商売解剖図鑑

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コインランドリー

郊外ロードサイド型・個人オーナー1店舗

机上版店舗・設備投資系店舗型BtoC許認可あり

調査日 2026-07-27 / 原典を確認した日 2026-07-28

現地には行っていません。公開されている情報と、そこから組んだ試算だけで書いています。実額の裏取りが済んだら検証版として更新します。

初期投資

4,700万円

幅 4,200万〜5,300万円

月の営業利益(標準)

2,200円

弱気 ▲197,600円 / 強気 319,400円

経営者の時給(標準)

88円

月 25時間

投資の回収(標準)

168か月

総合点

42 / 100

8つの軸の合計

この商売を他とくらべる分析の方法

この商売はどういうものか

近所の住民が、自分で洗濯と乾燥をしていく無人の店です。洗濯機と乾燥機を並べ、店員は置かず、料金の受け取りは機械がやります。オーナーの仕事は、店を作って機械を選ぶこと。開けたあとは巡回と清掃の手配、故障への対応です。売上は、置いた機械が1日に何回回るかで決まります。

結論

置いた前提で計算すると、稼働率10%、機器1台が1日2.4回まわる状態が、そのまま損益分岐点になります。ここでの営業利益は月2,200円。黒字と呼べる水準ではありません。

機器の法定耐用年数156か月以内に投資を回収するには稼働率10.4%(1台1日2.50回)、10年で回収するなら12.1%(2.91回)という計算になります。業界平均とされるのは約10%、繁盛店で15%超。この試算では、平均的な店は投じた4,700万円が機械の寿命内に戻らない計算になります。

家賃を払わずに済む立地なら話は変わります。家賃15万円が消えるだけで、営業利益は月2,200円から152,200円に、回収は168か月から110か月に動きます。

ただし、家賃も客単価も初期費用も推定です。実額次第で、ここまでの数字はいずれも動きます。

結論の要約
結論の要約

こういう人なら向いている/やめたほうがいい

向いている(4つとも満たすこと)

  1. 4,700万円(幅4,200万〜5,300万円)と運転資金150万円を10年以上そのまま置いておける
  2. 出店場所を自分の足で見て決められる(稼働率10.0%を割れば営業赤字)
  3. 稼働率10.4%を割ったら撤退か売却を決められる(試算では10.4%が、機械の寿命の内に金が戻るかの分かれ目)
  4. 衛生管理責任者として近隣に所在して直ちに対応できる。または委託先を確保できる

さらに、好立地の遊休地か自社物件を持っているなら、条件は大きく緩みます。家賃15万円が消えると営業利益は2,200円から152,200円へ、回収は168か月から110か月へ、時給は88円から6,088円へ。置いた前提では、家賃を払わない人でないと成立しにくい。

やめたほうがいい(1つでも当てはまるなら見送り)

  1. 3〜5年で回収したい(強気ケースでも79か月)
  2. 自己資金が乏しく大半を借りる。3,500万円を10年で借りると元本返済だけで月291,667円。標準ケースの手残り279,200円では返済に届かない計算になります
  3. 立地の目利きをFC本部や機器業者に任せたい
  4. 「手間がかからないから」で副業に選ぼうとしている(標準ケースの時給は88円。衛生管理責任者の対応義務も残る)
  5. 毎月の手取りを増やしたい(標準ケースの営業利益は月2,200円)

ここが面白い

  • 業界平均とされる稼働率10%が、そのまま損益分岐点になった。1台1日2.39回で営業利益ゼロ。平均的な店は、儲かっても損してもいない計算になります。
  • 試算では、単価を10%上げると営業利益が70,560円増えます。値上げしても光熱費も洗剤も増えないから。客数を10%増やしても52,920円にとどまる計算です。ところが料金表は店頭に貼ってある。一番効くレバーが一番引きにくい。
  • 在庫ゼロ、従業員ゼロ、24時間無人。それでも誰でもできる商売にならない。壁がオペレーションではなく、約4,700万円という金額そのものだから。
  • 無人でやる商売なのに、勝敗は開店前にほぼ決まっている。稼働率を決める通行量・商圏・駐車場・視認性は、契約の時点で確定します。
  • 24時間無人でも、衛生管理責任者を選任して氏名と連絡先を掲示する必要がある。常駐か、近隣にいて直ちに対応できることが条件(厚生労働省の指導要綱 第四条)。完全に手が離れる商売ではありません。
  • 市場は伸びている。でもそれは安心材料にならない。店舗数は10年で約4割増。同じ商圏に店が増えれば、そのぶん自分の取り分は減ります。

ここは危ない

  1. 立地を外すと取り返す手段がない。この試算では機器と工事で約4,500万円。転用も移設も難しく、撤退時に残る価値が低い。
  2. 借入を入れると、この試算では成立しません。返済を入れていないからです。3,500万円を10年で借りると元本返済291,667円で、標準ケースの手残り279,200円を上回る計算になります。
  3. 標準ケースの回収168か月が、機器の法定耐用年数156か月を超えている。この試算どおりなら、回収し終わる前に入れ替えが来ます。
  4. 情報が偏っている。数値の根拠に使えた出典のうち、中立なのは日本経済新聞の1件だけ。残り5件は機器メーカーかFC支援会社、つまり開業を勧める立場です。
  5. 初期投資と運営費の根拠が弱い。メーカーが公開しているモデルケースは10坪5台・都市型で、ここで置いた20坪14台とは規模が違います。初期投資は推定で、幅は4,200万〜5,300万円。
  6. メーカーが示す運営費の比率を当てはめると、この売上水準では数字が合いません。「売上の20〜30%」を標準ケースに当てると141,120〜211,680円。ここから家賃150,000円を引くと、光熱・水道・洗剤・メンテに残るのは0〜61,680円。置いた前提では、20坪14台の店として無理があります。
  7. 稼働率10%という「平均」の出どころが確認できていない。算出根拠も母集団も非公開で、掲載は2022年12月。3年半前の数字です。

どこに活路があるか

どれも試していません。感度分析と損益分岐から逆算しただけの案で、効くかどうかは確かめていない段階です。

1. 家賃を払わない立地。営業利益が2,200円から152,200円になる計算

固定費497,000円のうち150,000円が家賃です。ここがゼロになると、営業利益は月2,200円から152,200円へ。回収は168か月から110か月へ。オーナーの時給は88円から6,088円へ動きます。

半分でも効きます。家賃は10%(15,000円)動けば営業利益も15,000円動く費目なので、75,000円まで下げれば営業利益は77,200円。手残りは354,200円になり、回収は47,000,000÷354,200で約133か月。機器の寿命156か月の内側に入る計算です。

手は3つ。自己所有地か遊休地に建てる。家族や既存事業が持っている敷地の一角を使う。賃料の安い物件を選ぶ。

3つ目は矛盾を抱えています。稼働率を決めるのは通行量と視認性と駐車場で、それは賃料に反映されています。安い物件を選んで稼働率10.0%を割れば、家賃で浮いた分より売上で失う分が大きくなる。この試算で家賃ゼロが効くのは、立地の質を落とさずに家賃だけが消えるときです。

2. 客単価を700円から770円へ。回収が寿命の内側に入る

同じ10%を動かしたとき、いちばん効く変数です。+10%で営業利益+70,560円。値上げしても光熱費と洗剤は増えないので、増えた分がそのまま残る置き方をしています。

営業利益は2,200円から72,760円。手残りは349,760円になり、47,000,000÷349,760で回収は約134か月。稼働率10%のままで、機器の寿命156か月の内側に入る計算になります。

上げ方は、料金表の改定だけではありません。乾燥の時間単価、布団と毛布の大型機、スニーカー用、洗剤やソフターの追加。客単価700円はメーカーが示す20坪の例の数字で、内訳は公開されていません。どの機種にいくら乗っているかを実店舗で拾えば、上げられる場所も見えてきます。

弱点も書いておきます。料金表は店頭に貼ってあり、近隣店と並べて比べられます。そしてこの試算には、値上げで客数が落ちる関係が入っていません。

3. 稼働を1台1日2.4回から2.5回へ。0.1回で分岐が変わる

分岐は3つあります。営業利益ゼロが2.39回(稼働率10.0%)、機器の寿命内に回収するのが2.50回(10.4%)、10年で回収するのが2.91回(12.1%)。

標準ケースの2.4回と、寿命内回収の2.50回。差は1台1日0.1回です。14台なら1日1.4回、月に42回。客単価700円で月商29,400円、営業利益にすると22,050円の差にあたります。

その1日1.4回をどこから持ってくるか。梅雨と冬の布団・毛布は単価も回転も大きく、時期が読めます。近隣の単身向けアパートへの投函、雨天時の掲示、乾燥だけの利用を促す告知。広告費は月10,000円しか置いていないので、厚くする余地はあります。

4. 初期投資を推定の幅の下限へ詰める。利益を増やさずに回収が18か月縮む

初期投資は4,700万円、幅は4,200万〜5,300万円です。下限の4,200万円で始められれば、営業利益が1円も増えなくても、回収は47,000,000÷279,200の168か月から、42,000,000÷279,200の約150か月へ。寿命156か月の内側に入ります。

詰めどころは機器3,100万円と工事1,400万円。中古機、型落ち、相見積もり。ただしこの2つは、この分析でいちばん根拠が弱い数字でもあります。メーカーが公開しているモデルケースは10坪5台・都市型で、ここで置いた20坪14台とは規模が違う。相見積もりを取るまでは、下げ幅どころか出発点も分かりません。

台数を減らして初期投資を下げる手は、売上も同じだけ下がるので、この試算では答えが出ません。

5. 変動費率を25%から22.5%へ

営業利益+17,640円。効きますが、上の4つより小さい。ガス乾燥機、電力契約の見直し、洗剤の仕入れ。

ただし変動費率そのものに出典の裏付けがありません。25%は推定です。実額を測る前に下げ方を議論しても、確かめようがない。

数字は動くが、取らない手

  • 借入でてこを効かせる。3,500万円を10年で借りると元本返済だけで月291,667円。標準ケースの手残り279,200円では届きません。借りるほど成立から遠ざかります。
  • 稼働率15%を前提に置く。繁盛店とされる水準で、置けば10年回収も見えます。ただし稼働率を決める通行量・商圏・駐車場・視認性は契約の時点で確定する変数です。狙って上げる数字ではなく、引き当てる数字になります。
  • 人件費を削る。24時間無人で、すでに人を置いていません。削る先がありません。

この商売をどう見るか

これは運営業ではありません。立地に対する設備投資です。

利益を決めているのは経営努力ではなく、契約前に選んだ場所と、そこに置いた約4,700万円。飲食やせどりの隣ではなく、不動産投資と駐車場経営の隣に並べて比べるものです。

立てる問いも変わります。「コインランドリーは儲かるか」ではなく、「この場所に4,700万円を10年以上置いて年にいくら戻るか。同じ金額を他に置いたときと比べてどうか」。標準ケースなら年335万円ほどが戻る計算で、率にすれば年7.1%。ただし減価償却を戻した現金ベースで、税金も借入返済も引いていない参考値です。

そして標準ケースの営業利益は月2,200円。この試算では、実質的に損益分岐の上にあります。業界平均とされる稼働率10%がそのまま分岐点で、平均的な店は儲かっていない可能性がある。上に振れる余地はありますが、公開情報だけでは「平均を超えられるかどうか」を判断する材料が足りません。そこが今回いちばん正直な結論です。

最も影響の大きい家賃と客単価、そして根拠が最も弱い初期投資は、いずれも推定で実地確認できていません。近隣店の料金表、募集賃料5件、機器と工事の相見積もり。ここまで調べてから決める金額です。

採点の8軸
採点の8軸

数字で見る

この試算で固定した条件

地方都市の郊外ロードサイド。20坪(約66㎡)の賃借テナント。土地は買わない。機器14台。24時間無人。個人オーナー1店舗。新規内装。

機器14台と平均客単価700円は、メーカーが示す20坪の店舗の例に合わせています。

売上の作り

月商 = 機器14台 × 1台1日あたりの稼働回数 × 平均客単価700円 × 30日

稼働率との換算は1回1時間・24時間営業として計算(推定)。

3ケース〔試算〕

弱気(稼働率6.7%)標準(10%)強気(15%)
1台1日あたり1.6回2.4回3.6回
売上高470,400円705,600円1,058,400円
変動費141,000円(30%)176,400円(25%)212,000円(20%)
固定費(減価償却込)497,000円497,000円497,000円
広告費10,000円10,000円10,000円
事故・修繕の見込み20,000円20,000円20,000円
月の営業利益▲197,600円2,200円319,400円
営業利益率0.3%30.2%
オーナーの作業時間月20時間月25時間月35時間
オーナーの時給成立せず(赤字)88円9,126円
手残り(利益+減価償却)79,400円279,200円596,400円
回収にかかる月数592か月168か月=14.0年79か月=6.6年

固定費の内訳:家賃150,000円(推定)/清掃・巡回の外注30,000円(推定)/保険・警備・通信20,000円(推定)/衛生管理責任者の体制費20,000円(推定)/減価償却277,000円(機器199,000円と内装78,000円)。

借入の元本返済、役員報酬、法人税等はこの試算に入っていません。

3ケースの試算
3ケースの試算

初期費用

機器14台 31,000,000円(推定)/内装・給排水・電気ガス工事 14,000,000円(推定)/保証金・敷金 1,000,000円(推定)/開業諸費用 1,000,000円(推定)。合計 47,000,000円。幅は4,200万〜5,300万円。

運転資金は別途 1,500,000円。在庫は0円。

初期費用の内訳
初期費用の内訳

何回まわれば黒字か

基準1台1日あたり月商稼働率
営業利益ゼロ(減価償却込)約2.39回702,667円約10.0%
現金ベース(減価償却を除く)約1.13回333,333円約4.7%
機器の寿命156か月以内に回収約2.50回735,043円約10.4%
10年で回収約2.91回855,556円約12.1%
どこまで行けば黒字か
どこまで行けば黒字か

何が一番効くか〔試算・10%動かした場合〕

平均客単価 +70,560円/稼働回数 +52,920円/変動費率 ▲17,640円/家賃 ▲15,000円。

標準ケースの営業利益が2,200円と損益分岐の上にあるため、変化率で表すと桁が跳ねて意味をなしません。絶対額で示します。どの変数も10%動けば、標準ケースは黒字にも赤字にも振れます。

何が一番効くか
何が一番効くか

採点 42点/100

利益性 3/20(営業利益率0.3%・時給88円)/初期投資 2/15(推定4,200万〜5,300万円)/回収速度 2/15(168か月で寿命156か月を超過)/再現性 11/15(無人オペは標準化。ただし立地は再現できない)/営業難易度 7/10/運営難易度 7/10(衛生管理責任者の要件があり完全な放任はできない)/将来性・AI耐性 7/10/法規・事故リスク 3/5(届出制だが遵守事項が複数あり自治体差もある)。

点数は「儲かる順位」ではなく、自分の資金・地域・スキルで比べるための目安です。

毎月の費用の内訳

毎月の費用の内訳
毎月の費用の内訳

投資の回収

投資の回収
投資の回収

前提と、どこまで確かか

この試算の対象

地方都市の郊外ロードサイド。店舗面積 約20坪(約66㎡)。賃借テナント。機器14台。24時間無人営業。個人オーナー1店舗

確認できた事実

  • 保健所への開業届出が必要。根拠は自治体の条例・要綱(江東区 江東区の例では、開設届・構造設備の概要・付近見取図・配置図を提出)
  • 施設基準は厚生労働省の指導要綱 第三条に11項目(隔壁による区分/十分な広さ/採光・照明・換気/燃焼ガス排出/不浸透性床材/流水式手洗設備/温湯設備/ドライ機の密閉式・回収装置/便所の隔壁/無関係機器の配置制限/廃棄物容器)(厚生労働省)
  • 衛生管理責任者の選任が必要。常駐または近隣に所在し、必要があれば直ちに施設・設備の管理業務を行える者。氏名・連絡先を施設内に掲示(厚生労働省 第四条・江東区)
  • ドライ機を設置する場合は有機溶剤管理責任者。感染衣類・おむつ等の特定物品は洗濯禁止(江東区)
  • 機器の法定耐用年数は13年。区分は「洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備」(国税庁 確定申告書等作成コーナー 国税庁)
  • 稼働率の目安は平均約10%、15%超で繁盛店とされる。算出根拠と母集団は非公開(株式会社TOSEI・掲載2022-12-27)
  • 20坪の店舗の例として、客単価700円・機器14台(株式会社TOSEI)
  • メーカーのモデルケース(10坪5台・都市型)は機器1,400万円〜、建物改装・二次側工事700万円〜、計約2,100万円。月々の支出は約37万円(ランニング20万+機器返済10万+工事費返済7万)。ランニングコストは一般的に売上の20〜30%程度で、家賃・電気・水道・洗剤等消耗品・設備メンテを含む(株式会社TOSEI)
  • 店舗数は10年で約4割増(日本経済新聞)
  • 失敗原因は立地選定ミス/資金計画の甘さ/店舗管理体制の不備/競合調査不足/集客活動の軽視/店舗規模のミスマッチ/無理な個人経営(アクア株式会社)
  • 税制は中小企業投資促進税制(取得価額の30%特別償却または7%税額控除、1台160万円以上が対象)と先端設備等導入制度(固定資産税の特例)(株式会社ニド)

確認できなかったこと

  • 全国店舗数「25,000件超」「ガソリンスタンドを上回った」(日本経済新聞はペイウォールで本文未読)
  • コインオペレーションクリーニング営業施設数の公的統計(e-Statで該当表を特定できず)
  • クリーニング師が不要かどうか(指導要綱にも江東区のページにも記載がない。不記載を「不要」とは読まない)

推定で置いた数字

初期投資47,000,000円(幅4,200万〜5,300万円)/家賃150,000円/変動費率 弱気30%・標準25%・強気20%/衛生管理責任者の体制費20,000円/オーナー作業時間20・25・35時間/内装の償却15年/稼働率換算1回=1時間/広告費10,000円/事故・修繕20,000円。

根拠が最も弱いのは初期投資。影響が最も大きいのは客単価、次いで稼働回数。

まだ分からないこと

家賃の実額/料金表と平均客単価/稼働率の実測と「平均10%」の根拠/20坪14台の初期投資の実額/光熱費・水道代の実額/廃業率と平均営業年数/季節変動の実数/施設数の公的統計/全国店舗数の一次データ/出店地の条例と施設基準/税制の適用可否/衛生管理責任者を委託する場合の費用相場。

検証版で埋めるのは、家賃の実額、平均客単価、稼働率の実測、光熱費の実額、そして初期投資の実額。最後の1つは原典確認で根拠が最も弱いと分かったため追加しました。

許認可・規約

届出

保健所への開業届出が必要。根拠は各自治体の条例・要綱(江東区 江東区の例:開設届/構造設備の概要/付近見取図/配置図を提出)。※国の指導要綱(厚生労働省)自体には「届出」の語はなく、届出制の根拠は自治体側にある。

施設基準

厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱」第三条に11項目(隔壁による区分/十分な広さ/採光・照明・換気/燃焼ガス排出/不浸透性床材/流水式手洗設備/温湯設備/ドライ機の密閉式・回収装置/便所の隔壁/無関係機器の配置制限/廃棄物容器)(厚生労働省)。

衛生管理責任者

同 第四条により選任が必要。「常駐または近隣に所在し、必要があれば直ちに当該施設及び設備の管理の業務を行うことができる者」であり、氏名・連絡先を施設内に掲示する(厚生労働省・江東区)。

その他の遵守事項

有機溶剤管理責任者(ドライ機を設置する場合)、特定物品(感染衣類・おむつ等)の洗濯禁止(江東区)。

自分で確かめること

出店予定自治体の条例・施設基準・届出様式は自治体ごとに異なるため、所轄保健所に確認すること。

推定で置いた数字の一覧

推定で置いた数字前提
初期投資 47,000,000円(幅 42,000,000〜53,000,000円)
  • 置いた前提:株式会社TOSEIのモデルケース(10坪5台・都市型・機器1,400万円〜・工事700万円〜・計約2,100万円)を20坪14台へ拡大した推定。拡大の仕方が2通りあり一致しない。面積比2倍なら約4,200万円。台数比2.8倍なら機器だけで 3,920万円〜となり合計は5,300万円寄りになる。標準は中間の4,700万円(機器3,100万+工事1,400万+保証金100万+諸費用100万)を置いた。
  • 弱いところ:株式会社TOSEIの「1,400万円〜」「700万円〜」は下限表記であり点推定に使えない。対象範囲(10坪5台・都市型)もこの分析(20坪14台・郊外)と一致しない。初期投資はこの分析で最も根拠が弱い数値
家賃 150,000円/月
  • 置いた前提:地方都市の郊外20坪、坪7,500円と置いた推定。物件情報での実地確認をしていない
  • 効き方:+10%で営業利益 −15,000円
変動費率(弱気30%/標準25%/強気20%)
  • 置いた前提:株式会社TOSEIの「ランニングコストは売上の20〜30%」は家賃・メンテを含む総額の目安であり変動費率ではない。幅(20〜30%)だけを3ケースの振れ幅として借り、率そのものは推定として置いた
  • 弱いところ:率に出典の裏付けがない。家賃が固定費であるため、低稼働時の実際の負担はこのモデルより重い可能性がある
衛生管理責任者の体制費 20,000円/月
  • 置いた前提:委託する場合の目安として置いた推定。本人が近隣に所在して務めるなら0円だが、その場合は拘束時間が増える
経営者作業時間 20/25/35時間(月)
  • 置いた前提:巡回・両替・補充・トラブル対応・経理に加え、衛生管理責任者としての対応を織り込んだ推定。実測ではない
内装の減価償却15年
  • 置いた前提:建物附属設備として置いた推定。実際の資産区分は工事内容による。税務は要確認
稼働回数と稼働率の換算(1回平均1時間・24時間営業)
  • 置いた前提:洗濯乾燥60分・乾燥40分の混在を1時間として単純化した推定
広告費 10,000円/事故・修繕 20,000円(月)
  • 置いた前提:いずれも推定。出典の裏付けはない

出典

A級3件、B級5件、D級1件。D級は数値の根拠に使っていません。

A級以外の6件のうち5件は、機器メーカーかFC支援会社、つまり開業を勧める立場の発信です。中立なのは日本経済新聞の1件だけ。この偏りを踏まえ、初期投資は幅を広く取り、メーカーが示す運営費の比率はそのまま採用していません。

  • A級:厚生労働省 指導要綱(昭和58年 環指第39号)/江東区 手続き案内(最終更新2025-08-20)/国税庁 耐用年数表〔機械及び装置〕
  • B級:TOSEI 初期費用・ランニングコスト(公開日・更新日の記載なし=鮮度不明/モデルケースは10坪5台・都市型)/TOSEI 稼働率(2022-12-27掲載)/日本経済新聞(2024-09-21/ペイウォールで本文未読)/アクア 失敗原因(2026-05-20公開)/ニド 減価償却・税制(2025-08-01公開・2026-05-01更新)
  • D級:フランチャイズ比較ガイド(出典リンクなし・著者情報なし・出典不明数値を多用のためD級。数値根拠に使わない)
出典の構成
出典の構成

出典の一覧

等級出典利害関係原典を確認した日
A厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱について」(昭和58年3月29日 環指第39号)
  • 対象:全国/コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置
  • 使ったところ:施設基準11項目(第三条)/衛生管理責任者の選任・掲示(第四条)
  • 注記:原典に「届出」「クリーニング師」の語はない。届出制の根拠は江東区側。
なし2026-07-28
A江東区「コインオペレーションクリーニング(いわゆるコインランドリー)に関する手続き」
  • 対象:江東区/最終更新 2025-08-20
  • 使ったところ:届出制・必要書類(開設届/構造設備の概要/付近見取図/配置図)/衛生管理責任者/有機溶剤管理責任者/特定物品の洗濯禁止
なし2026-07-28
A国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数表(機械及び装置)」
  • 対象:全国/法定耐用年数
  • 使ったところ:「洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備」=13年(機器の減価償却の根拠)
なし2026-07-28
B株式会社TOSEI(機器メーカー)「コインランドリー経営の初期費用はいくらかかる? ランニングコストも解説!」
  • 対象:モデルケースは10坪(33㎡)・機器5台・都市型店舗。この分析の20坪14台とは対象範囲が異なる
  • 鮮度:公開日・更新日の記載なし(鮮度不明)
  • 使ったところ:機器1,400万円〜/建物改装・二次側工事700万円〜/モデルケース計 約2,100万円/ランニングコストは一般的に売上の20〜30%(家賃・電気・水道・洗剤等消耗品・設備メンテを含む)/同モデルの月々支出 約37万円(ランニング20万+機器返済10万+工事費返済7万)
あり(機器メーカー=開業を促す立場)2026-07-28
B株式会社TOSEI「コインランドリー経営の売上は?稼働率と売上のシミュレーション」
  • 対象:全国/掲載 2022-12-27(約3年半前)
  • 使ったところ:稼働率の平均は約10%/15%超で繁盛店/算出根拠・母集団は非公開/売上式は「客単価×台数×営業時間×営業日数×稼働率」/20坪の例は客単価700円・14台
  • 注記:9件中、引用が原典と完全一致した唯一の出典。
あり(機器メーカー)2026-07-28
B日本経済新聞「コインランドリー店数、クリーニング超え 次の『主洗場』」(2024-09-21)
  • 対象:全国/店舗数の推移
  • 使ったところ:「10年で約4割増」(公開プレビューで確認)
  • 確認できていないところ:「店舗数25,000件超」「ガソリンスタンドを上回った」はペイウォールにより本文未読で確認できていない。数値根拠に使わない
なし(唯一の中立)2026-07-28
Bアクア株式会社(機器メーカー)「コインランドリー経営が失敗する原因と対策」
  • 対象:全国/公開 2026-05-20・更新 2026-05-21
  • 使ったところ:失敗原因7項目(立地選定ミス/資金計画の甘さ/店舗管理体制の不備/競合調査不足/集客活動の軽視/店舗規模のミスマッチ/無理な個人経営)/「近隣に競合店が増えた場合、利用者の奪い合いによって売上が大幅に減少するおそれ」(一般論)/「清掃やメンテナンスが行き届かなくなると印象が悪化」
  • 注記:「月商が想定の半分以下になる事例」という記述は原典になし(2026-07-28 削除)。
あり(機器メーカー)2026-07-28
B株式会社ニド(コインランドリー開業支援・機器レンタル)「コインランドリー機器の減価償却について|耐用年数と節税のポイント」
  • 対象:全国/公開 2025-08-01・更新 2026-05-01
  • 使ったところ:法定耐用年数13年(正式区分名「洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備」)/中小企業投資促進税制(取得価額の30%特別償却 または 7%税額控除、1台160万円以上が対象)/先端設備等導入制度(固定資産税の特例)
  • 注記:「中小企業経営強化税制の即時償却」という記述は原典になし(2026-07-28 訂正)。耐用年数13年は国税庁 確定申告書等作成コーナー(国税庁)で裏付け済み。
あり(物件調査・事業計画・オープン支援+機器レンタル=開業を促す立場)2026-07-28
Dフランチャイズ比較ガイド「コインランドリーフランチャイズ 開業費用・廃業率・失敗事例まとめ【2026】」
  • 使ったところ:なし。D級のため数値根拠に使わない(旧記載「FC初期投資2,000〜5,000万円」は2026-07-28に数値根拠から除外)
あり2026-07-28

更新履歴

日付内容
2026-07-27初版作成
2026-07-28表現を全面的に見直し。数字と結論は変更なし
2026-07-28机上版として公開する方針を確定
2026-07-28出典9件の原典を確認し、全面的に修正。結論が変わった。事業の定義を14台・客単価700円へ(出典の例に合わせた)/初期投資 2,500万円→4,700万円(推定・幅あり)/衛生管理責任者の義務を追加/原典にない記述を削除(「月商が半分以下になる事例」「即時償却」「クリーニング師不要」ほか)/e-Statを削除し国税庁を追加/出典1件をD級へ降格。標準ケースの営業利益 59,000円→2,200円、時給 2,950円→88円、回収 124か月→168か月、総合点 51→42
2026-08-03推定に依存した言い切りを、試算を主語にした語調へ改稿。数字・結論・採点は変更なし
2026-08-03「どこに活路があるか」を追加。感度分析と損益分岐からの逆算のみで、新しい前提は置いていない。数値・結論・採点は変更なし
2026-08-04冒頭に「この商売はどういうものか」を追加。あわせて他章の重複した記述を削った。数字・結論・採点は変更なし

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本コンテンツは公開情報と一定の仮定に基づく試算です。特定企業の実際の利益を示すものではなく、地域・規模・経験・時期によって結果は変わります。出典・計算条件・更新日は商売解剖図鑑に掲載します。