商売解剖図鑑

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訪問看護ステーション

看護師本人が法人を作って開設・看護職員は常勤換算3.0人・介護保険と医療保険の両方・24時間対応

机上版現場サービス無店舗BtoC許認可あり

調査日 2026-08-10 / 原典を確認した日 2026-08-10

現地には行っていません。公開されている情報と、そこから組んだ試算だけで書いています。実額の裏取りが済んだら検証版として更新します。

初期投資

417万円

幅 300〜600万円

月の営業利益(標準)

590,000円

弱気 56,000円 / 強気 120万円

経営者の時給(標準)

3,172円

月 186時間

投資の回収(標準)

7か月

個人事業としての点数

59 / 100

自分の資金と時間で始めて、自分が回す商売として

事業としての点数

70 / 100

人と仕組みで、本人から離れて大きくなるか

この商売を他とくらべる分析の方法

この商売はどういうものか

主治医が出した指示書に基づいて、看護師が利用者の自宅へ通い、療養上の世話や診療の補助を行う商売です。料金は介護保険と医療保険の公定価格で、利用者がどちらの保険になるかは、年齢と病名と状態で決まります。看護師を雇って、その人が動ける時間の分だけ売上が立ちます。

この試算で見ている形

  • 体制:看護職員は常勤換算3.0人(本人1.0・常勤看護師1.0・非常勤看護師1.0)。事務のパートが常勤換算0.6人。
  • 地域・立地:1単位10円の地域(上乗せ割合0%)。
  • 営業の形:地方の中核市(人口30万人規模)の市街地。訪問看護ステーション1か所・サテライトなし。開設者は看護師で、管理者を兼ねて訪問にも出る。理学療法士等は置かない。介護保険と医療保険の両方を扱う。24時間対応を届け出る。
  • 売上の作り方:介護保険の利用者数と介護保険の1人あたり月額を掛け合わせた額と医療保険の利用者数と医療保険の1人あたり月額を掛け合わせた額の合計が月商になります。
  • この試算に含めていないもの:借入の元本返済、法人税等、消費税、本人の社会保険料。

想定した人と、その一年

病院の病棟に12年、そのあと他人のステーションで5年働いた看護師を置きました。 40代の前半で、管理者の経験はあります。独立した日に、利用者は1人もいません。一日は朝の申し送りから始まり、午前に2件、午後に2件を回って、夕方に記録と翌日の調整をして、夜は携帯を枕元に置いて眠ります。一年でならすと、動きは冬に寄ります。肺炎と転倒が増え、看取りが重なり、そのぶん春には利用者の名前が入れ替わっています。年度替わりの4月は、ケアマネジャーの担当が動くので、挨拶に回る月になります。手元に積み上がるのは、指示書のファイルと、夜中に鳴った電話の記録と、辞めた看護師が持っていた担当の穴です。取り返しがつかなくなるのは、訪問先で事故を起こしたときと、看護師が同時に2人抜けたときです。以上は試算のために置いた姿であって、実在の誰かではありません。

結論

先に、この試算が何の上に乗っているかを置いておきます。

ひとつは報酬の額です。ここは実額が取れます。介護保険の訪問看護費は、訪問看護ステーションが30分以上1時間未満の訪問をした場合で823単位。1単位10円の地域なら8,230円です。医療保険のほうは、訪問看護基本療養費が週3日目まで1日5,550円で、これとは別に訪問看護管理療養費が月の初日7,710円、2日目以降は1日3,010円で乗ります。どちらも令和8年6月1日から適用される額で、告示に書いてあります。

もうひとつは訪問の量。看護師1人が1日4件、月20日と置きました。こちらは出典がありません。看護職員が常勤換算3.0人なら、月240回の訪問枠になります。利用者1人あたりの訪問を介護保険で月6回、医療保険で月8回とすると、受けられるのは35.6人まで。

この形なら、利用者が32人そろった時点で、手元に月59万円ほどが残る計算になります。ただしそこへ着くまでに1年かかる置き方をしました。

理由は、費用のほとんどが人の給与で、その人が0.5人単位でしか増えないからです。標準ケースの固定費1,204,000円のうち964,049円、80.1%が給与。変動費は売上の3.8%しかありません。単価は公定価格なので、量を増やしても1回あたりは上がらない。だから残るかどうかは、看護師を何人採れて、その人の訪問枠がどこまで埋まるかだけで決まります。

利用者の数その体制で受けられる上限に対する割合月商この試算での結果
21.8人61.2%1,377,000円現金の出入りがゼロ(減価償却を除く)
22.3人62.6%1,409,000円営業利益ゼロ
24.7人69.4%1,561,000円所要資金8,670,000円を60か月で回収
30.6人86.0%1,933,000円役員報酬500,000円を取れる
20人67.6%1,224,000円月56,000円の黒字(弱気ケース。看護職員2.5人)
32人89.9%2,025,000円月590,000円の黒字(標準ケース)。経営者時給3,172円
55人91.7%3,491,000円月1,200,000円の黒字(強気ケース。看護職員4.5人・1日4.5件)

上の4行は看護職員3.0人での数字です。下の3行は3つのケースそのもので、看護職員の数も1日の訪問件数も違うので、上限も違います。営業利益ゼロの22.3人までは遠くありません。遠いのは、その人数を運べる看護師を採り続けることのほうです。

で、この商売はどういうものか

看護師の資格を持っていて、開業前にケアマネジャーと病院の退院支援に会いに行ける関係があるなら、この試算の範囲では成立します。利用者22.3人で営業利益はゼロになり、所要資金8,670,000円を5年で戻す線が24.7人。看護職員3.0人で受けられるのは35.6人までなので、帯は狭くありません。難しいのはその22.3人ではなく、その人数を運べる看護師を採り続けることのほうです。常勤の看護師を1人採って、その人の訪問枠が埋まれば月251,000円が増える計算になりますが、埋まらなければ増えないどころか、給与費470,844円だけが先に出ていきます。資格を持っていないなら、管理者を雇って始める形になります。この試算はその形を見ていません。

標準ケースの経営者時給は3,172円。始めるのに要るのは8,670,000円。投じた額が戻るのは7か月の見込みです。

これは「地方の中核市で、看護師の資格を持つ本人が法人を作り、訪問看護ステーションを1か所開いて、看護職員を常勤換算3.0人まで採り、介護保険と医療保険の両方で、24時間対応を届け出て運営する」という形についての見立てです。リハビリ職を入れる形、高齢者向けの住まいに併設して同じ建物の利用者を集める形、精神科訪問看護を主にする形、機能強化型の施設基準を満たす形、複数の事業所を持つ形は、単価も費用の構造も上限も変わります。この試算は、そこを見ていません。なお添えた回収の見込みは、初期投資4,170,000円が標準ケースの現金の出入りで戻る月数で、運転資金4,500,000円の谷は含んでいません。

結論の要約
結論の要約

ここが面白い

収支差率10.3%は、月400回を超える事業所だけが作っている

厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査は、訪問看護の収支差率を10.3%と出しました。介護サービス全体の平均4.7%の2倍以上です。ところが同じ調査の統計表を、介護保険の月間訪問回数の階級で割ると景色が変わります。100回以下が3.81%、101〜200回が4.97%、201〜300回が2.57%、301〜400回が1.14%、401回以上が13.69%。上の4つはどれも全体平均を下回りました。有効回答254のうち401回以上は97で38.2%。この階級だけで差引額の93.4%を作っている計算になります。

費用の7割が人件費だからです。同じ調査で給与費は収入の70.1%を占めます。看護師は0.5人単位でしか増えません。1人採れば1日4件・月20日で月80回の訪問枠が増えますが、埋まるまでは給与だけが先に出ていく。階級別の給与費の割合は、100回以下70.5%、101〜200回74.2%、201〜300回76.3%、301〜400回80.7%、401回以上66.9%。いちばん重い301〜400回が、収支差率も1.14%で最低でした。

成り立つ条件は二つ。ひとつは単価を自分で決められないこと。訪問看護費も訪問看護療養費も公定価格で、量を増やしても1回あたりは上がらず、同じ建物に利用者を集めればむしろ下がります。だから事務と管理と24時間の当番という固定費を、訪問回数で薄める以外に手が残らない。もうひとつは、その訪問回数が採用でしか増えないことです。令和7年度に2,428か所が開き、960か所が廃止され、開いたうち87か所は同じ年度に閉じました。

介護保険の指定を取ると、医療保険の側は申請しなくても付いてくる

都道府県知事から介護保険の指定を受けると、その指定の際に、健康保険法の指定訪問看護事業者の指定があったものとみなされます。別段の申出をしない限り自動です。申請は1回で、報酬の受け皿が2つになります。

金で買えるのは利用者ではなく、人のほう

利用者はケアマネジャーと病院の退院支援と主治医から来ます。この経路は出稿で買えません。この商売で金を出して買えるのは看護師の求人だけで、採れた看護師の数がそのまま受けられる利用者の上限になります。

数字で見る

初期費用

項目金額
中古の軽自動車3台(訪問に使う)1,500,000円(推定)
事務所(保証金6か月・仲介手数料・前家賃)640,000円(推定)
パソコン3台・タブレット・スマートフォン・複合機400,000円(推定)
什器・鍵のかかる書庫・机と椅子300,000円(推定)
医療材料と衛生材料の初期在庫300,000円(推定)
開設時の広報(パンフレット・サイト・挨拶回りの資料)300,000円(推定)
指定申請の手数料と、行政書士・社会保険労務士への依頼300,000円(推定)
訪問看護の記録と請求のシステム(初期設定)200,000円(推定)
賠償責任保険の初年度130,000円(推定)
法人設立(合同会社の登録免許税と印鑑・登記事項証明書等)100,000円(一部実額)
合計4,170,000円
運転資金(別枠)4,500,000円(推定)
所要資金8,670,000円

公式の金額として確認できたのは、合同会社の設立登記の登録免許税だけです。資本金の額の1000分の7で、これによって計算した税額が6万円に満たないときは1件につき6万円。指定申請の手数料と標準処理期間は自治体で異なり、確認していません。

問題は下の2行です。介護報酬も訪問看護療養費も、サービスを提供した月の翌月に請求して、その翌月に入ります。開業から最初の入金まで2か月。この2か月は固定費と生活費が丸ごと出ていきます。生活費を月250,000円と置くと、それだけで約2,414,000円。

利用者ゼロから32人へ届くまでを12か月と置くと、6人から20人へ積み上げる4か月でさらに約2,325,000円の谷になり、その後の6か月で約1,096,000円戻ります。1年の累積は約3,643,000円のマイナス。運転資金4,500,000円の81.0%が、この谷を埋めるためだけに要る計算です。標準ケースに届いたあとも、常に2か月分の売上、約4,050,000円が未収のまま寝ています。

初期費用の内訳
初期費用の内訳

利用者をどこから連れてくるか

この商売の利用者は、制度が連れてくるわけではありません。介護保険でも医療保険でも、主治医の指示書がなければ1件も始まらない。指定居宅サービスの基準は「指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない」と定めています。そして介護保険の利用者は、居宅サービス計画に訪問看護が入って初めて来る。計画を作るのはケアマネジャーです。

経路届く相手費用の性格弱点
居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)商圏内の事業所ゼロ。会いに行く時間と実費担当件数に上限がある。既存の付き合いから替わる理由が要る
病院の退院支援部門その病院から自宅へ帰る患者ゼロ退院の日程がこちらの都合と合わない。断ると次が来ない
診療所の主治医その医師が在宅で診ている患者ゼロ指示書を出すのは医師。報告書の質で判断される
地域包括支援センター要支援の人ゼロ単価が低い。件数は多くない
利用者と家族からの紹介家族の知り合いゼロ立ち上げ期には存在しない
高齢者向けの住まいその建物の入居者ゼロ同じ建物に集まると単価が下がる
他のステーションからの回しそこが受けられない案件ゼロ難度の高い案件が来る
介護サービス情報公表システム検索した人制度上の報告並び順を自分で変えられない
薬局・福祉用具・医療機器の業者その業者が回っている利用者ゼロ相手の商材を入れる前提になりやすい
看護師の求人転職を考えている看護師掲載料または紹介手数料(有償)買えるのは利用者ではなく、受けるための枠

金を払って買えるのは、いちばん下の1本だけです。利用者を運ぶ経路に、出稿で買えるものは見つかりませんでした。

母集団の目安として、令和6年10月1日現在の居宅介護支援事業所は全国に37,258か所。ただし前年の37,784か所から526か所、1.4%減っています。同じ時点の訪問看護ステーションは18,042か所で、こちらは前年から9.9%増えました。依頼を出す側が減り、受ける側が増えています。

標準ケースでは、営業に月20時間を使って居宅介護支援事業所と病院の地域連携室を月16か所訪ね、月2.56件の依頼が来ると置きました。1件あたりの獲得時間は20時間割る2.56件で7.8時間。営業の実費は月25,000円を計上しています。開設時の広報300,000円は初期投資に入れてあり、毎月の営業費とは別枠です。二重には数えていません。

利用者の入れ替わり

継続して来る商売ですが、終わり方が独特です。契約を切られるのではなく、死亡・入院・施設入所・状態の改善で終わります。月次の離脱率を8.0%と置きました。出典はありません。

置いた値
月次離脱率8.0%
平均継続月数12.5か月
1人あたりの貢献利益60,918円
1人あたりの粗利LTV761,475円
維持に必要な新規の依頼月2.56人
金銭的な顧客獲得単価9,766円
粗利LTV ÷ 金銭的な獲得単価78.0倍
獲得に使う時間1件7.8時間
その時間を経営者時給で換算した額24,742円
粗利LTV ÷(金銭+時間換算)22.1倍

月2.56人を年に直すと30.7人。標準ケースの利用者32人とほぼ同じです。毎年、利用者をひととおり入れ替えている計算になります。

平均継続が6か月まで縮んでも粗利LTVは365,508円あり、金銭と時間を合わせた獲得単価34,508円の10.6倍。どの数え方でも回収は届く計算になります。届かないのは件数のほうで、看護職員3.0人で受けられるのは35.6人までです。

売上の作り

月商 = 介護保険の利用者数 × 介護保険の1人あたり月額 + 医療保険の利用者数 × 医療保険の1人あたり月額。標準ケースは 20人 × 52,800円 + 12人 × 80,750円 = 2,025,000円です。

介護保険の側の組み立てはこうです。訪問看護費の時間区分を、20分未満(314単位)5%、30分未満(471単位)20%、30分以上1時間未満(823単位)65%、1時間以上1時間30分未満(1,128単位)10%と置くと、加重平均は757.65単位。サービス提供体制強化加算6単位を足して764単位、1単位10円の地域なので7,640円。月6回で45,840円。緊急時訪問看護加算600単位(月1回)を足して51,840円。令和8年6月から訪問看護にも介護職員等処遇改善加算が付き、所定単位の18/1000で933円。合わせて52,773円を52,800円と置きました。

医療保険の側は、訪問看護基本療養費(週3日目まで5,550円)が月8回で44,400円。訪問看護管理療養費が、月の初日7,710円と2日目以降3,010円の7回分で28,780円。24時間対応体制加算6,520円。訪問看護ベースアップ評価料1,050円。合わせて80,750円です。

1回あたりに直すと、介護保険が8,800円、医療保険が10,094円。医療保険のほうが14.7%高い。訪問看護管理療養費が1日ごとに付くぶん、構造として高くなります。

ただし、どちらの保険で請求するかを事業者は選べません。訪問看護療養費は、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、要介護の認定を受けている人については算定しないと定められています。介護保険の側でも、医療保険の訪問看護が必要だとして主治医が出した指示の文書の期間中は、その日数につき訪問看護費が減算されます。単価の高いほうへ寄せる操作はできません。

なお、特別管理加算、初回加算、退院時共同指導加算、退院支援指導加算、ターミナルケアに関する報酬、訪問看護情報提供療養費、看護体制強化加算、夜間や深夜の加算は、いずれもこの試算に入れていません。要件を満たせば付くので、上振れの余地を残したまま組んであります。

この試算で置いた単価は、平均とどれくらい違うか

項目この試算比べられる公開値
介護保険の訪問1回あたり収入8,800円8,248円(令和6年度決算の全国平均)
医療保険の1人1月の請求額80,750円中央値67,140円・平均98,125円(令和5年6月審査分の推計)

介護保険の側は全国平均を6.7%上回っています。この試算は理学療法士等の訪問(1回294単位)を入れていないので、その分だけ高く出るのは向きとして合いますが、上振れの方向であることは変わりません。医療保険の側は中央値と平均の間に収まりました。ただしこちらは令和8年6月の改定前の数字なので、そのまま比べられるものではありません。

3ケース〔試算〕

弱気標準強気
利用者数20人32人55人
うち介護保険/医療保険14人/6人20人/12人34人/21人
看護職員(常勤換算)2.5人3.0人4.5人
事務のパート(常勤換算)0.4人0.6人0.8人
1人1日あたりの訪問件数4.0件4.0件4.5件
月間の訪問回数132回216回372回
訪問枠に対する割合66.0%90.0%91.9%
月次離脱率12.0%8.0%5.0%
売上高1,224,000円2,025,000円3,491,000円
変動費46,000円76,000円130,000円
固定費(減価償却込)957,000円1,204,000円1,966,000円
営業費35,000円25,000円25,000円
外注費100,000円100,000円130,000円
事故と返戻への備え30,000円30,000円40,000円
月の営業利益56,000円590,000円1,200,000円
営業利益率4.6%29.1%34.4%
経営者の作業時間月192時間月186時間月188時間
経営者の時給292円3,172円6,383円
手残り(利益+減価償却)86,000円625,000円1,245,000円
回収にかかる月数48か月7か月3か月

固定費の内訳(標準ケース):雇用する看護職員の給与費844,049円(常勤1.0人470,844円・非常勤1.0人373,205円)/事務のパート120,000円/事務所の家賃と共益費80,000円/車3台の維持45,000円/通信とシステム30,000円/減価償却35,000円/保険と士業30,000円/水道光熱と事務用品20,000円。看護師の給与費だけは令和7年度介護事業経営概況調査の値で、残りは推定です。

営業利益には経営者の給料が入ったままです。本人に常勤看護師と同じ給与費470,844円を払ったと置き直すと、標準ケースの営業利益は119,156円になり、売上に対して5.9%。この試算の介護保険分の訪問回数は月120回なので、経営概況調査の101〜200回の階級(4.97%)とほぼ同じところに立っています。率の分母が違うので直接は比べられませんが、桁と向きは合っています。

借入の元本返済、法人税等、消費税、本人の社会保険料は、この試算に入っていません。

3ケースの試算
3ケースの試算

どこまで行けば黒字か〔試算〕

基準利用者の数月商上限35.6人に対する割合
営業利益ゼロ(減価償却込)22.3人1,409,000円62.6%
現金ベース(減価償却を除く)21.8人1,377,000円61.2%
所要資金8,670,000円を60か月で回収24.7人1,561,000円69.4%
役員報酬500,000円を取れる30.6人1,933,000円86.0%

出し方はこうです。利用者1人あたりの月額の加重平均が63,281円。そこから変動費2,363円(6.75回 × 350円)を引いた60,918円が1人あたりの貢献利益。固定費1,204,000円と営業費25,000円と外注費100,000円と備え30,000円の合計1,359,000円を60,918円で割ると22.3人になります。

ただしこの線は、なめらかにつながっていません。看護職員は0.5人単位でしか増減せず、常勤の看護師を1人増やせば固定費が470,844円まとめて増えます。実際には階段になります。

どこまで行けば黒字か
どこまで行けば黒字か

何が一番効くか〔試算〕

変数動かす幅標準ケースの営業利益への影響
看護職員(常勤)+1人(訪問枠が埋まる前提)+251,000円
1人1日あたりの訪問件数4.0件→4.5件(事務を0.4人増やす)+188,000円
利用者の保険の構成医療保険+3人・介護保険▲3人+82,000円
利用者数+1人+61,000円
1人1日あたりの訪問件数4.0件→3.5件▲55,000円
常勤看護師の給与費+10%▲47,000円
介護保険の訪問の時間区分30分未満を10ポイント上の区分へ+43,000円
月次離脱率+4ポイント(8.0%→12.0%)▲13,000円
事務所の家賃+10%▲8,000円
事故と返戻への備え+10%▲3,000円

上の2行には、どちらも「枠が埋まる」という条件が付いています。埋まらない場合、看護職員を増やす行は470,844円のマイナスに反転します。

何が一番効くか
何が一番効くか

規模ごとの収支差率〔実額〕

介護保険の月間訪問回数収支差率給与費の割合差引額(月)有効回答
100回以下3.81%70.5%11,679円40
101〜200回4.97%74.2%64,445円42
201〜300回2.57%76.3%53,770円39
301〜400回1.14%80.7%33,508円36
401回以上13.69%66.9%941,919円97

令和6年度決算。全体の収支差率は10.3%、赤字の事業所は38.2%でした。差引額に有効回答数を掛けて足し合わせると、401回以上の階級だけで全体の93.4%になる計算です。なおこの調査の収入は介護保険分で、医療保険の訪問看護療養費は入っていません。

外の景色

項目
稼働している訪問看護ステーション(令和8年4月1日)20,051か所
令和7年度中の新規2,428か所
令和7年度中の廃止960か所
令和7年度中の休止328か所
新規のうち、開設した年度のうちに廃止87か所
居宅介護支援事業所(令和6年10月1日)37,258か所(前年から526か所減)
訪問看護ステーションの開設主体・営利法人66.8%
訪問看護の利用者数(令和5年)医療保険 約48.4万人/介護保険 約74.4万人
医療保険の訪問看護療養費の年間医療費6,072億円(平成20年は648億円)
訪問看護ステーションへの個別指導(令和5年度)20件
医療・福祉事業の倒産(2025年度)478件(過去最多。従業員5名未満が72.1%)
看護師の給与(令和7年・企業規模10〜99人)月339,500円+年間賞与624,200円

開廃業が実数で出るのは珍しいことです。稼働20,051か所に対して、年に2,428か所が開き、960か所が閉じる。開いたうちの87か所、3.6%は同じ年度のうちに閉じています。

倒産の集計は負債1,000万円以上・法的整理によるもので、訪問看護だけを取り出した件数は示されていません。

採点 59点/100

評価軸満点
利益性1420
初期投資915
回収速度915
再現性915
営業難易度510
運営難易度410
将来性・AI耐性710
法規・事故リスク25
総合59100

点数は「儲かる順位」ではなく、自分の資金・地域・スキルで比べるための目安です。

毎月の費用の内訳

毎月の費用の内訳
毎月の費用の内訳

投資の回収

投資の回収
投資の回収

こういう人なら向いている/やめたほうがいい

先に、土俵に立つための条件です。人柄の話ではありません。

最低限の要件根拠
保健師または看護師の資格を持っている管理者は保健師又は看護師でなければならないと定められています。やむを得ない理由がある場合の例外はありますが、持っていなければ管理者を雇うところから始まります。この試算は本人が管理者を兼ね、看護職員3.0人のうち1.0人として訪問にも出る形で組みました。本人が抜けると訪問枠は240回から160回へ落ち、受けられる利用者は35.6人から23.7人になります
所要資金8,670,000円を置ける初期投資4,170,000円と運転資金4,500,000円。報酬はサービス提供月の翌々月に入るので、開業から最初の入金まで2か月あります。生活費を月250,000円と置くと、この2か月だけで約2,414,000円が出ていく計算です。初期投資のうち車で1,500,000円、パソコン等と什器で700,000円を占め、畳んだときに戻るのは中古の残りだけです
法人を作れる指定を受けられるのは都道府県の条例で定める者で、その条例が従うべき基準は「法人であることとする」と定められています。病院・診療所が行う場合を除いて、個人事業では指定を受けられません。合同会社の設立登記の登録免許税は資本金の1000分の7で、最低6万円です
開業の時点で、依頼を運ぶ相手に会いに行ける標準ケースの定常は月2.56件の新規依頼で、1件あたりの獲得時間は7.8時間。金を払って買える経路は看護師の求人だけで、利用者を運ぶ経路に出稿で買えるものは見つかりませんでした。母集団として比べられるのは居宅介護支援事業所37,258か所ですが、前年から526か所減っています

4つとも、資格と金と法人と人の関係で決まります。1つでも欠けるなら見送りです。満たしていても、商売がうまくいくことは意味しません。

向いている(5つのうち4つ以上。ただし「自分より腕のいい看護師を雇って、その人に長く居てもらえる」は必須)

資質なぜ要るか
自分より腕のいい看護師を雇って、その人に長く居てもらえる常勤の看護師を1人採って、その人の訪問枠が埋まれば月251,000円が増える計算になります。標準ケースの営業利益590,000円の42.5%。逆に1人抜ければ、訪問枠は240回から160回へ落ち、受けられる利用者は35.6人から23.7人になる。損益分岐の22.3人まで、余白は1.4人しか残りません。この商売で金を出して買えるのは利用者ではなく看護師のほうなので、買ったあとに居てもらえるかが、そのまま売上の上限になります
断られても、同じ相手にもう一度会いに行ける利用者は制度が連れてきません。主治医の指示書がなければ1件も始まらず、介護保険なら居宅サービス計画に入って初めて来ます。標準ケースは営業に月20時間を使って月2.56件、1件あたり7.8時間という置き方です。しかも依頼を出す側の居宅介護支援事業所は前年から526か所減り、受ける側の訪問看護ステーションは9.9%増えています
夜に鳴る電話を、何年も自分の生活の一部にできる24時間対応体制加算は月6,520円、緊急時訪問看護加算は月600単位。標準ケースでこの2つが売上に足している額は、介護保険側で120,000円、医療保険側で78,240円、合わせて198,240円。売上の9.8%にあたります。当番を持てる人数が3人しかいないので、1人あたり月10日前後は携帯を持つことになります
数字が動かない月を数えられる利用者32人に届くまで約12か月と置きました。報酬が入るのは提供月の翌々月なので、最初の2か月は売上がゼロのまま費用だけが出ます。1年の資金の谷は約3,643,000円になる計算で、運転資金4,500,000円の81.0%。増えていないのか、遅れているだけなのかが、その月には分かりません
訪問の回数を、指示書と利用者の状態だけで決められる令和6年10月の事務連絡は、一律に回数を定めて訪問看護を行っている事例を挙げて、日数・回数・実施時間・訪問する人数は訪問時に把握した状況に即して主治医の指示書に基づき検討されるものだと示しました。令和7年3月の指導要綱の改定案では、1件当たりの平均額が高い順に個別指導の対象を選ぶ選定基準の新設も示されています。この試算は利用者1人あたり介護保険6回・医療保険8回で組んでおり、回数を増やせば売上はそのぶん増える構造になっています

やめたほうがいい(1つでも当てはまるなら見送り)

資質なぜ要るか
制度の商売だから客が来ると思っている利用者を運ぶ経路に、金で買えるものは見つかりませんでした。標準ケースの月2.56件は、増やすための新規ではなく、月次離脱率8.0%で抜けた分を埋めるだけの数です。年に直すと30.7人で、標準ケースの利用者32人とほぼ同じ。毎年ひととおり入れ替えている計算になります
大きくすれば楽になると思っている介護保険の月間訪問回数の階級で見た収支差率は、100回以下3.81%、101〜200回4.97%、201〜300回2.57%、301〜400回1.14%、401回以上13.69%。いちばん苦しいのは301〜400回で、給与費の割合も80.7%と最も高い。人を増やして枠が埋まるまでの期間が、そのまま数字に出ています
指定の下限ぎりぎりで回そうとしている看護職員の常勤換算2.5人は減算のラインではなく、指定そのものの基準です。3.0人から1人抜けると2.0人になり、基準を割ります。しかも2.5人だと訪問枠は月200回で、受けられるのは29.6人。損益分岐の22.3人との差は7.3人しかありません
どちらの保険で請求するかを選べると思っている訪問看護療養費は、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、要介護の認定を受けている人については算定しないと定められています。介護保険の側でも、医療保険の訪問看護が必要だとして主治医が出した指示の文書の期間中は、訪問看護費が日数分だけ減算されます。単価の高いほうへ寄せる操作はできません
同じ建物に利用者を集めて効率を上げようとしている介護保険は同一建物の利用者が20人以上で90/100、50人以上で85/100。医療保険は訪問看護基本療養費(Ⅱ)になり、同一日に3人以上9人以下で週3日目まで2,780円、50人以上なら月20日目まで2,610円。5,550円の半分以下です。訪問看護管理療養費も、単一建物居住利用者が50人以上なら月の2日目以降が3,010円から2,410円へ下がります

どこに活路があるか

どれも試していません。前半は感度分析と損益分岐から逆算しただけの案、後半はこの試算の外側にある選択肢で、実額の裏づけはありません。

この試算の中で動かす

1. 常勤の看護師を1人増やして、その枠を埋める。月+251,000円の計算

1人1日4.0件を月20日で月80回。利用者1人あたりの月間訪問回数は6.75回なので、80割る6.75で11.9人を受けられます。1人あたりの貢献利益60,918円を掛けて721,878円。そこから常勤看護師の給与費470,844円を引いて251,034円。標準ケースの営業利益590,000円の42.5%にあたり、感度分析では最大です。ただし埋まらなければ増えないどころか、給与費470,844円だけが先に出ていきます。

2. 事務のパートを増やして、看護師を訪問に集中させる。月+188,000円の計算

1日4.0件が4.5件になれば訪問枠は240回から270回へ。270割る6.75で上限は40.0人になり、標準ケースの32人から4.4人ぶん余白が広がります。4.4人 × 60,918円で268,039円。事務のパートを0.6人から1.0人に増やすと固定費が80,000円増えるので、差し引き188,000円。ただし1日4.5件が回る前提は、1件あたり1.5時間が1.33時間に縮むことです。

3. 医療保険の利用者の比率を上げる。3人の入れ替えで月+82,000円の計算

医療保険の1人あたり月額80,750円から介護保険の52,800円を引くと27,950円。3人で83,850円。訪問回数が1人あたり6回から8回に増えるので変動費が2,100円増え、差し引き81,750円になります。訪問回数は216回から222回で、枠240回の92.5%。ただしどちらの保険になるかは、年齢と病名と状態で決まります。こちらで選べる変数ではありません。

4. 訪問1回あたりの時間区分を上げる。月+43,000円の計算

置いた構成は20分未満5%・30分未満20%・30分以上1時間未満65%・1時間以上1時間30分未満10%で、加重平均757.65単位。30分未満を10%に、30分以上1時間未満を75%にすると792.85単位になり、加算を含めて1回764単位が799単位、350円増えます。介護保険の利用者20人 × 6回 × 350円 × 1.018で42,756円。ただし時間を決めるのは利用者の状態と指示書であって、こちらの都合ではありません。

この試算の外に出る

小児と精神科の訪問看護を取る

この試算は高齢の利用者だけを置き、介護保険20人・医療保険12人という構成にしています。ただし40歳未満の人は要介護認定そのものが無いので、全員が医療保険になります。精神科訪問看護基本療養費は別建てで、保健師等が行う場合、同一建物に1人なら週3日目まで30分以上で5,550円、週4日目以降で6,550円。小児は乳幼児加算の対象になります。

逆算はこうなります。医療保険の1人あたり月額は80,750円で、介護保険の52,800円より27,950円多い。医療保険の利用者を12人から20人へ増やせば、月+223,600円が乗る計算です。訪問回数は216回から232回に増え、枠240回の96.7%になります。成立させるには、小児科と精神科の主治医から指示書が出る関係を作ることと、その分野を担える看護師を採ることの2つが要ります。小児と精神科の利用者が、この規模の商圏に何人いるかを示す公開データは見つかりませんでした。

機能強化型訪問看護管理療養費の施設基準を目指す

この試算は機能強化型以外を置いており、訪問看護管理療養費の月の初日は7,710円です。機能強化型1なら13,760円、2なら10,460円、3と4なら9,030円。令和8年度の改定で機能強化型4が新設され、区分そのものが増えました。

逆算はこうなります。機能強化型3の9,030円に届けば、月の初日の差1,320円 × 医療保険の利用者12人で月15,840円。機能強化型1の13,760円まで行けば、差6,050円 × 12人で月72,600円。成立させるには、常勤の看護職員の人数、ターミナルケアの件数、重症児の受け入れ人数などの施設基準を満たすことが要ります。この試算の看護職員3.0人では、いちばん下の区分にも届きません。施設基準の細目は、改定の説明資料で項目名だけを確認しており、告示の条文そのものは開いていません。

上乗せ割合の高い地域か、特別地域の加算が付く地域を選ぶ

この試算は1単位10円の地域を置きました。地域区分の上乗せ割合は1級地20%、2級地16%、3級地15%、4級地12%、5級地10%、6級地6%、7級地3%と決まっています。

逆算はこうなります。介護保険の売上は標準ケースで1,056,000円なので、1単位が10.5円になる地域なら月+52,800円、11.0円なら月+105,600円が乗る計算です。反対の方向として、特別地域訪問看護加算(介護保険は所定単位の15/100)や、中山間地域等における小規模事業所加算(10/100)もあります。成立させるには、その地域に住んで、その地域の医師とケアマネジャーに会いに行くこと。ただし1単位の単価は10円に上乗せ割合をそのまま掛けたものではなく、上乗せ割合に人件費割合を掛けたものが乗る仕組みで、訪問看護の人件費割合を定めた告示は開いていません。上の10.5円・11.0円は幅を示すための置きであって、実額ではありません。

病院の退院支援に張り付いて、退院の日から入る

この試算は依頼の経路を10本並べながら、獲得の時間を1件7.8時間で一本に置いています。経路ごとには分けていません。退院に絡む報酬は別に立っていて、医療保険では退院時共同指導加算8,000円、退院支援指導加算6,000円。介護保険では退院時共同指導加算が1回600単位、初回加算が月350単位または300単位です。

逆算はこうなります。月に3件の退院に入れれば、退院時共同指導加算だけで医療保険側が24,000円、介護保険側が18,000円、合わせて月42,000円。さらにその3件がそのまま利用者として残れば、貢献利益60,918円 × 3人で182,754円が続きます。成立させるには、退院の日程がこちらの都合と合わなくても受けられる余力を持つこと。断ると次が来なくなります。1つの病院から月に何件の退院支援が出るのかを示す公開データは見つかりませんでした。

看護師の採用の経路と、利用者の依頼の経路を同じ場所で作る

この試算は採用費として月60,000円を外注費に置き、利用者の獲得には営業費25,000円と時間20時間を置いています。別々の経路として組みました。ただし病院の退院支援部門と、そこで働く看護師は同じ建物にいます。

逆算はこうなります。人材紹介で常勤看護師を1人採ると、一般に年収の一定割合が手数料としてかかりますが、この試算はその率を確認していません。仮に月ならしの60,000円が半分になれば月30,000円が浮く。それよりも大きいのは採用が1か月早まることのほうで、常勤看護師1人の枠が埋まったときの月251,000円が、1か月分早く立つ計算になります。成立させるには、辞めた人が悪く言わない辞め方をしてもらうこと。看護師の人材紹介手数料の相場は、利害関係のない出典で確認できませんでした。

数字は動くが、取らない手

サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに利用者を集める。 移動時間が消えるので1日の訪問件数は増えますが、単価が下がります。介護保険は事業所と同一建物の利用者等が20人以上で90/100、50人以上で85/100。医療保険は訪問看護基本療養費(Ⅱ)になり、同一日に3人以上9人以下なら週3日目まで2,780円で、5,550円のちょうど半分。訪問看護管理療養費も、単一建物居住利用者が50人以上なら月の2日目以降が3,010円から2,410円へ下がります。令和8年度の改定は、この区分をさらに細かく刻む方向に動きました。

利用者ごとの訪問回数を一律に決めて、件数を積む。 令和6年10月22日付けの事務連絡は、一律に回数を定めて訪問看護を行っている事例があるとして、日数・回数・実施時間・訪問する人数は、訪問時に把握した利用者や家族等の状況に即して、主治医から交付された訪問看護指示書に基づき検討されるものであることを示しました。令和7年3月の指導要綱の改定案では、個別指導の選定基準に「1件当たりの平均額が高い順に選定する」という項目の新設が示されています。この試算は回数を増やせば売上がそのまま増える構造になっているので、線の位置を先に見ておく必要があります。

指定の下限である常勤換算2.5人ちょうどで回す。 2.5人は減算のラインではなく、指定そのものの基準です。2.5人なら訪問枠は月200回で、受けられるのは29.6人。損益分岐22.3人との差は7.3人。そこから1人休むだけで基準を割ります。

24時間対応を届け出ない。 24時間対応体制加算6,520円と緊急時訪問看護加算600単位が標準ケースの売上に足しているのは月198,240円で、売上の9.8%、営業利益590,000円と比べると33.6%。外すと当番からは解放されますが、営業利益はその分だけ落ちます。そして退院直後や末期の利用者を受けにくくなるので、依頼の経路そのものが細くなります。

単価の高いほうの保険に寄せる。 医療保険の1人あたり月額は80,750円で、介護保険の52,800円より53%多い。しかし訪問看護療養費は、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、要介護の認定を受けている人については算定しません。介護保険の側でも、医療保険の訪問看護が必要だとして主治医が出した指示の文書の期間中は、その日数につき訪問看護費が減算されます。どちらになるかは制度が決めます。

この商売をどう見るか

これは看護を売る仕事というより、看護師の時間を仕入れて、公定価格で卸す仕事です。

店も在庫も要らないので、標準ケースの変動費は売上の3.8%しかありません。代わりに固定費1,204,000円のうち964,049円、80.1%が人の給与で、しかもその人は0.5人単位でしか増減しない。自分で動かせるのは、何人採れるか、何時間動いてもらえるか、そのあいだに何人の利用者を受けられるかだけです。

立てるべき問いも変わります。「いくら稼げるか」ではなく「看護師を何人、何年つなぎ止められるか」。常勤の看護師を1人採って、その人の訪問枠が埋まれば月251,000円が増える計算になります。標準ケースの営業利益590,000円の42.5%。逆に1人抜ければ、訪問枠は月240回から160回へ落ち、受けられる利用者は35.6人から23.7人になる。損益分岐の22.3人まで、余白は1.4人しか残りません。

利用者の側も同じ速さで入れ替わっています。この試算は月次の離脱率を8.0%と置きました。死亡・入院・施設入所で抜けていく数です。維持に必要な新規は月2.56人、年に直すと30.7人。標準ケースの利用者32人とほぼ同じ数を、毎年ひととおり入れ替えている計算になります。そしてその依頼を運んでくるのは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーと病院の退院支援と主治医です。出稿では買えません。金で買えるのは、看護師の求人のほうだけです。

外の景色も入れておきます。稼働している訪問看護ステーションは令和8年4月1日で20,051か所。1年で1,297か所増えました。同じ年度に2,428か所が新しく開き、960か所が廃止され、328か所が休止しています。新しく開いた2,428か所のうち87か所は、開いた年度のうちに閉じました。3.6%にあたります。一方で、依頼を出す側の居宅介護支援事業所は37,258か所で、前年から526か所減っています。

利益の見え方にも注意が要ります。標準ケースの営業利益590,000円には経営者の給料が入ったままで、月186時間で割ると時給3,172円。本人に常勤看護師と同じ給与費470,844円を払ったと置き直すと、営業利益は119,156円になり、売上に対して5.9%。この試算の介護保険分の訪問回数は月120回なので、経営概況調査の101〜200回の階級(4.97%)とほぼ同じところに立っています。

この商売の天井は、採用して定着させられた看護師の数です。この試算では常勤1人あたり月251,000円ずつ上がり、1人辞めるごとに同じだけ落ちる。人を増やさずに天井を上げる手は、公定価格の商売なので残っていません。

限界も書いておきます。利用者1人あたりの月間訪問回数も、離脱率も、1人1日の訪問件数も、初期投資も運転資金も、この試算はどれも推定で置きました。法令と報酬の額は原典で確かめられました。商売の中身は、まだ確かめられていません。

採点の8軸
採点の8軸

始めるなら、何から

やると決めた人が、最初に何を、どの順番でやるのか。始めることを勧めているわけではありません。特定の業者やスクール、代行サービスは挙げません。この試算は自治体名を固定していないので、指定申請の手数料と標準処理期間は確かめられていません。確かめられなかったものは、確認先だけを添えて空けたまま残します。

1. 手続き

まず法人を作る

指定を受けられるのは都道府県の条例で定める者であり、その条例が従うべき基準は「法人であることとする」と定められています。病院・診療所が行う場合を除いて、個人事業では指定を受けられません。合同会社の設立登記の登録免許税は、資本金の額の1000分の7で、これによって計算した税額が6万円に満たないときは1件につき6万円。窓口は本店所在地を管轄する法務局です。

指定申請

都道府県知事に、事業所ごとに申請します。申請先の課の名称、申請手数料、標準処理期間、必要書類、事前相談の要否は自治体で異なります。都道府県の介護保険の指定担当課で確認してください。政令指定都市と中核市では市が窓口になることがあります。

満たしておく基準

看護職員(保健師、看護師又は准看護師)は常勤換算方法で2.5以上、うち1名は常勤。管理者は専らその職務に従事する常勤の者で、保健師又は看護師です。ただし管理上支障がない場合は、そのステーションの他の職務に従事できるという定めがあり、これがあるので管理者が訪問に出られます。設備は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室。同一敷地内に他の事業所等がある場合は専用の区画で足ります。

医療保険の側

介護保険の指定があったときは、その指定の際に、健康保険法の指定訪問看護事業者の指定があったものとみなされます。ただし別段の申出をしたときはこの限りでない、とされています。別に申請書を出す必要はありませんが、医療保険の側には独自の人員基準があり、看護職員に助産師が含まれ、管理者にも助産師が入る点が介護保険の側と違います。

加算の届出

24時間対応体制加算などの施設基準は、事業所の所在地を管轄する地方厚生局長又は地方厚生支局長に届け出ます。介護保険側の緊急時訪問看護加算等は、都道府県知事への体制の届出になります。

税務署と労働保険

法人設立届出書と給与支払事務所等の開設届出書を所轄の税務署へ。人を雇うので、労働基準監督署に労働保険関係成立届、公共職業安定所に雇用保険適用事業所設置届、年金事務所に健康保険・厚生年金保険新規適用届を出します。

介護サービス情報の公表

指定を受けた事業者には報告の義務があります。条文の該当箇所と、報告の時期・手数料は確認していません。都道府県の担当課で確認してください。

2. 場所・道具の確保

事務所は要ります。専用の事務室が基準になっているので、自宅の一室で足りるかはその部屋が専用と言えるかによります。この試算は保証金6か月と仲介手数料と前家賃で640,000円、毎月の家賃と共益費を80,000円と置きました。推定です。

鍵のかかる書庫が要ります。指示書と記録は個人の医療情報そのものです。車は訪問の数だけ要り、この試算は中古の軽自動車3台を1,500,000円としました。医療材料と衛生材料の初期在庫を300,000円、血圧計・パルスオキシメータ・処置用品・感染防護具を含みます。訪問看護の記録と請求のシステムは、介護保険の国保連請求と医療保険のレセプトの両方に対応するものが要ります。初期設定を200,000円と置きました。いずれも推定です。

道具で先に決まるのは、指示書の期限と、計画書と報告書の提出を落とさない仕組みです。指示書が切れれば、その日から報酬は立ちません。

3. 仕入れ・供給の確保

仕入れるものはありません。押さえるのは人と、指示書を出す医師です。

看護職員は常勤換算2.5人が指定の下限で、そこを割れば指定の基準を割ります。だから最初に押さえるのは、開業日から働いてくれる常勤の看護師です。この試算では、雇用する常勤看護師の給与費を月470,844円と置きました。令和7年度介護事業経営概況調査の訪問看護の常勤看護師1人当たり給与費です。比べられる数字として、令和7年賃金構造基本統計調査の看護師(企業規模計10人以上)は、きまって支給する現金給与額が月365,900円、年間賞与その他特別給与額が856,400円。企業規模10〜99人では339,500円と624,200円になります。

医師の側は、指示書を出してくれる相手を探すことになります。提供の開始に際して主治の医師による指示を文書で受けなければならず、計画書と報告書はその医師へ提出します。

4. 売る場所・受注の窓口の準備

売り場は請求の窓口です。介護保険は国民健康保険団体連合会へ、医療保険は社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会へ請求します。どちらもサービスを提供した月の翌月に請求して、その翌月に入ります。開業から最初の入金まで2か月かかります。

利用者を運ぶ窓口は別にあります。居宅介護支援事業所、病院の退院支援部門、診療所の主治医、地域包括支援センター。この試算では商圏内の居宅介護支援事業所と病院の地域連携室を月16か所訪ねて、月2.56件の依頼が来ると置きました。推定です。介護サービス情報公表システムへの掲載は制度上の報告であって、並び順を自分で変えられるものではありません。

賠償責任保険には先に入ります。この試算では初年度130,000円と置きました。推定です。

5. 最初の1件までの順番

  1. 事業所を置く場所を決める。専用の事務室が取れるかを先に見る
  2. 法人を作る。合同会社なら登録免許税は最低60,000円
  3. 都道府県の指定担当課に事前相談へ行く。必要書類と標準処理期間と手数料をここで確認する
  4. 常勤の看護師を採る。指定申請には人員の要件を満たしていることを示す書類が要る
  5. 事務所を借り、車と機材とシステムを入れる
  6. 指定申請を出す
  7. 賠償責任保険に入る。労働保険と社会保険の手続きを済ませる
  8. 24時間対応体制加算などの施設基準を地方厚生局長等へ届け出る
  9. 居宅介護支援事業所と病院の退院支援部門と診療所を回る
  10. 主治医から訪問看護指示書を受け取り、訪問看護計画書を作って、最初の訪問に入る

順番を間違えると報酬が出ません。 6の指定の日より前に訪問しても、介護保険の訪問看護費も医療保険の訪問看護療養費も請求できません。10の指示書を先に受け取らないまま訪問しても同じで、提供の開始に際し主治の医師による指示を文書で受けなければならないと定められています。8を飛ばすと、24時間対応体制加算も緊急時訪問看護加算も付きません。標準ケースでこの2つが売上に足しているのは月198,240円です。

順番を間違えると金が消えます。 4を後回しにすると、事務所と車の固定費だけが先に出ていきます。この試算の固定費は標準ケースで月1,204,000円、弱気ケースでも月957,000円です。

日数と費用の合計。 費用のうち、公式の金額として確かめられたのは合同会社の設立登記の登録免許税だけです。指定申請の手数料と標準処理期間は自治体で異なり、確認していません。初期投資の合計は4,170,000円、運転資金は別に4,500,000円、所要資金は8,670,000円。最初の入金までは、開業から2か月かかります。指定の申請から指定の日までにかかる期間は確認していません。

この試算が外れるとしたら

  • 経営概況調査の収入が介護保険分だけであること。 令和7年度介護事業経営概況調査の第6表は、訪問看護の収入を介護料収入・保険外の利用料による収入・補助金収入・介護報酬査定減の4つで構成しており、小計3,476,285円はこの4つの和と一致します。医療保険の訪問看護療養費を書く科目はありません。調査票を見ると、事業収益の欄には介護報酬収益とは別に「医業収益」の行があり、末尾は「施設運営事業収益計(医業収益+介護報酬収益)」となっています。結果の概要も「介護サービスの収入額」を「介護報酬による収入(利用者負担分含む)、保険外利用料収入、補助金収入の合計額」と定義しています。したがって公表値は介護保険分であり、医療保険分は入っていないと読みました。ただし記入要領そのものは取得できていません。配布サイトは名前解決ができず、接続先も応答しませんでした。回答した事業所が医療保険分を実際にどこへ書いたか、集計でどう扱われたかは確認していません。
  • 上の読みを支えている検算は、間接的なものです。 同じ第6表で、給与費は2,436,907円、常勤換算職員数は8.632人。割ると282,309円になりますが、同じ表の「常勤換算職員1人当たり給与費」は438,027円で、1.55倍の開きがあります。比率にすると64.4%。階級別に見ると、この比率は100回以下11.1%、101〜200回41.5%、201〜300回60.5%、301〜400回71.1%、401回以上76.0%と、介護保険の訪問回数が多い階級ほど1に近づきました。収支の欄が介護保険分に按分され、職員数と1人当たり給与費が事業所全体を指している、という読みと向きが合います。ただし統計表には「常勤換算1人当たり給与費の数値については、サンプルサイズが少ないことにより集計結果に個々のデータが大きく影響している可能性がある」という注が付いており、この比率だけで断定はできません。医療保険の側を持たない訪問介護で同じ割り算をすると89.7%、訪問リハビリテーションでは98.5%でした。
  • 利用者1人あたりの月間訪問回数(介護保険6回・医療保険8回)。 出典が1件もありません。売上2,025,000円も、上限35.6人も、貢献利益60,918円も、すべてこの2つから出ています。介護保険を月8回に増やすと1人あたり月額は52,800円から69,600円へ上がりますが、同じ看護職員3.0人で受けられる利用者は35.6人から28.4人へ減ります。
  • 介護保険の訪問看護費の時間区分の構成。 20分未満5%・30分未満20%・30分以上1時間未満65%・1時間以上1時間30分未満10%と置きました。出典はありません。加算を含めた1回あたり8,800円は、経営概況調査の全国平均8,248円を6.7%上回ります。全国平均には理学療法士等の訪問(1回294単位)が入っているので直接は比べられませんが、この試算は上振れの方向に置いています。
  • 月次離脱率8.0%。 出典が1件もありません。維持に必要な新規(月2.56人・年30.7人)も、平均継続月数12.5か月も、粗利LTV 761,475円も、すべてこの値から出ています。12.0%なら維持に必要な新規は月3.84人になり、営業に使う時間が20時間から30時間へ増えます。
  • 1人1日あたりの訪問件数4.0件。 出典がありません。訪問枠240回も、上限35.6人も、経営者作業時間186時間も、ここから出ています。3.5件なら枠は210回で上限は31.1人になり、標準ケースの32人を受けられなくなります。比べられる公開値として経営概況調査の常勤換算職員1人当たり訪問回数は月48.8回ですが、これは介護保険分だけの回数を事業所全体の職員数で割った値なので、この試算の80回とは数えている範囲が違います。
  • 給与費を経営概況調査の1人当たりの値で置いたこと。 常勤看護師470,844円、非常勤看護師373,205円は同調査の第6表の値ですが、サンプルサイズが少ないことによる注が付いています。令和7年賃金構造基本統計調査の看護師(企業規模10〜99人)は年4,698,200円で、事業主負担の社会保険料を乗せると近づきますが、突き合わせはしていません。
  • 初期投資4,170,000円と運転資金4,500,000円。 公式の金額として確認できたのは合同会社の登録免許税だけです。指定申請の手数料も標準処理期間も自治体で異なり、確認していません。運転資金は、利用者ゼロから32人へ届くまでを12か月と置いた期間の谷です。期間が1年延びれば、生活費を含めた谷は年間で約3,000,000円ずつ深くなる計算になります。
  • 医療保険の1人あたり月額を告示から自分で組んだこと。 令和8年6月1日から適用される額を積み上げて80,750円としました。中央社会保険医療協議会の資料が示した1人1月の請求額は、令和5年6月審査分の推計で中央値67,140円・平均98,125円。母集団も時点も違うので、検算にはなっても裏取りにはなりません。同じ資料では、請求額が60万円以上のものが全体の約1%強あり、最大値は1,162,640円でした。
  • 入れていない加算があります。 特別管理加算、初回加算、退院時共同指導加算、退院支援指導加算、ターミナルケアに関する報酬、訪問看護情報提供療養費、看護体制強化加算、専門管理加算、夜間・早朝・深夜の加算を、いずれも入れていません。要件を満たせば付くので、この試算は上振れの余地を残したまま組んであります。
  • 1単位10円の地域を置いたこと。 地域区分の上乗せ割合は1級地20%から7級地3%まであり、その他の地域は0%です。ただし1単位の単価は10円に上乗せ割合をそのまま掛けたものではなく、上乗せ割合に人件費割合を掛けたものが乗る仕組みで、訪問看護の人件費割合を定めた告示は開いていません。上振れの幅を正確には示せていません。
  • この試算に入れていないもの。 借入の元本返済、経営者の報酬、法人税等、消費税、本人の社会保険料。標準ケースの営業利益590,000円には経営者の給料が入ったままで、月186時間で割った時給は3,172円になります。本人に常勤看護師と同じ470,844円を払ったと置き直すと営業利益は119,156円、売上に対して5.9%まで落ちます。
  • 事業所数の統計が3つあって数が違います。 全国訪問看護事業協会の集計では稼働20,051か所(令和8年4月1日)、介護サービス施設・事業所調査では18,042か所(令和6年10月1日)、中央社会保険医療協議会の資料では請求事業所数が約1万7千。時点も数え方も違うので、どれか1つに揃えることはできませんでした。
  • 協会の集計の内訳が合いません。 令和7年度の新規2,428から廃止960を引くと1,468ですが、指定数の増加は19,314から20,568への1,254で、214の差があります。資料にこの差の説明はありません。休止と再開の扱いか、集計の時点の違いと思われますが、確認していません。
  • 出典の埋まり方。 A級18件・B級1件で、埋まったのは法令の条文と、報酬の告示の額と、官公庁の統計と、業界団体の全数調査です。商売の中の数字——利用者1人あたりの訪問回数、時間区分の構成、離脱率、1日の訪問件数、初期投資、家賃、車両費——には出典が1件もありません。訪問看護ステーションの開業を勧める記事は多いのですが、原典をたどれるものが見つからず、等級D扱いとして数値根拠に一切使っていません。その結果、この試算は制度と報酬の側だけが硬く、商売の側がやわらかいという偏り方をしています。

前提と出典

選ばなかった形

理学療法士等を入れてリハビリの訪問を主にする形、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに併設して同じ建物の利用者を集める形、精神科訪問看護を主にする形、機能強化型訪問看護管理療養費の施設基準を満たす形、定期巡回・随時対応型や看護小規模多機能型と一体で運営する形、病院や診療所が事業所として行う形、複数の事業所を持って本部を置く形、既にあるステーションを買って引き継ぐ形。いずれも単価も費用の構造も上限も変わります。

看護職員だけで常勤換算3.0人、介護保険と医療保険の両方という形を基本ケースに固定したのは、指定の下限である常勤換算2.5人のすぐ上にあり、人を1人増やすことが利益にどう効くかを、いちばん素の形で見られるからです。

推定した箇所

項目置いた値前提と弱点
利用者1人あたりの月間訪問回数介護保険6回/医療保険8回出典なし。売上も上限35.6人も貢献利益も、すべてここから出ている
介護保険の訪問の時間区分20分未満5%・30分未満20%・30分以上1時間未満65%・1時間以上10%出典なし。1回あたり8,800円は全国平均8,248円を6.7%上回る
医療保険の訪問がすべて週3日目までに収まること8回すべて5,550円週4日目以降なら6,550円。週4日以上が認められる範囲の割合は未確認
月次離脱率12.0%/8.0%/5.0%出典なし。維持に必要な新規も粗利LTVもここから出ている
1人1日あたりの訪問件数・稼働日数4.0件・月20日出典なし。1件あたり1.5時間(移動と記録を含む)として置いた
看護職員の体制常勤換算3.0人+事務0.6人本人が管理者を兼ねて訪問に出られるのは、基準のただし書を前提にしている
給与費常勤看護師470,844円/非常勤看護師373,205円/事務200,000円看護師は経営概況調査の値。ただしサンプルサイズの注が付いている。事務は出典なし
初期投資4,170,000円(幅300万〜600万円)公式の金額として確認できたのは合同会社の登録免許税だけ
運転資金4,500,000円12か月で32人に届くと置いた期間の谷。この試算で最大の推定
固定費1,204,000円給与費以外は出典なし。減価償却は対象2,400,000円で月35,000円
変動費訪問1回350円出典なし。営業利益率29.1%はこの低さから出ている
営業費と営業の時間25,000円・月20時間経路ごとの成約率も、1か所を訪ねる時間も未確認
看護職員の採用費月60,000円人材紹介手数料の相場を、利害関係のない出典で確認できなかった
1単位の単価10円(上乗せ割合0%)上乗せ割合に人件費割合を掛ける仕組みで、その割合は未確認
事故と返戻への備え30,000円/30,000円/40,000円出典なし。賠償責任保険の内容も保険料も確認していない

まだ分からないこと

介護事業経営概況調査の記入要領(医療保険分をどこに書くかの指示)/利用者1人あたりの訪問回数の実勢/訪問の時間区分の構成/利用者の離脱率と平均継続月数/看護師1人が1日に回れる件数/指定申請の手数料と標準処理期間(自治体差)/申請から指定日までの期間/看護師の人材紹介手数料の相場/経路別の依頼件数と所要時間/小児と精神科の利用者が商圏に何人いるか/機能強化型訪問看護管理療養費の施設基準の細目/訪問看護の人件費割合(1単位の単価に効く)/賠償責任保険の内容と保険料/訪問看護だけを取り出した倒産件数。

検証版で埋めるのは、記入要領、利用者1人あたりの訪問回数、離脱率、1日の訪問件数、初期投資の実額です。

この分析でできたことと、できなかったこと

できたのは制度と報酬の側です。指定を受けるのに法人が要ること、その根拠が法律ではなく都道府県の条例と厚生労働省令にあること、看護職員の常勤換算2.5人という下限、管理者が訪問に出られるただし書、介護保険の指定が医療保険の指定を連れてくる仕組み、どちらの保険になるかを事業者が選べないこと、令和8年6月から適用される両方の報酬の額。ここはすべて条文と告示で確かめました。

そして着手時に残っていた論点、つまり公表されている訪問看護の収支に医療保険分が入っているかどうかを、統計表と調査票の両方から確かめました。第6表の収入の科目は4つで、その和が小計と一致し、医療保険分を書く行はありません。調査票には介護報酬収益とは別に「医業収益」の行があります。ただし記入要領は取得できませんでした。

できなかったのは商売の中です。利用者1人あたりの訪問回数も、離脱率も、1日に回れる件数も、初期投資も、出典がひとつもありません。訪問看護ステーションの開業を勧める記事は多くありますが、原典をたどれるものが見つかりませんでした。等級Dとして、数値根拠に一切使っていません。

出典

等級出典
Ae-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)
Ae-Gov法令検索「介護保険法」
Ae-Gov法令検索「介護保険法施行規則」
Ae-Gov法令検索「健康保険法」
Ae-Gov法令検索「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」(平成12年厚生省令第80号)
Ae-Gov法令検索「登録免許税法」
A厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第74号)
A厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」
A厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」
A厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」
A厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(地域区分)
A厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果」統計表 第6表・第52表・第75表
A厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果の概要」
A厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査 調査票 居宅・地域密着型サービス事業所(医療関係)票(案)」
A厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」
A厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表
A中央社会保険医療協議会 総会「訪問看護ステーションの指導監査について」(令和7年3月12日)
A一般社団法人 全国訪問看護事業協会「令和8年度 訪問看護ステーション数 調査結果」
B株式会社東京商工リサーチ「2025年度『医療・福祉事業』倒産、過去最多」

A級18件、B級1件。C級・D級は0件です。すべて実URLを開いて原典を確認しました。法令はe-Gov法令検索の全文取得機能で条文を読み、ただし書と名宛人まで当てています。報酬の額は告示そのものを開きました。統計は公表元のファイルを開き、表を使う箇所は読み順の抽出と座標順の抽出の2通りで突き合わせています。

利害関係のあるものが1件あります。全国訪問看護事業協会の集計は、訪問看護を推進する立場の事業者団体によるものです。ただし件数の集計であり、評価は含まれていません。

更新履歴

日付内容
2026-08-10初版作成。A級出典18件・B級1件の原典を確認。着手時に残っていた論点(介護事業経営概況調査の訪問看護の収入に医療保険分が入っているか)を、統計表と調査票の両方から確かめ、公表値は介護保険分であると読んだうえで、医療保険分は令和8年6月適用の告示から自分で積み上げる形にモデルを組んだ。記入要領は配布サイトが停止しており取得できなかったので要確認として残した。商売の形を「看護師本人が法人を作り、看護職員を常勤換算3.0人まで採り、介護保険と医療保険の両方で、24時間対応を届け出る」に固定し、集客経路10本、3ケース、損益分岐4基準、感度分析、採点59点を算出した。売上の上限を資金ではなく看護師の人数から解き、受けられる上限35.6人を導いた。経営概況調査の統計表を介護保険の月間訪問回数の階級で開き、収支差率が階級によって1.14%から13.69%まで分かれること、有効回答254のうち401回以上の97事業所だけで差引額の93.4%を作っている計算になることを示した。原典確認の過程で5点を訂正した。法人要件の根拠が法律ではなく都道府県の条例と厚生労働省令にあること。訪問看護管理療養費の月の2日目以降が令和8年度の改定で統合・細分化されたこと。人員基準が介護保険側と医療保険側で違うこと。どちらの保険で請求するかを事業者が選べないこと。令和8年度の改定で訪問看護に介護職員等処遇改善加算が新設されたこと

数字の誤りや、実際と違う点にお気づきの方は、訂正をお寄せください。確認のうえ、履歴を残して更新します。

出典の構成
出典の構成

許認可・規約

まず法人であること

指定居宅サービス事業者の指定を受けられるのは「都道府県の条例で定める者」であり(介護保険法 第七十条第二項第一号)、その条例は厚生労働省令で定める基準に従って定める(同条第三項)。その厚生労働省令は「法人であることとする」と定めている(介護保険法施行規則 第百二十六条の四の二)。ただし書で、病院・診療所が行う訪問看護等の申請は除かれている。つまり病院や診療所でない訪問看護ステーションを開くなら、法人を作るのが先になる。合同会社の設立登記の登録免許税は資本金の額の1000分の7で、これによって計算した税額が6万円に満たないときは1件につき6万円(登録免許税法 別表第一 第二十四号(一)ハ)。

人員の基準

訪問看護ステーションに置くべき看護職員(保健師、看護師又は准看護師)は、常勤換算方法で2.5以上(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第六十条第一項第一号イ)。理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は「指定訪問看護ステーションの実情に応じた適当数」で、置かなくてもよい(同号ロ)。看護職員のうち1名は常勤でなければならない(同条第二項)。管理者は、専らその職務に従事する常勤の者を置く。ただし管理上支障がない場合は、そのステーションの他の職務に従事することができる(同基準 第六十一条第一項ただし書)。このただし書があるので、管理者が訪問に出られる。管理者は保健師又は看護師でなければならない。ただしやむを得ない理由がある場合はこの限りでない(同条第二項)。

設備の基準

事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室を設ける。ただし同一敷地内に他の事業所、施設等がある場合は、専用の区画を設けることで足りる(同基準 第六十二条第一項)。

医療保険の側は申請しなくても付いてくる

介護保険法第四十一条第一項本文の指定居宅サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る)の指定があったときは、その指定の際、健康保険法第八十八条第一項の指定訪問看護事業者の指定があったものとみなされる(健康保険法 第八十九条第二項)。ただし別段の申出をしたときはこの限りでない(同項ただし書)。申請は1回で、報酬の受け皿が2つになる。

ただし人員基準は2つある

医療保険の側にも別の省令があり、看護職員(保健師、助産師、看護師又は准看護師)の勤務延時間数を常勤の勤務すべき時間数で除して得た数が2.5以上と定めている(指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準第二条第一項第一号)。管理者は保健師、助産師又は看護師(同 第三条第二項)。介護保険の側は看護職員に助産師を含めず、管理者も保健師又は看護師に限っている。同じ2.5人でも、数える人の範囲がわずかに違う。

どちらの保険になるかは自分で選べない

訪問看護療養費は、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、介護保険法第六十二条に規定する要介護被保険者等については算定しない(訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法 通則二)。要介護・要支援の認定を受けている人は原則として介護保険で、末期の悪性腫瘍や難病など厚生労働大臣が定める疾病等に当たる場合と、主治医が特別訪問看護指示書を出した場合に限って医療保険になる。介護保険の側でも、医療保険の訪問看護が必要であるとして主治医が発行する訪問看護指示の文書の指示期間の日数につき、訪問看護費が減算される。同じ利用者から二重に取ることはできない。

始めるには主治医の指示書が要る

指定訪問看護事業者は、提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない(同基準 第六十九条第二項)。管理者は、主治の医師の指示に基づき適切な指定訪問看護が行われるよう必要な管理をしなければならない(同条第一項)。訪問看護計画書と訪問看護報告書を主治の医師に提出し、密接な連携を図る(同条第三項)。

同居の家族には訪問できない

指定訪問看護事業者は、看護師等にその同居の家族である利用者に対する指定訪問看護の提供をさせてはならない(同基準 第七十一条)。

報酬の額

介護保険の訪問看護費(指定訪問看護ステーションの場合)は、 20分未満314単位、30分未満471単位、30分以上1時間未満823単位、 1時間以上1時間30分未満1,128単位、理学療法士等の場合1回294単位。緊急時訪問看護加算(Ⅰ)は月600単位、特別管理加算は月500単位または250単位、ターミナルケア加算は2,500単位、看護体制強化加算(Ⅰ)は月550単位、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)は1回6単位。令和8年6月から介護職員等処遇改善加算が新たに対象になり、所定単位の18/1000が加算される。准看護師が行う場合は90/100。事業所と同一建物の利用者等が20人以上なら90/100、 50人以上なら85/100。理学療法士等の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合等は1回8単位の減算。 1単位の単価は地域区分で変わり、上乗せ割合は1級地20%から7級地3%まで、その他の地域は0% (令和6年度から令和8年度までの適用地域)。

医療保険の額

令和8年6月1日から適用される告示で、訪問看護基本療養費(Ⅰ)は保健師・助産師・看護師の場合、週3日目まで5,550円、週4日目以降6,550円。准看護師は5,050円と6,050円。理学療法士等は5,550円。同一建物の利用者に行う訪問看護基本療養費(Ⅱ)は、同一日に2人までなら(Ⅰ)と同額だが、 3人以上9人以下で週3日目まで2,780円、10人以上19人以下で月20日目まで2,760円、 50人以上で月20日目まで2,610円まで下がる。訪問看護管理療養費は、月の初日が機能強化型1で13,760円、機能強化型2で10,460円、機能強化型3と4で9,030円、それ以外で7,710円。月の2日目以降は、単一建物居住利用者が20人未満なら1日3,010円、 20人以上50人未満なら月15日目まで2,510円・16日目以降24日目まで2,310円・25日目以降2,210円、 50人以上なら2,410円・2,210円・2,010円。 24時間対応体制加算は、24時間対応体制における看護業務の負担軽減の取組を行っている場合6,800円、それ以外6,520円(月1回)。特別管理加算は月2,500円、厚生労働大臣が定める状態等にある利用者は5,000円。退院時共同指導加算8,000円、退院支援指導加算6,000円(長時間の場合8,400円)、訪問看護ターミナルケア療養費1が25,000円、2が10,000円。訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)は月1,050円。

指導と監査

訪問看護ステーションへの個別指導の実施件数は、平成30年度17件、令和元年度11件、令和2年度7件、令和3年度15件、令和4年度18件、令和5年度20件。令和7年3月の中央社会保険医療協議会の資料では、指導要綱の改定案として、個別指導の選定基準に「訪問看護療養費請求書の1件当たりの平均額が高い訪問看護ステーション(ただし、取扱件数の少ない訪問看護ステーションは除く。)について1件当たりの平均額が高い順に選定する」という項目を新設することが示されている。また令和6年10月22日付けの事務連絡で、「利用者の状態にかかわらず一律に回数を定めて訪問看護を行っている事例がある等の報道があったことを踏まえ」として、訪問看護の日数・回数・実施時間・訪問する人数は、訪問時に把握した利用者や家族等の状況に即して、主治医から交付された訪問看護指示書に基づき検討されるものであることが示された。

介護サービス情報の公表

指定を受けた事業者には、介護サービス情報の報告の義務がある。条文の該当箇所は確認していない。要確認。

推定で置いた数字の一覧

推定で置いた数字前提
利用者1人あたりの月間訪問回数(介護保険6回・医療保険8回)
  • 置いた前提:介護保険は週1.5回、医療保険は週2回として置いた。出典なし。
  • 弱いところ:売上2,025,000円も、受けられる上限35.6人も、1人あたりの貢献利益60,918円も、すべてこの2つから出ている。介護保険を月8回に増やすと1人あたり月額は69,600円へ上がるが、同じ看護職員3.0人で受けられる利用者は28.4人へ減る。
介護保険の訪問看護費の時間区分の構成
  • 置いた前提:20分未満5%・30分未満20%・30分以上1時間未満65%・1時間以上1時間30分未満10%。加重平均757.65単位にサービス提供体制強化加算(Ⅰ)6単位を足して764単位、7,640円。出典なし。
  • 弱いところ:加算を含めた1回あたり8,800円は、令和7年度介護事業経営概況調査の訪問1回当たり収入8,248円(令和6年度決算)を6.7%上回る。全国平均には理学療法士等の訪問(1回294単位)が入っているので直接は比べられないが、この試算は上振れの方向に置いている。
医療保険の利用者の訪問がすべて週3日目までに収まること
  • 置いた前提:月8回の訪問がすべて訪問看護基本療養費(Ⅰ)イ(1)の5,550円になると置いた。週4日目以降なら6,550円になる。
  • 弱いところ:週4日以上の訪問が認められるのは、別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者と特別訪問看護指示書の交付を受けた者に限られる。その割合を示す公開データを見つけられなかった。
月次離脱率 弱気12.0%/標準8.0%/強気5.0%
  • 置いた前提:出典なし。平均継続月数は離脱率の逆数として、8.3か月/12.5か月/20.0か月と置いた。
  • 弱いところ:維持に必要な新規(月2.56人・年30.7人)も、粗利LTV 761,475円も、顧客獲得単価との比較(22.1倍)も、すべてこの値から出ている。訪問看護の利用終了は死亡・入院・施設入所で起きるので、利用者の状態の重さによって大きく動く。
1人1日あたりの訪問件数4.0件・月の稼働日数20日
  • 置いた前提:1件あたり1.5時間(移動と記録を含む)として置いた。出典なし。
  • 弱いところ:訪問枠240回も、受けられる上限35.6人も、経営者作業時間186時間も、ここから出ている。 3.5件なら枠は210回で上限は31.1人、4.5件なら270回で40.0人。比べられる公開値として経営概況調査の常勤換算職員1人当たり訪問回数は月48.8回だが、これは介護保険分だけの回数を事業所全体の職員数で割った値である。
看護職員の体制(標準ケースで常勤換算3.0人)と事務のパート0.6人
  • 置いた前提:指定の下限である常勤換算2.5人(指定居宅サービス基準 第六十条第一項第一号イ)のすぐ上に置いた。本人が管理者を兼ねて訪問にも出る。
  • 弱いところ:本人が管理者を兼ねて訪問に出られるのは、第六十一条第一項のただし書(管理上支障がない場合は他の職務に従事できる)を前提にしている。支障があると判断されれば、本人は訪問に出られず、訪問枠は160回に落ちる。
給与費(常勤看護師470,844円・非常勤看護師373,205円・事務のパート1人あたり200,000円)
  • 置いた前提:看護師の値は令和7年度介護事業経営概況調査 第6表の常勤換算1人当たり給与費。事務のパートは出典なし。
  • 弱いところ:同じ調査の第52表と第75表には、常勤換算1人当たり給与費についてサンプルサイズが少ないことによる注が付いている。令和7年賃金構造基本統計調査の看護師(企業規模10〜99人)は年4,698,200円で、事業主負担の社会保険料を乗せると近づくが、突き合わせはしていない。
初期投資 4,170,000円(幅300万〜600万円)
  • 置いた前提:車1,500,000円、パソコン等400,000円、事務所640,000円、什器300,000円、医療材料300,000円、開設時の広報300,000円、指定申請と士業300,000円、システムの初期設定200,000円、賠償責任保険130,000円、法人設立100,000円。公式の金額として確認できたのは合同会社の設立登記の登録免許税だけである。
  • 弱いところ:標準ケースの回収7か月は、この4,170,000円の精度をそのまま引き継いでいる。指定申請の手数料は自治体で異なり、確認していない。車をリースにすれば初期投資は減るが固定費が増える。
運転資金 4,500,000円
  • 置いた前提:利用者ゼロから32人へ届くまでを約12か月と置いた期間の谷。報酬はサービス提供月の翌々月に入るので、最初の2か月は入金がゼロ。生活費を月250,000円と置くと、最初の2か月で約2,414,000円、利用者6人から20人へ積み上げる4か月で約2,325,000円の谷になり、その後の6か月で約1,096,000円戻る。1年の累積は約▲3,643,000円。
  • 弱いところ:この試算でいちばん大きい推定である。期間が1年延びるごとに、生活費を含めた谷が年間で約3,000,000円ずつ深くなる。生活費250,000円も、家族構成や住居費で大きく動く。
固定費(標準ケース1,204,000円)
  • 置いた前提:給与費964,049円、事務所の家賃と共益費80,000円、車3台の維持45,000円、通信とシステム30,000円、減価償却35,000円、保険と士業30,000円、水道光熱20,000円。給与費以外は出典なし。
  • 弱いところ:減価償却は償却の対象を2,400,000円として月35,000円と置いた。資産の区分と耐用年数は税務上の判断であり、確認していない。
変動費 訪問1回あたり350円
  • 置いた前提:燃料、衛生材料と消耗品、記録用紙、請求の伝送にかかる費用として置いた。出典なし。
  • 弱いところ:標準ケースの営業利益率29.1%は、この低さから出ている。訪問先が遠い地域では燃料と移動時間が増え、1日4.0件という前提のほうが先に崩れる。
営業費(標準25,000円)と、営業に使う時間(標準20時間)
  • 置いた前提:居宅介護支援事業所と病院の地域連携室を月16か所訪ねて、月2.56件の依頼が来ると置いた。出典なし。
  • 弱いところ:経路ごとの成約率も、1か所を訪ねるのにかかる時間も確認していない。依頼を出す側の居宅介護支援事業所は前年から526か所減り、受ける側の訪問看護ステーションは9.9%増えている。
看護職員の採用費(人材紹介手数料の月ならし60,000円)
  • 置いた前提:外注費に置いた。出典なし。
  • 弱いところ:看護師の人材紹介手数料の相場を、利害関係のない出典で確認できなかった。紹介を勧める立場の数字は使っていない。
1単位10円の地域(地域区分の上乗せ割合0%)
  • 置いた前提:その他の地域を置いた。
  • 弱いところ:上乗せ割合は1級地20%から7級地3%まである。ただし1単位の単価は10円に上乗せ割合をそのまま掛けたものではなく、上乗せ割合に人件費割合を掛けたものが乗る。訪問看護の人件費割合を定めた告示は開いていないので、上振れの幅を正確には示せていない。
事故と返戻への備え 弱気30,000円/標準30,000円/強気40,000円
  • 置いた前提:訪問先での事故対応、返戻による欠損、法務相談として置いた。出典なし。
  • 弱いところ:賠償責任保険の内容も保険料も確認していない。医療事故が起きたときの実際の負担を、この月30,000円は吸収できない。

出典の一覧

等級出典利害関係原典を確認した日
Ae-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成十一年厚生省令第三十七号)
  • 対象:全国/省令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:第四章 訪問看護/第六十条第一項第一号イ(看護職員=保健師、看護師又は准看護師は常勤換算方法で二・五以上)・同号ロ(理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は実情に応じた適当数)・同条第二項(看護職員のうち一名は常勤)/第六十一条第一項(専らその職務に従事する常勤の管理者。ただし管理上支障がない場合は他の職務に従事できる)・同条第二項(管理者は保健師又は看護師。ただしやむを得ない理由がある場合はこの限りでない)/第六十二条第一項(専用の事務室。ただし同一敷地内に他の事業所等がある場合は専用の区画で足りる)/第六十三条(サービス提供困難時は主治の医師及び居宅介護支援事業者へ連絡し、適当な他の事業者を紹介する)/第六十四条(居宅介護支援事業者等との連携)/第六十九条第一項〜第三項(主治の医師の指示に基づく管理、提供開始に際し文書で指示を受けること、計画書と報告書の提出)/第七十条(訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成)/第七十一条(同居の家族に対する訪問看護の禁止)
  • 確認できていないところ:第七十三条以下の運営規程、記録の保存、第二条の定義(常勤換算方法)以外の細部は読んでいない
なし2026-08-10
Ae-Gov法令検索「介護保険法」(平成九年法律第百二十三号)
  • 対象:全国/法令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:第七十条第一項(指定は事業所ごとに申請により行う)・同条第二項第一号(申請者が都道府県の条例で定める者でないときは指定をしてはならない)・同条第三項(都道府県が前項第一号の条例を定めるに当たっては、厚生労働省令で定める基準に従い定める)
  • 確認できていないところ:第七十条第二項の第四号以下の欠格事由は読んだが、この試算では使っていない。第七十四条の運営基準の条例委任も追っていない
なし2026-08-10
Ae-Gov法令検索「介護保険法施行規則」(平成十一年厚生省令第三十六号)
  • 対象:全国/省令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:第百二十六条の四の二(法第七十条第三項の厚生労働省令で定める基準は、法人であることとする。ただし病院等により行われる居宅療養管理指導又は病院若しくは診療所により行われる訪問看護等に係る指定の申請にあってはこの限りでない)
  • 確認できていないところ:指定申請書の記載事項と添付書類を定める条文は確認していない
なし2026-08-10
Ae-Gov法令検索「健康保険法」(大正十一年法律第七十号)
  • 対象:全国/法令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:第八十八条第一項(訪問看護療養費の支給と指定訪問看護事業者の定義)・同条第四項(訪問看護療養費の額は厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額から一部負担相当額を控除した額)・同条第六項(保険者は被保険者に代わり指定訪問看護事業者に支払うことができる)/第八十九条第一項(指定は事業所ごとに申請により行う)・同条第二項(介護保険法第四十一条第一項本文の指定居宅サービス事業者の指定等があったときは、その指定の際、第八十八条第一項の指定があったものとみなす。ただし別段の申出をしたときはこの限りでない)・同条第四項第一号(申請者が地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生労働大臣が定める者でないとき)
  • 確認できていないところ:第八十九条第二項の「厚生労働省令で定める基準に該当するもの」の中身は確認していない
なし2026-08-10
A厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件」(令和八年厚生労働省告示第七十四号)
  • 対象:全国/令和八年六月一日から適用
  • 鮮度:令和8年3月5日告示・令和8年6月1日から適用
  • 使ったところ:通則二(別に厚生労働大臣が定める場合を除き、介護保険法第六十二条に規定する要介護被保険者等については算定しない)・通則三(届出は地方厚生局長等に対して行う)/区分番号01 訪問看護基本療養費(Ⅰ)イ 週3日目まで5,550円・週4日目以降6,550円、ロ 准看護師5,050円・6,050円、ハ 専門の研修を受けた看護師12,850円、ニ 理学療法士等5,550円/訪問看護基本療養費(Ⅱ)同一日に2人5,550円・6,550円、3人以上9人以下2,780円・3,280円、10人以上19人以下2,760円・2,660円、20人以上49人以下2,710円・2,610円、50人以上2,610円・2,510円/訪問看護基本療養費(Ⅲ)8,500円/区分番号02 訪問看護管理療養費 1 月の初日 イ機能強化型1 13,760円・ロ機能強化型2 10,460円・ハ機能強化型3 9,030円・ニ機能強化型4 9,030円・ホそれ以外7,710円、2 月の2日目以降 イ単一建物居住利用者20人未満3,010円・ロ20人以上50人未満2,510円/2,310円/2,210円・ハ50人以上2,410円/2,210円/2,010円/24時間対応体制加算 イ6,800円・ロ6,520円(月1回)/特別管理加算2,500円・5,000円/退院時共同指導加算8,000円/退院支援指導加算6,000円・8,400円/区分番号05 訪問看護ターミナルケア療養費1 25,000円・2 10,000円/区分番号07 訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)1,050円
  • 確認できていないところ:精神科訪問看護基本療養費、包括型訪問看護療養費(区分番号04)、各加算の施設基準を定める告示(令和八年厚生労働省告示第七十五号)は開いていない。機能強化型1〜4の施設基準の細目も確認していない
なし2026-08-10
A厚生労働省「介護報酬の算定構造のイメージ(R8.6.1)」
  • 対象:全国/令和8年6月1日時点の介護報酬の算定構造
  • 使ったところ:3 訪問看護費 イ 指定訪問看護ステーションの場合(20分未満314単位、30分未満471単位、30分以上1時間未満823単位、1時間以上1時間30分未満1,128単位、理学療法士等1回294単位)/ロ 病院又は診療所の場合(266・399・574・844単位)/ハ 定期巡回・随時対応型と連携する場合(1月2,961単位)/緊急時訪問看護加算(Ⅰ)月600単位・(Ⅱ)月574単位/特別管理加算(Ⅰ)月500単位・(Ⅱ)月250単位/ターミナルケア加算2,500単位/初回加算(Ⅰ)月350単位・(Ⅱ)月300単位/退院時共同指導加算1回600単位/看護体制強化加算(Ⅰ)月550単位・(Ⅱ)月200単位/サービス提供体制強化加算(Ⅰ)1回6単位・(Ⅱ)1回3単位/介護職員等処遇改善加算(1月につき所定単位×18/1000)/准看護師の場合90/100/事業所と同一建物の利用者等が20人以上90/100・50人以上85/100/理学療法士等の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合等は1回8単位減算/夜間又は早朝25/100・深夜50/100/複数名訪問加算/1時間30分以上の訪問看護300単位
  • 確認できていないところ:図の欄外の注記は読んでいない。1単位の単価を定める告示は開いていない
なし2026-08-10
A厚生労働省「令和8年度介護報酬改定の概要」
  • 対象:全国/令和8年度介護報酬改定(令和8年6月施行)
  • 鮮度:令和8年
  • 使ったところ:これまで処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援等に処遇改善加算を新設すること/訪問看護の加算率1.8%/新たに対象となるサービスは加算Ⅳに準ずる要件であること/施行時期は処遇改善が令和8年6月
  • 確認できていないところ:加算の算定要件の細目とQ&Aは開いていない
なし2026-08-10
A厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(令和8年3月10日版)
  • 対象:全国/令和8年度診療報酬改定のうち訪問看護に関する部分
  • 鮮度:令和8年3月10日版
  • 使ったところ:医療保険と介護保険の訪問看護対象者のイメージ(医療保険は小児等40歳未満の者と要介護者・要支援者以外、原則週3日以内。介護保険は要支援者・要介護者で限度基準額内でケアプランに定める。別表第七の疾病等に該当する者と、特別訪問看護指示書の交付を受けた者は医療保険で週4日以上可能)/訪問看護管理療養費の見直し(月の初日の評価の充実、月の2日目以降は訪問看護管理療養費1と2を統合し施設基準の届出を不要とし、訪問日数と単一建物居住利用者の人数で細分化)/機能強化型訪問看護管理療養費4の新設/訪問看護基本療養費(Ⅱ)等の同一建物の人数区分の細分化/同一敷地内の建物も同一建物とする規定への見直し/訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定する場合の適切な時間は30分以上を標準とし20分を下回らないこと
  • 確認できていないところ:資料全体(約2,200行)のうち、精神科訪問看護と包括型訪問看護療養費の部分は読み切っていない
なし2026-08-10
A厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果」統計表 第6表・第52表・第75表(訪問看護/e-Statからダウンロード)
  • 対象:全国/令和5年度決算・令和6年度決算/訪問看護の調査客体522・有効回答254(回答率48.7%)/統計表の公開(更新)日は2026-04-30
  • 鮮度:調査時期は令和7年5月。結果の概要の公開日は2025-11-26、統計表の公開(更新)日は2026-04-30
  • 使ったところ:第6表(令和6年度決算・1施設事業所当たり月額)介護料収入3,409,123円/保険外の利用料による収入68,589円/補助金収入0/介護報酬査定減▲1,428円/収入小計3,476,285円/給与費2,436,907円(70.1%)/減価償却費47,850円/その他629,598円/費用小計3,114,354円/借入金利息3,520円/支出3,117,874円/差引358,412円(10.31%)/法人税等22,971円/法人税等差引336,845円(9.69%)/延べ訪問回数421.5回/常勤換算職員数8.632人(常勤率79.6%)/看護職員常勤換算数5.412人(常勤率76.0%)/常勤看護師1人当たり給与費470,844円・准看護師394,802円・理学療法士449,606円・作業療法士421,709円/非常勤看護師373,205円/訪問1回当たり収入8,248円(イ・ロの補助金収入を除く)/訪問1回当たり支出7,398円/常勤換算職員1人当たり給与費438,027円/看護職員1人当たり給与費443,065円/常勤換算職員1人当たり訪問回数48.8回/看護職員1人当たり訪問回数77.9回。第75表(延べ訪問回数階級別・令和6年度決算)収支差率は100回以下3.81%・101〜200回4.97%・201〜300回2.57%・301〜400回1.14%・401回以上13.69%、給与費の割合は70.5%・74.2%・76.3%・80.7%・66.9%、有効回答数は40・42・39・36・97、差引額は11,679円・64,445円・53,770円・33,508円・941,919円。第52表(経営主体別・令和6年度決算)収支差率は社会福祉法人3.92%・医療法人11.86%・営利法人11.15%・その他7.30%
  • 確認できていないところ:収入の科目に医療保険の訪問看護療養費に対応する行が無く、公表値は介護保険分と読んだが、調査票の記入要領は取得できていない。「常勤換算1人当たり給与費の数値については、サンプルサイズが少ないことにより集計結果に個々のデータが大きく影響している可能性がある」という注が第52表と第75表に付いている。表の数値は読み順の抽出と座標順の抽出の2通りで突き合わせ、行と値の対応が一致することを確認した
なし(報酬改定の基礎資料となる政府統計)2026-08-10
A厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査結果の概要」
  • 対象:全介護保険サービス/令和5年度決算・令和6年度決算/調査客体17,528・有効回答8,099(46.2%)
  • 鮮度:調査時期は令和7年5月。e-Statでの公開(更新)日は2025-11-26
  • 使ったところ:訪問看護の税引前収支差率は令和5年度決算11.9%・令和6年度決算10.3%/全サービス平均4.7%/介護老人福祉施設1.4%・介護老人保健施設0.6%/定期巡回・随時対応型訪問介護看護13.4%・訪問リハビリテーション10.8%・訪問介護9.6%/訪問看護の赤字事業所の割合38.2%(令和6年度決算)/全サービス平均の赤字事業所の割合37.5%/「介護サービスの収入額」の定義は「介護報酬による収入(利用者負担分含む)、保険外利用料収入、補助金収入(物価高騰対策関連補助金を除く)の合計額」/訪問看護の調査客体522・有効回答254(48.7%)
  • 確認できていないところ:全サービス平均の収支差率は費用構成比による加重平均であるという注記は読んだが、算出の詳細は追っていない
なし2026-08-10
A厚生労働省「令和7年度介護事業経営概況調査 調査票 居宅・地域密着型サービス事業所(医療関係)票(案)」(社会保障審議会介護給付費分科会 介護事業経営調査委員会 第40回・令和7年1月30日 資料1-5)
  • 対象:全国/令和7年度介護事業経営概況調査の調査票(案)
  • 鮮度:令和7年1月30日の委員会資料
  • 使ったところ:問4(1)事業収益の科目に「医業収益」が介護報酬収益と別建てで置かれ、末尾が「施設運営事業収益計(医業収益+介護報酬収益)」となっていること/居宅介護料収益(利用者負担分を含む)の(3)に訪問看護(介護予防を含む)が置かれていること/保険外の利用料による収益の(2)居宅介護サービス利用料収益の③に訪問看護が置かれていること/訪問看護の実績欄で「介護保険以外(健康保険法等のみ、自費等)の利用者へのサービス」の実利用者数と延べ訪問回数を別に記入させていること/問4(2)事業費用に「問4(1)で記入した収益に対応した費用を記入してください。問4(1)において、医療サービスによる収益を含めて記入した場合は、医療サービスに係る費用を含めて記入してください」という指示があること/問1(4)で単独会計と一体会計を区別していること
  • 確認できていないところ:これは委員会に諮られた案であり、実施された調査票そのものではない。記入要領は取得できていない(配布サイト r7-keiei.kaigo-survey.mhlw.go.jp は名前解決できず、接続先の azurewebsites.net も応答しなかった)
なし2026-08-10
A一般社団法人 全国訪問看護事業協会「令和8年度 訪問看護ステーション数 調査結果」
  • 対象:全国/令和8年4月1日現在の稼働数・指定数・休止数と、令和7年度中の新規・廃止・休止(都道府県別と全国計)
  • 鮮度:PDF本体に公表日の記載を確認できず(鮮度不明)。令和8年4月1日現在の集計
  • 使ったところ:令和8年4月1日現在の稼働数20,051・指定数20,568・休止数517/令和7年度中の新規2,428・廃止960・休止328/対前年の増減は稼働+1,297・指定+1,254・休止▲43/令和7年4月1日時点の稼働18,754・指定19,314・休止560/令和7年度内の開設年度中の廃止87/前年(令和7年度調査)は令和6年度中の新規2,487・廃止886・休止355、開設年度中の廃止69
  • 確認できていないところ:新規2,428から廃止960を引いた1,468と、指定数の増加1,254に214の差があるが、資料に説明は無い。表の数値は読み順の抽出と座標順の抽出の2通りで突き合わせ、合計行の13の値が一致することを確認した
あり(訪問看護を推進する立場の事業者団体による集計。ただし件数の集計であり評価は含まない)2026-08-10
A厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」結果の概要
  • 対象:全国/令和6年10月1日現在で活動中の施設・事業所
  • 使ったところ:訪問看護ステーション18,042事業所(前年16,423から1,619事業所・9.9%増加)/介護予防訪問看護ステーション17,487/居宅介護支援事業所37,258(前年37,784から526事業所・1.4%減少)/訪問看護ステーションの開設主体別の構成割合は営利法人66.8%・医療法人18.2%・社団財団法人5.3%・社会福祉法人4.5%・地方公共団体1.3%・独立行政法人1.3%・特定非営利活動法人1.3%・協同組合1.0%・その他0.4%
  • 確認できていないところ:従事者数の表は読んでいない。複数のサービスを提供している事業所は各々に計上されている点に注意が要る
なし2026-08-10
A中央社会保険医療協議会 総会「訪問看護ステーションの指導監査について」(総-12・令和7年3月12日)
  • 対象:全国/訪問看護ステーションの指導監査と、参考資料としての訪問看護の仕組みと利用者数
  • 鮮度:令和7年3月12日の中医協資料。参考資料には令和5年7月12日改および令和5年10月20日の資料が含まれる
  • 使ったところ:訪問看護療養費(医療保険)の1人1月の請求額は中央値67,140円・平均98,124.8円、最大値1,162,640円、請求額60万円以上が全体の約1%強(令和5年6月審査分より推計・速報値)/訪問看護利用者数は令和5年で医療保険約48.4万人・介護保険約74.4万人、平成13年比で医療保険3.9倍・介護保険9.9倍/医療保険の訪問看護療養費の算定件数は平成20年の94万件から令和5年の610万件へ約6.5倍、年間医療費は648億円から6,072億円へ約9.4倍/訪問看護ステーションの個別指導の実施件数は平成30年度17件・令和元年度11件・令和2年度7件・令和3年度15件・令和4年度18件・令和5年度20件/指導要綱の改定案で個別指導の選定基準に「訪問看護療養費請求書の1件当たりの平均額が高い訪問看護ステーション(ただし、取扱件数の少ない訪問看護ステーションは除く。)について1件当たりの平均額が高い順に選定する」を新設すること/令和6年10月22日付け厚生労働省保険局医療課事務連絡「指定訪問看護の提供に関する取扱方針について」の内容(利用者の状態にかかわらず一律に回数を定めて訪問看護を行っている事例がある等の報道を踏まえ、日数・回数・実施時間・訪問する人数は訪問時に把握した状況に即して主治医の指示書に基づき検討されるものであること)/年間医療費総額階級別の訪問看護ステーション数は平成30年度10,692から令和5年度16,726へ増加し、年間医療費1,500万円未満は122%増、2.5億円以上は1,280%増
  • 確認できていないところ:医療保険の利用者数は訪問看護療養費実態調査からの推計(ステーション分)、介護保険の利用者数は介護給付費等実態統計(病院・診療所分を含む)で、数えている範囲が同じではない。原資料そのものは開いていない
なし2026-08-10
A厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)/e-Statからダウンロード
  • 対象:全国/一般労働者/産業計/男女計
  • 使ったところ:看護師(企業規模計10人以上)は年齢42.1歳・勤続9.8年・きまって支給する現金給与額365,900円/月・年間賞与その他特別給与額856,400円・労働者数90,306人/企業規模10〜99人では339,500円と624,200円/准看護師(企業規模計)は303,200円と636,800円/保健師は361,000円と1,181,800円/理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士は309,900円と717,200円
  • 確認できていないところ:訪問看護ステーションだけを取り出した数字ではない。産業計の集計である
なし2026-08-10
Ae-Gov法令検索「登録免許税法」(昭和四十二年法律第三十五号)
  • 対象:全国/法令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:別表第一 第二十四号(一)ハ(合同会社の設立の登記は資本金の額に千分の七。これによつて計算した税額が六万円に満たないときは、申請件数一件につき六万円)/同号イ(株式会社の設立の登記は千分の七、十五万円に満たないときは十五万円)
  • 確認できていないところ:定款の認証にかかる費用は登録免許税法の外なので確認していない
なし2026-08-10
Ae-Gov法令検索「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」(平成十二年厚生省令第八十号)
  • 対象:全国/省令本文(e-Gov法令APIで全文を取得)
  • 使ったところ:第二条第一項第一号(看護職員=保健師、助産師、看護師又は准看護師の勤務延時間数を常勤の看護職員が勤務すべき時間数で除して得た数が二・五以上)・同項第二号(理学療法士等は実情に応じた適当数)・同条第二項(うち一名は常勤)/第三条第一項(専らその職務に従事する常勤の管理者。ただし管理上支障がない場合は他の職務に従事できる)・同条第二項(管理者は保健師、助産師又は看護師)/第四条(専用の事務室。ただし他の事業の事業所を兼ねる場合は専用の区画で足りる)/第五条の二(申請・届出等の手続及び訪問看護療養費の請求に係る手続を適正に行うこと)
  • 確認できていないところ:第五条以下の運営基準の大半は読んでいない
なし2026-08-10
A厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(地域区分の部分)
  • 対象:全国/令和6年度から令和8年度までの間の地域区分の適用地域
  • 鮮度:令和6年度介護報酬改定
  • 使ったところ:地域区分の上乗せ割合は1級地20%・2級地16%・3級地15%・4級地12%・5級地10%・6級地6%・7級地3%・その他0%(対象自治体数1,741)/理学療法士等による訪問看護の評価の見直し(前年度の理学療法士等の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合等に1回8単位の減算を新設)
  • 確認できていないところ:1単位の単価を定める告示と、サービスごとの人件費割合は開いていない。したがって上乗せ割合がそのまま単価に乗るわけではない点を数字で示せていない
なし2026-08-10
B株式会社東京商工リサーチ「2025年度『医療・福祉事業』倒産、過去最多」(TSRデータインサイト)
  • 対象:全国/2025年度(4-3月)/医療業・保健衛生・社会保険社会福祉介護事業/負債1,000万円以上の倒産
  • 鮮度:2026年5月4日公表
  • 使ったところ:2025年度の医療・福祉事業の倒産は478件で1988年度以降の38年間で最多、3年連続で過去最多を更新/小分類では老人福祉・介護事業182件、療術業108件、障害者福祉事業54件、児童福祉事業44件、一般診療所32件、歯科診療所31件/原因は売上不振(販売不振)が340件(71.1%)/従業員数別では5名未満が345件(72.1%)、5名以上10名未満が72件(15.0%)
  • 確認できていないところ:訪問看護だけを取り出した件数は、この集計では示されていない。負債1,000万円以上の法的整理に限られ、休廃業と解散を含まない
なし(信用調査会社が自社の集計を公表したもの)2026-08-10

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本コンテンツは公開情報と一定の仮定に基づく試算です。特定企業の実際の利益を示すものではなく、地域・規模・経験・時期によって結果は変わります。出典・計算条件・更新日は商売解剖図鑑に掲載します。