飲食店
なし2026-08-04
Ae-Gov法令検索「消防法施行規則」(昭和三十六年自治省令第六号)
  • 対象:全国/省令本文(e-Gov法令API経由で全文を取得)
  • 使ったところ:第一条の三 第一項(収容人員の算定方法。令別表第一(二)項及び(三)項の「その他のもの」は、一 従業者の数、二 客席の部分ごとにイ及びロによつて算定した数の合計数=イ 固定式のいす席を設ける部分はいす席の数に対応する数(長いす式は正面幅を〇・五メートルで除して得た数、一未満のはしたは切り捨て)、ロ その他の部分は当該部分の床面積を三平方メートルで除して得た数、を合算して算定する)/同条第二項(令別表第一(十六)項及び(十六の二)項の防火対象物は、同一の用途に供されている部分をそれぞれ一の防火対象物とみなして前項を適用した収容人員を合算する)
なし2026-08-07
A厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(表紙検索)」
  • 対象:全国/厚生労働省が公表する業種別手引書の一覧
  • 鮮度:【小規模な一般飲食店】は2017年10月4日公表・2024年1月15日改訂
  • 使ったところ:【小規模な一般飲食店:詳細版】および【概要版】が掲載されていること/作成団体が公益社団法人日本食品衛生協会であること
  • 確認できていないところ:手引書の本文(PDF)は開いていない。一覧ページの記載による
なし2026-08-07
A日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2025年度調査(飲食店,宿泊業/業種別)
  • 対象:日本公庫国民生活事業が融資した法人企業のうち従業者数50人未満・決算期間1年のもの/融資時期2025年4〜12月・決算期2024年7月以降/カレー料理店は調査対象数33(うち黒字かつ自己資本プラス21)
  • 鮮度:PDFの作成日時は2026年6月23日。掲載時期は2026年8月
  • 使ったところ:カレー料理店の売上高総利益率70.0%(中央値69.7%)/売上高営業利益率▲1.4%(中央値1.1%、黒字かつ自己資本プラス企業平均1.8%)/人件費対売上高比率39.7%(中央値40.9%)/諸経費対売上高比率29.3%/損益分岐点比率102.6%/従業者1人当たり売上高5,369千円/従業者1人当たり人件費2,059千円/店舗面積3.3平方メートル当たり売上高1,902千円(中央値1,176千円)/1企業当たり店舗面積108.7平方メートル(中央値103.3平方メートル)
  • 確認できていないところ:このPDFは日本語のラベルを機械では取り出せない。2026-08-07 の再確認では、上記の数値が同じ1ページに揃っていることまでを確かめた。行と列のラベルの読みは 2026-08-04 の目視による。従業者規模別の集計(同シリーズの別PDF)は開いていない
あり(調査対象が公庫の融資先企業に限られる。借入のある企業に偏る)2026-08-07
A日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査 利用の手引き」
  • 対象:全国/調査の目的・対象・算出式
  • 使ったところ:調査対象は公庫国民生活事業が融資した法人企業で従業者数50人未満・決算期間1年(1ページ)/2025年度調査の対象業種と時期(図-1)/店舗面積3.3平方メートル当たり売上高=売上高÷店舗面積(8ページ)/1企業当たり店舗面積は事務所・倉庫・車庫・厨房等の部分を除いた面積(8ページ)
あり(同上)2026-08-04
A日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」~アンケート結果の概要~
  • 対象:公庫国民生活事業が2024年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち融資時点で開業後1年以内の企業8,517社(不動産賃貸業を除く)/回収2,165社(回収率25.4%)/調査時点2025年8月/全業種
  • 鮮度:2025年12月5日
  • 使ったところ:開業費用の平均値975万円・中央値600万円/開業時の平均従業者数2.8人/現在の採算状況は黒字基調67.0%・赤字基調33.0%/開業時に苦労したことは資金繰り・資金調達56.9%、顧客・販路の開拓49.9%
  • 確認できていないところ:業種別(飲食店)の開業費用は掲載されておらず、この数値は全業種の値である。飲食店の値としては使えない
あり(調査対象が公庫の融資先に限られる)2026-08-04
A厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」第4表-1 改正食品衛生法に基づく許可を要する食品関係営業施設数,営業の種類・都道府県-指定都市-中核市(再掲)別(e-Statからダウンロード)
  • 対象:全国/令和6年度(2024年度)末現在/各都道府県・指定都市・中核市からの報告
  • 使ったところ:全国の許可施設数 総数1,227,521/飲食店営業946,451/そうざい製造業41,872/複合型そうざい製造業684/冷凍食品製造業3,071/複合型冷凍食品製造業278/菓子製造業101,806/東京都の飲食店営業121,773
  • 確認できていないところ:1つの施設が複数の許可を持つ場合の重複の扱いは確認していない。表は指定都市・中核市を再掲で持つため、都道府県の値との重複関係も確認していない
なし2026-08-07
A厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金全国一覧」
  • 対象:全国47都道府県/令和7年度改定分/発効日は令和7年10月1日から令和8年3月31日まで都道府県ごとに異なる
  • 使ったところ:全国加重平均1,121円(改定前1,055円、引上げ額66円、引上げ率6.3%)/東京1,226円/神奈川1,225円/大阪1,177円/愛知1,140円/福岡1,057円/最も低いのは高知・宮崎・沖縄の1,023円
なし2026-08-07
A農林水産省「米麦等を輸入される方へ」
  • 対象:全国/米麦等の輸入手続
  • 使ったところ:海外から日本へ米を輸入する場合には食糧法・関税法等の規定に基づき政府に所定の納付金及び関税を納めることが義務付けられていること/商業用として輸入する場合は米麦等の輸入納付金の手続によること/個人用は過去1年間の輸入数量100kg以下なら届出により納付金及び関税が免除されること
なし2026-08-04
A農林水産省「(参考)輸入納付金の対象となる関税番号一覧」
  • 対象:全国/輸入納付金の対象となる関税率表番号と納付金額(円/kg)
  • 使ったところ:1006.30.090 米(精米)の納付金は292円/kg/1006.10.090 もみ・1006.20.090 玄米・1006.40.090 砕米も292円/kg/小麦は45.2円/kg/一覧はあくまで参考であり関税額は実行関税率表で確認するよう注記されていること
  • 確認できていないところ:2026-08-07 に読み順と座標順の2通りで抽出して突き合わせ、1006の4行がいずれも292円/kgであることを確認した。1003(大麦等)の行は2通りの対応が一致しなかったため引用していない
なし2026-08-07
A税関「実行関税率表(2026年8月1日版)第10類 穀物」
  • 対象:全国/2026年8月1日現在
  • 使ったところ:精米(1006.30)の行の基本の欄に「(402円/kg)」が置かれていること/統計細分「その他のもの」(1006.30.090)の行の暫定の欄に49円/kg、世界貿易機関協定の欄に「*(341円/kg)」が置かれていること/もみ(1006.10.090)・玄米(1006.20.090)・砕米(1006.40.090)も同じ並びであること
  • 確認できていないところ:2026-08-07 に表のセルを列の見出し(基本/暫定/WTO協定/特恵/特別特恵/各EPA)と突き合わせて欄の位置を確認した。ただし402円/kgと341円/kgが括弧つきである意味と、民間の輸入で実際に適用されるのがどの欄かは確認していない。農林水産省の納付金292円/kgと49円/kgを足すと341円/kgになるが、その合算が正しい読み方かどうかも確認していない
なし2026-08-07
B株式会社帝国データバンク「『飲食店』の倒産動向(2025年)」
  • 対象:全国/集計期間2000年1月1日〜2025年12月31日/集計対象は負債1000万円以上・法的整理による倒産
  • 鮮度:2026年1月13日公表
  • 使ったところ:2025年の飲食店経営事業者の倒産は900件で前年894件から0.7%・6件増加し過去最多/負債総額は約442億2700万円/負債5000万円未満の小規模倒産が696件(77.3%)/業態別は「酒場・ビヤホール」204件が最多、町中華のほかラーメン店・焼肉店・カレー店などの業態が中心となる「中華・東洋料理店」179件(前年158件から13.3%・21件増)で過去最多、「日本料理店」97件/同社の価格転嫁に関する実態調査(2025年7月)で飲食店業界の価格転嫁率は32.3%、全業種平均は39.4%
  • 確認できていないところ:価格転嫁に関する実態調査の原典は開いていない。この記事内の記載による
なし(信用調査会社が自社の集計を公表したもの)2026-08-07
Bビリヤニ大澤(東京・神田)公式サイト
  • 対象:1店舗(東京都千代田区内神田)/2026年8月7日時点の掲載内容
  • 使ったところ:「完全予約制、一斉スタート。最も美味しい状態を追求した結果、大量調理の炊き立てという結論に達しました。」との記載/ビリヤニは1種類のみで曜日ごとに1種類を提供すること/マトンビリヤニ3000円、チキンビリヤニ3300円(いずれもレギュラーメニュー)/オンラインストアを持つこと
  • 確認できていないところ:席数、1日の提供数、原価、来店数はいずれも公開されていない
あり(自店の紹介ページであり、自店の方式を説明する立場)2026-08-07
Bジョニーのビリヤニ 公式サイト
  • 対象:2店舗(野々市本店・神田店)/2026年8月7日時点の掲載内容
  • 使ったところ:「こだわり抜いた調理法で、一気に数十人分を仕上げる本場スタイルのビリヤニは数量限定!売り切れ次第終了となります。」との記載/パキスタン直輸入のアルミ鍋と最高級バスマティライスを使用すること/冷凍ビリヤニの卸販売・ライセンスを事業者向けに行っていること/催事に出店していること
  • 確認できていないところ:価格、席数、1日の提供数は掲載されていない
あり(自社の紹介ページ)2026-08-07
Bアンビカ オンラインショップ(インド食材の輸入卸 アンビカコーポレーション)米カテゴリの掲載価格
  • 対象:小口の通信販売の掲載価格/2026年8月7日時点で再確認
  • 使ったところ:Biryani Basmati Rice 5kg 税込4,779円(税抜4,425円。1kgあたり税抜885円)/Rozana Basmati Rice 5kg 税込3,888円/Select Basmati Rice 5kg 税込4,050円/Lal Qilla Basmati Rice 5kg 税込5,216円/取り扱いは300g・1kg・5kgで、20kg以上の大袋の掲載はなかった
  • 確認できていないところ:飲食店が業務用の大袋で仕入れる場合の価格は確認できていない。この価格は小口の通信販売の価格である。2026-08-04 に確認した Daawat Basmati Rice Everyday Gold 5kg の税込3,942円は、2026-08-07 の再確認では通常価格3,907円・セール価格3,347円になっていた。3日で動く価格なので、この試算の根拠には使っていない
あり(インド食材を販売する事業者の販売ページ)2026-08-07

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