一覧 / 店舗型BtoC(多店舗の直営)+BtoB(フランチャイズ本部)
炭火焼鳥の均一価格チェーン
直営店を持ちながらフランチャイズ本部も営む会社/東京都内の駅の近く/串は1本150円台の均一/店で串を打ち炭火で焼く/標準ケースは直営店15店・加盟店25店
机上版店舗型BtoC(多店舗の直営)+BtoB(フランチャイズ本部)店舗型BtoC許認可あり
調査日 2026-09-23 / 原典を確認した日 2026-09-23

現地には行っていません。公開されている情報と、そこから組んだ試算だけで書いています。実額の裏取りが済んだら検証版として更新します。
初期投資
41,250万円
幅 25,000〜60,000万円
月の営業利益(標準)
7,120,701円
弱気 ▲6,003,599円 / 強気 20,326,392円
経営者の時給(標準)
29,670円
月 240時間
投資の回収(標準)
39か月
個人事業としての点数
42 / 100
自分の資金と時間で始めて、自分が回す商売として
事業としての点数
54 / 100
人と仕組みで、本人から離れて大きくなるか
この商売はどういうものか
駅の近くの居酒屋で、串に刺した鶏肉を炭火で焼き、どの串も同じ値段で出す店を、何十店と増やしていく会社の商売です。自分で持つ直営店では客の払う代金がそのまま会社の売上になり、同じ屋号で店を開く加盟店からは売上の一定割合と加盟金を受け取ります。串は店で打ち、炭火で焼くので、客が来る前の仕込みと焼き場に人の手がかかります。
この試算で見ている形
- 規模:東京都内の駅から歩いて数分の場所に出す約28坪・48席の居酒屋。串は1本150円台の均一(計算は150円台の下限・税抜で置く)。
- 体制:直営店1店は店長(正社員)1名とアルバイトで回す。本部は正社員14名(巡回の担当5名・開発2名・商品と仕入れ2名・採用と教育2名・経理と総務と労務3名)。
- 営業の形:17時から翌1時まで・月30日営業。会社は株式会社で、本部と直営店を持ち、加盟店を募る。標準ケースは直営店15店・加盟店25店の計40店、直営店は年2店、加盟店は年5店が新たに開く。加盟店からは売上高の4%のロイヤリティ・売上高の1%の広告の分担金・加盟金を受け取る。
- 売上の作り方:1日の来店客数と客単価と営業日数(客単価 = 串7本ぶん1,050円 + 飲み物900円 + 一品料理350円 = 2,300円)を掛け合わせた額が直営店1店の月の売上になります。
想定した人と、その一年
焼き鳥の店を1軒から始め、10年ほどかけて直営店を増やし、途中から加盟店も募るようになった会社の経営者を置きました。いまは本部に14人、直営店が15店、加盟店が25店あります。店の一日は昼過ぎに始まります。届いた鶏肉を切って串に刺し、夕方に炭をおこして、17時に暖簾を出す。閉めるのは翌1時です。経営者の一年は、店の忙しさと少しずれて動きます。12月と3月から4月は宴会で店が埋まり、1月と2月は客が引きます。毎年10月には東京都の最低賃金が改まり、そのたびに40店のアルバイトの時給を見直すことになる。鶏肉の値段は月ごとに動きます。値上げを考える月は、直営店の数字を先に見て、加盟店のオーナーと話す。値段を決めるのは加盟店のオーナー自身だからです。取り返しがつかないのは三つあります。どこか1店で焼きの甘い鶏から食中毒を出し、屋号ごと信用を失ったとき。深夜まで働く人が集まらず、店を開けられなくなったとき。そして加盟店の値段がばらばらになり、均一という看板が意味を失ったときです。以上は試算のために置いた姿であって、実在の誰かの一年ではありません。
この商売の仕組み
1本の串は、店の中でこう作られる
朝のうちに、鶏肉が店に届きます。国産のブロイラーのもも肉とむね肉です。昼過ぎから、それを切って、ねぎと交互に竹串に刺していく。串打ちと呼ばれる仕込みで、この店では客が来る前に1日560本を打ちます。1時間に120本として4.7時間。ほかの仕込みを足すと、1店で1日7.2時間分の手が、暖簾を出す前に使われている計算です(推定)。
夕方には白炭をおこします。白炭は備長炭に代表される炭で、硬く、火がつきにくい。そのかわり一度つけば、むらのない火力が長く続くので、焼き鳥に使われてきました(林野庁)。火をおこす手間が開店前にかかるのはこのためです。焼き場に立つ人は、炭の置き方と串を返す間合いで焼き上がりをそろえます。17時に開けて翌1時に閉めるまで、焼き場とホールに平均3.5人が立ち、閉めたあとも片付けが続きます。
| 1日の人の時間(標準ケース・推定) | 時間 |
|---|---|
| 串打ち(560本 ÷ 1時間120本) | 4.7時間 |
| ほかの仕込み | 2.5時間 |
| 営業中(8時間 × 平均3.5人) | 28.0時間 |
| 開店前と閉店後 | 3.0時間 |
| 合計 | 38.2時間 |
串1本の値段は150円台で、どの串も同じです。この試算では、その幅の下限で計算しました。鶏の串1本の原価は、鶏肉35グラムで33.7円、ねぎと串とたれで7.5円、合わせて41.2円(推定)。鶏肉の値段は東京の卸売価格(もも肉1キロ836円・むね肉479円、2026年7月・税抜)を元に、店が払う上乗せと、切り落とす分を見込んで置いています。
鶏肉は焼き切らなければ出せません。カンピロバクターという菌は鶏肉や内臓から高い頻度で見つかり、食中毒の中でも件数が多い。厚生労働省は、令和7年に220件・患者1,226人と示し、生や十分に加熱されていない鶏肉を食べないよう、食べさせないよう求めています。焼き場の腕は、味の話である前に衛生の話です。
直営店と加盟店で、お金はこう流れる
同じ屋号・同じ値段・同じ串でも、店の持ち主で、お金の行き先が変わります。
| 流れ | 直営店 | 加盟店 |
|---|---|---|
| 店を借りて内装を作るお金 | 会社が出す(1店26,500,000円・推定) | 加盟者が出す。加えて加盟金3,000,000円(推定) |
| 客の払う代金 | 会社の売上 | 加盟者の売上 |
| 本部に入るもの | 店の利益がそのまま入る | 売上の4%のロイヤリティと、1%の広告の分担金(推定) |
| 店長とアルバイト | 会社が雇う | 加盟者が雇う |
| 串の値段 | 本部が決める | 加盟者が決める。本部は希望の値段を示せる |
| 鶏肉・たれ・白炭 | 本部が決めた業者から買う | 本部が指定した業者から、加盟店が直接買う(本部は上乗せしない前提) |
本部が加盟店に渡すものは、屋号、串の規格(肉の量と切り方)、仕込みと焼きの手順と研修、仕入れ先の手配、巡回の担当による店の指導、チェーンの広告です。巡回の担当はスーパーバイザー(SV)とも呼ばれ、この試算では8店に1人と置きました。
加盟する側から見ると、屋号と手順と仕入れ先を借りる代わりに、売上の5%を毎月払うことになります。
100円の売上は、こう分かれる
標準ケース(1日80人・客単価2,300円)の1店で、売上100円の行き先を並べると次のとおりです(試算)。
| 100円の行き先 | 直営店 | 加盟店 |
|---|---|---|
| 食材と酒 | 28.5円 | 28.5円 |
| 人件費(店長とアルバイト) | 33.2円 | 33.2円 |
| 家賃 | 9.1円 | 9.1円 |
| 光熱 | 4.7円 | 4.7円 |
| 内装と設備の減価償却 | 3.8円 | 3.8円 |
| 求人・修繕・通信・保険・雑費 | 3.2円 | 3.2円 |
| 決済手数料 | 2.1円 | 2.1円 |
| 白炭 | 1.8円 | 1.8円 |
| 販促とチェーンの広告 | 1.5円 | 1.5円 |
| 消耗品 | 1.2円 | 1.2円 |
| ロイヤリティ | ― | 4.0円 |
| 店に残る営業利益 | 11.0円 | 7.0円 |
食材と人件費を合わせると61.7円。飲食店でFL比率と呼ばれるこの割合が、均一の値段のもとで何円に収まるかが店の損益を決めます。アルバイトの労働時間の3分の1ほど(35.4%)は、夜10時から翌5時の深夜にかかり、二割五分の割増が乗ります。
店の損益がゼロになる1日の客数は、直営店で61.1人、加盟店で66.8人(試算)。加盟店はロイヤリティを払う分だけ、同じ店で5.7人多くの客が要ります。
看板の値段を決めるのは、誰か
均一の値段は、このチェーンの看板そのものです。ところが、その値段を本部が決められるのは直営店だけです。
公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」は、販売価格について、統一的な営業と消費者の選択基準の明示のために、必要に応じて希望価格を示すことは許容されるとしています。そのうえで、本部が加盟者に商品を供給している場合に加盟者の販売価格を拘束することは、原則として再販売価格の拘束にあたる。本部が商品を直接供給していなくても、加盟者が供給する商品や役務の価格を不当に拘束すれば、拘束条件付取引にあたる、と整理しています。
だから値上げは、直営店から動くことになります。串を1本10円上げたときの増え方を並べると、次のとおりです(客数が変わらない場合・試算)。
| 串を1本10円上げたとき(月) | 増える額 |
|---|---|
| 直営店1店の営業利益 | 156,576円 |
| 加盟店1店の営業利益 | 149,856円 |
| 加盟店1店から本部に入るロイヤリティ | 6,720円 |
加盟店が上げても、本部に入るのはふえた売上の4%だけです。上げるかどうかを決めるのも、上げてふえた分を受け取るのも、加盟者の側にあります。
この6,720円は、ロイヤリティの取り方で変わります。売上高に対する率ではなく毎月の定額で受け取る形なら、加盟店が値上げしても本部のふえ方はゼロ。率を倍の8%にしても13,440円です。値上げで本部が受け取る分は、どの取り方を選んでも加盟者の取り分よりずっと小さい。ここが、均一の値段を本部の一存で動かせない理由の裏側にあります。
直営を増やすか、加盟店を増やすか
同じ40店を、直営と加盟店の割合だけ変えて並べました。本部の人員は同じ置き方で、1日80人の月です(試算)。
| 40店の内訳 | 直営40・加盟0 | 直営15・加盟25(標準ケース) | 直営5・加盟35 | 直営0・加盟40 |
|---|---|---|---|---|
| 会社の月の営業利益 | 16,112,980円 | 7,120,701円 | 3,365,456円 | 1,550,333円 |
| 1日60人に落ちた月 | ▲9,641,376円 | ▲3,917,183円 | ▲1,785,839円 | ▲657,667円 |
| 鶏肉が1割上がったときの減り方 | ▲1,832,590円 | ▲687,221円 | ▲229,074円 | 0円 |
| 投じた資本(運転資金を含む) | 1,105,000,000円 | 442,500,000円 | 177,500,000円 | 45,000,000円 |
| 年利回り(年の営業利益 ÷ 投じた資本) | 17.5% | 19.3% | 22.8% | 41.3% |
| 本部が値段を決められる店の割合 | 100% | 37.5% | 12.5% | 0% |
直営を増やすと、利益は大きくなり、値段も本部の手に残ります。そのかわり資本が重く、客数の上下をそのまま受ける。加盟店を増やすと、資本は軽く、振れ幅は小さく、利回りは上がります。そのかわり1店が本部に残す額は小さく、看板の値段は加盟者の判断に委ねられる。割合を1つ動かすと、この3つが一緒に動きます。
巡回の担当の人件費を差し引くと、直営店1店が本部に残すのは月545,074円、加盟店1店は157,050円です。加盟店は直営店の28.8%しか残しませんが、出店のお金は加盟者が出します。
店の数は、どこで止まるか
直営店は、会社の資本の速さでしか増えません。標準ケースの直営店1店が1年に生む現金(営業利益と減価償却の合計)は9,805,894円で、次の1店に要る26,500,000円の37.0%です(試算)。直営店が次の1店を自分の現金で開くには、1店あたり2.7年分の現金が要ることになります。会社全体では、標準ケースの月の営業の現金10,495,701円が年に125,948,412円で、年2店の新店に要る50,000,000円を払っても残ります。弱気ケースでは月の営業の現金がマイナスになり、新店の投資は止まります。
加盟店は、年に開く数と閉じる割合で決まる高さに向かって増え、そこで止まります。その高さは、年の新規加盟を年に閉じる割合で割った数です(どれも推定)。
| 弱気 | 標準 | 強気 | |
|---|---|---|---|
| 年に開く加盟店 | 2店 | 5店 | 8店 |
| 年に閉じる割合 | 15% | 8% | 5% |
| いまの加盟店 | 15店 | 25店 | 35店 |
| 加盟店の数が止まる高さ | 13.3店 | 62.5店 | 160.0店 |
弱気ケースでは止まる高さがいまの15店を下回るので、加盟店は減っていきます。閉じる割合を決めるのは、加盟店が1日66.8人の線を越えられるかどうかです。
許可と届出は、店ごとに要る
屋号は1つでも、許可と届出は店ごとです。
| 何が要るか | 誰の名義で | どこへ | 線 |
|---|---|---|---|
| 飲食店営業の許可 | 店を営む者(加盟店は加盟者) | 所管の保健所 | 許可の前に営業すれば二年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金。東京都の手数料は新規18,000円 |
| 衛生管理計画と記録 | 同上 | ― | 飲食店は店の数にかかわらず、取り扱う食品の特性に応じた取組の側にある |
| 深夜における酒類提供飲食店営業の届出 | 同上 | 所在地を管轄する公安委員会(警視庁) | 深夜0時以降に酒を出すなら、開始の十日前まで。出さなければ五十万円以下の罰金 |
| 食肉処理業の許可 | 工場を営む者 | 工場を所管する保健所 | 店で串を打つなら要らない。本部の工場で切って刺して店へ送るなら要る読みになる(要確認) |
| 酒類の販売業免許 | 酒を売る者 | 所轄の税務署 | 店で飲ませるだけなら要らない。持ち帰りの酒を売るなら販売場ごとに要る |
| 加盟前の書面の交付と説明 | 本部 | 加盟しようとする者へ | 仕入れ先を指定するこの形は、中小小売商業振興法の特定連鎖化事業にあたる読みになる(要確認) |
店を1つ増やすたびに、許可が1つ、届出が1つ、衛生管理計画が1つ増えます。本部が作るのは手順と書式で、守るのは店です。
結論
先に、この試算が何の上に乗っているかを2つ置いておきます。
ひとつは店の形です。東京都内の駅から歩いて数分、48席の店に1日80人が来て、1人2,300円使う。串7本と飲み物2杯ほどと、一品料理が1皿ぶんです。この数字に出典はありません。比べられる公開値として、日本フランチャイズチェーン協会の集計では、居酒屋・パブの1店あたりの売上高は年52.5百万円、月に直すと4,375,000円でした。この試算の1店は月5,520,000円で、その1.26倍にあたります(協会の数字は推計値を含み、直営店と加盟店の合計です)。
もうひとつは、加盟店から受け取る条件です。売上高の4%のロイヤリティ、1%の広告の分担金、開業のときの加盟金3,000,000円。どれも推定で、特定の本部が公開している額は見ていません。
この会社の利益を決めるのは、加盟店の数ではなく、直営店の客数です。
標準ケースの営業利益7,120,701円に対して、直営15店の店の利益は9,132,367円。加盟店25店から入るロイヤリティはそれより小さく、本部の固定費はそこから引かれます。1店1日の客が1割減れば4,415,558円が消え、加盟店が5店減っても減りはその4分の1です。均一の値段で同じ店を並べる商売なので、客数は全店で同じ方向に動きます。
| 1店1日の客数で引いた線 | 客数 | 標準ケース(80人)との比 |
|---|---|---|
| 直営店1店の営業利益がゼロ | 61.1人 | 0.76倍 |
| 加盟店1店の営業利益がゼロ | 66.8人 | 0.84倍 |
| 会社の営業利益がゼロ | 67.1人 | 0.84倍 |
| 加盟者が自分の投資を5年で回収 | 73.6人 | 0.92倍 |
| 投じた資本を5年で回収 | 74.3人 | 0.93倍 |
| 標準ケース | 80.0人 | ― |
で、この商売はどういうものか
全店平均で1日67.1人、資本を5年で戻すなら74.3人を、店を増やしながら保てる人にだけ向く商売です。この試算の標準ケース(直営15店・加盟店25店)では、月の営業利益が7,120,701円、経営者時給は29,670円になります。ただしそこまでに投じた資本は442,500,000円で、内装と設備を中心に9割は畳んでも戻りません。 1店1日の客が80人から72人へ1割減るだけで、利益の62.0%が消えます。加盟店を増やしても本部に残るのは1店157,050円で、直営店1店の28.8%。値上げの判断も、加盟店の分は加盟者の手にあります。資本を置けて、立地が線に届かないときに出店を止められて、店長とアルバイトを採り続けられる人に限られます。
標準ケースの経営者時給は29,670円。始めるのに要るのは442,500,000円。投じた額が戻るのは39か月の見込みです。
この判定は、東京都内の駅から歩いて数分に約28坪・48席の炭火焼鳥の居酒屋を出し、串を1本150円台の均一で、17時から翌1時まで月30日開け、直営15店・加盟店25店を持ち、加盟店から売上高の4%のロイヤリティと1%の広告の分担金と加盟金を受け取る形についてのものです。郊外の路面店や商業施設の中に出す形、串を本部の工場で打って店へ送る形、直営店を持たずに本部だけを営む形、加盟店を持たずに直営だけで広げる形では、費用と損益の性格が変わります。この試算はそれらの形を見ていません。

ここが面白い
串をすべて1本10円上げ、客の数は変わらないとします。標準ケースの加盟店1店では、月の営業利益が149,856円ふえる計算です。同じ店から本部に入るロイヤリティのふえ方は6,720円。22倍の差があります。逆に1日の客が80人から60人に減ると、加盟店は588,659円を失い、本部のロイヤリティは55,200円しか減りません。看板の値段が動いて得をするのも損をするのも、加盟店の側です。
ロイヤリティを売上高の4%で置いたからです。値上げでふえた売上168,000円のうち、本部に入るのは4%だけ。毎月の定額で受け取る形なら本部のふえ方はゼロで、率を倍の8%にしても13,440円にしかなりません。しかも値段を決めるのは加盟店です。公正取引委員会の考え方は、統一的な営業と消費者の選択基準の明示のために希望価格を示すことは認めつつ、本部が商品を供給している加盟店の販売価格を拘束するのは原則として再販売価格の拘束、供給していなくても不当に拘束すれば拘束条件付取引にあたる、と整理しています。直営店の値段は本部が決め、加盟店の値段は加盟者が決める。
だから均一の値段が看板として保たれるのは、加盟者が自分の数字を見ても同じ値段を選ぶときに限られます。条件は2つあります。加盟店の損益がゼロになる線は1日66.8人で、直営店の61.1人より5.7人高い。その差を越えられる立地にだけ加盟店を置くこと。そして最初に値段を動かす直営店が、数の上で見本になれること。標準ケースでは40店のうち15店、37.5%が直営です。この割合が下がるほど、看板の値段は本部の決定ではなく、加盟者との話し合いの結果になります。
原価のほうは、思うほど揺れません。東京の卸売価格は、2024年度の平均から2026年7月までに、もも肉で21%、むね肉で22%上がりました。串に直すと1本4.8円、直営店1店で月80,896円です。同じころ最低賃金は1,163円から1,280円へ上がり、直近の54円の引き上げだけで1店月57,900円。1年分の賃上げが、2年分の鶏肉の値上がりの7割に並びます。均一の値段を脅かしているのは、鶏より人のほうです。
加盟店の重さも、数字にすると直営店とはっきり違います。巡回の担当の人件費を差し引くと、直営店1店が本部に残すのは月545,074円、加盟店1店は157,050円で28.8%にとどまります。そのかわり直営店は1店に26,500,000円の投資が要り、加盟店は加盟金から開発と開業支援の費用を引いた1,700,000円が、契約のたびに先に入ります。
数字で見る
初期費用と、投じた資本
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 直営店15店の内装・厨房設備・焼き台・排気と脱臭(1店20,000,000円) | 300,000,000円 |
| 直営店15店の物件の保証金(家賃の10か月分) | 75,000,000円 |
| 直営店15店の開業前費用(研修・採用・看板と開業の販促・許可の手数料) | 22,500,000円 |
| 本部の立ち上げ(商標・システム・契約書と加盟前の書面・研修の教材・事務所) | 15,000,000円 |
| 初期投資の合計 | 412,500,000円 |
| 運転資金(別枠) | 30,000,000円 |
| 所要資金 | 442,500,000円 |
これは、直営15店と本部を持つまでに積み上げた額です。最初に一度に置く額ではありません。実額として確認できたのは、飲食店営業の許可の手数料(東京都で新規18,000円)と商標の出願料・登録料だけで、残りは推定です。撤退でほとんど戻らないのは内装と設備を中心に初期投資の9割を超え、保証金は返還の条件次第です。標準ケースで年2店を開く直営の新店には、毎年50,000,000円が別に要ります。

毎月出ていくコスト(直営店1店・標準ケース)
| 項目 | 金額 | 売上比 |
|---|---|---|
| 売上(80人 × 2,300円 × 30日) | 5,520,000円 | ― |
| 食材と酒 | 1,571,561円 | 28.5% |
| 人件費(店長1名とアルバイト925時間) | 1,832,521円 | 33.2% |
| 家賃 | 500,000円 | 9.1% |
| 光熱 | 260,400円 | 4.7% |
| 減価償却 | 208,333円 | 3.8% |
| 求人・修繕・通信・保険・雑費 | 175,000円 | 3.2% |
| 決済手数料 | 115,920円 | 2.1% |
| 白炭 | 98,400円 | 1.8% |
| 販促とチェーンの広告 | 82,800円 | 1.5% |
| 消耗品 | 66,240円 | 1.2% |
| 営業利益 | 608,824円 | 11.0% |
アルバイトの925時間は、1日38.2時間の30日分から店長の220時間を引いた数です。時給は東京都の最低賃金1,280円(令和8年10月1日から)の1.05倍にあたる1,350円と置き、深夜にかかる35.4%の時間に二割五分の割増を乗せました。加盟店はここからロイヤリティ220,800円を払うので、営業利益は388,024円になります。

3ケース
| 弱気 | 標準 | 強気 | |
|---|---|---|---|
| 直営店・加盟店 | 15店・15店 | 15店・25店 | 15店・35店 |
| 1店1日の客 | 60人 | 80人 | 100人 |
| 鶏肉の卸売価格 | 2026年7月の1.1倍 | 2026年7月 | 2026年7月 |
| 売上高 | 65,705,000円 | 90,950,000円 | 117,575,000円 |
| 変動費 | 22,902,115円 | 29,646,155円 | 36,905,610円 |
| 固定費 | 47,120,651円 | 51,227,811円 | 55,842,165円 |
| 店の販促とチェーンの広告と加盟開発 | 1,685,833円 | 2,955,333円 | 4,500,833円 |
| 月間営業利益 | ▲6,003,599円 | 7,120,701円 | 20,326,392円 |
| 経営者作業時間 | 260時間 | 240時間 | 240時間 |
| 経営者時給 | ▲23,091円 | 29,670円 | 84,693円 |
| 月間営業キャッシュフロー | ▲2,628,599円 | 10,495,701円 | 23,701,392円 |
| 投資回収月数 | ― | 39か月 | 17か月 |
弱気ケースでは、直営店1店が月69,395円、加盟店1店が234,995円の赤字になります。それでも加盟店は本部に165,600円のロイヤリティを払い続けます。運転資金30,000,000円は、この月の現金の減り方で11.4か月分です。

どこまで客が来れば黒字か
| 線(1店1日の来店客数) | 客数 | 40店の月商に直すと |
|---|---|---|
| 直営店1店の営業利益がゼロ | 61.1人 | 1店4,215,104円 |
| 加盟店1店の営業利益がゼロ | 66.8人 | 1店4,610,411円 |
| 会社の営業利益がゼロ | 67.1人 | 会社の売上高76,484,115円 |
| 投じた資本を5年で回収 | 74.3人 | 会社の売上高84,610,544円 |
鶏肉の値段で解くと、東京の卸売価格が2026年7月の2.04倍(もも肉1キロ1,702円・むね肉975円)になるまで、会社の営業利益はゼロを下回りません。客数のほうがずっと早く効きます。

回収までの月数
回収39か月は、初期投資412,500,000円を標準ケースの月の営業キャッシュフロー10,495,701円で割った数字です。直営店1店だけで見れば、内装と設備と開業前費用21,500,000円を月の現金817,158円で割って26.3か月。加盟者の側は、内装と設備と開業前費用と加盟金24,500,000円を596,358円で割って41.1か月になります。
年の営業利益85,448,412円を所要資金442,500,000円で割ると、年19.3%。4億4千万円ほどを置いて、戻ってくるのが年8,500万円ほど、という大きさです。この利回りは、直営を増やすほど下がります。同じ40店でも、全部直営なら17.5%、直営5店と加盟店35店なら22.8%、全部加盟店なら41.3%でした。

何が一番効くか
| 変数 | 動かす幅 | 営業利益への影響 |
|---|---|---|
| 全店の1日の来店客数 | 80人 → 72人 | ▲4,415,558円 |
| 串の値段 | 1本 +10円(客数据え置き) | +2,516,640円 |
| ロイヤリティの率 | 売上高の4% → 3% | ▲1,380,000円 |
| 鶏肉の卸売価格 | +20% | ▲1,374,442円 |
| 加盟店の数 | 25店 → 20店 | ▲1,104,000円 |
| アルバイトの時給 | +5% | ▲1,085,641円 |
| 飲み物の原価率 | 28% → 31% | ▲972,000円 |
| 家賃 | +10% | ▲750,000円 |
| 本部の正社員の人件費 | +10% | ▲644,000円 |
| 串打ちの速さ | 1時間120本 → 100本 | ▲613,870円 |
| 串1本の鶏肉 | 35グラム → 38グラム | ▲589,047円 |
| 店長の人件費 | +10% | ▲577,500円 |
| 年の新規加盟 | 5件 → 2件 | ▲425,000円 |
| 白炭の値段 | +20% | ▲295,200円 |
上に来るのは客数と値段です。鶏肉は2割上がってもロイヤリティ1ポイントぶんと並ぶくらいで、会社の営業利益がゼロになるのは卸売価格が2.04倍になったときでした。人に関わる行(アルバイト・本部の人件費・串打ちの速さ・店長)を足すと2,921,011円になり、鶏肉が2割上がったときの2倍を超えます。

こういう人なら向いている/やめたほうがいい
先に、満たさないと土俵に立てないほうを置きます。人柄の話ではありません。
| 要件 | 数字 |
|---|---|
| 直営店を積み上げる資本を置ける | 所要資金442,500,000円。直営店1店で26,500,000円。1店が1年に生む現金9,805,894円は、次の1店の37.0%にしかならない。加盟店の出店費用は加盟者が負う |
| 店ごとに許可と食品衛生責任者と衛生管理計画を、深夜に酒を出すなら営業所ごとの届出を用意できる | 許可は施設ごとで、東京都の手数料は新規18,000円。許可なく営めば二年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金。深夜の届出は開始の十日前まで、出さなければ五十万円以下の罰金 |
| 加盟前に渡す書面と、似た立地の直営店の3年分の収支を示せる | 仕入れ先を指定するこの形は、加盟前の書面の義務がかかる側にある(当てはめは要確認)。予想の売上を示すなら、類似した環境にある既存店舗の実績等の根拠が要る |
3つとも、資本と許可と書面で決まります。1つでも欠けるなら見送り。満たしていても、同じ値段で全店が黒字になることは意味しません。
| 向いている人 | なぜ |
|---|---|
| 値段を上げる月を、加盟店のオーナーと数字で話し合える | 本部が加盟店に言えるのは希望の値段までで、守らせれば再販売価格の拘束か拘束条件付取引の線にかかる。串を1本10円上げると加盟店1店は月149,856円ふえ、本部のロイヤリティは6,720円しかふえない |
| 出店の速さを、客数の実績で決められる | 客数が1割減ると会社の営業利益は4,415,558円減り、標準ケースの62.0%が消える。直営店の損益ゼロは1日61.1人、会社全体では67.1人。線を割った店を抱えたまま次を開くと、谷が深くなる |
| 深夜の人手を、時給ではなく時間帯で数えられる | 翌1時まで開けると、アルバイトの労働時間の35.4%に二割五分の割増がかかり、十八才未満は午後十時以降に使えない。最後の1時間の客が1日4.3人を下回るなら、閉めたほうが1店で月188,705円の人件費が残る |
| 鶏の加熱と串打ちを、手順と記録で渡せる | 串打ちと仕込みは1店1日7.2時間、40店で毎日287時間分になり、そのうち25店は加盟者の雇う人が手を動かす。カンピロバクター食中毒は令和7年に220件・患者1,226人 |
| 加盟を申し込んだ人に、立地を理由に断れる | 加盟店の損益ゼロは1日66.8人で直営店より5.7人高く、加盟者が5年で投資を回収するには73.6人が要る。加盟金から開発と開業支援を引いた1,700,000円は契約のたびに先に入るが、線に届かない店を入れるほど均一の値段が揺らぐ |
| やめたほうがいい人 | なぜ |
|---|---|
| 鶏肉の相場が一番の敵だと思っている | 鶏肉が1割上がっても会社の営業利益は687,221円しか減らず、ゼロになるのは2.04倍。客数が1割減ると4,415,558円、アルバイトの時給が5%上がると1,085,641円減る |
| 加盟店を増やせば本部が太ると思っている | 巡回の担当の持ち分を引くと、加盟店1店が本部に残すのは月157,050円で、直営店1店の545,074円の28.8%。加盟店が5店減っても会社の営業利益は1,104,000円しか動かない |
| 均一の値段は本部が決めるものだと思っている | 本部が値段を決められるのは直営店だけで、標準ケースでは40店のうち15店。加盟店の値段を守らせれば、原則として再販売価格の拘束か、不当なら拘束条件付取引にあたると公正取引委員会は整理している |
| 「国産」や「炭火」を看板に掲げたまま、中身を替えられると思っている | 実際のものより著しく優良と示す表示は景品表示法に反し、課徴金は売上額の百分の三。消費者庁は、国産でないものを「国産」と表示することを問題となる例に挙げている |
向いている側は5つのうち4つ以上。ただし1つ目と4つ目は欠かせません。やめたほうがいい側は、1つでも当てはまるなら見送り。
どこに活路があるか
この試算の中で動かす
串を1本10円上げる。直営店から先に動かす。 40店がそろって上げ、客数が変わらなければ、会社の月の営業利益は2,516,640円ふえて9,637,341円になる計算です。うち93.3%にあたる2,348,640円は直営15店から来ます。加盟店が同じ月に上げなくても、直営店だけでこの額です。上げる前と同じ利益になる客数を解くと、会社全体で1店1日75.7人。5.4%減るまでは、上げたほうが残ります。
閉店を翌1時から0時にする。 最後の1時間に立つ人は3.5人、月105時間で、深夜の割増と法定福利を入れて188,705円です。客1人の限界利益1,472.8円で割ると1日4.27人。最後の1時間にそれだけの客が来ていない店なら、閉めたほうが利益が残る計算になります。加盟店は1日4.56人。0時に閉めれば、深夜に酒を出す届出もかからなくなります。ただし閉店後の片付けは0時を回るので、そこには割増が残ります。
この試算の外に出る
串は均一のまま、飲み物の値段で吸収する。 鶏肉の値上がりで客1人33.7円、最低賃金の引き上げで24.1円、合わせて57.8円を取り返すには、飲み物を1杯25.7円上げて杯数が変わらないことが要ります。均一なのが串だけだと分かる品書きにしておくこと。全品が均一と読める表示は、実際より有利だと誤認させる表示の線に近づきます。上げたときに杯数と客数がどう動くかは、確かめていません。
串打ちを本部の工場にまとめ、店は焼くだけにする。 店での串打ちは1日4.7時間、1店で月201,285円、40店で8,051,400円です。工場と配送の費用がこれを下回れば成り立ちます。ただし工場で鶏肉を切って刺す営業は食肉処理業の許可が要る読みになり(東京都の手数料は新規25,500円)、加盟店に串を売る形になると、値段を守らせることが原則として再販売価格の拘束にあたる側へ移ります。店で打つことを売りにしているなら、その表示も変えることになる。許可の当てはめは保健所に確認が要ります。
開店直後の焼き台で、持ち帰りの串を焼く。 持ち帰りの串1本で残るのは104.4円(容器代は見ていません)。最低賃金の引き上げで1店にふえる月57,900円を埋めるには、人を足さずに1日18.5本焼けることが要ります。焼き台に空きがあるかは店ごとに違い、確かめていません。持ち帰りで酒まで売るなら、販売場ごとに酒類小売業免許が要ります。
外に出ても取らない手
加盟店の値段を本部が決めて守らせる。 均一の看板をそろえるにはいちばん早い手です。取らないのは、本部が商品を供給している場合の加盟者の販売価格の拘束が原則として再販売価格の拘束にあたり、そうでなくても不当な拘束は拘束条件付取引にあたると公正取引委員会が整理しているためです。
鶏肉とたれを本部経由に限り、上乗せを取る。 加盟店の仕入れに2%乗せると、25店で本部に月785,781円が入ります。取らないのは、加盟店1店の営業利益が31,431円減って損益ゼロの線が上がり、正当な理由がないのに注文先を本部や本部の指定する事業者に限ることが優越的地位の濫用の例に挙げられているためです。
「国産」と書いたまま、安い鶏に替える。 鶏肉は原価のうち客1人185.3円を占め、数字の上では効きます。取らないのは、実際のものより著しく優良だと示す表示が禁じられており、課徴金が売上額の百分の三だからです。
鶏を半生で出して、それを売りにする。 生や十分に加熱されていない鶏肉を食べさせないよう国が求め、食中毒を出した事業者への告発等の厳正な措置を自治体に通知しています。1店の事故が屋号の40店に及びます。
この商売をどう見るか
これは串を売る商売ではありません。同じ値段で黒字になる店を、何十店と並べる商売です。値段が1つしかないので、店ごとに値段で調整できない。調整できるのは立地と客数と人の時間で、損益がゼロになる線は直営店で1日61.1人、加盟店で66.8人と、店の外の条件で決まります。鶏肉の値上がりが串1本4.8円にとどまるのに、客が1割減ると会社の利益の6割が消えるのは、そのためです。
立てるべき問いは「何店出すか」ではなく、「直営と加盟店をどう配るか」になります。直営店は1店が本部に545,074円を残し、値段も本部が決められますが、26,500,000円を置いたうえで客数の上下をそのまま受けます。加盟店は157,050円しか残さず、値段は加盟者が決めますが、本部の資本は要らず、不振でもロイヤリティは1割ほどしか減りません。40店を同じ置き方で並べると、全部直営なら月16,112,980円、全部加盟店なら1,550,333円。そのあいだで、利益の大きさと、値段を決められる範囲と、振れ幅が一緒に動きます。
もう1つの問いは、均一の値段をいつ動かすかです。10円上げて客が5.4%減るまでは、上げたほうが残る。ただし加盟店の値段は加盟者が決めるので、直営店が先に動いて数字を見せることになります。直営店の割合は、利益の割合であると同時に、看板の値段を守る力の割合でもある。この商売の天井は、同じ値段で黒字になる立地の数で決まり、直営で広げる速さは自分の資本、加盟店で広げる速さは加盟者がその値段で食えるかで決まります。

始めるなら、何から
始めると決めた人が最初に何をするかであって、始めることを勧めているわけではありません。
- 手続き。 この試算は株式会社で営む形を置きました。会社の設立にかかる費用と期間は確認していません。屋号は商標として特許庁に出願し登録します。出願料は3,400円に1区分につき8,600円を加えた額、登録料は1区分につき32,900円(令和8年4月1日現在)。どの区分で出すか、審査の期間は確認していません。店ごとに、所管の保健所で飲食店営業の許可を受けます。東京都の手数料は新規18,000円(令和8年4月1日から適用)。書類は施設の工事完成予定日の10日くらい前に出し、衛生管理計画を用意し、食品衛生責任者の資格を証明するものを付けます。特別区・八王子市・町田市の保健所は様式などが異なるので、先に各保健所へ問い合わせてください。深夜0時以降に酒を出すなら、営業所ごとに、所在地を管轄する公安委員会へ届出を、開始の十日前までに出します。書類は所定の様式2種と営業所の平面図、本籍記載の住民票、法人なら定款・登記事項証明書・役員全員の住民票です。窓口の課と手数料は所轄の警察署に確認してください。収容人員が三十人以上になるので、防火管理者を定める対象になります。建物全体での扱いは所轄の消防署に確認します。加盟店を募る前に、加盟前に渡す書面を作ります。店舗の数の推移、立地条件が類似する店舗の直近三事業年度の収支、訴えの件数、営業時間、定期的に徴収する金銭などを書き、当てはめを所管の中小企業庁に確認してください。
- 場所と道具。 駅から歩いて数分の、48席が入る約28坪の物件を借ります。炭火の煙を出す排気と脱臭の設備が要るので、建物の管理規約で炭火が使えるかを契約の前に確かめます(この試算では確認していません)。客席は原則屋内禁煙で、喫煙室を置くなら構造基準と店頭の表示が要ります。深夜に営業するなら、客室の見通しと照度二十ルクスを保てる内装にします。この試算は1店の内装と設備に20,000,000円、保証金に5,000,000円を置きましたが、実額ではありません。
- 仕入れ。 鶏肉(国産のブロイラーのもも肉とむね肉)、たれの材料、白炭、酒の仕入れ先を決めます。酒は酒類小売業免許を持つ業者から、料飲店として仕入れます。鶏肉の値段は月ごとに動き、東京の卸売価格は農林水産省の調査で公表されています。白炭は中立な公表値を見つけられなかったので、複数の仕入れ先で比べてください。加盟店に仕入れ先を指定するなら、指定する理由を契約と書面に書きます。
- 売る場所と受注の窓口。 店頭と看板と品書きに値段を出します。均一なのが串だけなら、飲み物と一品料理が別の値段であることを同じ面で分かるようにします。「国産」「炭火」などの表示は、実際と合っているかを仕入れの記録で確かめられるようにしておきます。宴会の予約を受けるなら、予約サイトの掲載料と手数料を確かめます。店頭には、禁煙か喫煙室ありかの表示を出します。
- 最初の1件までの順番。 順番を間違えると違法になる箇所が2つあります。1つは、飲食店営業の許可が出る前に営業すれば、二年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金。もう1つは、深夜の届出を出さずに0時以降に酒を出せば、五十万円以下の罰金です。物件を決める、保健所に図面を持って事前に相談する、工事、完成の10日くらい前に許可を申請する、施設の検査、許可、深夜の届出(開始の十日前まで)、開業。この順になります。加盟店なら、書面を渡して説明する、加盟契約、加盟者が自分の名義で許可を受ける、の順を守ります。1店のお金は内装と設備・保証金・開業前費用で26,500,000円(推定)。工事と許可にかかる日数は物件と保健所で変わるので、先に確かめてください。
この試算が外れるとしたら
- 客単価2,300円と1日の来店客数(弱気60人・標準80人・強気100人)に出典がない。居酒屋・パブの1店あたり売上高(年52.5百万円)と比べると、標準ケースの直営店は1.26倍、弱気ケースは0.95倍にあたる。客数が1割違えば会社の営業利益は4,415,558円動く
- 串1本の鶏肉を35グラム、仕入れ値を東京の卸売価格の1.25倍、歩留まりを90%、もも肉とむね肉を6対4と置いた。どれも出典がない。38グラムなら589,047円減る。卸売価格は大口の荷受価格で、店が払う値段ではない
- 飲み物の原価率28%と一品料理の32%、白炭の値段と使う量、人の時間(串打ち1時間120本など)に出典がない。串打ちが1時間100本なら613,870円減る
- アルバイトの時給1,350円は東京都の最低賃金の1.05倍として置いた。全国の宿泊業,飲食サービス業の短時間労働者の1時間当たり賃金1,234円は所定内給与額で、深夜の割増を含まない。東京の実際の時給は高い方向に外れうる
- アルバイトの法定福利を6.5%と置いた。社会保険の加入対象が広がれば、事業主負担16.51%がかかる時間がふえ、人件費は上がる方向に外れる
- 店長385,000円と本部の正社員460,000円は、全国・全産業や大分類の賃金に賞与と手当を推定で足したもので、職種別でも東京の値でもない
- 家賃1店500,000円、内装と設備20,000,000円、保証金5,000,000円に出典がない。駅と階と広さ、居抜きかどうかで大きく変わる
- ロイヤリティ4%・広告の分担金1%・加盟金3,000,000円・加盟開発1件800,000円は、どの本部の開示額も見ずに置いた推定である。ロイヤリティが3%なら1,380,000円減る
- 加盟店の年に閉じる割合(5%・8%・15%)と年の新規加盟に出典がない。加盟店の数が止まる高さはここから出ている
- 加盟店1店の損益を直営店と同じ形で置いた。加盟者が自分で店に立つなら人件費は下がる
- 3ケースは直営店15店を固定し、客数と加盟店数と鶏肉の値段だけを変えた。弱気ケースで直営店を閉じる判断は入れていない
- 回収39か月と年利回り19.3%は、直営15店が開いた後の月の数字で、そこまでの年数と谷を含まない。年2店の新店に要る年50,000,000円は、この現金の外にある
- 会社の法人税・消費税の納付・借入の利息と返済・役員報酬を試算の外に置いている。標準ケースの営業利益7,120,701円は、経営者本人の報酬を含めて、それらを引く前の数字である
- 食中毒・火災・近隣からの煙の苦情・訴訟の額を置いていない
- 業界団体の数字は、会員や把握したチェーンの集計で、外食やフランチャイズを広める立場の団体のものである。店舗数と売上高は推計値を含み、前年比の調査は水準を示さない
- この形に加盟前の書面の義務がかかるか、店で焼いて出す串の値段が再販売価格の拘束の条文でいう「当該商品の販売価格」にあたるか、工場での串打ちが食肉処理業にあたるか、ご飯物を出す店が深夜の届出の対象から外れるか、東京都で深夜の営業を禁じる地域があるかは、確認していない
前提と出典
版のことわり。 机上版です。現地には行っていません。当事者にも聞いていません。法令は本文を取得して、条番号・ただし書・括弧書き・罰則まで読みました。損益を決める数字(客数・客単価の内訳・串の原価・人の時間・家賃・出店費用・ロイヤリティの水準・加盟店の閉店率)には、中立な出典がありません。特定のチェーンや店の数字は使っていません。チェーンの公式サイトや加盟募集の資料も開いていません。
選ばなかった形。 直営店だけで広げる形、加盟店だけで本部を営む形、串を本部の工場で打って店へ送る形、本部が鶏肉やたれを加盟店に売って上乗せを取る形、持ち帰りの酒を売る形、深夜1時より後まで開ける形、昼も開ける形、郊外の路面店や商業施設の中に出す形、全国に広げる形、串の値段を品目ごとに変える形、ロイヤリティを定額や粗利で取る形。直営だけの形と加盟店だけの形は、割合がどう効くかを見るために同じ置き方で計算しました。工場で串を打つ形と、本部が食材に上乗せする形と、持ち帰りの串は、可能性のほうに回しています。
推定した箇所。 客単価と来店客数、串の原価、飲み物と一品料理の原価率、白炭、店の人の時間、賃金、家賃と店のその他の費用、出店費用、本部の収入の条件、本部の人員と固定費、店の数の動き、運転資金と在庫、経営者作業時間。置いた値と前提と弱点は、それぞれの箇所に書いてあります。
まだ分からないこと。 東京の駅の近くの家賃と出店費用の実額。串1本の肉の量と店の仕入れ値。白炭の価格の公表値。加盟店の閉店率と新規加盟の件数。この形に加盟前の書面の義務がかかるか。店で焼いて出す串の値段が再販売価格の拘束の条文の「当該商品の販売価格」にあたるか。工場での串打ちが食肉処理業にあたるか。ご飯物を常態で出す店が深夜の届出の対象から外れるか。東京都で深夜の営業を禁じる地域。会社設立の費用と期間、商標の審査期間、食品衛生責任者の講習の費用、深夜の届出の手数料。
出典。 A級34件、B級2件。C級・D級は使っていません。利害関係ありは2件(業界団体)で、業界の規模と前年比の参考にだけ使い、収支の数字には使っていません。
| 等級 | 出典 |
|---|---|
| A | 農畜産業振興機構「鶏肉の価格動向 東京の卸売価格」(資料 農林水産省「食鳥市況情報」) |
| A | 東京労働局「東京都最低賃金を1,280円に引上げます」 |
| A | 厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金全国一覧」 |
| A | 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」 |
| A | 協会けんぽ東京支部「令和8年3月分からの保険料率」 |
| A | 日本年金機構「保険料額表」 |
| A | e-Gov法令検索「厚生年金保険法」 |
| A | 厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」 |
| A | 厚生労働省「令和8年度の労災保険率等について」 |
| A | 厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」 |
| A | e-Gov法令検索「労働基準法」 |
| A | e-Gov法令検索「食品衛生法」「食品衛生法施行令」「食品衛生法施行規則」 |
| A | 東京都保健医療局「営業許可・届出の概要」 |
| A | 東京都「東京都食品衛生関係許可手数料」(令和8年4月1日から適用) |
| A | 厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」 |
| A | e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と同施行規則 |
| A | 警視庁「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」 |
| A | 国税庁「お酒に関するQ&A【販売業免許関係】」 |
| A | e-Gov法令検索「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」 |
| A | e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」 |
| A | 消費者庁「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」 |
| A | e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」と同施行規則 |
| A | 中小企業庁「特定連鎖化事業(フランチャイズ)について」 |
| A | 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」 |
| A | 公正取引委員会「不公正な取引方法」 |
| A | e-Gov法令検索「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」 |
| A | 東京都多摩府中保健所「飲食店における受動喫煙防止対策について」 |
| A | e-Gov法令検索「消防法施行令」 |
| A | 林野庁「令和6年度 森林・林業白書」「木炭の種類」 |
| A | 特許庁「産業財産権関係料金一覧」(令和8年4月1日現在) |
| B | 日本フランチャイズチェーン協会「2024年度JFAフランチャイズチェーン統計調査 報告」 |
| B | 日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査 令和7年(2025年)年間結果報告」 |
更新履歴。 2026-09-23 初版。誤りの指摘は歓迎します。

許認可・規約
飲食店営業の許可は店ごと
都道府県は、公衆衛生に与える影響が著しい営業であって政令で定めるものの施設につき、条例で基準を定める(食品衛生法第五十四条)。政令で定める営業の第一号が飲食店営業である(食品衛生法施行令第三十五条第一号)。この営業を営もうとする者は都道府県知事の許可を受けなければならず(食品衛生法第五十五条第一項)、知事は許可に五年を下らない有効期間その他の必要な条件を付けることができる(同条第三項)。許可を受けずに営めば二年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金(第八十二条第一項)。許可は施設ごとに受けるので、直営店も加盟店も店ごとに要る。加盟店の許可は加盟者の名義で受ける。東京都の手数料は飲食店営業の新規18,000円・継続8,900円(東京都食品衛生関係許可手数料、令和8年4月1日から適用)。東京都保健医療局は、書類を施設工事完成予定日の10日くらい前に保健所へ出すこと、申請か施設検査のときに衛生管理計画を確認すること、食品衛生責任者の資格を証明するものを付けることを示し、各特別区・八王子市・町田市の保健所では様式等が異なるので事前に各保健所に問い合わせるよう書いている。
衛生管理(HACCP)の線は、チェーンの大きさでは動かない
営業者は、厚生労働省令の基準に従い公衆衛生上必要な措置を定め、遵守しなければならない(食品衛生法第五十一条第二項)。飲食店営業を行う者は、店の数や従業員の数にかかわらず、取り扱う食品の特性に応じた取組を行う営業者にあたる(食品衛生法施行令第三十四条の二第二号、施行規則第六十六条の三第一号)。そのうえで衛生管理計画を作成し、手順書を必要に応じて作成し、実施状況を記録し保存することが求められる(施行規則第六十六条の二第三項)。
店で串を打つのと、工場で打って配るのとでは、許可の線が変わる
食肉処理業は、「解体された鳥獣の肉、内臓等を分割し、若しくは細切する営業」を含む(食品衛生法施行令第三十五条第九号)。店の中で切って刺して焼き、その店で出すのは飲食店営業の範囲で置いた。本部の工場で鶏肉を切って串に刺し、各店へ送る形は、食肉処理業の許可が要る読みになる。どちらの許可にあたるかは工場を所管する保健所の判断で、要確認。東京都の食肉処理業の手数料は新規25,500円。
鶏肉の加熱
厚生労働省のカンピロバクター食中毒予防Q&A(最終改正 令和8年5月27日)は、カンピロバクター食中毒が細菌性食中毒の中で近年発生件数が最も多いとし、令和7年は220件・患者1,226人と示している。鶏肉や内臓から高頻度で検出され、「新鮮だから安全」ではないとして、生や十分に加熱されていない鶏肉を食べないよう、食べさせないよう求めている。中心部を75℃以上で1分間以上加熱する方法は、同Q&Aでは家庭での予防方法として書かれている。飲食店にそのまま当てはめる基準としての記述ではない。同Q&Aは、平成30年に、カンピロバクター食中毒を発生させた事業者に対し告発等の厳正な措置を講ずるよう自治体に通知したと書いている。
深夜に酒を出すなら、営業所ごとに届出
「深夜」は午前零時から午前六時までである(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第十三条第一項)。酒類提供飲食店営業は、飲食店営業のうちバー、酒場その他客に酒類を提供して営む営業で、営業の常態として通常主食と認められる食事を提供して営むものを除く(同法第二条第十三項第四号)。これを深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、所在地を管轄する公安委員会に届出書を出さなければならない(第三十三条第一項)。届出書は深夜の営業を開始しようとする日の十日前までに出す(同法施行規則第百三条第三項)。出さなければ五十万円以下の罰金(法第五十五条第六号)。警視庁は届出に要る書類として、別記様式第47号・第48号、営業所の平面図、本籍記載の住民票、法人なら定款・登記事項証明書・役員全員の住民票を挙げている。手数料の記載は確認できなかった。この試算の店は翌1時まで酒を出すので、届出がかかる形で置いた。ご飯物などを「営業の常態として」出している店が酒類提供飲食店営業から外れるかの判断は所轄による。要確認。都道府県は条例で地域を定めて深夜の酒類提供飲食店営業を禁止できる(法第三十三条第四項)。東京都の条例の地域は確認していない。要確認。
深夜の飲食店の構造
深夜において飲食店営業を営む者は、営業所の構造と設備を技術上の基準に適合するよう維持しなければならない(法第三十二条第一項)。基準には、客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと、営業所内の照度が二十ルクス以下とならないこと、客室の出入口に施錠の設備を設けないこと(営業所外に直接通ずるものを除く)などがある(施行規則第九十九条・第百一条)。客室の床面積を一室九・五平方メートル以上とする基準には、客室が一室のみなら適用しないただし書がある(同第九十九条第一号)。この基準は酒類の提供の有無にかかわらず、深夜に営む飲食店営業にかかる。
深夜の労働
午後十時から午前五時までに労働させた時間には、通常の賃金の二割五分以上の割増賃金を払う(労働基準法第三十七条第四項)。満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までに使用してはならない(同法第六十一条第一項。交替制の十六才以上の男性などのただし書あり)。この試算の店は、営業の後半3時間(22時から翌1時)と閉店後の片付けが深夜にあたり、アルバイトの労働時間の35.4%に割増がかかる。
酒類の販売業免許の線
酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場で飲用に供する業には販売業免許は要らないが、テイクアウト用など営業場以外の場所で飲用に供される酒類を売るなら、販売場ごとに所轄税務署長から販売業免許を受ける必要がある(国税庁 お酒に関するQ&A 販売業免許関係Q3、酒税法第九条)。申請の手数料はないが登録免許税が課され、販売場ごとに酒類販売管理者を選任する。酒類の仕入れと販売の帳簿を付ける必要は、酒場で酒類を提供する場合も同じである(同Q3)。
二十歳未満の飲酒
営業者で業態上酒類を販売又は供与する者は、二十歳未満の者の飲用に供することを知って酒類を販売又は供与してはならず(二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律第一条第三項)、年齢の確認その他の必要な措置を講ずるものとする(同条第四項)。第三項の違反は五十万円以下の罰金(第三条第一項)で、法人の従業者が違反すれば法人にも同じ刑を科す(第四条)。
受動喫煙
健康増進法と東京都受動喫煙防止条例により、飲食店は原則屋内禁煙で、喫煙室を置くなら構造基準を満たし店頭に表示する(東京都多摩府中保健所)。喫煙可能店にできるのは、令和2年4月1日時点で営業していて、客席面積100平方メートル以下、個人又は資本金5千万円以下の中小企業が経営し、従業員を雇用していない店に限られる。従業員を雇う直営店と加盟店は、喫煙可能店にはならない。
防火管理者
飲食店を含む防火対象物で収容人員が三十人以上のものは、防火管理者を定める対象になる(消防法施行令第一条の二第三項第一号ロ)。 48席に従業者を加えると30人を超える。ただし建物が複合用途なら建物全体で判断が変わる。所轄の消防署に要確認。
加盟前の書面(中小小売商業振興法)
連鎖化事業のうち、加盟者に特定の商標・商号その他の表示を使用させ、加盟に際し加盟金・保証金その他の金銭を徴収する旨の定めがあるもの(特定連鎖化事業)を行う者は、加盟しようとする者と契約を締結しようとするときは、あらかじめ書面を交付し、記載事項について説明しなければならない(中小小売商業振興法第十一条第一項)。従わなければ勧告と公表(第十二条)。書面の記載事項には、直近の三事業年度の貸借対照表と損益計算書、直近の三事業年度の加盟者の店舗の数の推移、立地条件が類似する店舗の直近の三事業年度の収支、直近の五事業年度の訴えの件数、加盟者の店舗の営業時間と営業日、周辺の地域に同一又は類似の店舗を営業させる規定、定期的に徴収する金銭などがある(同法施行規則第十条)。中小企業庁は、「中小小売商業者」を「小売業(飲食を含む※)に属する事業を主たる事業として営む者」と説明し、特定連鎖化事業の6要件の1つに「継続的に商品を販売し、又は販売をあっせんすること」を置いて、「小売業でも飲食店等で商品供給が契約の条件となっていない場合など、6要件に当てはまらない場合は、特定連鎖化事業ではありません」としている。法律の第二条第二項の文言は「小売業に属する事業を主たる事業として営む者」で、飲食を含むとの記述は中小企業庁の説明の側にある。この試算の形は、本部が鶏肉・たれ・白炭の仕入れ先を決めて加盟店に指定の業者から買わせるので、販売のあっせんを契約の条件にしている読みになり、書面の義務がかかる側に置いた。当てはめは中小企業庁に要確認。
独占禁止法(フランチャイズ・ガイドライン)
公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(平成14年4月24日、改正 令和3年4月28日)は、加盟者の募集にあたり、商品等の供給条件、指導の内容と費用負担、加盟に際して徴収する金銭、ロイヤルティの額と算定方法、決済と融資、損失の補償と経営不振時の支援、契約の期間と更新・解除・中途解約の条件、ドミナント出店の条項と計画の8項目の開示が的確に実施されることが望ましいとし、予想売上げ又は予想収益を示すなら類似した環境にある既存店舗の実績等根拠ある事実、合理的な算定方法等に基づくことが必要としている。特定の時間帯の人手不足、人件費高騰等が生じている場合など、その時点で明らかになっている経営に悪影響を与える情報は、加盟希望者に示すことが望ましいとしている。販売価格については、統一的営業・消費者の選択基準の明示の観点から、必要に応じて希望価格の提示は許容されるとしたうえで、本部が加盟者に商品を供給している場合、加盟者の販売価格を拘束することは原則として独占禁止法第二条第九項第四号(再販売価格の拘束)に該当し、本部が商品を直接供給していない場合でも、加盟者が供給する商品又は役務の価格を不当に拘束する場合は一般指定の第12項(拘束条件付取引)に該当するとしている(地域市場の状況、本部の販売価格への関与の状況等を総合勘案)。独占禁止法第二条第九項第四号は「自己の供給する商品を購入する相手方」に「当該商品の販売価格」を拘束する行為を定める。本部が鶏肉やたれを供給した場合に、店で焼いて出す串の値段がこの「当該商品の販売価格」にあたるかは、確認していない。要確認。契約締結後については、正当な理由がないのに商品、原材料等の注文先を本部又は本部の指定する事業者に限ること(取引先の制限)、仕入数量の強制、事前の取決めに反するドミナント出店、営業時間の短縮の協議の一方的な拒絶などを、優越的地位の濫用(独占禁止法第二条第九項第五号)の例に挙げている。再販売価格の拘束は、十年以内に同じ違反で命令を受けていれば売上額の百分の三の課徴金(第二十条の五)。優越的地位の濫用を継続してした場合は、相手方との売上額の百分の一の課徴金(第二十条の六)。
景品表示法
事業者は、自己の供給する商品又は役務の品質等について実際のものよりも著しく優良であると示す表示、価格その他の取引条件について実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示をしてはならない(第五条第一号・第二号)。違反には売上額の百分の三の課徴金がかかり(第八条第一項)、相当の注意を怠った者でないと認められるときか、額が百五十万円未満のときは命じられない(同項ただし書)。消費者庁の「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」(平成26年3月28日、一部改定 平成28年4月1日)は、国産でない牛肉を「国産」と表示すること、単なる国産鶏肉を使いながら「××地鶏」と表示することを、景品表示法上問題となる例に挙げている。均一の値段が串だけで、飲み物や一品料理が別の値段なら、「全品」均一と読める表示は第五条第二号の線に近づく。どこまでが均一かを表示で分かるようにする前提で置いた。
社会保険と労働保険
店長と本部の正社員の人件費には事業主負担を入れた。健康保険料率9.85%・介護保険料率1.62%(協会けんぽ東京支部、令和8年3月分から)、子ども・子育て支援金率0.23%(令和8年4月分から)、厚生年金保険料率千分の百八十三(厚生年金保険法第八十一条)、子ども・子育て拠出金率0.36%(令和8年度)、雇用保険料率の事業主負担8.5/1,000(一般の事業、令和8年度)、労災保険率3/1,000(卸売業・小売業、飲食店又は宿泊業、令和8年度)。健康保険・介護保険・支援金・厚生年金は労使折半として、事業主負担を16.51%で数えた。厚生年金保険の被保険者数が法人全体で51人以上の企業等では、パート・アルバイトも既に社会保険の加入対象で、それ未満の企業等は規模に応じて順に対象になる(厚生労働省 社会保険適用拡大)。この会社の正社員は店長15名と本部14名で、所定労働時間の4分の3以上働くアルバイトを足して51人に届くかは、置いた人数では決まらない。アルバイトの人件費には、雇用保険と労災保険と、一部のアルバイトの社会保険を見込んで法定福利を6.5%(推定)乗せた。加入対象が広がれば上がる方向に外れる。
最低賃金
東京都の最低賃金は令和7年10月3日から1,226円(改定前1,163円)、令和8年10月1日から1,280円(東京労働局、令和8年9月1日に官報公示)。
推定で置いた数字の一覧
| 推定で置いた数字 | 前提 |
|---|---|
| 客単価と来店客数 | |
| 串の原価 | |
| 飲み物と一品料理の原価率 | |
| 白炭 | |
| 店の人の時間 | |
| 賃金 | |
| 家賃と店のその他の費用 | |
| 出店費用 | |
| 本部の収入の条件 | |
| 本部の人員と固定費 | |
| 店の数の動き | |
| 運転資金と在庫 | |
| 経営者作業時間 |
出典の一覧
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