商売解剖図鑑

一覧 / 店舗・設備投資系

コインランドリー

郊外ロードサイド型・個人オーナー1店舗

机上版店舗・設備投資系店舗型BtoC許認可あり

調査日 2026-07-27 / 原典を確認した日 2026-08-07

現地には行っていません。公開されている情報と、そこから組んだ試算だけで書いています。実額の裏取りが済んだら検証版として更新します。

初期投資

4,700万円

幅 4,200〜5,300万円

月の営業利益(標準)

2,200円

弱気 ▲197,600円 / 強気 319,400円

経営者の時給(標準)

88円

月 25時間

投資の回収(標準)

168か月

個人事業としての点数

42 / 100

自分の資金と時間で始めて、自分が回す商売として

事業としての点数

45 / 100

人と仕組みで、本人から離れて大きくなるか

この商売を他とくらべる分析の方法

この商売はどういうものか

近所の住民が、自分で洗濯と乾燥をしていく無人の店です。洗濯機と乾燥機を並べ、店員は置かず、料金の受け取りは機械がやります。オーナーの仕事は、店を作って機械を選ぶこと。開けたあとは巡回と清掃の手配、故障への対応です。売上は、置いた機械が1日に何回回るかで決まります。

この試算で見ている形

  • 規模:店舗面積 約20坪(約66㎡)。機器14台。
  • 体制:個人オーナー1店舗。
  • 地域・立地:地方都市の郊外ロードサイド。賃借テナント。
  • 営業の形:24時間無人営業。
  • 売上の作り方:機器台数と1台1日あたり稼働回数と平均客単価と営業日数を掛け合わせた額が月商になります。
  • この試算に含めていないもの:借入の元本返済、オーナー自身の役員報酬、法人税等。

想定した人と、その一年

こういう姿を置きました。勤めの終わりが見えてきた人が、貯めた金で地方都市の郊外に店を1軒持つ。建てるのではなく、借りたテナントの中身を作ります。半年ほどかけて場所を決め、機械を選び、工事をして開ける。開けたあとにやることは、思ったより少ない。店員は置かず、料金は機械が受け取ります。月に何度か様子を見に行き、乾燥機のフィルターの糸くずを取り、両替機に硬貨を足し、清掃の手配をする。あとは故障の連絡を待つ。店内には衛生管理責任者の氏名と連絡先を掲げることになっていて、そこに載るのは自分か、頼んだ相手です。鳴れば出ることになります。一年のうち忙しいのは梅雨と冬で、布団と毛布が動く。晴れが続く月は静かです。そして、この商売でいちばん大事な判断は、開ける前に全部終わっています。通行量も、駐車場の広さも、外から見えるかどうかも、契約に判を押した時点で決まる。あとから動かせるのは料金表くらいで、その料金表は店の外から読めます。あとで変わることがあるとすれば、同じ商圏に新しい店が建つときです。以上は試算のために置いた姿であって、実在の誰かの一年ではありません。

結論

先に、この試算が何の上に乗っているかを置いておきます。

機械の台数は14台、平均客単価は700円にしました。どちらも機器メーカーが「平均的な広さである20坪の店舗」の例として公開している数字を、そのまま借りたものです。地域の値ではありません。24時間営業、月30日で回します。

もうひとつが稼働率です。同じメーカーが「コインランドリーの平均稼働率は約10%」と書いています。1台が1日に2.4回まわる状態、と読み替えられます。算出の根拠も母集団も公開されていません。

この平均のままだと、儲かりも損もしません。

理由は、費用の出方にあります。月に出ていく703,400円のうち、減価償却277,000円と家賃150,000円は、客が1人も来なくても同じだけ出ていく。合わせて427,000円で、6割です。売上は回した回数に比例し、費用の大半は動かない。だから損益が分かれる点は「どれだけ客が来るか」ではなく「どれだけの設備を、いくらで置いたか」で決まってしまいます。

では、何回まわれば足りるのか。

1台1日あたり稼働率この試算での結果
1.6回6.7%月197,600円の赤字(弱気ケース)
2.39回10.0%営業利益ゼロ
2.4回10%月2,200円の黒字(標準ケース・業界平均とされる水準)
2.50回10.4%機器の寿命156か月以内に投資が戻る
2.91回12.1%10年で戻る
3.6回15%月319,400円(強気ケース・繁盛店とされる水準)

平均とされる2.4回と、寿命内に戻る2.50回の差は、1台1日0.1回です。14台なら1日1.4回。この差が届かなければ、投じた4,700万円は機械の寿命が来るまでに戻らない計算になります。

家賃を払わずに済む立地なら、話は変わります。15万円が消えるだけで、営業利益は月2,200円から152,200円へ、回収は168か月から110か月へ動きます。

最後に、この結論のいちばん弱いところを先に開示しておきます。初期投資4,700万円には直接の出典がありません。しかも同じ出典群が、20坪の店の開業資金を3,000万〜4,000万円程度と書いています。この試算は、その外側にあります。

メーカーが示す額で置き直すと、答えが変わります。4,000万円なら回収は約143か月、3,000万円なら約107か月という計算になります。どちらも機器の寿命156か月の内側です。つまり「平均的な店は、機械の寿命が来るまでに投じた金が戻らない」という、ここでいちばん強い主張は、初期投資の置き方だけでひっくり返ります。

ただしメーカーの数字は、開業を勧める立場の側から出たものです。この試算の4,700万円にも出典はありません。どちらが実態に近いかは、機器と工事の相見積もりを取るまで分かりません。

で、この商売はどういうものか

家賃を払わずに済む土地があるか、平均を1割上回る立地を自分の目で見極められる人にだけです。それ以外の人には、この試算では勧められません。

標準ケースの経営者時給は88円。始めるのに要るのは48,500,000円。投じた額が戻るのは168か月の見込みです。

これは「郊外に20坪のテナントを借り、機器14台を新品で入れ、24時間無人で回す」という形についての見立てです。自己所有地や遊休地、家族や既存事業が持っている敷地の一角を使えるなら、家賃150,000円が消えて、同じ稼働率のまま営業利益は月2,200円から152,200円に、回収は168か月から110か月になる計算で、答えが変わります。居抜きを引き継ぐ形、既存店を譲り受ける形、機器をリースにする形、土地の所有者と組んで運営だけを担う形は、費用の作りが変わります。この試算は、そこを見ていません。

結論の要約
結論の要約

ここが面白い

業界平均とされる稼働率10%が、そのまま損益分岐点だった

メーカーが「コインランドリーの平均稼働率は約10%」と書いています。その10%を置いて計算すると、月の営業利益は2,200円になりました。売上705,600円に対して0.3%。損も得もしていない点に、業界の平均がちょうど重なる。損益がゼロになるのは1台1日2.39回で、標準ケースの2.4回とほとんど同じです。平均的な店は、儲かってもいなければ損もしていない計算になります。

なぜそうなるのか。まず、10%という数字が低く見えるのは、分母が24時間だからです。1台が1日に2.4回、1回1時間として置くと、24時間のうち2.4時間。ところが同じ出典は、利用が午前中に集中し、午前10時にピークが来て、深夜は客がほぼいない店もあると書いています。人が来る時間帯だけで割れば、同じ回数がまるで違う数字に見える。24時間開けることは、分子を増やす前に分母を増やしています。

そのうえで、平均と分岐点が重なるのは偶然ではありません。月に出ていく703,400円のうち、減価償却277,000円と家賃150,000円は、客が1人も来なくても同じだけ出ていく。合わせて427,000円、6割です。売上は回した回数に比例し、費用の大半は動かない。すると損益分岐点は「どれだけ客が来るか」ではなく「どれだけの設備を、いくらで置いたか」で決まります。20坪に14台を並べて24時間開けるという、業界の標準的な形をなぞる限り、分岐点は自動的にその辺へ来る。だから平均を超えられるかどうかは、稼働率のコンマ何ポイントの差になります。

一番効くレバーが、一番引きにくい場所にある

同じ10%でも、客単価を上げれば営業利益は70,560円、客数を増やせば52,920円。差は変動費です。光熱費は洗った回数には連動するが、料金には連動しない。ところが料金表は店の入口に貼り出します。隣の店といくら違うか、通りがかりに分かってしまう。

制度が求める広さは、思ったより小さい

指導要綱は、床面積を台数nに対し5.5+1.2n(㎡)以上が望ましいとしています。14台なら22.3㎡。この試算の20坪は約66㎡で、その3倍近い。資格も許可も要らず、広さの基準も余っている。それでも誰でもできる商売にならないのは、壁が約4,700万円という金額そのものだからです。

数字で見る

初期費用

項目金額
機器14台31,000,000円(推定)
内装・給排水・電気ガス工事14,000,000円(推定)
保証金・敷金1,000,000円(推定)
開業諸費用(届出・看板・什器・広告)1,000,000円(推定)
合計47,000,000円(幅 4,200万〜5,300万円)
運転資金(別枠)1,500,000円(推定)
所要資金48,500,000円

在庫は0円。土地は買いません。内装は新規に入れる前提で組んでいます。

この4,700万円は、メーカーが公開している10坪5台・都市型のモデルケース(機器1,400万円〜、工事700万円〜、計約2,100万円)を20坪14台へ拡大した推定です。原典の金額が下限表記なので、点として使えません。そして同じメーカーの別ページは、20坪程度の店舗の開業資金を3,000万〜4,000万円程度としており、別のメーカーも同じ幅を書いています。この試算は、その外側に置かれています。

初期費用の内訳
初期費用の内訳

売上の作り

月商 = 機器14台 × 1台1日あたりの稼働回数 × 平均客単価700円 × 30日

機器14台と平均客単価700円は、メーカーが示す20坪の店舗の例に合わせています。稼働率との換算は1回1時間・24時間営業として計算(推定)。稼働率10%は、24時間を分母にした平均です。

3ケース〔試算〕

弱気(稼働率6.7%)標準(10%)強気(15%)
1台1日あたり1.6回2.4回3.6回
売上高470,400円705,600円1,058,400円
変動費141,000円(30%)176,400円(25%)212,000円(20%)
固定費(減価償却込)497,000円497,000円497,000円
広告費10,000円10,000円10,000円
事故・修繕の見込み20,000円20,000円20,000円
月の営業利益▲197,600円2,200円319,400円
営業利益率0.3%30.2%
オーナーの作業時間月20時間月25時間月35時間
オーナーの時給成立せず(赤字)88円9,126円
手残り(利益+減価償却)79,400円279,200円596,400円
回収にかかる月数592か月168か月=14.0年79か月=6.6年

固定費の内訳:家賃150,000円(推定)/清掃・巡回の外注30,000円(推定)/保険・警備・通信20,000円(推定)/衛生管理責任者の体制費20,000円(推定)/減価償却277,000円(機器199,000円と内装78,000円)。

借入の元本返済、オーナー自身の役員報酬、法人税等は、この試算に入っていません。

3ケースの試算
3ケースの試算

何回まわれば黒字か

基準1台1日あたり月商稼働率
営業利益ゼロ(減価償却込)約2.39回702,667円約10.0%
現金ベース(減価償却を除く)約1.13回333,333円約4.7%
機器の寿命156か月以内に回収約2.50回735,043円約10.4%
10年で回収約2.91回855,556円約12.1%
どこまで行けば黒字か
どこまで行けば黒字か

何が一番効くか〔試算・10%動かした場合〕

動かす変数月の営業利益への影響
平均客単価+70,560円
稼働回数(客数)+52,920円
変動費率▲17,640円
家賃▲15,000円

標準ケースの営業利益が2,200円と損益分岐の上にあるため、変化率で表すと桁が跳ねて意味をなしません。絶対額で示します。どの変数も10%動けば、標準ケースは黒字にも赤字にも振れます。

何が一番効くか
何が一番効くか

制度と市場の実数

項目
機器の法定耐用年数13年(区分は「洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備」)
中古機器の耐用年数耐用年数を過ぎたものは原則2年、5年落ちなら9年
施設の床面積の目安台数nに対し Q=5.5+1.2n(㎡)以上が望ましい。14台なら22.3㎡
商圏半径2km以内(チラシ配布の記述)
時間帯午前7時頃から使われ午前10時にピーク。昼に落ち、15時から19時に再び混む。22時過ぎに減り、夜間は客がほぼいない店もある
店舗数10年で4割増。クリーニング店の数を超えた
20坪の開業資金の目安(出典2社)3,000万〜4,000万円程度(うち機器は1,500万〜2,000万円、または2,000万円程度)
20坪の毎月の維持費の目安月40〜60万円(家賃15万・機器リース15万・水道光熱12〜16万・洗剤等1万)。別の1社は水道光熱10〜20万・人件費3〜5万
軌道に乗るまでの期間通常1年から2年以上

店舗数が伸びていることは、追い風とは限りません。増えた店が同じ商圏に建てば、そのぶん取り分は減ります。

採点 42点/100

評価軸満点
利益性320
初期投資215
回収速度215
再現性1115
営業難易度710
運営難易度710
将来性・AI耐性710
法規・事故リスク35
総合42100

点数は「儲かる順位」ではなく、自分の資金・地域・スキルで比べるための目安です。内訳を見ると、運営面(再現性11、運営難易度7、営業難易度7)は高く、資金面(初期投資2、回収速度2)と利益性3が全体を下げています。やること自体は簡単で、金が重く、戻りが薄い。

毎月の費用の内訳

毎月の費用の内訳
毎月の費用の内訳

投資の回収

投資の回収
投資の回収

こういう人なら向いている/やめたほうがいい

先に、満たさないと土俵に立てない条件

向き不向きの前に、条件があります。ここは人柄の話ではありません。満たすか満たさないかだけの話で、満たしていても商売がうまくいくわけではありません。

条件この試算での数字
所要資金4,850万円を用意でき、その大半を自己資金でまかなえる初期投資47,000,000円+運転資金1,500,000円=48,500,000円。標準ケースの回収は168か月=14.0年で、機器の法定耐用年数156か月を超える。3,500万円を10年で借りると元本返済だけで月291,667円になり、標準ケースの手残り279,200円では届かない
出せる立地の候補が実際に手元にある家賃150,000円は固定費497,000円の30.2%。ゼロになると営業利益は月2,200円から152,200円、回収は168か月から110か月、経営者時給は88円から6,088円になる計算
衛生管理責任者を置ける。自分が務めるか、委託先を確保できる厚生労働省の指導要綱 第四 一による選任と、氏名・連絡先の掲示。この試算では委託する場合の体制費として月20,000円を置いた
保健所の届出と施設基準を満たす形で店を作れる指導要綱 第三の11項目。床面積は台数nに対し 5.5+1.2n(㎡)以上が望ましいとされ、14台なら22.3㎡。20坪は約66㎡

4つとも、金と土地と体制で決まります。1つでも欠けるなら見送り。ここから先が、向き不向きの話です。

向いている人

立地の見立てを、自分の目で決めきれる人。

稼働率10.0%を割れば営業赤字、10.4%を割れば機器の寿命内に投資が戻らない計算になります。その0.4ポイントの差は1台1日0.1回、14台で1日1.4回にすぎません。そして稼働率を決める通行量・商圏・駐車場・視認性は、契約に判を押した時点で確定します。この判断だけは外注できません。

開ける前に勝負がほぼ終わる商売に、耐えられる人。

開業後に動かせるのは料金表、機種の構成、清掃、そして月10,000円しか置いていない広告費くらいです。いちばん効く客単価を10%上げても増えるのは月70,560円で、立地を外して稼働率6.7%まで落ちた弱気ケースの月197,600円の赤字は、この手では埋まりません。頑張って取り返すという回路が、この商売にはない。

数字が届かないと分かった時点で、投じた額を惜しまず畳める人。

標準ケースでも営業利益は月2,200円。10.4%に届かないまま続ければ、機器の寿命156か月が先に来ます。しかも機器と工事で約4,500万円は転用も移設も難しい。粘るほど戻る額が減る構造なので、畳む判断が早い人ほど傷が浅く済みます。

人が来ない時間にも金が出ていくことを、割り切れる人。

稼働率10%は24時間で割った平均です。出典は、利用が午前中に集中し、午前10時にピークが来て、深夜は客がほぼいない店もあると書いています。それでも減価償却277,000円と家賃150,000円は、客が1人も来ない時間にも同じだけ出ていく。固定費497,000円の86%がここにあります。

自分が呼び出される側であり続けられる人。

24時間無人でも、衛生管理責任者を選任して氏名と連絡先を店内に掲示します。常駐か近隣所在が原則で、デジタル技術等を活用して直ちに管理の業務を行える場合はこの限りでない、というただし書きが付いています。どちらにしても掲示された連絡先は自分か委託先で、鳴れば出ることになります。完全に手が離れる設計にはなっていません。

やめたほうがいい人

立地の目利きを、本部や機器業者に任せたい人。

稼働率10.0%を割れば営業赤字で、それを決めるのはほぼ立地です。任せた時点で、最大の失敗要因を自分で制御できなくなります。

手がかからないから、という理由で選ぼうとしている人。

標準ケースの営業利益は月2,200円、作業時間は月25時間、経営者時給は88円。手がかからないのは事実ですが、かからない分の見返りもこの水準です。しかも掲示と呼び出しへの対応は残ります。

毎月の手取りを増やしたい人。

標準ケースの営業利益は月2,200円。手残り279,200円は出ますが、これは減価償却を戻した額であって、投じた4,700万円が返ってきている分にすぎません。

借りて始めて、稼ぎながら返そうと考える人。

この試算には借入返済を入れていません。3,500万円を10年で借りると元本返済だけで月291,667円で、標準ケースの手残り279,200円では届きません。返済を入れると、平均的な店は毎月足りない計算になります。

うまくいかないときに、台数や店を増やして取り返そうとする人。

売上は台数に比例しますが、初期投資も台数に比例します。この試算は減価償却を台数、家賃を面積にほぼ比例させて置いたので、規模を倍にしても営業利益率0.3%はほとんど動かず、戻るまでの年数も変わらない計算になります。保険や清掃のように台数で増えない費目はありますが、効くのはその分だけです。

数字を記録するのが面倒な人。

標準ケースの営業利益2,200円は、どの変数が10%動いても黒字にも赤字にも振れる水準です。何回まわったかを機械から拾って見ていなければ、10.0%を割ったことにも10.4%を超えたことにも気づきません。

どこに活路があるか

どれも試していません。手は2種類あります。ひとつはこの試算の中の数字を動かす手で、これは金額が出ます。もうひとつはこの試算の外に出る手で、こちらは金額が出せません。公開情報に実額がないからです。外に出る手について書けるのは、「成立させるなら何がいくつ要るか」という逆算と、法令で確かめられた線までです。

この試算の中で動かす

1. 家賃を払わない立地にする

固定費497,000円のうち150,000円が家賃です。ここがゼロになると、営業利益は月2,200円から152,200円へ。回収は168か月から110か月へ。オーナーの時給は88円から6,088円へ動きます。

半分でも効きます。家賃は10%(15,000円)動けば営業利益も15,000円動く費目なので、75,000円まで下げれば営業利益は77,200円。手残りは354,200円になり、回収は47,000,000÷354,200で約133か月。機器の寿命156か月の内側に入る計算です。

手は3つ。自己所有地か遊休地に建てる。家族や既存事業が持っている敷地の一角を使う。賃料の安い物件を選ぶ。

3つ目は矛盾を抱えています。稼働率を決めるのは通行量と視認性と駐車場で、それは賃料に反映されています。安い物件を選んで稼働率10.0%を割れば、家賃で浮いた分より売上で失う分が大きくなる。この試算で家賃ゼロが効くのは、立地の質を落とさずに家賃だけが消えるときです。

2. 客単価を700円から770円へ上げる

同じ10%を動かしたとき、いちばん効く変数です。+10%で営業利益+70,560円。値上げしても光熱費と洗剤は増えないので、増えた分がそのまま残る置き方をしています。

営業利益は2,200円から72,760円。手残りは349,760円になり、47,000,000÷349,760で回収は約134か月。稼働率10%のままで、機器の寿命156か月の内側に入る計算になります。

上げ方は、料金表の改定だけではありません。乾燥の時間単価、布団と毛布の大型機、スニーカー用、洗剤やソフターの追加。客単価700円はメーカーが示す20坪の例の数字で、内訳は公開されていません。どの機種にいくら乗っているかを実店舗で拾えば、上げられる場所も見えてきます。

弱点も書いておきます。料金表は店頭に貼ってあり、近隣店と並べて比べられます。そしてこの試算には、値上げで客数が落ちる関係が入っていません。

3. 稼働を1台1日2.4回から2.5回へ上げる

分岐は3つあります。営業利益ゼロが2.39回(稼働率10.0%)、機器の寿命内に回収するのが2.50回(10.4%)、10年で回収するのが2.91回(12.1%)。

標準ケースの2.4回と、寿命内回収の2.50回。差は1台1日0.1回です。14台なら1日1.4回、月に42回。客単価700円で月商29,400円、営業利益にすると22,050円の差にあたります。

その1日1.4回をどこから持ってくるか。梅雨と冬の布団・毛布は単価も回転も大きく、時期が読めます。近隣の単身向けアパートへの投函、雨天時の掲示、乾燥だけの利用を促す告知。広告費は月10,000円しか置いていないので、厚くする余地はあります。

4. 初期投資を推定の幅の下限へ詰める

初期投資は4,700万円、幅は4,200万〜5,300万円です。下限の4,200万円で始められれば、営業利益が1円も増えなくても、回収は47,000,000÷279,200の168か月から、42,000,000÷279,200の約150か月へ。寿命156か月の内側に入ります。

詰めどころは機器3,100万円と工事1,400万円。出典の1つは、初期費用を抑える手として居抜き物件の利用を挙げ、内装工事などのコストを下げられる、ただし設計の自由度は低くなる、としています。中古機を入れる手もありますが、法定耐用年数が短くなります。耐用年数を過ぎた機器は原則2年、5年落ちなら9年になるので、減価償却の置き方が変わります。

台数を減らして初期投資を下げる手は、売上も同じだけ下がるので、この試算では答えが出ません。

この中では、数字は動くが取らない手

借入でてこを効かせる手。3,500万円を10年で借りると元本返済だけで月291,667円で、標準ケースの手残り279,200円では届きません。借りるほど成立から遠ざかります。

稼働率15%を前提に置く手。繁盛店とされる水準で、置けば10年回収も見えてきます。ただし稼働率を決める通行量・商圏・駐車場・視認性は契約の時点で確定する変数です。狙って上げる数字ではなく、引き当てる数字になります。

人件費を削る手。24時間無人で、すでに人を置いていません。削る先がありません。

この試算の外に出る

ここから先は、客の種類や商品の形や体制を変える話です。この試算は「個人が来て自分で洗う店を、借りたテナントで新しく作る」前提で組んであるので、外に出た時点で費用の作りが変わります。金額を出せないぶん、逆算で書きます。

5. 客を個人から法人へ広げる。ただし「誰が洗うか」で法律が変わる

この試算の客は、半径1〜2kmに住む、店に来て自分で洗う個人です。飲食店のおしぼり、美容室のタオル、民泊のリネン。まとまって出る洗濯物を持つ相手は、1回あたりの量も頻度も個人とは違います。

ここに線があります。相手が自分で運んできて自分で回す限り、店の側は今のままでかまいません。預かって洗って返すなら、その施設はクリーニング所になります。

クリーニング業法が「クリーニング業」と呼ぶのは、溶剤又は洗剤を使用して衣類その他の繊維製品又は皮革製品を原型のまま洗たくすることを営業とすることです。洗たくをしないで受取と引渡しだけをする者も、営業者に含まれます。クリーニング所を開設しようとする者は、位置、構造設備、従事者数、クリーニング師の氏名を、あらかじめ都道府県知事に届け出ます。構造設備は知事の検査を受け、適合する旨の確認を受けた後でなければ使用できません。洗たくをする所には1人以上のクリーニング師を置き、業務用の洗たく機と脱水機をそれぞれ1台以上備えます。受取と引渡しだけの所は、クリーニング師の設置義務から除かれます。

線は「誰が洗うか」にあります。形が変わるかどうかでも、相手が法人かどうかでもない。

逆算はこうなります。稼働を1台1日0.1回上げれば、営業利益は22,050円動きます。法人の持ち込みで14台合計1日1.4回を安定して埋められるなら、それだけで寿命内回収の分岐2.50回に届く計算です。

確かめていないこと。法人1件あたりの持ち込み量と単価。業務用の洗濯物をコインランドリーの機器で扱うことを所轄の保健所がどう扱うか。クリーニング所の届出の手数料と構造設備の基準。個別の当てはめは自治体が判断します。

6. 待ち時間を店の外に逃がさない。併設で1時間を売る

この試算は洗濯乾燥を1回1時間として置きました。その1時間、客は店の外にいます。自販機、宅配ロッカー、コインパーキング、カフェ。

面積の側には余りがあります。指導要綱は床面積を台数nに対し5.5+1.2n(㎡)以上が望ましいとしており、14台なら22.3㎡。この試算の20坪は約66㎡です。

ただし要綱には2つの線があります。施設は他の営業施設及び居住施設等と区隔されていること。食品の自動販売機等、直接洗濯に関係のない機器を施設内に備える場合は、利用者の洗濯作業に支障のない場所に設けること。自販機は要綱が最初から想定している側で、飲食を出すなら別の営業になり、区隔が要ります。

逆算はこうなります。家賃150,000円は20坪に対する額なので、面積を割れば家賃も割ることになります。併設を集客の費用と見るなら、比べる相手は広告費の月10,000円ではなく、割いた面積の家賃です。

確かめていないこと。併設の設備費と、そこから上がる売上。飲食を併設する場合の営業許可と、要綱の「区隔」を所轄の保健所がどう当てはめるか。

7. 禁止の掲示から外せる洗濯物を、専用機で取りに行く

この試算の14台は、洗濯乾燥機と洗濯機と乾燥機の合計です。

指導要綱は、し尿の付着したおむつ、運動靴、動物の敷物等の洗濯の禁止を掲示するよう求めています。ただし括弧書きで「これらを専用に洗濯するための洗濯機を設置している場合を除く」とあります。自治体の遵守事項にも同じ除外が書かれています。つまり専用機を1台入れると、それまで断っていた洗濯物が商品になります。

逆算はこうなります。この試算でいちばん効くのは客単価で、700円を770円にすると営業利益は月70,560円、年846,720円動きます。専用機を足す代金がこの846,720円を下回るなら、客単価が10%上がるだけで1年で戻る計算です。布団・毛布の大型機も同じ計算に乗ります。

確かめていないこと。専用機の実際の価格と、そこに乗る単価。ペットや靴の需要が半径2kmの中にどれだけあるか。この試算には、機種を変えたり値上げしたりしたときに客数が動く関係が入っていません。

8. 近隣に住まなくてよくなる道が、要綱の中に書き足されている

この試算は、衛生管理責任者の体制費として月20,000円を置きました。

要綱は、衛生管理責任者を当該施設に常駐し、又は近隣に所在し、必要があれば直ちに当該施設及び設備の管理の業務を行うことができる者としたうえで、ただし書きを置いています。デジタル技術等を活用し、必要があれば直ちにその業務を行うことができる場合は、この限りでない。選任と掲示は残りますが、居場所の条件が外れます。

逆算はこうなります。体制費20,000円がゼロになれば、営業利益は月2,200円から22,200円、年240,000円。金額としては小さい。外れるのは金より、住む場所の制約のほうです。遠隔で見る仕組みは機器の側にあり、出典の1つは、店舗の売上をオンラインで確認できること、機器の稼働状況をオンラインで確認できること、遠隔から機器を操作できることを挙げています。

確かめていないこと。どこまでを「デジタル技術等を活用し、直ちに管理の業務を行うことができる」と見るかは、所轄の保健所と自治体の条例によります。遠隔の仕組みの費用も確認していません。

9. 建てる側ではなく、すでに持っている人の側に乗る

この試算は、20坪のテナントを借り、機器14台を新品で入れ、内装を新しく作る形です。業界には別の形があります。出典の1つは、経営形態を個人経営、フランチャイズ、土地提供の3つに分けています。土地を出す人がいて、機械と運営を出す人がいる。機器メーカーは、店舗・機器の譲渡売却の相談窓口も置いています。

逆算はこうなります。家賃150,000円が消えると営業利益は月2,200円から152,200円、回収は168か月から110か月になる計算です。だから土地を出す人へ渡す額が月150,000円を下回るなら借りるより有利で、上回るならこの形を選ぶ意味はありません。

既存店を譲り受ける形も同じ形で解けます。初期投資4,700万円のうち機器と工事で約4,500万円。譲受の代金をXとすれば、回収の月数はX÷279,200になります。4,000万円なら約143か月、3,000万円なら約107か月で、いずれも寿命156か月の内側に入る計算です。

確かめていないこと。土地提供の形での収益の分け方の相場。既存店の譲渡価格。譲り受けた機械は残りの寿命が短く、法定耐用年数も短くなります。どれも公開情報では見つかりませんでした。

外に出ても、取らない手

副業として持ち、清掃も巡回も衛生管理も全部を外に出す手。作業時間25時間は減ります。ただし中小企業投資促進税制の対象資産からは、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供するもので、その管理のおおむね全部を他の者に委託するものが除かれています。この試算はコインランドリーを主要な事業として置いているので除外には当たらない読み方になりますが、副業として持つ形に寄せるほど、この線に近づきます。適用可否は税理士に確認することになります。

ドライクリーニング用洗濯機を置いて単価を上げる手。国は、有機溶剤が人体に与える影響の問題にかんがみ、極力その設置を控えるよう指導するとしています。置けば密閉式と回収装置と換気設備が要り、有機溶剤管理責任者も定めることになります。

この商売をどう見るか

これは運営業ではありません。立地に対する設備投資です。

仕入れも接客も人材管理もなく、オーナーの作業は月25時間。利益を決めているのは経営努力ではなく、契約前に選んだ場所と、そこに置いた約4,700万円です。だから飲食やせどりの隣に並べて比べるものではありません。並べる相手は不動産投資と駐車場経営になります。

立てる問いも変わります。「コインランドリーは儲かるか」ではなく、「この場所に4,700万円を10年以上置いて年にいくら戻るか。同じ金額を他に置いたときと比べてどうか」。標準ケースなら年335万円ほどが戻る計算で、率にすれば年7.1%。ただし減価償却を戻した現金ベースで、税金も借入返済も引いていない参考値です。

そして標準ケースの営業利益は月2,200円。この試算では、実質的に損益分岐の上にあります。業界平均とされる稼働率10%がそのまま分岐点で、平均的な店は儲かっていない可能性がある。上に振れる余地はありますが、公開情報だけでは「平均を超えられるかどうか」を判断する材料が足りません。そこが今回いちばん正直な結論です。

この商売の天井は、繁盛店とされる稼働率15%まで届いても月319,400円で、投じた4,700万円が戻るのに6年半かかるところにあります。台数を増やせば売上の上限は上がりますが、初期投資も同じだけ増えるので、戻るまでの年数は動きません。

いちばん影響の大きい家賃と客単価、そして根拠がいちばん弱い初期投資は、いずれも推定で実地確認できていません。しかも今回の再確認で、メーカー2社が20坪の店の開業資金を3,000万〜4,000万円程度と書いていることが分かりました。この試算の4,700万円は、その外側にあります。近隣店の料金表、募集賃料5件、機器と工事の相見積もり。そこまで調べてから決める金額です。

採点の8軸
採点の8軸

始めるなら、何から

やると決めた人が、最初に何を、どの順番でやるのか。始めることを勧めているわけではありません。特定の業者やフランチャイズ本部、機器メーカーは挙げません。金額と日数は、法令と官公庁と自治体が公開しているもので確かめられた分だけを書きます。確かめられなかったものは、空けたまま残します。

1. 手続き

保健所

届出制です。根拠は自治体の条例・要綱にあります。国の指導要綱に「届出」の語はありません。江東区の例では、次のようになっています。

事前相談具体的な計画(図面等)ができたら、あらかじめ電話予約のうえ相談に行く
予約受付は平日8時30分から17時00分。予約可能時間は平日8時30分から11時00分と13時00分から15時30分
窓口健康部(保健所)生活衛生課 環境衛生係(電話 03-3647-5862)
届出の時期開設後、速やかに
必要書類開設届/構造設備の概要/付近見取図及び洗濯機等の配置図/(法人の場合)登記事項証明書(発行後6か月以内の原本)
そのあと営業者が立ち会って施設確認。後日、届出済書が交付される
手数料ページに記載がなく、確認できませんでした
標準処理期間ページに記載がなく、確認できませんでした

届け出た内容に変更が生じたとき、廃止したときも届出が要ります。電子申請の窓口も用意されています。自治体ごとに条例・様式・基準が異なるので、出店予定地の保健所に確認することになります。

施設基準と衛生管理責任者

厚生労働省の指導要綱 第三の11項目に適合させます。床面積は台数nに対し5.5+1.2n(㎡)以上が望ましいとされ、14台なら22.3㎡。外部から見通しの容易な構造であること、他の営業施設及び居住施設等と区隔されていること、不浸透性材料の床面と腰張り、流水式手洗設備、燃焼ガス等の戸外への排出が入っています。

衛生管理責任者は施設ごとに選任し、氏名と連絡先を施設内の見やすい場所に掲示します。常駐か近隣所在が原則で、デジタル技術等を活用して直ちに管理の業務を行うことができる場合はこの限りでない、というただし書きが付いています。

消防署と税務署

自治体によっては「火を使用する設備等の設置届出書」が要る場合があります。乾燥機が消防法の「火を使用する設備」に当たる場合です。この記述の出典は機器メーカーなので、所轄の消防署に確認することになります。

税務署には個人事業の開業・廃業等届出書を出します。青色申告にするなら、所得税の青色申告承認申請書も出します。

洗濯代行を足すなら

その施設はクリーニング所になります。開設しようとする者は、位置、構造設備、従事者数、クリーニング師の氏名を、あらかじめ都道府県知事に届け出ます(クリーニング業法 第5条第1項)。構造設備について知事の検査を受け、適合する旨の確認を受けた後でなければ使用してはなりません(第5条の2)。洗たくをするクリーニング所には1人以上のクリーニング師を置きます(第4条)。受取と引渡しだけの所は、この設置義務から除かれます。

2. 場所・道具の確保

項目この試算での置き方出典側の20坪の目安
物件20坪(約66㎡)の賃借テナント、郊外ロードサイド。家賃 月150,000円(推定)、保証金・敷金1,000,000円(推定)家賃15万円
機器14台31,000,000円(推定)機器購入費1,500万〜2,000万円、または機器の導入費用2,000万円程度
内装・給排水・電気ガス工事14,000,000円(推定)外装工事200万〜300万円、内装工事400万〜900万円
開業資金の合計47,000,000円(推定)3,000万〜4,000万円程度

出典側の目安のほうが低いことは、そのまま記録しておきます。実額は相見積もりを取るまで分かりません。

初期費用を抑える手として、出典の1つは居抜き物件の利用を挙げています。内装工事などのコストを下げられる代わりに、設計の自由度は低くなるとしています。

ドライクリーニング用洗濯機を置くかどうかは、先に決めることになります。国は、極力その設置を控えるよう指導するとしています。

3. 仕入れ・供給の確保

仕入れに当たるものがない業態です。在庫はゼロ。

最初に押さえるのは物件であって、機械ではありません。稼働率を決める通行量・商圏・駐車場・視認性は、契約に判を押した時点で確定します。

機器と工事は複数社から相見積もりを取ることになります。この分析でいちばん根拠が弱い数字がここで、出典によって20坪の目安が食い違っています。電気・ガス・水道の契約も、機器の構成が決まってからです。

4. 売る場所・受注の窓口の準備

店そのものが売り場で、立地が集客です。有償で買える集客の経路は乏しく、この試算では広告費を月10,000円しか置いていません。

出典の1つは、コインランドリーの商圏を半径2km以内としてチラシの配布に触れ、目立つ看板やのぼり旗、公式LINEやアプリからの知らせ、地図サービスへの店舗情報の登録を挙げています。

料金表は店内に掲示します。指導要綱 第五は、使用方法、素材に応じた洗濯・乾燥の可否、伝染性の疾病にり患した者等が着用した衣類の洗濯の禁止、し尿の付着したおむつ・運動靴・動物の敷物等の洗濯の禁止を掲示するよう求めています。最後のものは、専用に洗濯するための洗濯機を設置している場合を除きます。

5. 最初の1件までの順番

  1. 出店候補地を自分の足で見る。通行量、駐車場、視認性、競合。稼働率10.0%を割れば営業赤字になる
  2. 近隣店の料金表を確認する。客単価700円は出典が示す20坪の例の値であって、その地域の値ではない
  3. 機器と工事の相見積もりを取る。この試算でいちばん弱い数字がここにある
  4. 物件を仮押さえし、図面を作る
  5. 所轄の保健所に事前相談する。電話予約のうえ、図面を持って行く
  6. 工事と機器の設置。衛生管理責任者を決め、掲示するものを用意する
  7. 開設後、速やかに開設届を提出する。立ち会って施設確認を受け、届出済書の交付を受ける
  8. 税務署に開業届。自治体によっては消防署へ設置届出書

順番を間違えると違法になる。 洗濯代行を足すなら、その施設はクリーニング所になります。構造設備は知事の検査を受け、適合する旨の確認を受けた後でなければ使用してはなりません。あとから足すのではなく、図面を作る前に決めることになります。

順番を間違えると損になる。 中小企業投資促進税制の対象資産からは、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供するもので、その管理のおおむね全部を他の者に委託するものが除かれています。運営をどこまで外に出すかは、機器を買う前に決めることになります。適用可否は税理士に確認してください。

日数と費用の合計。 公式に確かめられた金額はありません。江東区は届出の手数料も標準処理期間もページに記載しておらず、確認できませんでした。この試算の所要資金は48,500,000円ですが、初期投資は推定で、幅は4,200万〜5,300万円としています。同じ出典群が示す20坪の目安は3,000万〜4,000万円程度で、この試算より低い。実額は相見積もりを取るまで分かりません。

この試算が外れるとしたら

  • 初期投資の水準。 この試算は4,700万円(幅4,200万〜5,300万円)を置きました。ところが原典を読み直したところ、機器メーカー2社が、20坪程度の店舗の開業資金を3,000万〜4,000万円程度と書いていました。しかもその金額には店舗の購入・建設費が含まれており、賃借テナント前提のこの試算より広い範囲を指します。機器だけで見ても、1,500万〜2,000万円、あるいは2,000万円程度で、この試算の3,100万円より低い。つまり下振れの方向に外れる可能性が高く、効き方は大きい。4,000万円なら回収は40,000,000÷279,200で約143か月、3,000万円なら約107か月。どちらも機器の法定耐用年数156か月の内側に入るので、「平均的な店は寿命内に投資が戻らない」という結論は、初期投資の置き方だけで反転します。この試算でいちばん結論を左右する数字が、いちばん確かめられていない場所にあります。
  • 初期投資の組み方。 4,700万円は、10坪5台・都市型のモデルケース(機器1,400万円〜、工事700万円〜、計約2,100万円)を20坪14台へ拡大した推定です。原典の金額は下限表記で、点推定には使えません。拡大の仕方も2通りあって一致しません。面積比2倍なら約4,200万円、台数比2.8倍なら機器だけで3,920万円〜となり合計は5,300万円寄りになります。
  • 出典どうしの食い違い。 同じメーカーの別ページが「ランニングコストは一般的に売上の20〜30%程度」としています。標準ケースの月商705,600円に当てると141,120〜211,680円。ところが同じメーカーは、20坪の店の毎月の維持費を月40〜60万円としており、これは月商の57〜85%にあたります。20〜30%とは重なりません。別のメーカーも20坪の水道光熱費を10〜20万円、人件費を3〜5万円としています。この試算は率のほうを採らず、幅(20〜30%)だけを3ケースの振れ幅として借りました。率そのものに出典の裏付けはありません。
  • 家賃と変動費の金額。 家賃150,000円は「地方都市の郊外20坪、坪7,500円」として置いた推定で、物件情報での確認をしていません。ただし出典の1つは、20坪の毎月の維持費の目安として家賃15万円を挙げており、金額としては一致します。地域が書かれていないので、推定の扱いは変えていません。変動費176,400円も、出典が示す水道光熱費12〜16万円と洗剤等1万円の合計に近い。金額としては外れていない可能性がありますが、率として置いたことに根拠はありません。
  • 稼働率10%という平均。 算出根拠も母集団も公開されておらず、掲載は2022年12月27日で3年半前です。この数字が実態より甘ければ、標準ケース全体がそのぶん甘くなります。母集団が全国なのか、特定の機器を入れた店なのかも分かりません。
  • 稼働率の換算の仕方。 1回を1時間、24時間営業として単純化しました。洗濯乾燥60分と乾燥40分の混在を1時間に丸めています。そして10%は24時間で割った平均です。同じ出典が、利用は午前中に集中し深夜はほぼいないと書いていますが、時間帯別の回数は分かりません。営業時間を絞ったときに何がどう動くかを、この試算では解けません。
  • 値上げと客数の関係。 客単価を10%上げたとき、増えた分がそのまま営業利益に残る置き方をしています。値上げで客数が落ちる関係はモデルに入っていません。上振れ方向に外れます。
  • 税制の効き方。 この試算に税は入っていません。中小企業投資促進税制は1台または1基の取得価額160万円以上の機械装置を対象としていますが、この試算は機器14台で3,100万円と置いただけで、1台あたりの内訳を出していません。だから何台が対象になるかを計算できません。指定事業には洗濯・理容・美容・浴場業が入っています。適用可否は税理士に確認することになります。
  • 推定で置いた小さめの費目。 衛生管理責任者の体制費20,000円、オーナーの作業時間20・25・35時間、広告費10,000円、事故・修繕20,000円、内装の償却15年。いずれも推定で、出典の裏付けがありません。内装の資産区分は工事の中身によるので、税務は要確認です。
  • この試算に入っていないもの。 借入の元本返済、オーナー自身の役員報酬、法人税等、季節による変動の実数。
  • 出典の偏り。 A級を除く6件のうち5件は、機器メーカーかフランチャイズ支援会社、つまり開業を勧める立場の発信です。中立なのは日本経済新聞の1件だけで、その1件もペイウォールにより本文は未読で、公開部分の「店舗数は10年で4割増」だけを使っています。楽観方向に外れやすい情報環境です。
  • 見つからなかった公的統計。 廃業率、平均営業年数、コインオペレーションクリーニング営業施設数の公的統計を特定できませんでした。つまり「平均的な店がどれだけ続くのか」を、この試算はまったく見ていません。

前提と出典

選ばなかった形

土地を買って建てる形、居抜き物件を引き継ぐ形、既存店を譲り受ける形、機器をリースにする形、フランチャイズに加盟する形、土地の所有者と組んで運営だけを担う形、洗濯代行を併せて行う形、カフェなどを併設する形、ドライクリーニング用洗濯機を置く形、10坪前後の小型店から始める形。いずれも費用と売上の構造が変わります。

確認できた事実

保健所への届出が必要。根拠は自治体の条例・要綱にあり、国の指導要綱に「届出」の語はありません。施設基準は厚生労働省の指導要綱 第三に11項目。床面積は台数nに対しQ=5.5+1.2n(㎡)以上が望ましいとされています。衛生管理責任者の選任と、氏名・連絡先の掲示が必要。常駐か近隣所在が原則で、デジタル技術等を活用して直ちに管理の業務を行うことができる場合はこの限りでない、というただし書きが付いています。ドライクリーニング用洗濯機を設置する場合は有機溶剤管理責任者。国は、その設置を極力控えるよう指導するとしています。し尿の付着したおむつ・運動靴・動物の敷物等の洗濯の禁止は掲示事項ですが、専用に洗濯するための洗濯機を設置している場合は除かれます。機器の法定耐用年数は13年。中古なら耐用年数を過ぎたものは原則2年、5年落ちなら9年。洗濯代行を足すとクリーニング所になり、あらかじめ都道府県知事への届出と構造設備の検査、洗たくをする所には1人以上のクリーニング師が要ります。中小企業投資促進税制の対象資産からは、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供するもので、管理のおおむね全部を他の者に委託するものが除かれています。

出典側の目安として、稼働率の平均は約10%、15%超で繁盛店。20坪の店舗の例は客単価700円・機器14台・24時間・30日で月額売上705,600円。20坪の開業資金は3,000万〜4,000万円程度で、毎月の維持費は月40〜60万円。10坪5台・都市型のモデルケースは計約2,100万円。商圏は半径2km。店舗数は10年で4割増。

確認できなかったこと

全国店舗数「25,000件超」「ガソリンスタンドを上回った」(日経はペイウォールで本文未読)。コインオペレーションクリーニング営業施設数の公的統計。廃業率と平均営業年数。届出の手数料と標準処理期間。クリーニング師が不要かどうか(指導要綱にも自治体のページにも記載がなく、不記載を「不要」とは読みません)。

推定で置いた数字

初期投資47,000,000円(幅4,200万〜5,300万円)/家賃150,000円/変動費率 弱気30%・標準25%・強気20%/衛生管理責任者の体制費20,000円/オーナー作業時間20・25・35時間/内装の償却15年/稼働率換算1回=1時間/広告費10,000円/事故・修繕20,000円。根拠が最も弱いのは初期投資。影響が最も大きいのは客単価、次いで稼働回数。

まだ分からないこと

20坪14台の初期投資の実額(出典間で3,000万〜4,000万円と4,700万円が食い違っています)/機器の1台あたり価格/家賃の実額/料金表と平均客単価/稼働率の実測と「平均10%」の根拠/時間帯別の稼働/光熱費・水道代の実額/廃業率と平均営業年数/季節変動の実数/施設数の公的統計/全国店舗数の一次データ/出店地の条例・施設基準・手数料/税制の適用可否/衛生管理責任者を委託する場合の費用相場/「デジタル技術等を活用し、直ちに管理の業務を行うことができる」の当てはめ/併設する場合の「区隔」の当てはめ/既存店の譲渡価格と土地提供の形での収益の分け方。

検証版で埋めるのは、初期投資の実額(機器と工事の相見積もりを取る)、家賃の実額、平均客単価、稼働率の実測、光熱費の実額。1つめは今回の再確認で出典間の食い違いが分かったため、最優先に上げました。結論がここで反転します。

出典

等級出典
A厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱について」(昭和58年3月29日 環指第39号)
A江東区「コインオペレーションクリーニング(いわゆるコインランドリー)に関する手続き」(更新 2025-08-20)
A国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数表(機械及び装置)」
Ae-Gov法令検索「クリーニング業法」(昭和二十五年法律第二百七号)
A国税庁 タックスアンサー「No.5433 中小企業投資促進税制」(令和7年4月1日現在法令等)
BTOSEI「コインランドリー経営の初期費用はいくらかかる? ランニングコストも解説!」(公開日・更新日の記載なし。モデルケースは10坪5台・都市型)
BTOSEI「コインランドリー経営の売上は?稼働率と売上のシミュレーション」(2022-12-27掲載)
B日本経済新聞「コインランドリー店数、クリーニング超え」(2024-09-21。ペイウォールで本文未読)
Bアクア「コインランドリー経営が失敗する原因と対策」(2026-05-20公開・2026-05-21更新)
Bニド「コインランドリー機器の減価償却について」(2025-08-01公開・2026-05-01更新)
Dフランチャイズ比較ガイド(出典リンクなし・著者情報なし・出典不明数値を多用のためD級。数値根拠に使わない)

A級5件、B級5件、D級1件。D級は数値の根拠に使っていません。11件すべて実URLを開いて原典を確認しました(9件は2026-07-28 と 2026-08-07 の2回、追加した2件は2026-08-07)。

A級を除く6件のうち5件は、機器メーカーかフランチャイズ支援会社、つまり開業を勧める立場の発信です。中立なのは日本経済新聞の1件だけ。この偏りを踏まえ、初期費用は幅を広く取り、メーカーが示す運営費の比率はそのまま採用していません。ただし今回の再確認では、その同じメーカー2社が、この試算より低い開業資金を書いていることが分かりました。偏りは、必ず楽観の方向に出るとは限りません。

出典の構成
出典の構成

許認可・規約

届出

保健所への届出が必要。根拠は各自治体の条例・要綱である。国の指導要綱に「届出」の語はない。江東区の例では、図面ができた段階で電話予約のうえ事前相談を受け、開設後、速やかに「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」を提出する。添付は構造設備の概要、付近見取図及び洗濯機等の配置図、法人なら登記事項証明書(発行後6か月以内の原本)。営業者の立会いで施設確認を受け、後日、届出済書が交付される。届け出た内容に変更が生じたとき、廃止したときも届出が要る。手数料の記載はページになく、確認できていない。

施設基準

厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱」第三に11項目。一 隔壁等により外部と区分され、かつ外部から見通しの容易な構造であり、他の営業施設及び居住施設等と区隔されていること/二 利用者の作業等に支障のない広さ(床面積Qは台数nに応じ Q=5.5+1.2n(㎡)以上が望ましい)/三 採光・照明・換気/四 燃焼ガス等の戸外への排出/五 床面及び腰張りに不浸透性材料、床は勾配と排水口/六 流水式手洗設備/七 ランドリー用洗濯機を置く施設は60℃以上の温湯が得られる設備が望ましい/八 ドライクリーニング用洗濯機は密閉式、有機溶剤回収装置、全体換気又は局所排気/九 便所を設ける場合は洗濯を行う場所と区隔/一〇 食品の自動販売機等、直接洗濯に関係のない機器は利用者の洗濯作業に支障のない場所に/一一 廃棄物等を入れる専用の容器。

衛生管理責任者

同 第四 一により、各施設ごとに選任する。当該施設に常駐し、又は近隣に所在し、必要があれば直ちに当該施設及び設備の管理の業務を行うことができる者であること。ただし、デジタル技術等を活用し、必要があれば直ちに当該施設及び設備の管理の業務を行うことができる場合は、この限りでない(同号ただし書き)。氏名及び連絡先を施設内の見やすい場所に掲示し、利用者の要請に速やかに対応できる体制を整える。

ドライクリーニング用洗濯機

設置する場合は有機溶剤管理責任者を定める(衛生管理責任者が兼ねてよい)。なお国は、有機溶剤が人体に与える影響の問題にかんがみ、極力その設置を控えるよう指導するとしている(昭和58年 環指第39号 の通知本文)。

掲示

第五により、使用方法、素材に応じた洗濯・乾燥の可否、伝染性の疾病にり患した者等が着用した衣類の洗濯の禁止、し尿の付着したおむつ・運動靴・動物の敷物等の洗濯の禁止を掲示する。ただし後者は、これらを専用に洗濯するための洗濯機を設置している場合を除く。

洗濯代行を足す場合の線

クリーニング業法が「クリーニング業」と呼ぶのは、溶剤又は洗剤を使用して衣類その他の繊維製品又は皮革製品を原型のまま洗たくすることを営業とすることである(第2条第1項)。洗たくをしないで洗たく物の受取及び引渡しをすることを営業とする者も営業者に含まれる(同条第2項)。クリーニング所を開設しようとする者は、位置、構造設備及び従事者数並びにクリーニング師の氏名を、あらかじめ都道府県知事に届け出る(第5条第1項)。構造設備について知事の検査を受け、適合する旨の確認を受けた後でなければ、そのクリーニング所を使用してはならない(第5条の2)。洗たく物の洗たくをするクリーニング所には、1人以上のクリーニング師を置く(第4条)。受取及び引渡のみを行うものはこの設置義務から除かれる。洗たくをするクリーニング所には、業務用の機械として洗たく機及び脱水機をそれぞれ少なくとも1台備える(第3条第2項)。つまり線は「誰が洗うか」にある。客が自分で回す限りは今の届出のままで、預かって洗うならクリーニング所になる。この当てはめは所轄の保健所が判断する。要確認。

消防署

自治体によっては「火を使用する設備等の設置届出書」が要る場合がある(乾燥機が消防法の「火を使用する設備」に当たる場合)。出典はB級。所轄の消防署に確認すること。

自分で確かめること

出店予定自治体の条例・施設基準・届出様式・手数料は自治体ごとに異なるため、所轄保健所に確認すること。

推定で置いた数字の一覧

推定で置いた数字前提
初期投資 47,000,000円(幅 42,000,000〜53,000,000円)
  • 置いた前提:株式会社TOSEIのモデルケース(10坪5台・都市型・機器1,400万円〜・工事700万円〜・計約2,100万円)を20坪14台へ拡大した推定。拡大の仕方が2通りあり一致しない。面積比2倍なら約4,200万円。台数比2.8倍なら機器だけで 3,920万円〜となり合計は5,300万円寄りになる。標準は中間の4,700万円(機器3,100万+工事1,400万+保証金100万+諸費用100万)を置いた。
  • 弱いところ:株式会社TOSEIの「1,400万円〜」「700万円〜」は下限表記であり点推定に使えない。対象範囲(10坪5台・都市型)もこの分析(20坪14台・郊外)と一致しない。初期投資はこの分析で最も根拠が弱い数値。 2026-08-07 の再確認で、さらに強い問題が見つかった。 株式会社TOSEIは同じ機器メーカーのページでありながら「平均すると20坪程度の店舗で、トータルで 3,000万〜4,000万円程度の開業資金がかかります」と書き、内訳として機器購入費1,500万〜2,000万円を挙げている。アクア株式会社(別のメーカー)も「20坪程度の店舗を出す場合」として機器の導入費用2,000万円程度、機器+店舗の建設費用3,000万〜4,000万円程度としている。 2社が独立に20坪で3,000万〜4,000万円と書いており、この推定の幅(4,200万〜5,300万円)はその外側に丸ごと乗っている。しかも2社の金額は店舗の購入・建設費を含む額で、賃借テナント前提のこの分析より広い範囲を指す。機器だけで比べるとこの分析の3,100万円は、株式会社TOSEIの1,500万〜2,000万円、 アクア株式会社の2,000万円程度を大きく上回る。 2026-08-07 の書き直しでは数値・結論・採点を動かさない方針としたため、この推定はそのまま残した。モデルの組み直しは編集長の判断を仰ぐ。
家賃 150,000円/月
  • 置いた前提:地方都市の郊外20坪、坪7,500円と置いた推定。物件情報での実地確認をしていない。なお株式会社TOSEIは20坪の毎月の維持費の目安として家賃15万円を挙げており、金額としては一致する。ただし地域の記載がないため、推定の扱いは変えていない。
  • 効き方:+10%で営業利益 −15,000円
変動費率(弱気30%/標準25%/強気20%)
  • 置いた前提:株式会社TOSEIの「ランニングコストは売上の20〜30%」は家賃・メンテを含む総額の目安であり変動費率ではない。幅(20〜30%)だけを3ケースの振れ幅として借り、率そのものは推定として置いた
  • 弱いところ:率に出典の裏付けがない。家賃が固定費であるため、低稼働時の実際の負担はこのモデルより重い可能性がある。なお標準ケースの176,400円は、株式会社TOSEIの水道光熱費12〜16万円+洗剤等1万円、 アクア株式会社の水道光熱費10〜20万円と、金額としては近い。一方で株式会社TOSEIは20坪の毎月の維持費を月40〜60万円としており、これは標準ケースの月商705,600円の 57〜85%にあたる。株式会社TOSEIの20〜30%とは重ならない。同じメーカーの2ページが食い違っている。
衛生管理責任者の体制費 20,000円/月
  • 置いた前提:委託する場合の目安として置いた推定。本人が近隣に所在して務めるなら0円だが、その場合は拘束時間が増える。要綱には、デジタル技術等を活用して直ちに管理の業務を行うことができる場合は近隣所在を要しない旨のただし書きがあるが、その場合の費用も確認していない
経営者作業時間 20/25/35時間(月)
  • 置いた前提:巡回・両替・補充・トラブル対応・経理に加え、衛生管理責任者としての対応を織り込んだ推定。実測ではない
内装の減価償却15年
  • 置いた前提:建物附属設備として置いた推定。実際の資産区分は工事内容による。税務は要確認
稼働回数と稼働率の換算(1回平均1時間・24時間営業)
  • 置いた前提:洗濯乾燥60分・乾燥40分の混在を1時間として単純化した推定。稼働率10%は24時間を分母にした値であり、時間帯別の内訳は公開されていない
広告費 10,000円/事故・修繕 20,000円(月)
  • 置いた前提:いずれも推定。出典の裏付けはない

出典の一覧

等級出典利害関係原典を確認した日
A厚生労働省「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置等指導要綱について」(昭和58年3月29日 環指第39号)
  • 対象:全国/コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生措置/通知本文と別添の要綱の全文を取得して確認
  • 使ったところ:第二(定義。洗濯機、乾燥機等の設備を設け公衆に利用させる営業。病院・寄宿舎等の共同洗濯設備を除く)/第三の構造設備11項目(一 隔壁等により外部と区分され、かつ外部から見通しの容易な構造であり、他の営業施設及び居住施設等と区隔されていること。二 利用者の作業等に支障のない広さ。床面積Qは台数nに応じ Q=5.5+1.2n(㎡)以上であることが望ましい。三 採光・照明・換気。四 燃焼ガス等の戸外への排出。五 不浸透性材料の床面及び腰張り、勾配と排水口。六 流水式手洗設備。七 ランドリー用洗濯機を設置する施設は60℃以上の温湯設備が望ましい。八 ドライクリーニング用洗濯機は密閉式、有機溶剤回収装置、全体換気又は局所排気。九 便所は洗濯を行う場所と区隔。一〇 食品の自動販売機等直接洗濯に関係のない機器は利用者の洗濯作業に支障のない場所に。一一 廃棄物等の専用容器)/第四 一(衛生管理責任者の選任。常駐し、又は近隣に所在し、必要があれば直ちに管理の業務を行うことができる者。ただしデジタル技術等を活用し、必要があれば直ちに管理の業務を行うことができる場合はこの限りでない。有機溶剤管理責任者。氏名及び連絡先を施設内の見やすい場所に掲示)/第四 二(毎日の清掃、機械設備の保守点検、接触部分の洗浄・消毒、フィルターの糸くず除去ほか)/第五(利用方法等の掲示。伝染性の疾病にり患した者等が着用した衣類の洗濯の禁止。し尿の付着したおむつ、運動靴、動物の敷物等の洗濯の禁止。これらを専用に洗濯するための洗濯機を設置している場合を除く)/通知本文(ドライクリーニング用洗濯機を設置し直接公衆に利用させることは、有機溶剤の人体に与える影響の問題にかんがみ、極力その設置を控えるよう指導すること。都道府県等に対し必要に応じ条例又は要綱等の制定を行うよう求めていること)
  • 注記:原典に「届出」「クリーニング師」の語はない。届出制の根拠は江東区側。 2026-08-07 の再確認で2点を訂正した。(1) 第三 一の「外部から見通しの容易な構造」は原典に存在する(2026-07-28 に「出所不明」として削除していたのは誤り)。(2) 第四 一(二) に「ただし、デジタル技術等を活用し、必要があれば、直ちに当該施設及び設備の管理の業務を行うことができる場合は、この限りでない」というただし書きがある。
なし2026-08-07
A江東区「コインオペレーションクリーニング(いわゆるコインランドリー)に関する手続き」
  • 対象:江東区/更新日 2025年8月20日/ページ番号19665
  • 鮮度:更新日 2025-08-20
  • 使ったところ:保健所長への届出が必要であること/具体的な計画(図面等)ができたら、あらかじめ電話予約のうえ相談すること(環境衛生係直通 03-3647-5862、予約受付は平日8時30分から17時00分、予約可能時間は平日8時30分から11時00分と13時00分から15時30分)/開設後、速やかに開設届を提出すること/必要書類は開設届、構造設備の概要、付近見取図及び洗濯機等の配置図、法人の場合は登記事項証明書(発行後6か月以内の原本)/営業者立会いのもと施設確認を行い、後日、届出済書を交付すること/変更届・廃止届があること/電子申請(LoGoフォーム)の窓口があること/遵守事項として衛生管理責任者の選任、氏名・連絡先の掲示、施設内の清掃、機械類の保守点検、利用方法等の掲示、伝染性の疾病にり患した者等が着用した衣類の洗濯の禁止、し尿の付着したおむつ・運動靴・動物の敷物等の洗濯の禁止(専用の洗濯機を設置している場合を除く)/ドライクリーニング用洗濯機を設置する場合は有機溶剤管理責任者の選任、有機溶剤を含有するものの廃棄は専用のふた付き容器、有機溶剤は密封容器に入れ施錠可能な専用保管庫に保管すること
  • 確認できていないところ:届出の手数料と標準的な処理期間は、このページに記載がなく確認できなかった
なし2026-08-07
A国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数表(機械及び装置)」
  • 対象:全国/法定耐用年数
  • 使ったところ:「洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備」=13年(機器の減価償却の根拠)
なし2026-08-07
B株式会社TOSEI(機器メーカー)「コインランドリー経営の初期費用はいくらかかる? ランニングコストも解説!」
  • 対象:モデルケースは10坪(33㎡)・機械5台・都市型店舗。この分析の20坪14台とは対象範囲が異なる
  • 鮮度:公開日・更新日の記載なし(鮮度不明)
  • 使ったところ:機器1,400万円〜/建物改装工事、二次側工事700万円〜/モデルケース計 約2,100万円(土地の取得は含まれていない)/ランニングコストは一般的に売上の20〜30%程度(家賃、電気代、水道代、洗剤などの消耗品、設備のメンテナンス費用を含む)/同モデルの月々支出 約37万円(ランニングコスト20万+機器返済10万+工事費返済7万)/初期費用を抑えるには居抜き物件の利用が効果的で、内装工事などのコストを下げられるが設計の自由度は低くなること/保健所に「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」を提出すること、自治体によっては消防署への届出が必要な場合があること/売上は利用者数に比例し、その8割がリピーターといわれること/車で来店する利用者が多い土地なら15坪程度の小型店にして駐車場を広くするのが有効であること
  • 注記:本文に「コインランドリー経営は中小企業経営強化税制に基づく優遇税制が豊富」という記述があるが、具体的な適用条件が書かれておらず、税制の数値根拠には使っていない。
あり(機器メーカー=開業を促す立場)2026-08-07
B株式会社TOSEI「コインランドリー経営の売上は?稼働率と売上のシミュレーション」
  • 対象:全国/掲載 2022年12月27日(約3年半前)
  • 使ったところ:稼働率の平均は約10%(午前中に利用が集中する傾向にあるため)/15%を超えるとよく繁盛している店舗/算出根拠・母集団は非公開/売上式は「客単価×洗濯機や乾燥機の台数×営業時間×営業日数×稼働率」/平均的な広さである20坪の店舗の例として、客単価700円・台数14台(洗濯乾燥機・洗濯機・乾燥機の合計)・営業時間24時間・営業日数30日・稼働率10%で月額売上705,600円/1か月の売上目安は20坪で60〜80万円、10坪で30〜40万円/開業資金の内訳は店舗費(購入・建設)400万〜1,500万円、外装工事費200万〜300万円、内装工事費400万〜900万円、機器購入費1,500万〜2,000万円、広告宣伝費100万円で、平均すると20坪程度の店舗でトータル3,000万〜4,000万円程度/毎月の維持費の目安は家賃15万円、機器のリース代15万円、水道光熱費12〜16万円、洗剤などの備品1万円で、20坪の店舗で試算すると月に40〜60万円程度/商圏は半径2km以内(チラシ配布の記述)/時間帯は住宅街では午前7時頃から使用され午前10時にピーク、昼に一旦落ち着き午後3時から午後7時頃に再び混み、午後10時過ぎに客足が減り、夜間は利用客がほぼいない店舗もあること/深夜など利用客が少ない時間帯の営業は光熱費がかさむこと/運動靴やペットグッズ用の洗濯機で差別化できること
  • 注記:2026-07-28 の確認では稼働率と20坪の例だけを見ていた。2026-08-07 の再確認で、同じページに開業資金と毎月の維持費の20坪の目安が載っていることが分かった。この試算の初期投資4,700万円は、その3,000万〜4,000万円の外側にある。
あり(機器メーカー)2026-08-07
B日本経済新聞「コインランドリー店数、クリーニング超え 次の『主洗場』」(2024-09-21)
  • 対象:全国/店舗数の推移
  • 使ったところ:「店舗数は10年で4割増え」/「コインランドリー数がクリーニング店超え」(いずれも公開部分で確認)
  • 確認できていないところ:「店舗数25,000件超」「ガソリンスタンドを上回った」はペイウォールにより本文未読で確認できていない。数値根拠に使わない
なし(唯一の中立)2026-08-07
Bアクア株式会社(機器メーカー)「コインランドリー経営が失敗する原因と対策」
  • 対象:全国/公開 2026-05-20・更新 2026-05-21
  • 使ったところ:失敗原因7項目(立地選定のミス/資金計画の甘さ/店舗管理体制の不備/競合調査不足/集客活動の軽視/店舗規模のミスマッチ/無理な個人経営)/「近隣に競合店が増えた場合、利用者の奪い合いによって売上が大幅に減少するおそれ」(一般論)/「清掃やメンテナンスが行き届かなくなると印象が悪化」/20坪程度の店舗を出す場合の目安として機器の導入費用2,000万円程度、機器の導入費用+店舗の建設費用3,000万〜4,000万円程度、ランニングコストは1か月当たり水道光熱費10万〜20万円、人件費3万〜5万円/経営が軌道に乗るまでの期間は通常1年から2年以上/まずは10〜15坪程度の広さを目安に始めるのがおすすめ/経営形態は個人経営・フランチャイズ・土地提供の3つ/カフェや雑貨店を併設すれば待ち時間を快適に過ごせること/保健所、消防署(火を使用する設備等の設置届出書)、税務署(開業届)への届出/遠隔接客システムの導入
  • 注記:「月商が想定の半分以下になる事例」という記述は原典になし(2026-07-28 削除)。
あり(機器メーカー)2026-08-07
B株式会社ニド(コインランドリー開業支援・機器レンタル)「コインランドリー機器の減価償却について|耐用年数と節税のポイント」
  • 対象:全国/公開 2025-08-01・更新 2026-05-01
  • 使ったところ:法定耐用年数13年(正式区分名「洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備」)/耐用年数は実際の使用可能期間を示すものではないこと/中古機器の耐用年数は、耐用年数を経過している場合は13年×20%で原則2年、経過していない場合は(13年−経過年数)+(経過年数×20%)で、5年経過なら9年/中小企業投資促進税制(取得価額の30%特別償却 または 7%税額控除、1台160万円以上が対象)/先端設備等導入制度(固定資産税の特例、160万円以上の機器装置ほか)/IoTシステムを入れると店舗の売上をオンラインで確認できる、機器の稼働状況をオンラインで確認できる、遠隔から機器を操作できること
  • 注記:「中小企業経営強化税制の即時償却」という記述は原典になし(2026-07-28 訂正)。耐用年数13年は国税庁 確定申告書等作成コーナー(国税庁)で裏付け済み。 2026-08-07 の再確認で、本文が中小企業投資促進税制の除外を「コインランドリー業で、機器装置の管理のほぼすべてを他者に委託している場合は同制度の対象外」と書いており、原典(国税庁 タックスアンサー)にある「主要な事業であるものを除く」という限定を落としていることが分かった。除外の記述は国税庁 タックスアンサー(国税庁)に置き換えた。
あり(物件調査・事業計画・オープン支援+機器レンタル=開業を促す立場)2026-08-07
Dフランチャイズ比較ガイド「コインランドリーフランチャイズ 開業費用・廃業率・失敗事例まとめ【2026】」
  • 使ったところ:なし。D級のため数値根拠に使わない(旧記載「FC初期投資2,000〜5,000万円」は2026-07-28に数値根拠から除外)
あり2026-07-28
Ae-Gov法令検索「クリーニング業法」(昭和二十五年法律第二百七号)
  • 対象:全国/法令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:第2条第1項(「クリーニング業」とは、溶剤又は洗剤を使用して、衣類その他の繊維製品又は皮革製品を原型のまま洗たくすることを営業とすることをいう)・第2項(「営業者」には、洗たくをしないで洗たく物の受取及び引渡しをすることを営業とする者を含む)・第4項(「クリーニング所」とは、洗たく物の処理又は受取及び引渡しのための営業者の施設)/第3条第1項(営業者は、クリーニング所以外において、営業として洗たく物の処理を行い、又は行わせてはならない)・第2項(洗たく物の洗たくをするクリーニング所には、業務用の機械として洗たく機及び脱水機をそれぞれ少なくとも1台備える。脱水機の効用をも有する洗たく機を備える場合は脱水機は不要)/第4条(営業者は、クリーニング所(洗たく物の受取及び引渡のみを行うものを除く)ごとに1人以上のクリーニング師を置く。営業者自身がクリーニング師で主としてその所で業務に従事するときはこの限りでない)/第5条第1項(クリーニング所を開設しようとする者は、位置、構造設備及び従事者数並びにクリーニング師の氏名その他必要な事項を、あらかじめ都道府県知事に届け出る)・第2項(クリーニング所を開設しないで洗濯物の受取及び引渡しをすることを営業としようとする者も、あらかじめ届け出る)/第5条の2(構造設備について都道府県知事の検査を受け、第3条第2項又は第3項に適合する旨の確認を受けた後でなければ、クリーニング所を使用してはならない)/第15条(第5条の届出をせず又は虚偽の届出をした者、第5条の2に違反してクリーニング所を使用した者は5,000円以下の罰金)
  • 注記:コインランドリーは利用者が自分で洗うため、この法律の「営業として洗たくすること」に当たらないと読める。国がコインランドリーについて法律ではなく指導要綱を出し、都道府県等に条例又は要綱等の制定を求めていること(厚生労働省の通知本文)とも整合する。ただし法律に明文の適用除外があるわけではない。個別の当てはめは所轄の保健所が判断する。要確認。
なし2026-08-07
A国税庁 タックスアンサー「No.5433 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)」
  • 対象:全国/法人税/令和7年4月1日現在法令等
  • 使ったところ:適用対象資産は新品の機械及び装置で1台または1基の取得価額が160万円以上のもの/特別償却限度額は基準取得価額の30%相当額、税額控除限度額は基準取得価額の7%相当額/注1として「コインランドリー業(主要な事業であるものを除きます。)の用に供するもので、その管理のおおむね全部を他の者に委託するものは除かれています」/貸付けの用に供する資産は特定機械装置等に該当しないこと/指定事業に洗濯・理容・美容・浴場業が含まれること/指定期間は平成10年6月1日から令和9年3月31日まで
  • 注記:このページは法人税の規定である。個人事業主の場合は所得税の規定によるため、適用可否は税理士に確認すること。この試算に税は入れていない。
なし2026-08-07

更新履歴

日付内容
2026-07-27初版作成
2026-07-28表現を全面的に見直し。数字と結論は変更なし
2026-07-28机上版として公開する方針を確定
2026-07-28出典9件の原典を確認し、全面的に修正。結論が変わった。標準ケースの営業利益 59,000円→2,200円、時給 2,950円→88円、回収 124か月→168か月、総合点 51→42
2026-08-03推定に依存した言い切りを、試算を主語にした語調へ改稿。数字・結論・採点は変更なし
2026-08-03「どこに活路があるか」を追加。感度分析と損益分岐からの逆算のみ。数値・結論・採点は変更なし
2026-08-04冒頭に「この商売はどういうものか」を追加。数字・結論・採点は変更なし
2026-08-07読者向けの構成を10セクションに組み替えた。結論を4段にして末尾に判定を置き、危ないところを並べていた節を廃して商売のリスクを各節へ分配し、分析の弱点を「この試算が外れるとしたら」へ移した。面白いポイントを6項目から3項目に絞り、活路を層1と層2に分け、向き不向きを最低限の要件と資質の2段にした。「想定した人と、その一年」と天井の1行を追加。あわせて出典9件の原典を全件読み直し、4点を訂正した。指導要綱 第三 一の「外部から見通しの容易な構造」を復元(原典に存在する)/第四 一(二)のただし書き(デジタル技術等を活用して直ちに管理の業務を行える場合は近隣所在を要しない)を追記/中小企業投資促進税制の除外に「主要な事業であるものを除く」という限定があることを国税庁の原典で確認して訂正/日経の「約4割増」を原典どおり「10年で4割増」に。クリーニング業法と国税庁 タックスアンサー No.5433 の2件を出典に追加(A級3件→5件)。数値・結論・3ケース・採点42点は変えていない
2026-08-07結論の末尾に、初期投資の食い違いを開示した。この試算の4,700万円には出典がなく、同じ出典群は20坪の店の開業資金を3,000万〜4,000万円程度としている。その額で置き直すと回収は約143か月・約107か月で、いずれも機器の寿命156か月の内側に入るため、いちばん強い主張が反転しうる。回収月数は既存値の割り算で、新しい数字は作っていない。数字・結論・採点は変更なし

数字の誤りや、実際と違う点にお気づきの方は、訂正をお寄せください。確認のうえ、履歴を残して更新します。

訂正の受付

数字の誤りや、現場と違う点にお気づきの方は教えてください。訂正して更新の記録に残します。

数字が大きく動いたときは、更新ではなく訂正として扱い、変更前の値を残したまま更新履歴に記録します。

本コンテンツは公開情報と一定の仮定に基づく試算です。特定企業の実際の利益を示すものではなく、地域・規模・経験・時期によって結果は変わります。出典・計算条件・更新日は商売解剖図鑑に掲載します。