商売解剖図鑑

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特殊清掃

孤独死・事故物件の原状回復と遺品整理/個人〜数名規模

机上版現場サービス系無店舗BtoB許認可あり

調査日 2026-08-04 / 原典を確認した日 2026-08-07

現地には行っていません。公開されている情報と、そこから組んだ試算だけで書いています。実額の裏取りが済んだら検証版として更新します。

初期投資

522万円

幅 350〜800万円

月の営業利益(標準)

579,000円

弱気 ▲147,000円 / 強気 1,557,000円

経営者の時給(標準)

3,217円

月 180時間

投資の回収(標準)

8か月

個人事業としての点数

59 / 100

自分の資金と時間で始めて、自分が回す商売として

事業としての点数

50 / 100

人と仕組みで、本人から離れて大きくなるか

この商売を他とくらべる分析の方法

この商売はどういうものか

住まいで人が亡くなり、時間が経ってから見つかった部屋を、また貸せる状態に戻す仕事です。頼むのは、その部屋を管理する不動産会社や家主、それに遺族。部屋の作業と一緒に、残された家財の片付けも請け負います。料金は現場ごとの見積もりで、部屋の状態と物の量で決まります。

この試算で見ている形

  • 規模:2トントラックと軽バンの2台。
  • 体制:経営者1名とスポットの作業員。
  • 地域・立地:人口100万人規模の商圏(車で片道1時間)。
  • 営業の形:作業は汚染の除去・消臭・残置物の搬出まで。廃棄物は許可業者に委託。値のつくものは古物商許可のもとで買い取る。
  • 売り先:依頼者は不動産管理会社・家主と遺族。
  • 売上の作り方:特殊清掃を伴う案件(件数と単価)と片付けのみの案件(件数と単価)の合計が月商になります。
  • この試算に含めていないもの:借入の元本返済、経営者の報酬、法人税等。

想定した人と、その一年

勤めを辞めて、車を2台と機材を持った人を置きました。従業員はいません。作業の日だけ、来てくれる人を呼びます。仕事は自分で見つけるのではなく、呼ばれて始まります。電話をかけてくるのは、管理会社か、家主か、遺族か、同業の元請け。鳴らない日は、その人たちに会いに行く日です。名刺を置き、資料を渡し、覚えてもらう。覚えてもらっても、その名前が呼ばれるのは何か月も先です。呼ばれれば、その日のうちに部屋を見て、見積を作る。作業の日は朝から人を集め、防護具を着け、運び出し、消し、洗い、片づける。値のつくものは買い取り、残りは許可を持つ事業者へ渡します。一年でならすと、現場に出る日は月の半分ほど。残りの半分は、次の一件のために回っています。取り返しがつかなくなるのは、呼ばれない月が続いたときです。現場が止まっても、倉庫代も車の償却も広告も同じだけ出ていく。そして代わりがいない。自分が動けなくなった日、売上はゼロになります。以上は試算のために置いた姿であって、実在の誰かの一年ではありません。

結論

先に、この試算が何の上に乗っているかを置いておきます。

ひとつは、商圏で起きる件数です。令和6年に警察が取り扱った死体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は76,020体でした。そのうち死後4日以上たって見つかったものが31,843件。これを人口100万人ぶんに割り戻すと、月22件になります。この22件が、この商売の天井です。

もうひとつは単価です。特殊清掃を伴う1件を350,000円と置きました。ここに出典はありません。参考にした公開値は孤独死保険の支払データですが、母集団は保険に入っている賃貸住宅に限られ、持家の居住者は含まれていません。原状回復費用には内装工事も含まれます。範囲が一致しないので、幅の目安としてだけ使いました。

この形なら、月に58万円ほどが残る計算になります。ただしそれは、月に3件呼ばれたときの数字です。

営業利益がゼロになるのは月1.21件。商圏で起きる数の5.5%にあたります。分岐点そのものは低い。難しいのは、その1件が広告では買えないことのほうです。有償で買える経路は検索広告と比較サイトしかなく、残りは不動産管理会社や家主に会いに行く時間で作ります。

月間の特殊清掃を伴う案件数標準ケースの何倍商圏シェアこの試算での結果
0.98件0.33倍4.4%手残りがゼロ(減価償却を除く)
1.21件0.40倍5.5%営業利益ゼロ
1.65件0.55倍7.5%初期投資5,225,000円を24か月で回収
2.04件0.68倍9.3%初期投資と運転資金8,225,000円を24か月で回収
3件1.00倍13.6%月579,000円の黒字(標準ケース)。経営者時給3,217円
6件2.00倍27.3%月1,557,000円(強気ケース)。人を雇う前提

片付けのみの案件は、標準ケースと同じ1対2の比率で付随する前提です。上に伸ばすほど、商圏の中での取り分を大きくする話になっていきます。

で、この商売はどういうものか

不動産管理会社や家主を自分の足で回って、毎月呼んでくれる相手を積める人にだけです。件数を広告で買うつもりで始めるなら、この試算では勧められません。

標準ケースの経営者時給は3,217円。始めるのに要るのは8,225,000円。投じた額が戻るのは8か月の見込みです。

これは「人口100万人の商圏で、経営者1名とスポットの作業員、車2台、内装工事は請けず、廃棄物は許可業者に委託する」という形についての見立てです。自分で一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ形、内装工事まで請ける形、同業の下請けだけで組む形、複数人を常勤で雇う形、商圏を2つ以上持つ形は、費用と売上の作りが変わります。この試算は、そこを見ていません。

結論の要約
結論の要約

ここが面白い

許可は、申請しても取れないことがある

住まいから出た不要物を、料金を受け取って運ぶ仕事を業として行うには、その区域の市町村長の許可が要ります。ところが、さいたま市は一般廃棄物収集運搬業の新規許可申請の受付そのものを行っていません。静岡市は、再生利用のために運ぶ場合など限られた要件を挙げるだけで、家庭から出るものを運ぶ一般的な形はそこに入っていません。条文の書き方が、免許や届出とは違うからです。市町村長は、申請が各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。出してはいけない、という向きで書かれています。

なぜそうなるのか。四つある要件の一番目が「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること」、二番目が「その申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること」だからです。設備と能力の話は、三番目にしか出てきません。車と人と実績を揃えても、その市町村が自分で回せていると判断すれば下りない。家庭から出るごみを片づけるのは市町村の仕事で、民間は足りないところを埋める形でしか入れません。許可は能力の証明ではなく、市町村の計画の一部です。

この構造が、そのまま費用に出ます。自分で運べないので、許可を持つ事業者に委託するしかない。標準ケースでは委託費が月390,000円で、変動費801,000円の48.7%を占める計算になります。しかも、仮に取れたとしても値段は自由になりません。許可業者が収集運搬と処分について受け取れる料金は、その市町村が条例で定める手数料に相当する額を超えてはならないとされているからです。入口が市町村の計画で、出口が市町村の条例。変動費の半分近くが、最初から自分の手の外にあります。

集客は、発見者の内訳とほぼ同じ形をしている

孤独死保険の支払データ(賃貸住宅・n=10,203)では、第一発見者は不動産管理会社・仲介会社・オーナー等が23.6%、行政や見守り、宅配が20.4%、親族が20.8%。誰が最初に見つけるかが、そのまま誰が業者を呼ぶかに近いという形をしています。

金で解決できる部分が、そもそも小さい

有償で買える経路は検索広告と比較サイトの2本だけです。標準ケースの顧客獲得費用は月130,000円で、10%動かしても営業利益は13,000円しか動きません。感度分析でいちばん小さい変数でした。残りは訪問の時間で作ります。

数字で見る

需要の母数

令和6年に警察が取り扱った死体は204,184体。うち自宅において死亡した一人暮らしの人は76,020体で、37.2%でした。年齢別では65歳以上が58,044体、65歳未満が17,818体、年齢不詳が158体です。

発見までの経過日数は次のとおりです。

経過日数件数累計の割合
0〜1日28,75637.8%
2〜3日15,42158.1%
4〜7日9,98771.2%
8〜14日7,51581.1%
15〜30日7,39690.8%
31〜90日5,13897.6%
91〜180日1,16599.1%
181〜365日38999.6%
366日〜253100.0%

内閣府のワーキンググループは、死後8日以上を経過して発見されたものを21,856件、死後4日以上を31,843件としています。死後4日以上については、一般的に遺体外表上の腐敗が明白に発現し始めるとされる時期でもある、と述べたうえで、腐敗の状況は季節や環境に大きく左右される点に留意するよう付記しています。この試算では、死後4日以上の31,843件を潜在的な需要の目安として使いました。

なお、この統計は警察が取り扱った死体に限られます。内閣府は、かかりつけ医が警察を経由せずに死亡診断書を発行するケースが除外される点を、過小見積もりの要因として挙げています。

死亡数そのものは増えています。2024年は1,605,378人で過去最多、4年連続の増加でした。高齢者だけの話でもありません。孤独死保険の支払データ(賃貸住宅・男女計 n=12,089)では、65歳未満が46.1%を占めています。

客がどこから来るか

依頼するのは、亡くなった本人ではなく、その現場の後始末を負う立場の人です。誰が最初に発見するかが、そのまま誰が業者を呼ぶかに近い。少額短期保険協会が公表している孤独死保険の支払データでは、第一発見者の内訳はこうなっています。母集団は保険に加入している賃貸住宅の入居者で、レポート自身が「持家居住者等は含まれていない」と明記しています。累積は2015年4月から2025年3月まで、発見者不明分を除いた10,203件です。

第一発見者人数割合
不動産管理会社・仲介会社・オーナー等2,410人23.6%
親族2,121人20.8%
行政サービス・民間見守りサービス・宅配業者等2,081人20.4%
他人1,627人15.9%
友人・知人1,307人12.8%
警察657人6.4%

職業上の関係者が合わせて50.4%、近親者が33.6%です。同じレポートでは、発見までの平均日数は19日、3日以内に見つかるのは37.0%にとどまります。ここから経路を8つ置きました。

経路届く相手費用の性格弱点
不動産管理会社・賃貸仲介会社第一発見者の23.6%訪問の工数すでに付き合いのある業者がいる。取るまでが長い
家主・賃貸オーナー個人単身高齢者を受け入れる物件の所有者登壇・出展の工数と費用1人あたりの発生頻度が低い
同業・大手からの下請け広告で件数を集めている元請けゼロ単価が下がる。件数が読めない
原状回復・リフォーム会社賃貸の退去後工事を受けている会社訪問の工数下請けの位置になりやすい
検索広告・比較サイト遺族が自分で探す層出稿費と掲載料(有償)単発で終わる。相見積もりになりやすい
葬儀社・仏具店・石材店遺族と最初に接触する事業者紹介手数料または相互送客依頼者が違うことがある
少額短期保険会社・代理店孤独死保険を扱う代理店と家主訪問の工数保険金の支払額が見積の天井になりやすい
自治体・社会福祉協議会等身寄りのない事案登録・入札の手続きと工数件数が読めない。価格が入札で決まる

第一発見者の構成比は保険金の支払データに基づく事実です。ただしそれは「誰が見つけたか」であって「誰が発注したか」ではありません。どの経路が何件を連れてくるかは、確認できていません。

有償で買える経路は、検索広告と比較サイト・ポータル掲載の2本だけです。標準ケースでは月130,000円を計上し、そこから月2件、1件あたり65,000円で取れると置きました。ほかの経路は出稿ではなく訪問で、その工数は経営者作業時間に含め、金額としては計上していません。

保険の側から見ると、支払われる額と実際にかかる額には差があります。2024年度単年のデータでは、原状回復費用の平均損害額610,507円に対して平均支払保険金は315,020円。遺品整理(残置物処理)費用は平均損害額266,265円に対して平均支払保険金221,031円でした。

客の入れ替わり

同じ居室で二度依頼が起きることはありません。一回性の取引です。この商売でストックにあたるのは、客ではなく紹介元でした。

月間の受注件数 = 紹介元の数 × 紹介元1件あたりの月間発生件数 + 有償の経路からの受注
維持に必要な新規開拓 = 紹介元の数 × 年間離脱率

標準ケースは紹介元28社、1社あたり年3件、年間離脱率20%と置きました。維持に必要な新規開拓は年5.6社、月あたり0.5社になります。いずれも推定で、出典はありません。1社あたりでは4か月に1件なので、取引が切れても、切れた月にはそれが分かりません。

1件あたりの粗利と、有償の経路の獲得単価65,000円を比べるとこうなります〔試算〕。

特殊清掃を伴う案件片付けのみの案件
単価350,000円120,000円
1件あたりの変動費151,000円58,000円
1件あたりの粗利199,000円62,000円
粗利 ÷ 獲得単価65,000円3.1倍0.95倍

片付けのみの案件を広告で取ると、買った1件の粗利が獲得費に届かない計算になります。

売上の作り

月商 = 特殊清掃を伴う案件(件数 × 単価)+ 片付けのみの案件(件数 × 単価)

標準ケースは 3件 × 350,000円 + 6件 × 120,000円 = 1,770,000円。

2つ目の項があるのは、特殊清掃だけでは件数が足りないからです。遺品整理・生前整理・不用品の片付けを併せて受ける前提で組んでいます。作業の範囲は、汚染部分の除去、消臭と脱臭、害虫の駆除、残置物と家財の搬出まで。

単価の参考にした公開値は、孤独死保険の支払データです。2024年度の単年で、遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額が266,265円、原状回復費用の平均損害額が610,507円。累積では294,131円と494,344円でした。ただしこの母集団は保険に加入している賃貸住宅に限られ、原状回復費用には内装工事が含まれます。清掃事業者の受注額とは範囲が一致しないため、幅の目安としてだけ使いました。

初期費用

項目金額
車両(中古2トントラックと軽バン)3,000,000円(推定)
清掃・消臭・脱臭の機材1,200,000円(推定)
ウェブサイト制作・撮影400,000円(推定)
倉庫の敷金・礼金200,000円(推定)
車両ラッピング・看板150,000円(推定)
初期の資材と防護具の在庫150,000円(推定)
パンフレット・名刺・営業資料100,000円(推定)
古物商許可の申請(手数料19,000円ほか)25,000円
合計5,225,000円
運転資金(別枠)3,000,000円(推定)
所要資金8,225,000円

車両と機材の4,200,000円が、初期投資の80.4%です。公式の金額は古物商許可の申請手数料19,000円だけで、これは政令が標準額を一万九千円と定めているものです。運転資金は、紹介元がつくまでを6か月と置きました。弱気ケースの営業キャッシュフロー▲72,000円に経営者の生活費250,000円を足すと月▲322,000円で、300万円は約9か月分にあたります。在庫は0円です。

初期費用の内訳
初期費用の内訳

毎月のコスト

費目標準ケース
倉庫(資材と買取品の保管・駐車場込み)60,000円(推定)
減価償却(車両2台)50,000円(推定)
減価償却(清掃機材)25,000円(推定)
保険(自動車・賠償責任・傷害)25,000円(推定)
通信・会計・業務ソフト20,000円(推定)
固定費 合計180,000円
変動費(委託費・日当・資材と防護具・燃料)801,000円(売上高の45.3%)
顧客獲得費用130,000円

変動費の内訳は、廃棄物の処理委託費390,000円、作業員の日当270,000円(延べ18人日)、資材と防護具105,000円、燃料36,000円です。委託費が変動費の48.7%を占めます。委託料そのものの公開データは見つかりませんでした。参考になる公式の金額は施設の受入手数料で、さいたま市は家庭ごみの処分が搬入量10kg以下は無料、10kgを超えた場合は最初の10kgから10kgにつき180円、令和9年1月からは240円。粗大ごみの収集は1品につき500円で、いずれも算定額に100分の110を乗じます。

毎月の費用の内訳
毎月の費用の内訳

3ケース〔試算〕

弱気標準強気
特殊清掃を伴う案件1件 × 280,000円3件 × 350,000円6件 × 420,000円
片付けのみの案件2件 × 100,000円6件 × 120,000円10件 × 140,000円
商圏シェア(月22件に対して)4.5%13.6%27.3%
売上高480,000円1,770,000円3,920,000円
変動費267,000円801,000円1,306,000円
固定費(減価償却込)180,000円180,000円637,000円
顧客獲得費用150,000円130,000円200,000円
外注費0円30,000円100,000円
事故・やり直しへの備え30,000円50,000円120,000円
月の営業利益▲147,000円579,000円1,557,000円
営業利益率32.7%39.7%
経営者の作業時間月120時間月180時間月200時間
経営者の時給成立せず(赤字)3,217円7,785円
手残り(利益+減価償却)▲72,000円654,000円1,657,000円
回収にかかる月数届かない8か月3か月

借入の元本返済、経営者の報酬、法人税等はこの試算に入っていません。

検算:480,000 − 267,000 − 180,000 − 150,000 − 0 − 30,000 = ▲147,000。1,770,000 − 801,000 − 180,000 − 130,000 − 30,000 − 50,000 = 579,000。3,920,000 − 1,306,000 − 637,000 − 200,000 − 100,000 − 120,000 = 1,557,000。

3ケースの試算
3ケースの試算

どこまで行けば黒字か〔試算〕

基準月間の特殊清掃を伴う案件数月商商圏シェア
営業利益ゼロ(減価償却込)1.21件712,400円5.5%
現金ベース(減価償却を除く)0.98件575,400円4.4%
初期投資5,225,000円を24か月で回収1.65件973,000円7.5%
初期投資と運転資金8,225,000円を24か月で回収2.04件1,201,400円9.3%

商圏シェアは、人口100万人の商圏で月22件と置いた発生件数に対する比率です。分岐点そのものは低い数字になりました。

どこまで行けば黒字か
どこまで行けば黒字か

何が一番効くか〔試算〕

変数動かす幅営業利益への影響
特殊清掃を伴う案件の単価+10%(350,000円→385,000円)+105,000円
片付けのみの案件の単価+10%(120,000円→132,000円)+72,000円
特殊清掃を伴う案件の件数+10%(3件→3.3件)+59,700円
廃棄物の処理委託費+10%(390,000円→429,000円)▲39,000円
片付けのみの案件の件数+10%(6件→6.6件)+37,200円
元請けの比率+10ポイント(60%→70%)+35,700円
作業員の日当+10%(15,000円→16,500円)▲27,000円
固定費+10%(180,000円→198,000円)▲18,000円
顧客獲得費用+10%(130,000円→143,000円)▲13,000円
資材と防護具+10%(105,000円→115,500円)▲10,500円

最も効くのは単価です。掛け算の因子なので当然ですが、動かしやすさは違います。単価は元請けか下請けかでほぼ決まり、自分だけでは動かせません。逆に顧客獲得費用は、10%動かして13,000円しか動きません。有償で買える経路が2本しかなく、金額そのものが小さいためです。

何が一番効くか
何が一番効くか

採点 59点/100

評価軸満点
利益性1420
初期投資915
回収速度1215
再現性615
営業難易度410
運営難易度310
将来性・AI耐性910
法規・事故リスク25
総合59100

将来性の9点は、需要の側を見た点数です。2024年の死亡数は1,605,378人で過去最多、4年連続の増加でした。現場の作業も代替されにくい。一方で営業難易度4点と運営難易度3点は、有償で買える経路が2本しかないこと、作業員の採用と定着、そして経営者が倒れたときに代わりがいないことによります。

点数は「儲かる順位」ではなく、自分の資金・地域・スキルで比べるための目安です。

投資の回収

投資の回収
投資の回収

こういう人なら向いている/やめたほうがいい

先に、満たさないと土俵に立てない条件

向き不向きの前に、条件があります。ここは人柄の話ではありません。満たすか満たさないかだけの話で、満たしていても商売がうまくいくわけではありません。

条件この試算での数字
所要資金8,225,000円を用意できる初期投資5,225,000円+運転資金3,000,000円。うち車両3,000,000円と機材1,200,000円で4,200,000円、初期投資の80.4%にあたる。運転資金は、弱気ケースの営業キャッシュフロー▲72,000円に生活費250,000円を足した月▲322,000円で割ると約9か月分
廃棄物を委託できる許可業者を、商圏の市町村ごとに確保できるこの試算は自社で許可を取らない前提。委託費は標準ケースで月390,000円、変動費801,000円の48.7%。市町村長は各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ許可をしてはならず、さいたま市は新規許可申請の受付そのものを行っていない
現場と営業に月180時間を出せる現場15日×9時間=135時間に、見積・訪問営業・電話・事務の45時間を足したもの。経営者時給3,217円は、この180時間で割った値
作業日ごとに人を呼べる関係を持っている標準ケースの変動費801,000円のうち270,000円が、延べ18人日分の作業員費用。特殊清掃を伴う案件は1件あたり4人日、片付けのみは1件あたり1人日と置いた

4つとも、金と許可業者と時間と人で決まります。1つでも欠けるなら見送り。ここから先が、向き不向きの話です。向いている側は6つのうち4つ以上、ただし1つ目は必須。やめたほうがいい側は1つでも当てはまるなら見送りと見ます。

向いている人

この仕事の性質そのものに、続けて向き合える人。

仕事になるのは、時間が経ってからの現場のほうです。令和6年に警察が扱った76,020体のうち、死後4日以上たって見つかったものが31,843件、8日以上が21,856件。孤独死保険の支払データでは、発見までの平均日数は19日で、3日以内に見つかるのは37.0%にとどまります。標準ケースは月3件、年に直すと36件。この36回に続けて向き合えるかが先に来ます。ここが持たない人は、ほかの条件がすべて揃っていても続きません。

人に会いに行き続けられる人。

有償で買える経路は検索広告と比較サイトの2本だけです。標準ケースの顧客獲得費用は月130,000円で、10%動かしても営業利益は13,000円しか動きません。感度分析でいちばん小さい変数です。残りの件数は訪問で作ります。しかもその訪問の工数は、金額としては1円も計上していません。経営者作業時間180時間のうち、見積と営業と事務の45時間の中にあります。

件数が読めないまま、待てる人。

標準ケースの紹介元は28社、1社あたり年3件と置きました。1社あたりでは4か月に1件です。営業利益がゼロになる月1.21件に届くには、その紹介元が積み上がるのを待つことになります。ただし待てる期間には終わりがあります。弱気ケースの営業利益は▲147,000円で、生活費を月250,000円と置くと月▲322,000円。運転資金300万円は約9か月分にあたる計算です。

立場の違う相手を、同じ現場で同時に扱える人。

孤独死保険の支払データ(賃貸住宅・n=10,203)では、第一発見者は管理会社・仲介会社・オーナー等が23.6%、親族が20.8%、友人・知人が12.8%。発注する側と、遺された側が別のことがあります。国民生活センターには、残す約束だった書類やアルバムまで処分され、搬出済みで取り戻せないと言われたという相談が上がっています。何を残して何を捨てるかは、現場で、その場にいる人との間で決まります。

紹介元ごとに数字をつけられる人。

紹介元28社・1社あたり年3件・年間離脱率20%と置きました。維持に必要な新規開拓は年5.6社、月あたり0.5社になる計算です。1社あたりが4か月に1件なので、取引が切れても、切れた月にはそれが分かりません。どの社から何件来たかを書き留めていなければ、減っていることに気づくのは半年先になります。

元請けと下請けの違いを、単価で説明できる人。

標準ケースの単価350,000円は、元請け6割・下請け4割の加重平均として組み立てました。元請け比率を10ポイント上げると月+35,700円、全部元請けなら月+143,100円の計算です。感度分析でいちばん効くのは単価ですが、その単価は元請けか下請けかでほぼ決まります。自分の手際では動きません。

やめたほうがいい人

広告を出せば件数が集まると思っている人。

有償の経路で取った1件の獲得単価は65,000円。片付けのみの案件の粗利62,000円に対しては0.95倍で、買った1件が回収できない計算になります。広告を増やすと、回収できない側の件数が増えやすい形をしています。

処理費を自分で運んで浮かせるつもりがある人。

委託費390,000円は変動費801,000円の48.7%、月の営業利益579,000円の67%にあたります。浮かせたい誘因が常にかかる。ただし許可を受けずに業として収集運搬を行えば、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金、又はその併科です。

許可を取ればいいと考えている人。

さいたま市は、新規許可申請の受付そのものを行っていません。市町村長は、申請が各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ許可をしてはならず、その一番目が「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること」だからです。

この商圏だけで大きく伸ばしたい人。

商圏の発生を月22件と置きました。標準ケースの月3件は13.6%、強気ケースの月6件は27.3%。上に伸ばすほど、商圏の中での取り分を大きくする話になります。

1人で全部を回したい人。

標準ケースは延べ18人日の作業員を前提にしています。変動費801,000円のうち270,000円がその日当です。人が来ない日は現場が止まります。

代わりのきかない体で始める人。

弱気ケースの営業キャッシュフローは▲72,000円。倒れれば売上はゼロになり、それでも固定費180,000円と顧客獲得費用130,000円は出ていきます。

どこに活路があるか

どれも試していません。手は2種類あります。ひとつはこの試算の中の数字を動かす手で、これは金額が出ます。もうひとつはこの試算の外に出る手で、こちらは金額が出せません。公開情報に実額がないからです。外に出る手について書けるのは、「成立させるなら何が要るか」という逆算と、法令で確かめられた線までです。

この試算の中で動かす

1. 元請けの比率を上げる。60%を80%にすると月+71,400円

標準ケースの単価350,000円は、元請け6割・下請け4割の加重平均として組み立てています。下請けの単価を元請けの70%と置くと、元請け単価をXとして 0.6X + 0.4×0.7X = 0.88X = 350,000円。ここから X=397,700円が出ます。

比率を70%にすると 0.91X = 361,900円で、1件+11,900円、3件で+35,700円。80%なら 0.94X = 373,800円で、1件+23,800円、3件で+71,400円。全部元請けなら397,700円で、1件+47,700円、3件で+143,100円になります。

経路は不動産管理会社への直接営業です。孤独死保険の支払データでは、第一発見者の23.6%がこの層にあたります。ただし、下請けの単価を元請けの70%と置いたのは推定で、実勢は確認していません。

2. 片付けのみの案件の単価を上げる。10%で月+72,000円

標準ケースは月6件×120,000円=720,000円。10%上げると1件132,000円で、月+72,000円です。営業利益は651,000円になる計算になります。

同じ10%でも、件数を6件から6.6件に増やすのは+37,200円。単価のほうが約2倍効きます。1件あたりの粗利が62,000円と薄いためで、件数を増やすと委託費と日当が一緒に増えます。上げ方のひとつは、買取で相殺している分を単価に戻すこと。この試算は古物商許可のもとでの買取収入を売上に入れていません。

3. 特殊清掃を伴う案件を月1件増やす。+199,000円

1件あたりの粗利は199,000円です。単価350,000円から、委託費60,000円、資材と防護具25,000円、作業員4人日で60,000円、燃料6,000円を引いた額。月3件を4件にすると+199,000円で、商圏シェアは13.6%から18.2%になります。片付けのみの案件を1件増やしても+62,000円ですから、3.2倍の差があります。

ただしその1件は、広告では取りにくい。標準ケースで有償の経路から取れると置いたのは月2件で、その獲得単価は1件65,000円です。特殊清掃を伴う案件の粗利に対しては3.1倍の余裕がありますが、片付けのみの粗利に対しては0.95倍で、買った1件が回収できません。

この試算の外に出る

ここから先は、売り先や商品の形や時間の使い方を変える話です。この試算は「人口100万人の商圏で、紹介元を28社積んで、1件ずつ受ける」前提で組んであるので、外に出た時点で費用と売上の作りが変わります。金額を出せないぶん、逆算で書きます。

4. 28社を回るのをやめ、年36件を出す1社と組む

標準ケースの月9件は、紹介元28社×1社あたり年3件から7件、有償の経路から2件と置きました。1社あたりは4か月に1件で、その28社を積むまでの期間が運転資金3,000,000円の中身です。

逆算はこうなります。年36件、つまり月3件を1社から受けられるなら、いま28社に配っている訪問が1社に集まります。月180時間のうち見積と営業と事務の45時間が、そのぶん現場か次の1社に回る。代わりに、離脱率20%の意味が変わります。28社なら年5.6社が抜けても残りが受け止めますが、1社なら抜けた月に売上の大半が消えます。

確かめていないのは、管理戸数あたりの年間発生件数と、年間契約や優先発注の慣行があるかどうか。その形にしたときに単価がどれだけ下がるかも分かりません。この試算は紹介元1社あたり年3件で組んでおり、1社に集中させた形を見ていません。

5. 保険の支払われ方の側から、見積の作り方を決める

孤独死保険の支払データ(2024年度単年)では、原状回復費用の平均損害額610,507円に対して平均支払保険金は315,020円。遺品整理(残置物処理)費用は平均損害額266,265円に対して平均支払保険金221,031円でした。損害額と保険金の間に差があり、その差は家主の負担になります。

逆算はこうなります。標準ケースの1件350,000円は、原状回復費用の平均損害額の57.3%、遺品整理費用の平均損害額の1.31倍にあたります。ただし原状回復費用には内装工事が含まれるので、範囲は一致しません。保険で埋まる範囲に収まる見積を作れるなら、家主が決めるまでの時間は短くなります。成立させるには、少額短期保険会社と代理店に、事業者として認知されることが要ります。

確かめていないのは、少額短期保険会社が事業者を指定・紹介する仕組みがあるかどうかと、支払上限の実際の設定です。この試算は保険を売上の経路として数えておらず、紹介元の1つに置いただけです。

6. 現場のない日を、先に埋める

標準ケースの現場は月15日で、経営者作業時間は月180時間。件数は自分では作れず、商圏の発生そのものが月22件と置いた上限にあります。

逆算はこうなります。固定費180,000円は、片付けのみの案件の粗利62,000円で月2.9件分にあたります。現場のない日に片付けを月3件足せれば、固定費はその側で賄える計算です。置ける仕事は、通常のハウスクリーニング、ゴミ屋敷の片付け、引越しに伴う不用品の整理。倉庫も車も機材も作業員も、同じものを使います。ただし片付けを増やすと委託費と日当が一緒に増えるので、粗利62,000円がそのまま残るのは、いまと同じ単価と原価で受けられたときだけです。

確かめていないのは、通常清掃やゴミ屋敷片付けの受注単価と、特殊清掃との繁閑がどれだけ噛み合うか。作業員が別の仕事に流れずに残るかも分かりません。この試算は、この2つ目の商売を売上に入れていません。

7. 捨てる量そのものを減らす

委託費390,000円は変動費801,000円の48.7%を占めます。捨てる量が減れば、この額が減ります。逆算はこうなります。委託に回す量を10%減らせれば月+39,000円。この試算は古物商許可のもとでの買取収入を売上に入れていないので、減った分の委託費はそのまま利益に乗る計算になります。

そして、買い取るかどうかで要る許可が変わります。古物営業に当たるのは、古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、そこから「古物を売却すること」のみを行うものは除かれています。条文の上では、無償で引き取ったものを売るだけなら古物営業に当たらないと読めます。買い受けるかどうかが線です。

確かめていないのは、買取とリユースで得られる収入の規模と、委託に回さずに済む比率。そして古物営業の線の個別の当てはめは、所轄の警察署が判断します。

8. シェアを上げるのではなく、商圏を増やす

この試算の商圏は人口100万人で、そこに起きる発生を月22件と置きました。標準ケースの月3件は13.6%、強気ケースの月6件は27.3%にあたります。

逆算はこうなります。同じ規模の商圏をもう1つ持てば発生は月44件になり、月6件は27.3%ではなく13.6%になります。同じシェアで倍の件数。上に伸ばすより、横に増やすほうが取り分は薄いままで済む計算です。

ただし2つ目の商圏では、紹介元も委託先の許可業者もゼロから積み直しになります。運搬のみを業として行う場合の許可の区域は積卸しを行う区域に限るとされているので、委託先は市町村ごとに要ります。2つ目の商圏で紹介元がつくまでの期間も、移動時間が月180時間にどれだけ乗るかも、確かめていません。

数字は動くが、取らない手

  • 廃棄物を自分で運んで、委託費を下げる。390,000円のうち10%で+39,000円、全部なら月の営業利益が67%増える計算になります。ただし市町村長の許可が要り、その許可は新規に出していない市町村があります。無許可でやれば五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金、又はその併科です。仮に取れたとしても、受け取れる料金は市町村が条例で定める手数料に相当する額が上限になります。
  • 作業員の日当を下げる。15,000円を10%下げても+27,000円。感度分析では下から3番目です。効き方が小さいわりに、人が続かない理由をひとつ増やすことになります。
  • 内装工事まで自社で取る。一件500万円未満なら建設業の許可は要りませんが、これは作業範囲を広げる話ではなく、別の商売への引っ越しです。この試算のモデルからは外れます。
  • 顧客獲得費用130,000円をゼロにする。全部が紹介元に置き換われば+130,000円ですが、立ち上げ期には紹介元がありません。消せるのは、消せる状態になったあとです。

この商売をどう見るか

これは清掃業ではありません。紹介元を積む商売です。

置いた前提では、営業利益がゼロになるのは月1.21件。初期投資と運転資金を24か月で回収する水準でも月2.04件です。分岐点は低い。にもかかわらず難しいのは、その1件が広告で買えないからでした。有償で買える経路は検索広告と比較サイトの2本だけで、残りは管理会社や家主に会いに行く時間で作ります。

だから立てるべき問いも変わります。「1件いくらで受けるか」ではなく、「毎月その件数が来る相手を、何社持てるか」。そして「何年持ち続けられるか」。標準ケースでは紹介元28社、1社あたり年3件と置きました。1社あたりでは4か月に1件で、この28社を積むまでの時間が、運転資金300万円の中身です。

費用の半分も、自分の外側にあります。住まいから出た不要物を運ぶには市町村長の許可が要り、その許可は、市町村が自ら収集運搬できていると判断すれば下りません。仮に取れたとしても、受け取れる料金は市町村の条例が上限を決めます。変動費の48.7%を占める処理費は、入口も出口も他人の側にある。

そして扱う対象が対象です。数字の上では月579,000円が残る計算でも、人が続かなければ止まります。作業員が来ない日は現場が動かず、経営者が倒れれば売上はゼロになる。この試算には、そこを支える費用が入っていません。日当15,000円という推定と、月18人日という前提があるだけです。

この商売の天井は、いちばん良い条件(月6件・単価420,000円・人を雇う)まで届いても、商圏に起きる件数の27.3%を取ったところにあります。それより上は、件数そのものが商圏にありません。

限界も書いておきます。受注単価、件数、廃棄物の委託料。この3つに出典が1件もありません。参考にした公開値は孤独死保険の支払データですが、母集団は保険に入っている賃貸住宅に限られ、持家の居住者は含まれていません。原状回復費用には内装工事が含まれます。範囲が一致していない数字を、幅の目安としてだけ使いました。法規制と需要の母数は確かめられた。事業の中身は、まだ確かめられていません。

採点の8軸
採点の8軸

始めるなら、何から

やると決めた人が、最初に何を、どの順番でやるのか。始めることを勧めているわけではありません。特定の業者やスクール、代行サービスは挙げません。金額と日数は、法令と官公庁が公開しているもので確かめられた分だけを書きます。確かめられなかったものは、空けたまま残します。

1. 手続き

廃棄物の委託先を先に決める

この試算は、自社では一般廃棄物収集運搬業の許可を取らず、許可を持つ事業者に委託する前提で組んでいます。許可は市町村ごとで、市町村長は申請が各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ許可をしてはなりません。さいたま市は新規許可申請の受付を行っておらず、静岡市は再生利用のための運搬など限られた要件だけを挙げています。

商圏の市町村の廃棄物担当課で、許可業者の一覧と、家庭から出る一般廃棄物を扱えるかを確認します。窓口の名称は自治体で異なります(さいたま市は環境局資源循環推進部廃棄物対策課、静岡市は環境局廃棄物対策課)。

運搬のみを業として行う場合の区域は、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限るとされています。積む市町村と卸す市町村が違えば、その両方が対象になります。

古物商許可(買取をするなら)

一度使用された物品を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業は、都道府県公安委員会の許可を受けます。

申請の窓口営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全担当課
手数料政令が標準額を一万九千円と定めており、都道府県はこれを標準として条例で額を定める
標準処理期間確認していない
無許可営業三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金

なお除外があります。古物を売却すること、又は自己が売却した物品をその相手方から買い受けることのみを行うものは、古物営業に含まれません。条文の上では、無償で引き取ったものを売るだけなら当たらないと読めます。個別の当てはめは、所轄の警察署が判断します。

人を使うなら

労働安全衛生法の事業者は、事業を行う者で労働者を使用するものをいいます。事業者には、雇入れ時の安全衛生教育と健康診断の義務があり、病原体等と、排気・排液又は残さい物による健康障害を防止するため必要な措置を講じなければなりません。請負として頼む形なら労働者に当たりませんが、その線は契約の名前ではなく実態で判断されます。

税務署

個人事業の開業・廃業等届出書を、納税地を所轄する税務署長に提出します。

2. 場所・道具の確保

倉庫が要ります。資材と防護具、買い取った品の保管、車両の駐車場を兼ねます。この試算では月60,000円と置きました。推定です。

車両は中古の2トントラックと軽バンの2台で3,000,000円、清掃・消臭・脱臭の機材で1,200,000円と置きました。いずれも推定で、実額の裏づけはありません。初期の資材と防護具の在庫を150,000円と置きましたが、これも推定です。機材の実際の価格と耐用年数、中古車両の取得価格と維持費は確認していません。

賠償責任保険には入ります。この試算では自動車・賠償責任・傷害を合わせて月25,000円と置きましたが、引受条件と保険料は確認していません。

3. 仕入れ・供給の確保

この商売で最初に押さえるのは、材料ではなく出口です。委託先の許可業者が見つからない市町村は、そもそも商圏にできません。

委託費は標準ケースで月390,000円、変動費801,000円の48.7%を占める最大の項目で、1件あたりでは特殊清掃を伴う案件が60,000円、片付けのみが35,000円と置きました。推定です。公式の金額として参照できたのは施設の受入手数料までで、さいたま市は家庭ごみの処分が搬入量10kg以下は無料、10kgを超えた場合は最初の10kgから10kgにつき180円(令和8年)、令和9年1月以降は240円、粗大ごみの収集が1品につき500円、算定額に100分の110を乗じるとしています。

なお法は、許可業者が収集運搬と処分について受け取れる料金を、市町村が条例で定める手数料に相当する額を超えてはならないとしています。この上限が実際の委託料にどう当てはまるかは確認していません。

4. 売る場所・受注の窓口の準備

受注の窓口は2種類あります。有償で買える経路と、訪問で作る経路です。

種類中身この試算での扱い
有償検索広告、比較サイト・ポータルの掲載合わせて月130,000円。出稿単価も掲載料も確認していない
訪問不動産管理会社・賃貸仲介会社、家主、原状回復とリフォームの会社、葬儀社、少額短期保険会社と代理店、自治体と社会福祉協議会、同業の元請け金額としては1円も計上していない。経営者作業時間の中にある

最初に回るのは管理会社と家主です。孤独死保険の支払データ(賃貸住宅・n=10,203)では、第一発見者の23.6%がこの層にあたります。

5. 最初の1件までの順番

  1. 商圏の市町村の廃棄物担当課へ行き、許可業者の一覧と、家庭から出る一般廃棄物を扱えるかを確認する
  2. 委託先の許可業者と話をつける。ここが決まらない市町村は商圏から外す
  3. 賠償責任保険の引受条件を確認して加入する
  4. 買取をするなら、営業所の所在地を管轄する警察署へ古物商許可を申請する。手数料は標準額で一万九千円
  5. 倉庫と駐車場を確保する
  6. 車両・機材・防護具・資材を揃える
  7. 管理会社・家主・葬儀社・原状回復会社・同業を回る
  8. 検索広告と比較サイト・ポータルの掲載を始める
  9. 最初の1件を受ける
  10. 開業届を税務署へ出す。青色申告にするなら承認申請書も出す

順番を間違えると違法になる。 買取を許可より先に始めると無許可営業になり、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。廃棄物を自分の車で運んで料金を受け取れば、無許可の収集運搬になり、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金、又はその併科です。「搬出」がどこから収集運搬にあたるのかの線は条文からは特定できなかったので、作業の範囲を決める前に市町村へ確認します。

順番を間違えると金が消える。 1と2より先に6の車両と機材を買うと、委託先の見つからない市町村を商圏にしてしまいます。車両と機材で4,200,000円、初期投資5,225,000円の80.4%がここにあります。

日数と費用の合計。 公式の金額として確かめられたのは、古物商許可の申請手数料の標準額一万九千円だけです。車両3,000,000円、機材1,200,000円、ウェブサイト400,000円、倉庫の敷金礼金200,000円、車両ラッピングと看板150,000円、初期の資材と防護具150,000円、パンフレット・名刺・営業資料100,000円はすべて推定で、合計は5,225,000円。これとは別に運転資金3,000,000円を置きました。所要資金は8,225,000円です。日数は、古物商許可の標準処理期間を確認していません。紹介元がつくまでの期間も分かりません。この試算では6か月と置き、運転資金はその期間の赤字を賄う額として組みました。ここがこの商売の最大の不確実性です。

この試算が外れるとしたら

  • 受注単価。 特殊清掃を伴う案件350,000円も、片付けのみ120,000円も出典がありません。感度分析で最大の変数で、10%動くと営業利益が105,000円と72,000円動きます。参考にした公開値は孤独死保険の支払データの損害額ですが、母集団は保険に加入している賃貸住宅に限られ、持家の居住者は含まれていません。原状回復費用には内装工事が含まれるので、清掃事業者の受注額とは範囲が一致しません。どちらの方向にも外れえます。
  • 月間の受注件数と、商圏の発生件数。 人口比の按分(100万人 ÷ 120,295,592人 = 0.83%)で月22件と置きました。地域ごとの高齢化率・単身世帯率・賃貸比率の違いを反映していません。商圏内に同業者が何社いるかも確認していません。件数が下振れすると、営業利益ゼロの月1.21件に届かない期間が延びます。
  • 廃棄物の処理委託料。 1件60,000円と35,000円は出典がありません。変動費801,000円の48.7%を占める最大項目です。確かめられたのは施設の受入手数料までで、委託料そのものの公開データは見つかりませんでした。しかも法は、許可業者が受け取れる料金の上限を市町村の条例が定める手数料に相当する額としています。この上限が委託料にどう当てはまるのかを確認していないので、置いた額が上限の内側なのか外側なのかも分かりません。
  • 「搬出」がどこから収集運搬にあたるのかの線。 条文からは特定できませんでした。この試算は自社では許可を取らない前提で組んでいるので、線が手前に寄れば、この形そのものが成り立ちません。逆に線が奥にあるなら、いま委託している範囲の一部を自社で扱えることになります。
  • 集客経路の配分。 第一発見者の構成比は保険金の支払データに基づく事実ですが、それは「誰が見つけたか」であって「誰が発注したか」ではありません。この試算はそれを発注元の代理として使っています。経路ごとの獲得件数・成約率・単価は一切確認していません。
  • 紹介元の置き方。 28社・1社あたり年3件・年間離脱率20%は、標準ケースの件数から逆算した推定です。維持に必要な新規開拓が月0.5社という数字は、この推定に乗っています。1社あたりの件数が少なければ必要な社数が増え、訪問の工数が経営者作業時間を超えます。
  • 作業員の日当と人日。 日当15,000円、延べ18人日。求人票での相場確認をしていません。この仕事で人が集まる水準そのものが未確認です。日当が10%上振れすると営業利益は27,000円減ります。
  • 元請けと下請けの構成。 元請け6割・下請け4割、下請け単価は元請けの70%という置き方に出典がありません。活路のいちばん目がこの置き方に依存しています。
  • 感度分析の幅。 元請け比率の行だけは10%の増減ではなく、10ポイントの移動です。ほかの行と幅が揃っていません。
  • この試算に入っていないもの。 借入の元本返済、経営者の報酬、税。訪問営業の工数も金額に換算せず、経営者作業時間に押し込んでいます。買取(古物商)で得られる収入も売上に入れていません。入れれば利益は上振れしますが、額は分かりません。
  • 出典の埋まり方。 出典で埋まったのは、需要の母数、法規制、消費者相談の件数、自治体の処理手数料、そして保険金の支払データから見た損害額と第一発見者の構成までです。受注単価・件数・委託料・日当・機材費には出典が1件もありません。16件のうち1件だけがB級で、それは孤独死保険を販売する会社の業界団体が出したもので、レポートの結びでも保険の活用が推奨されています。

前提と出典

選ばなかった形

自分で一般廃棄物収集運搬業の許可を取る形、内装工事まで請ける形、同業の下請けだけで組む形、複数人を常勤で雇う形、商圏を2つ以上持つ形、買取を主軸にする形。いずれも費用と売上の構造が変わります。床下地の張替えや内装工事は自社では請けず、提携先を紹介する前提です。値のつくものは古物商許可のもとで買い取りますが、その収入はこの試算の売上に入れていません。

推定した箇所

項目置いた値前提と弱点
特殊清掃を伴う案件の単価弱気280,000円/標準350,000円/強気420,000円保険金支払データの平均損害額を幅の目安に置いた。範囲が一致していない。感度分析で最大の変数
片付けのみの案件の単価100,000円/120,000円/140,000円出典なし。標準ケースの売上の40.7%を占める
月間の受注件数1件+2件/3件+6件/6件+10件商圏の発生を月22件と置き、その何%を取れるかとして置いた。同業者数は未確認
廃棄物の処理委託費1件60,000円/35,000円施設の受入手数料は確認できたが、委託料は未確認。変動費の48.7%
作業員の日当と人日15,000円・延べ7/18人日求人票での相場確認をしていない
元請け比率と下請け単価60%・元請けの70%実勢は未確認。活路のいちばん目がこの置き方に依存している
顧客獲得費用150,000円/130,000円/200,000円出稿単価も掲載料も未確認
紹介元28社・1社あたり年3件・年間離脱率20%標準ケースの件数から逆算した推定
資材・防護具と燃料1件25,000円/5,000円、燃料3,000〜6,000円出典なし
初期投資5,225,000円(幅350万〜800万円)公式の金額は古物商許可の申請手数料の標準額19,000円のみ
運転資金3,000,000円(幅200万〜500万円)紹介元がつくまでを6か月と置いた。ここが最大の不確実性
固定費180,000円倉庫の賃料は地域差が大きい。償却年数は税務の確認が要る
経営者作業時間月120/180/200時間実測ではない。訪問営業の工数を金額に換算せずこの時間に押し込んでいる
事故・やり直しへの備え30,000円/50,000円/120,000円出典なし。料金と作業内容の相談が上がっている領域で上振れしやすい
強気ケースの人件費常勤1名320,000円・事務パート72,000円求人票での相場確認をしていない

まだ分からないこと

受注単価/廃棄物の委託料と、法が定める料金の上限が委託料にどう当てはまるか/商圏内の同業者数と1社あたりの受注件数/作業員の日当と定着率/下請け単価の実勢/管理会社1社あたりの年間発生件数と取引開始までの訪問回数/検索広告の単価と掲載料/「搬出」がどこから収集運搬にあたるのか/住居から生じた廃棄物の実務上の取扱い/古物営業法の除外の当てはめと古物商許可の標準処理期間/スポットの作業員が労働者に当たるかどうかの実態判断/民間資格が発注者側でどの程度求められているか/賠償責任保険の引受条件/機材の価格と耐用年数/中古車両の取得価格と維持費/開業から紹介元がつくまでの実際の期間/買取で得られる収入の規模。

検証版で埋めるのは、受注単価、廃棄物の処理委託料、商圏内の同業者数と月間受注件数、作業員の日当と定着率、紹介元1社あたりの年間発生件数、「搬出」の線、住居から生じた廃棄物の取扱いです。

この領域の情報環境

この領域には、事業者が発信する「相場」の記事が非常に多くあります。ただし原典をたどれるものはほとんど見つかりませんでした。等級Dとして数値の根拠に一切使っていません。

出典

A級15件、B級1件。C級・D級は0件です。すべて実URLを開いて原典を確認しました(初回は2026-08-04、うち法令5件と自治体3件と消費者行政1件と保険業界団体1件は2026-08-07に開き直し、廃棄物処理法・古物営業法・労働安全衛生法・同施行令は条文を読み直しています)。

等級出典
A警察庁刑事局捜査第一課「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について」
A内閣府「孤立死者数の推計方法等について(『孤独死・孤立死』WGとりまとめ)のポイント」
A厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」
A国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項」
Ae-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
Ae-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」
Ae-Gov法令検索「古物営業法」
Ae-Gov法令検索「労働安全衛生法」
Ae-Gov法令検索「建設業法」および同法施行令
Ae-Gov法令検索「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」
Aさいたま市「一般廃棄物収集運搬業の許可を有する者の申請・届出・報告・連絡事項について」
Aさいたま市「さいたま市一般廃棄物処理手数料一覧」
A静岡市「一般廃棄物処理業の許可申請及び廃止・変更の届出等」
A国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」
A国民生活センター「見守り新鮮情報 第525号 遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」
B一般社団法人日本少額短期保険協会「第10回 孤独死現状レポート」

発信元は、官公庁の統計、法令、自治体の許可要件と手数料、消費者行政の注意喚起です。1件だけ、孤独死保険を販売する会社の業界団体が出したレポートを使いました。保険への加入を促す立場の資料であり、レポートの結びでも加入が推奨されています。この1件からは、保険金の支払データという性質上そのまま使える数値(第一発見者の構成比、発見までの日数、支払保険金の額)と、範囲が一致しない数値(損害額)を分けて扱い、後者は幅の目安としてだけ使いました。

出典の構成
出典の構成

許認可・規約

廃棄物

住居から出た不要物を、料金を受け取って収集・運搬することを業として行うには、その区域を管轄する市町村長の許可が要る(廃棄物処理法 第七条第一項)。運搬のみを業として行う場合、その区域は一般廃棄物の積卸しを行う区域に限るとされているため、積む市町村と卸す市町村が違えば、その両方が対象になる。同項には但書があり、事業者が自らその一般廃棄物を運搬する場合、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集運搬を業として行う者、その他環境省令で定める者は除かれる。住居から出るものは、その住居の側が排出者であって清掃事業者ではないため、この但書には当たらない。処分業も市町村長の許可(同条第六項)。許可を受けずに業として行った者は、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金、又はその併科(同法 第二十五条第一項第一号)。みだりに廃棄物を捨てることも禁止されており(第十六条)、同じ罰則の対象になる(第二十五条第一項第十四号)。産業廃棄物は都道府県知事の許可(第十四条第一項)で、住居から出るものはこれに当たらない。一般廃棄物収集運搬業者は、収集・運搬・処分を他人に委託してはならない(第七条第十四項)。

許可が下りるかどうか

市町村長は、第一項の許可の申請が各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない(第七条第五項)。各号は四つあり、一号が当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること、二号が申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合するものであること、三号が施設と申請者の能力が環境省令で定める基準に適合すること、四号が欠格事由に当たらないこと。設備と能力は三番目に出てくる。この構造のため、新規の許可を出していない市町村がある。さいたま市は「一般廃棄物収集運搬業新規許可申請の受付は行っておりません」と明記している。静岡市は、収集運搬業の新規許可を行う要件として、事業系一般廃棄物を再生利用のために運搬する場合、家電リサイクル法に基づき他自治体で発生した特定家庭用機器一般廃棄物を市内の指定引取場所まで運搬する場合、既存の許可業者が一時多量ごみを扱う場合の3つを挙げており、家庭から出る一般廃棄物の一般的な収集運搬はここに挙げられていない。

料金の上限

一般廃棄物収集運搬業者及び一般廃棄物処分業者は、収集及び運搬並びに処分につき、当該市町村が地方自治法第二百二十八条第一項の規定により条例で定める手数料の額に相当する額を超える料金を受けてはならない(廃棄物処理法 第七条第十二項)。許可を取れたとしても、値付けは市町村の条例の側にある。ただしこの上限が実際の委託料にどう当てはまるのか、分別や屋内からの持ち出しといった作業の対価がどう扱われるのかは確認していない。要一次情報。

この試算の前提

上記のため、自社では許可を取らず、搬出した残置物は許可業者に委託する前提で組んでいる。委託費は変動費に計上している。ただし「搬出」がどこから収集運搬にあたるのかの線は、条文からは特定できなかった。国民生活センターは、遺品や住まいの不用品を廃棄物として収集・運搬する事業者は、市町村からの委託業者であるか、市町村長から一般廃棄物処理業の許可を受けている必要があるとしている。個別の当てはめは市町村が判断する。要確認。

買取

一度使用された物品を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業は古物営業に当たり、都道府県公安委員会の許可が要る(古物営業法 第二条第一項・第二項第一号、第三条)。無許可営業は三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(第三十一条第一号)。ただし同法第二条第二項第一号には除外があり、古物を売却すること、又は自己が売却した物品をその相手方から買い受けることのみを行うものは、古物営業に含まれない。条文の上では、無償で引き取ったものを売るだけなら古物営業に当たらないと読める。買い受けるかどうかが線になる。個別の当てはめは所轄の警察署が判断する。要確認。申請の手数料は、地方公共団体の手数料の標準に関する政令が標準額を一万九千円と定めている。国民生活センターは、遺品を買い取る事業者について古物商の許可が必要であるとし、「古物商許可証」や「行商従業者証」の確認を利用者に呼びかけている。

民間資格

遺品整理士などの民間資格については、廃棄物処理法・同施行令・古物営業法・労働安全衛生法の条文を確認した範囲では、事業を行う要件として求める規定は見当たらなかった。ただし、確認したのはこの4法令の条文のみであり、他の法令・条例・自治体の運用は確認していない。要一次情報。

感染と労働安全

労働安全衛生法の「事業者」は事業を行う者で労働者を使用するものを指し(第二条第三号)、「労働者」は労働基準法第九条に規定する労働者から、同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者と家事使用人を除いたものをいう(第二条第二号)。事業者は、病原体等による健康障害と、排気・排液又は残さい物による健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない(第二十二条第一号・第四号)。雇入れ時の安全衛生教育(第五十九条第一項)と健康診断(第六十六条第一項)の義務もある。この試算の標準ケースは月18人日の作業員を前提にしており、その人たちが労働者に当たるなら、経営者は事業者としてこれらの義務を負う。請負として頼む形なら労働者に当たらないが、その線は契約の名前ではなく実態で判断される。要確認。一方、感染性一般廃棄物として特別管理の対象になるのは、病院・診療所・オンライン診療受診施設・衛生検査所・介護老人保健施設・介護医療院、および感染性病原体を取り扱う施設で環境省令で定めるもの、これらの施設で生じた感染性廃棄物(別表第二の下欄に掲げるもの以外のもの)である(廃棄物処理法施行令 第一条第八号・別表第一の四の項)。この別表に住居は挙げられていない。住居から出た廃棄物の扱いについては、市町村と環境省への確認が要る。要一次情報。

賃貸物件の残置物

単身の入居者が亡くなった際の賃貸借契約の解除と残置物の処理について、国土交通省と法務省が「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を策定している。使用が法令で義務づけられているものではない。令和7年10月1日に施行された改正住宅セーフティネット法で、居住支援法人の業務に入居者からの委託に基づく残置物処理が追加された。

内装工事

一件の請負代金が500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満)の軽微な建設工事のみを請け負う場合、建設業の許可は要らない(建設業法 第三条第一項ただし書、同法施行令 第一条の二)。この試算では内装工事を請けない前提で組んでいる。

消費者トラブル

国民生活センターに寄せられた遺品整理サービスの相談件数は、 2013年度73件、2014年度109件、2015年度90件、2016年度114件、2017年度105件(PIO-NET)。 2025年10月30日には、見積20万円が作業後に30万円と言われた事例、残す約束の物が処分された事例を挙げ、事業者選びへの注意を呼びかけている。

推定で置いた数字の一覧

推定で置いた数字前提
特殊清掃を伴う案件の単価(弱気280,000円/標準350,000円/強気420,000円)
  • 置いた前提:汚染部分の除去・消臭・脱臭・害虫駆除・残置物の搬出までを1件で受けたときの請負額として置いた推定。参考にした公開値は、少額短期保険協会の保険金支払データにおける遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額266,265円と原状回復費用の平均損害額610,507円(いずれも2024年度単年)。ただし原状回復費用には内装工事が含まれ、清掃事業者の受注額とは範囲が一致しない。母集団は孤独死保険に加入している賃貸住宅に限られ、持家の居住者は含まれていない。弱気は下請けの比率が高く単価が下がる前提、強気は元請けが中心で上がる前提とした。
  • 弱いところ:清掃事業者の受注額そのものを示す公開データは見つからなかった。感度分析では最も影響が大きく、 10%動くと標準ケースの営業利益が105,000円動く。要一次情報
  • 効き方:+10%(350,000円→385,000円)で営業利益+105,000円
片付けのみの案件の単価 120,000円(弱気100,000円/強気140,000円)
  • 置いた前提:遺品整理・生前整理・不用品の片付けを1件で受けたときの請負額として置いた推定
  • 弱いところ:出典はない。標準ケースの売上1,770,000円のうち720,000円、40.7%を占める
  • 効き方:+10%(120,000円→132,000円)で営業利益+72,000円
月間の受注件数(弱気1件+2件/標準3件+6件/強気6件+10件)
  • 置いた前提:人口100万人の商圏における発生件数を、全国で死後4日以上を経過して発見された31,843件(内閣府)を人口比(100万人 ÷ 120,295,592人 = 0.83%)で按分して月22件と置き、その何%を取れるかとして置いた推定。標準ケースの月3件は商圏シェア13.6%、強気の月6件は27.3%。
  • 弱いところ:人口比の按分は、地域ごとの高齢化率・単身世帯率・賃貸比率の違いを反映していない。同業者が何社いるかも確認していない。要一次情報
  • 効き方:特殊清掃を伴う案件+10%(3件→3.3件)で営業利益+59,700円
廃棄物の処理委託費(特殊清掃を伴う案件1件60,000円/片付けのみ1件35,000円)
  • 置いた前提:一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ事業者に委託したときの費用として置いた推定。公式の金額として参照できたのは施設の受入手数料のみで、さいたま市は家庭ごみの処分が 10kgにつき180円(令和8年)、令和9年1月以降は240円。1トンあたり18,000円から24,000円になる計算。粗大ごみの収集は1品につき500円で、いずれも算定額に100分の110を乗じる。
  • 弱いところ:委託料そのものの公開データが見つからなかった。標準ケースの変動費801,000円の48.7%を占める最大項目。法は許可業者が受け取れる料金の上限を市町村の条例が定める手数料に相当する額としているが(第七条第十二項)、それが実際の委託料にどう当てはまるかを確認していないため、置いた額が上限の内側か外側かも分からない。要一次情報
  • 効き方:+10%(390,000円→429,000円)で営業利益−39,000円
作業員の日当 15,000円・延べ人日(弱気7/標準18/強気は常勤化)
  • 置いた前提:作業日だけ入るスポットの作業員に払う日当として置いた推定。特殊清掃を伴う案件は1件あたり4人日、片付けのみは1件あたり1人日と置いた
  • 弱いところ:求人票での相場確認をしていない。この仕事で人が集まる日当水準そのものが未確認。要一次情報
  • 効き方:+10%(15,000円→16,500円)で営業利益−27,000円
元請け6割・下請け4割という構成と、下請け単価は元請けの70%という置き方
  • 置いた前提:標準ケースの単価350,000円を、元請け単価397,700円の加重平均として組み立てた推定
  • 弱いところ:下請けの取り分の実勢が確認できていない。活路のいちばん目はこの置き方に依存している
  • 効き方:元請け比率+10ポイント(60%→70%)で営業利益+35,700円
顧客獲得費用(弱気150,000円/標準130,000円/強気200,000円)
  • 置いた前提:検索広告と比較サイト・ポータル掲載料の合計として置いた推定。有償の経路で1件取る単価は標準ケースで65,000円
  • 弱いところ:出稿単価も掲載料も未確認。この領域の検索広告の単価は競合の入札で決まるため振れやすい。要一次情報
  • 効き方:+10%(130,000円→143,000円)で営業利益−13,000円
紹介元の数28社・1社あたり年3件・年間離脱率20%
  • 置いた前提:標準ケースの月9件のうち7件を紹介元経由と置き、そこから逆算した推定
  • 弱いところ:紹介元1社あたりの発生件数も離脱率も出典がない。維持に必要な新規開拓が月0.5社という数字はこの推定に乗っている
資材・防護具(特殊清掃を伴う案件1件25,000円/片付けのみ1件5,000円)と燃料(1件3,000〜6,000円)
  • 置いた前提:薬剤・消臭剤・防護服・手袋・マスク・シューズカバー・害虫駆除剤・処理用資材の1件あたりの費用として置いた推定
  • 弱いところ:出典の裏づけはない
初期投資 5,225,000円(幅 3,500,000〜8,000,000円)
  • 置いた前提:古物商許可の申請手数料19,000円だけが公式の金額(地方公共団体の手数料の標準に関する政令の標準額)。車両3,000,000円、清掃・消臭・脱臭の機材1,200,000円、ウェブサイト400,000円、倉庫の敷金礼金200,000円、車両ラッピングと看板150,000円、初期資材150,000円、パンフレット等100,000円はいずれも推定。
  • 弱いところ:中古車両の相場も機材の価格も確認していない
運転資金 3,000,000円(幅 2,000,000〜5,000,000円)
  • 置いた前提:紹介元がつくまでを6か月と置き、その間の赤字を賄う資金として置いた推定。弱気ケースの営業キャッシュフロー▲72,000円に経営者の生活費250,000円を足すと月▲322,000円で、 3,000,000円は約9か月分にあたる。
  • 弱いところ:立ち上げ期間6か月も生活費250,000円も推定。紹介元がつくまでの期間はこの商売の最大の不確実性
固定費 180,000円(倉庫60,000円・減価償却75,000円・保険25,000円・通信等20,000円)
  • 置いた前提:倉庫は資材と買取品の保管を兼ねた2〜3坪と駐車場、減価償却は車両3,000,000円を60か月・機材1,200,000円を48か月として置いた推定
  • 弱いところ:実際の資産区分と償却年数は税務の確認が要る。倉庫の賃料は地域差が大きい
経営者作業時間(弱気120時間/標準180時間/強気200時間)
  • 置いた前提:標準ケースは現場15日×9時間=135時間に、見積・訪問営業・電話・事務の45時間を足したもの
  • 弱いところ:実測ではない。紹介元を作るための訪問工数を金額に換算せず、この時間に押し込んでいる
想定事故・返品コスト(弱気30,000円/標準50,000円/強気120,000円)
  • 置いた前提:臭気の再処理・やり直し・クレーム対応・車両の故障の見込みとして置いた推定
  • 弱いところ:出典の裏づけはない。国民生活センターに料金と作業内容の相談が上がっている領域であり、上振れしやすい
強気ケースの人件費(常勤の作業員1名320,000円・事務パート72,000円)
  • 置いた前提:社会保険を含む常勤1名と、月60時間・時給1,200円の事務パートとして置いた推定
  • 弱いところ:求人票での相場確認をしていない

出典の一覧

等級出典利害関係原典を確認した日
A警察庁刑事局捜査第一課「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について」(年齢階層・経過日数別 令和6年)
  • 対象:全国/令和6年(2024年)中/警察庁刑事局捜査第一課に報告があったもの
  • 鮮度:令和7年4月公表
  • 使ったところ:警察取扱死体204,184体のうち自宅において死亡した一人暮らしの者76,020体(37.2%)/うち65歳以上58,044体・65歳未満17,818体・年齢不詳158体/経過日数別(0〜1日28,756・2〜3日15,421・4〜7日9,987・8〜14日7,515・15〜30日7,396・31〜90日5,138・91〜180日1,165・181〜365日389・366日〜253)
  • 確認できていないところ:同時に公表された正誤表は「4〜7日」の「うち65歳未満」「うち65歳以上」の数値の訂正であり、総数の行には影響しない(2026-08-07 に正誤表のPDFを開いて確認)。訂正の対象になった内訳の数値は使っていない
なし2026-08-07
A内閣府「孤立死者数の推計方法等について ~『警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者』をもとに~(『孤独死・孤立死』WGとりまとめ)のポイント」
  • 対象:全国/令和6年の警察庁データに基づく/令和7年4月 孤独死・孤立死WG 第4回プロジェクトチーム 資料4
  • 鮮度:令和7年4月
  • 使ったところ:死後8日以上を経過して発見されたものは21,856件/死後4日以上は31,843件/死後4日以上は「一般的に遺体外表上の腐敗が明白に発現し始めるとされる時期」とされ、参考データとして示すことが適当(ただし腐敗状況は季節や環境に大きく左右される旨の留意あり)/警察取扱死体を基礎とすることの過小見積もり要因として、かかりつけ医が警察を経由せずに死亡診断書を発行するケースが除外される点
  • 確認できていないところ:31,843件と21,856件は、警察庁刑事局捜査第一課の経過日数別の数値を4日以上・8日以上で合計した値と一致することを2026-08-07に検算した
なし2026-08-04
Ae-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和四十五年法律第百三十七号)
  • 対象:全国/法令本文
  • 使ったところ:第二条第一項(廃棄物の定義)・第二項(一般廃棄物)/第七条第一項(一般廃棄物の収集運搬業は市町村長の許可。運搬のみを業として行う場合の区域は積卸しを行う区域に限る。但書=自ら運搬する事業者、専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみを扱う者、その他環境省令で定める者は除く)・第五項(各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ許可をしてはならない。一号=当該市町村による収集又は運搬が困難であること、二号=一般廃棄物処理計画に適合すること、三号=施設及び申請者の能力が環境省令で定める基準に適合すること、四号=欠格事由)・第六項(処分業も市町村長の許可)・第十二項(収集運搬業者・処分業者は、市町村が地方自治法第二百二十八条第一項の規定により条例で定める手数料の額に相当する額を超える料金を受けてはならない)・第十四項(他人への委託の禁止)/第十四条第一項(産業廃棄物は都道府県知事の許可)/第十六条(投棄禁止)/第二十五条第一項第一号(無許可営業は五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金又は併科)・第十四号
  • 確認できていないところ:第七条第五項第三号の「環境省令で定める基準」の中身(廃棄物処理法施行規則)は確認していない
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」(昭和四十六年政令第三百号)
  • 対象:全国/政令本文
  • 使ったところ:第一条第八号(別表第一の四の項の中欄に掲げる施設において生じた同項の下欄に掲げる廃棄物を感染性一般廃棄物とする)/別表第一の四の項(中欄=病院・診療所・オンライン診療受診施設・衛生検査所・介護老人保健施設・介護医療院・感染性病原体を取り扱う施設で環境省令で定めるもの/下欄=感染性廃棄物であって別表第二の下欄に掲げるもの以外のもの)
  • 確認できていないところ:別表第二の下欄の中身は確認していない。住居から生じた廃棄物の具体的な取扱いについて、環境省の通知・自治体の運用も確認していない
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「古物営業法」(昭和二十四年法律第百八号)
  • 対象:全国/法令本文
  • 使ったところ:第二条第一項(古物の定義)・第二項第一号(古物営業=古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの)/第三条(都道府県公安委員会の許可)/第三十一条第一号(無許可営業は三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金)
  • 確認できていないところ:第二条第二項第一号の除外がどこまで及ぶかの個別の当てはめ(所轄の警察署の判断)は確認していない
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「労働安全衛生法」(昭和四十七年法律第五十七号)
  • 対象:全国/法令本文
  • 使ったところ:第二条第二号(労働者とは労働基準法第九条に規定する労働者で、同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く)・第三号(事業者とは事業を行う者で労働者を使用するもの)/第二十二条第一号(病原体等による健康障害)・第四号(排気、排液又は残さい物による健康障害)を防止するため必要な措置/第五十九条第一項(雇入れ時の安全衛生教育)/第六十六条第一項(健康診断)
なし2026-08-07
Ae-Gov法令検索「建設業法」(昭和二十四年法律第百号)および「建設業法施行令」(昭和三十一年政令第二百七十三号)
  • 対象:全国/法令本文
  • 使ったところ:建設業法第三条第一項ただし書(政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う者は許可を要しない)/同法施行令第一条の二第一項(一件の請負代金が500万円未満、建築一式工事は1,500万円未満)
なし2026-08-04
A独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル−料金や作業内容に関するトラブルが発生しています−」
  • 対象:全国/PIO-NET登録分/2013年度〜2018年度(2018年6月30日まで)
  • 鮮度:2018年7月19日公表
  • 使ったところ:遺品整理サービスに関する相談件数は2013年度73件・2014年度109件・2015年度90件・2016年度114件・2017年度105件/2018年度は6月30日までで31件(前年同期16件)/相談事例(見積時の急かし、高額なキャンセル料、当日の追加請求で見積の2倍、処分しないよう頼んだ物の処分)
  • 確認できていないところ:報告書本文PDFの詳細は開いていない。数値はページ本文の記載による
なし2026-08-04
A独立行政法人国民生活センター「見守り新鮮情報 第525号 遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」
  • 対象:全国/2025年10月30日公表
  • 鮮度:2025年10月30日
  • 使ったところ:相談事例(亡父の遺品整理で当初20万円ぐらいと聞いていたが作業後に30万円と言われた・見積書なし/残しておく約束だった書類やアルバムまで処分され、ごみ処理場に運搬済みで取り戻せないと言われた)/遺品や住まいの不用品を廃棄物として収集・運搬する事業者は、市町村からの委託業者であるか、市町村長から「一般廃棄物処理業の許可」を受けている必要があること/遺品を買い取る事業者は「古物商の許可」が必要であり、「古物商許可証」や「行商従業者証」を確認するよう呼びかけていること
なし2026-08-07
A国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項」
  • 対象:全国/国土交通省および法務省が策定
  • 鮮度:活用ガイドブックは令和7年10月(第2版)、Q&Aは令和7年10月更新
  • 使ったところ:単身高齢者が死亡した際の賃貸借契約の解除と残置物の処理を内容とした死後事務委任契約等に係るモデル契約条項であること/使用が法令で義務づけられているものではないこと/令和7年10月1日施行の改正住宅セーフティネット法で居住支援法人の業務に入居者からの委託に基づく残置物処理が追加されたこと
なし2026-08-04
Aさいたま市「一般廃棄物収集運搬業の許可を有する者の申請・届出・報告・連絡事項について」
  • 対象:さいたま市/2025年12月5日更新
  • 鮮度:2025年12月5日更新
  • 使ったところ:「※さいたま市では一般廃棄物収集運搬業新規許可申請の受付は行っておりません」との記載/更新許可申請の受付期間は許可期限日の2か月前から1週間前まで/新たに運搬品目を追加する場合や積替え保管を行う場合は変更許可申請が必要で、変更許可申請は随時受付を行っていないこと/担当は環境局資源循環推進部廃棄物対策課 事業系ごみ係
なし2026-08-07
A静岡市「一般廃棄物処理業の許可申請及び廃止・変更の届出等」
  • 対象:静岡市/2026年7月13日更新
  • 鮮度:2026年7月13日更新
  • 使ったところ:市が新たな許可を行う要件を限定していること。収集運搬業は①事業系一般廃棄物を再生利用のために基準に適合する処分施設まで運搬する場合(市内に事業場を有する者に限る)②家電リサイクル法に基づき他自治体で発生した特定家庭用機器一般廃棄物を市内の指定引取場所まで運搬する場合③既存の収集運搬業許可業者が既許可の車両台数の範囲内で新たに一時多量ごみを扱う場合の3つ。家庭から出る一般廃棄物の一般的な収集運搬はここに挙げられていないこと/担当は環境局廃棄物対策課許可審査係
なし2026-08-07
Aさいたま市「さいたま市一般廃棄物処理手数料一覧」
  • 対象:さいたま市/2025年1月1日から適用/2025年2月27日更新
  • 鮮度:2025年2月27日更新
  • 使ったところ:家庭ごみ処分は搬入量10kg以下が無料、10kgを超えた場合は最初の10kgから10kgにつき100円(令和7年1月〜12月)・180円(令和8年1月〜12月)・240円(令和9年1月以降)/事業ごみ処分は10kgにつき240円/粗大ごみ収集は1品につき500円/適正処理困難物のうち規則で定める品目は収集処分が品目別に2,000円を上限、処分のみが1,500円を上限/算定額に100分の110を乗じた額(10円未満切捨て)
  • 確認できていないところ:許可業者に委託した場合の実際の委託料は公開されておらず、確認できていない。廃棄物処理法第七条第十二項の料金の上限が、この手数料一覧のどの項目に対応するのかも確認していない
なし2026-08-07
A厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)を公表します」(報道発表資料)および「諸率の算出に用いた人口」
  • 対象:全国/令和6年(2024年)確定数/令和7年9月16日公表
  • 鮮度:令和7年9月16日
  • 使ったところ:死亡数1,605,378人で過去最多・4年連続増加(前年比29,362人増)/出生数686,173人/諸率の算出に用いた全国人口(日本人人口)120,295,592人
なし2026-08-04
B一般社団法人日本少額短期保険協会「第10回 孤独死現状レポート」
  • 対象:少額短期保険会社が取り扱ういわゆる孤独死保険に加入している被保険者・入居者/レポート上の孤独死の定義は「賃貸住宅居室内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人の死」/収集の対象期間2015年4月〜2025年3月(累積)および2024年度(単年)/データ提供は少額短期保険会社19社/レポート本文に「本レポートは賃貸住宅入居者に関する分析であり、持家居住者等は含まれていない」との明記あり
  • 鮮度:2025年3月時点のデータ/第10回
  • 使ったところ:累積の遺品整理(残置物処理)費用の平均損害額294,131円(最大4,253,473円・最小1,080円)/平均支払保険金293,360円/累積の原状回復費用の平均損害額494,344円(最大7,564,673円・最小422円)/平均支払保険金315,510円/2024年度単年は遺品整理の平均損害額266,265円・平均支払保険金221,031円、原状回復の平均損害額610,507円・平均支払保険金315,020円/家賃保証の平均支払額は累積337,035円・単年389,706円/発見までの日数(n=9,249・死亡推定日と第一発見者不明分を除く)は3日以内37.0%・4〜14日28.3%・15〜29日15.4%・30〜89日15.8%・90日以上3.5%、平均19日/第一発見者の構成(n=10,203・発見者不明分を除く。親族2,121人20.8%・友人知人1,307人12.8%・管理2,410人23.6%・福祉2,081人20.4%・警察657人6.4%・他人1,627人15.9%。近親者33.6%、職業上の関係者50.4%。「管理」は不動産管理会社・仲介会社・オーナー・大家等、「福祉」は行政サービス・民間見守りサービス・宅配業者等を含む)/男女計の死亡年齢構成比(n=12,089)で65歳未満が46.1%
  • 確認できていないところ:損害額には「異常値は除く」との注記があるが除外の基準は記載がない。原状回復費用には内装工事が含まれるため、清掃事業者の受注額とは一致しない。第一発見者の構成は「誰が見つけたか」であって「誰が発注したか」ではない
あり(孤独死保険を販売する少額短期保険会社の業界団体。レポートの結びで孤独死保険の活用を推奨している)2026-08-07
Ae-Gov法令検索「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」(平成十二年政令第十六号)
  • 対象:全国/政令本文
  • 使ったところ:本則の表 二十八の項の1(古物営業法第三条の規定に基づく古物営業の許可の申請に対する審査の手数料の標準額は一万九千円)/同項の2(許可証の再交付1,300円)・3(許可証の書換え1,500円)
  • 確認できていないところ:各都道府県が条例で実際に定めている額と、標準処理期間は確認していない
なし2026-08-07

更新履歴

日付内容
2026-08-04初版作成。A級出典14件・B級1件の原典を確認。集客経路8つ、3ケース、損益分岐4基準、感度分析、採点59点を算出した。個別の事業者ではなく商売のモデルとして定義し、現場の状態そのものは記述しない方針を取った
2026-08-04冒頭に「この商売はどういうものか」を追加。あわせて他章の重複した記述を削った。数字・結論・採点は変更なし
2026-08-07書き方の改定+原典確認による訂正。読者向けの構成を10セクションに組み替え、結論を4段にして末尾に判定を置き、危ないところを並べていた節を廃して商売のリスクを各節へ分配し、分析の弱点を「この試算が外れるとしたら」へ移した。面白いポイントを9項目から3項目に絞り、活路を試算の中と外の2層に分け、向き不向きを最低限の要件と資質の2段にした。あわせて法令と出典を開き直し、7点を訂正した。第七条第一項の但書と運搬のみの場合の区域、第七条第十二項の料金の上限、第七条第五項が四号すべてであること、罰金の表記、古物営業法第二条第二項第一号の除外、労働安全衛生法の事業者の当てはめ、施行令別表第一の四の項の下欄。「許可業者への委託料は受入手数料に収集運搬の費用が上乗せされる」という出典のない記述を削った。古物商許可の手数料19,000円の根拠となる政令を出典に加えた(15件→16件)。数値・3ケース・損益分岐・感度分析・採点59点は変えていない

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本コンテンツは公開情報と一定の仮定に基づく試算です。特定企業の実際の利益を示すものではなく、地域・規模・経験・時期によって結果は変わります。出典・計算条件・更新日は商売解剖図鑑に掲載します。